JP2543698B2 - ビリルビン吸着剤 - Google Patents

ビリルビン吸着剤

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JP2543698B2 JP62102053A JP10205387A JP2543698B2 JP 2543698 B2 JP2543698 B2 JP 2543698B2 JP 62102053 A JP62102053 A JP 62102053A JP 10205387 A JP10205387 A JP 10205387A JP 2543698 B2 JP2543698 B2 JP 2543698B2
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善次郎 大澤
英行 黒田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血液中の高濃度のビリルビンを有効に、し
かも選択的に吸着除去することのできるビリルビン吸着
剤に関するものである。
[従来の技術及びその問題点] 急性薬物中毒や劇症肝炎のような症状では、解毒代謝
機能が低下し、血液中のビリルビン濃度が上昇する。し
たがって、このような症状の場合の緊急の治療には、血
液を体外循環して直接吸着剤と接触させ、血液中の高濃
度のビリルビンを吸着除去する直接血液潅流法が有効で
あり、現在、この方法のための吸着剤としては、活性
炭、イオン交換樹脂、合成樹脂吸着剤などが検討され、
一部臨床に使用されている。
しかしながら、活性炭では低分子量物質や中分子量物
質の吸着には優れているが、蛋白結合ビリルビンのよう
な高分子量物質の吸着除去は困難であり、満足すべきも
のではない。またイオン交換樹脂はビリルビン自体がイ
オン性物質であるため、吸着能力は高いが血液中の他の
イオン性物質をも吸着するため、電荷のバランスがくず
れるなどの不都合が生じる。この点電荷を持たない合成
樹脂吸着剤は、上記イオン交換樹脂のような不都合を生
じることがないが、やはり他のタンパク質や酵素などの
有用物質を、非選択的に吸着するという別の問題点があ
る。
[問題を解決するための手段] 上記のような現状に鑑み、本発明者らは、ビリルビン
を有効に、かつ選択的に吸着することのできる吸着剤を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至ったものである。
すなわち、本発明のビリルビン吸着剤は、ジビニルベ
ンゼン(以下、DVBと称する)とグリシジルメタクリレ
ート(以下、GMAと称する)の共重合体からなる多孔性
粒子を血しょうタンパク質または親水性合成ポリマーで
表面処理してなるもので、ビリルビンに対し、高い選択
吸着性を示すことを特徴としている。
本発明において用いることのできる多孔性粒子は、DV
BとGMAのモノマー混合物に沈殿剤を加え、水中で懸濁重
合後、生成した共重合体粒子を適宜な精製工程で処理し
て、該粒子中に残存している沈殿剤および未反応モノマ
ーを除去することにより得ることができる。
本発明でいう沈殿剤とは、「モノマーとは完全に相溶
するが、重合により生成したポリマーには親和性を示さ
ない溶媒」を意味し、該溶倍の共存下でモノマーを懸濁
重合すると、その多くは直径1μm以下の著しく微細な
ポリマー一次粒子を生成し、これが凝集体となって、一
般にマクロレティキュラー型多孔性樹脂と呼ばれる多孔
性粒子を形成する。
本発明において用いることのできる上記多孔性粒子の
DVB/GMAの共重合比率は、35〜99重量%/1〜65重量%の
範囲とするのが好ましく、特に65〜95重量%/5〜35重量
%の範囲であることが好ましい。DVBの共重合比率が35
重量%未満であると、得られる多孔性粒子はビリルビン
吸着に適した多孔化とならず、吸着性能が著しく低下
し、逆に99重量%を超えると粒子表面の性質が極度に疎
水性となるため、水に対する親和性が劣り、後の表面処
理工程が難しくなる。
上記多孔粒子において、一方の共重合成分であるDVB
は、高純度なDVBはもちろん使用可能であるが、一般に
工業用として供給されている工業用DVB(エチルビニル
ベンゼン及びその他の種々の混合物を含み、DVB純度約5
5重量%)も使用可能であり、工業用DVBを用いる場合の
GMAとの共重合比率は、DVB含有量を基準にして上記共重
合比率の範囲となるようにするのが好ましい。
上記DVB/GMA系多孔性粒子の多孔化に際して用いるこ
とのできる沈殿剤としては、炭素原子数5〜12個の一価
アルコールを用いるのが好ましい。炭素原子数5個未満
の一価アルコールは水に対する溶解度が大きく(たとえ
ば、炭素原子数4のn−ブタノールは水100ml中に30℃
で7.7g溶解する)、懸濁重合の際分散媒水相中へ溶解
し、モノマー相中のアルコール量が減少して目的とする
多孔化となりにくく、また炭素原子数が12個より大きい
アルコール(たとえば、テトラデカノールなど)は、DV
B/GMA混合モノマー中への溶解性が劣るため均一な多孔
化状態にならなかったり、粒子の強度が低下したりする
ことがあるので好ましくない。なお、炭素原子数5〜12
個の一価アルコールでも水に対する溶解度の大きなアル
コール(たとえば、tert−アミルアルコールは水100ml
中30℃で14g溶解する)は、炭素原子数5個未満の一価
アルコールと同様に分散媒水相中へ溶出し、目的とする
多孔化が得られないことがあるので、一価アルコールと
しては、炭素原子数が上記の範囲である上に水に対する
溶解度(水100ml中30℃における溶解g数)が7以下、
好ましくは5以下、特に好ましくは3以下であることが
さらに好ましい。
本発明において好ましく用いることのできる沈殿剤の
具体例としては、n−アミルアルコール、n−オクチル
アルコール、4−メチル−2−ペンタノール、3,5,5,−
トリメチルヘキサノール、ラウリルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、ジイソブチルカルビノールな
どである。
本発明において、多孔性粒子は、上記混合モノマーに
上記沈殿剤を存在させ、水性媒体中で懸濁重合すること
によって製造することができ、用いる沈殿剤の量は、DV
B/GMA系混合モノマー100重量部に対し、65〜180重量
部、特に80〜150重量部の範囲で加えるのが好ましい。
沈殿剤が65重量部より少ないと、良好な多孔化がえられ
にくくなり、180重量部より多くなると、多孔化が過度
となり、粒子強度の小さな粒子となることがある。ま
た、懸濁重合法は、それ自体特殊なものではなく、従来
公知の方法で行うことができる。生成した重合体粒子
は、適宜な精製方法、たとえば、始めに水、次いでメタ
ノールで洗浄し、さらにアセントで恒量になるまでソッ
クスレー抽出し、粒子中に残存している沈殿剤および未
反応モノマーを除去することにより、多孔性粒子を得る
ことができる。
かくして得られた多孔性粒子は、そのままでもビリル
ビン吸着用途に使用できるが、血液中の他の有用成分を
も非選択的に吸着する傾向にあるので、該多孔性粒子
は、血しょうタンパク質または親水性合成ポリマーで表
面処理され、これによってビリルビンに対して選択吸着
性を示す本発明の吸着剤が得られる。
上記多孔性粒子の表面処理に用いることのできる血し
ょうタンパク質の例としては、アルブミン、γ−グロブ
リン、フィブリノーゲンなどであり、親水性合成ポリマ
ーの例としてはポリビニルアルコールである。多孔性粒
子の表面処理は、該粒子が乾燥状態で供給された場合に
は、一度エタノール中に浸漬し、水で十分洗浄して親水
化処理を行った後この粒子と表面処理溶液を混合し、37
℃、3時間振とうを行い、次いでろ別することにより得
ることができる。上記表面処理溶液は、血しょうタンぱ
く質または親水性合成ポリマーの水溶液で、その濃度は
0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜7重量%が特に好まし
い。
上記表面処理を施した多孔性粒子は、高ビリルビン血
症患者の血清と接触させることにより、血清中のビリル
ビンを選択的に吸着させることができる。
[実施例] 以下、実施例にもとずいて、本発明をさらに詳細に説
明する。
実施例1 ウォーターバスに設置した撹拌翼およびコンデンサー
付きの1のセパラブルフラスコに、イオン交換水450g
を仕込み、140〜160rpmの撹拌下で分散剤[ポリビニル
アルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセノールGH−
23)6%水溶液]7.5gとNaCl18gを加えて溶解させ、水
相を形成させた。これにDVB(DVB含有率55%の工業用DV
B)22.5g及びGMA7.5gのモノマー混合物、沈殿剤として
の4−メチル−2−ペンタノール30g、及び重合開始剤
(ベンゾイルパーオキサイド)0.3gを加えて得られた混
合溶液を同じく撹拌下で加え、外温を60℃から90℃に段
階的に昇温しつつ7時間かけて重合反応を行った。反応
液は100メッシュの篩でろ過し、得られた重合体粒子は
始めに水、次いでメタノールで十分に洗浄し、さらにア
セトンにより恒量になるまでソックスレー抽出を行って
精製し、直径0.15〜0.4mm程度の多孔性粒子を、仕込み
モノマーに対し約90%の収率で得た。
上記で得られた多孔性粒子は一度エタノールに浸漬
後、水で十分洗浄して親水化処理を行った。その後、多
孔性粒子0.5g(乾燥時重量)を50ml三角フラスコに入
れ、これにアルブミン水溶液(5g/dl)10mlを加えて37
℃で3時間振とうを行った後ろ別した。次ぎにろ別後の
粒子と高ビリルビン血症患者から採取した血清1mlを試
験管に入れ37℃で2時間吸着試験を行った。血清中の成
分を測定した結果、吸着試験前の総ビリルビン量が12.6
5mg/dlであったものが、試験後その85%が吸着され1.90
mg/dlに減少した。しかしながら総タンパク量6.88g/dl
は吸着試験後も変化せず、きわめて優れたビリルビン選
択吸着性を示した。
比較例1 実施例1と、同様の方法で調製した多孔性粒子をアル
ブミン水溶液による表面処理を行わずに、そのまま実施
例1同様のビリルビン吸着試験を行った。その結果、総
ビリルビンの98%が吸着されたが、総タンパクも92%吸
着されており、選択吸着性は認められなかった。
実施例2 実施例1と同様の方法で調製した多孔性粒子をγ−グ
ロブリン水溶液(5g/dl)10mlで表面処理した。この粒
子について以下のような模擬血清による吸着試験を行っ
た。
ビリルビン15mgにジメチルスルホキシド1.0ml、0.1M
炭酸ナトリウム2.0mlを加えて溶解し、これに0.134Mリ
ン酸緩衡液(pH7.4)を用いて調製したアルブミン標準
液(5.5g/dl)を加え、pHを7.4に調整して、高ビリルビ
ン値模擬血清とした。この模擬血清を用いて実施例1と
同様の吸着試験を行った結果、総ビリルビンの97%が吸
着されたが、アルブミンの吸着率は43%であり、選択吸
着性を有するものであった。
実施例3 実施例1と、同様の方法で調製した多孔性粒子をフィ
ブリノーゲン水溶液(5g/dl)10mlで表面処理した粒子
について、実施例2と同様に高ビリルビン値模擬血清に
よる吸着試験を行った。その結果、総ビリルビンの98%
が吸着されたが、アルブミン吸着率は60%であり、選択
吸着性を有するものであった。
実施例4 実施例1と同様の方法で調製した多孔性粒子をポリビ
ニルアルコール(重合度1500)の水溶液(5g/dl)10ml
で表面処理した粒子について、実施例2と同様に高ビリ
ルビン値模擬血清による吸着試験を行った。その結果、
総ビリルビンの98%が吸着されたが、アルブミン吸着率
は77%であり、選択吸着性を有するものであった。
比較例2 実施例1と同様の方法で調製した多孔性粒子を、表面
処理を行わず、実施例2の高ビリルビン値模擬血清を用
いて吸着試験を行った。その結果、総ビリルビンの99%
を吸着したが、アルブミンも92%吸着し、選択吸着性は
認められなかった。
[発明の効果] 本発明のビリルビン吸着剤は、DVBとGMAの共重合体か
らなる多孔性粒子を、血しょうタンパク質あるいは親水
性合成ポリマーで表面処理したものからなっており、ビ
リルビンに対する高い選択吸着性を有し、かつ効果的に
吸着することのできる優れたものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジビニルベンゼンとグリシジルメタクリレ
    ートの共重合体からなる多孔性粒子を、血しょうタンパ
    ク質または親水性合成ポリマーで表面処理してなること
    を特徴とする選択吸着性ビリルビン吸着剤。
  2. 【請求項2】前記血しょうタンパク質がアルブミン、γ
    −グロブリンまたはフィブリノーゲンである特許請求の
    範囲第1項に記載のビリルビン吸着剤。
  3. 【請求項3】前記親水性合成ポリマーがポリビニルアル
    コールである特許請求の範囲第1項に記載のビリルビン
    吸着剤。
  4. 【請求項4】前記血しょうタンパク質がアルブミンであ
    る特許請求の範囲第1項に記載のビリルビン吸着剤。
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