JP2543676B2 - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents
車両用無段変速機の制御装置Info
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- JP2543676B2 JP2543676B2 JP61017407A JP1740786A JP2543676B2 JP 2543676 B2 JP2543676 B2 JP 2543676B2 JP 61017407 A JP61017407 A JP 61017407A JP 1740786 A JP1740786 A JP 1740786A JP 2543676 B2 JP2543676 B2 JP 2543676B2
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Description
この発明は、車両の自己診断機能を備えた車両用無段
変速機の制御装置に関するものである。
変速機の制御装置に関するものである。
（ｉ）自動二輪車には、例えば、変速比を無段階に変化
させる無段変速機を備えたものがある。この無段変速機
は広範囲に変化する走行条件に応じて、車速情報、機関
回転速度情報及びスロットル開度情報に基づいて変速比
を自動的に設定し、内燃機関の効率的な運転を可能にし
ている。 （ii）内燃機関の回転を歯車式多段変速機で変速して車
軸に伝え、且つ車両の運転状態を検知するセンサの検知
信号をコントローラに入力し、このコントローラから出
力される制御信号によりトランスミッションアクチュエ
ータを作動して、車両の運転状態に応じたギヤポジショ
ンにするようにした車両用多段自動変速機の制御装置に
おいて、センサ、アクチュエータ類に異常が発生したこ
とによる信号のコントローラに入力し、コントローラか
ら出力されるギヤポジション信号及び異常発生信号を表
示部に出力し、ギヤポジション信号に基づいて日文字表
示管にギヤポジションを数字にて表示し、異常発生信号
に基づいて警報表示装置にて警報表示を行ない、且つ点
検コネクタを外して前記表示管に異常箇所を記号で表示
するようにしたもの（例えば、特開昭59−26646号公報
参照）がある。
させる無段変速機を備えたものがある。この無段変速機
は広範囲に変化する走行条件に応じて、車速情報、機関
回転速度情報及びスロットル開度情報に基づいて変速比
を自動的に設定し、内燃機関の効率的な運転を可能にし
ている。 （ii）内燃機関の回転を歯車式多段変速機で変速して車
軸に伝え、且つ車両の運転状態を検知するセンサの検知
信号をコントローラに入力し、このコントローラから出
力される制御信号によりトランスミッションアクチュエ
ータを作動して、車両の運転状態に応じたギヤポジショ
ンにするようにした車両用多段自動変速機の制御装置に
おいて、センサ、アクチュエータ類に異常が発生したこ
とによる信号のコントローラに入力し、コントローラか
ら出力されるギヤポジション信号及び異常発生信号を表
示部に出力し、ギヤポジション信号に基づいて日文字表
示管にギヤポジションを数字にて表示し、異常発生信号
に基づいて警報表示装置にて警報表示を行ない、且つ点
検コネクタを外して前記表示管に異常箇所を記号で表示
するようにしたもの（例えば、特開昭59−26646号公報
参照）がある。
（ｉ）の車両用無段変速機の制御装置は、走行条件に
応じて変速比を自動的に変化させるようになっている
が、車速、機関回転速度等の運転状態を検出する運転状
態検出センサの動作、変速機自体の動作、制御手段等の
動作が適切に行なわれているか否かを的確に知ることが
できず、適切な時期にメンテナンスを行なうことができ
ない欠点がある。 （ii）の車両用多段変速機の制御装置は、ギヤポジシ
ョン信号に基づいて日文字表示管にギヤポジションを数
字にて表示し、異常発生信号に基づいて警報表示装置に
て警報表示を行ない、且つ点検コネクタを外して前記表
示管に異常箇所を記号で表示するようになっているが、
日文字表示管には、ギヤポジションが表示されるだけ
で、スロットル開度、機関回転数及び車速が表示されな
いから、車両の運転状態を容易且つ正確に把握できない
欠点がある。 この発明の解決しようとする課題は、上記（ｉ）及び
（ii）の制御装置が有している欠点を有しない車両用無
断変速機の制御装置を提供すること、換言すると、車両
の運転状態及び摩擦式無段変速機の動作状況を正確に把
握できて、自己診断によりメンテナンスを適切に行なう
ことができ、車両の運転が容易且つ安全になる車両用無
段変速機の制御装置を提供することにある。
応じて変速比を自動的に変化させるようになっている
が、車速、機関回転速度等の運転状態を検出する運転状
態検出センサの動作、変速機自体の動作、制御手段等の
動作が適切に行なわれているか否かを的確に知ることが
できず、適切な時期にメンテナンスを行なうことができ
ない欠点がある。 （ii）の車両用多段変速機の制御装置は、ギヤポジシ
ョン信号に基づいて日文字表示管にギヤポジションを数
字にて表示し、異常発生信号に基づいて警報表示装置に
て警報表示を行ない、且つ点検コネクタを外して前記表
示管に異常箇所を記号で表示するようになっているが、
日文字表示管には、ギヤポジションが表示されるだけ
で、スロットル開度、機関回転数及び車速が表示されな
いから、車両の運転状態を容易且つ正確に把握できない
欠点がある。 この発明の解決しようとする課題は、上記（ｉ）及び
（ii）の制御装置が有している欠点を有しない車両用無
断変速機の制御装置を提供すること、換言すると、車両
の運転状態及び摩擦式無段変速機の動作状況を正確に把
握できて、自己診断によりメンテナンスを適切に行なう
ことができ、車両の運転が容易且つ安全になる車両用無
段変速機の制御装置を提供することにある。
この発明は、前記課題を解決するための手段として、
次の発明の構成を採用するものである。 この発明の構成は、入力側回転部材と、出力側回転部
材と、入力側回転部材と出力側回転部材との間に配置さ
れ且つそれらと接触する中間回転部材と、中間回転部材
の入力側回転部材及び出力側回転部材に対する接触位置
を変えて変速比を変化させる変速機駆動手段とからなる
摩擦式無段変速機を備え、内燃機関の回転を伝動機構を
介して入力側回転部材に伝え、入力側回転部材の回転を
中間回転部材を介して出力側回転部材に伝え、出力側回
転部材の回転を伝動機構を介して車軸に伝え、且つ運転
状態検出センサの検知信号を制御回路に入力して、制御
回路にて前記無段変速機の変速比を設定し、制御回路に
て設定した変速比になるように変速機駆動手段を作動さ
せるようにした車両用無段変速機の制御装置において、
運転状態検出センサとしてのスロットル開度センサ、機
関回転速度検出センサ及び車速検出センサと、制御状態
検出センサとしての変速機駆動手段動作検出センサ、変
速機動作検出センサ及び制御回路動作検出センサと、運
転状態検出センサの各センサの出力信号及び制御状態検
出センサの各センサの出力信号を入力して自己診断を行
なう自己診断手段と、運転情報表示部と異常警報表示部
からなる診断表示部とを備え、診断結果として、変速
比、スロットル開度、機関回転数及び車速を運転情報表
示部に表示するとともに、異常という診断結果の出た事
項について異常警報表示部に警報表示を行なうようにし
たことを特徴とする車両用無段変速機の制御装置にあ
る。
次の発明の構成を採用するものである。 この発明の構成は、入力側回転部材と、出力側回転部
材と、入力側回転部材と出力側回転部材との間に配置さ
れ且つそれらと接触する中間回転部材と、中間回転部材
の入力側回転部材及び出力側回転部材に対する接触位置
を変えて変速比を変化させる変速機駆動手段とからなる
摩擦式無段変速機を備え、内燃機関の回転を伝動機構を
介して入力側回転部材に伝え、入力側回転部材の回転を
中間回転部材を介して出力側回転部材に伝え、出力側回
転部材の回転を伝動機構を介して車軸に伝え、且つ運転
状態検出センサの検知信号を制御回路に入力して、制御
回路にて前記無段変速機の変速比を設定し、制御回路に
て設定した変速比になるように変速機駆動手段を作動さ
せるようにした車両用無段変速機の制御装置において、
運転状態検出センサとしてのスロットル開度センサ、機
関回転速度検出センサ及び車速検出センサと、制御状態
検出センサとしての変速機駆動手段動作検出センサ、変
速機動作検出センサ及び制御回路動作検出センサと、運
転状態検出センサの各センサの出力信号及び制御状態検
出センサの各センサの出力信号を入力して自己診断を行
なう自己診断手段と、運転情報表示部と異常警報表示部
からなる診断表示部とを備え、診断結果として、変速
比、スロットル開度、機関回転数及び車速を運転情報表
示部に表示するとともに、異常という診断結果の出た事
項について異常警報表示部に警報表示を行なうようにし
たことを特徴とする車両用無段変速機の制御装置にあ
る。
この発明の車両用無段変速機の制御装置は、運転状態
検出センサの各センサの出力信号及び制御状態検出セン
サの各センサの出力信号を自己診断手段に入力して、自
己診断手段にて自己診断を行い、診断結果として、変速
比、スロットル開度、機関回転数及び車速を運転情報表
示部に表示するとともに、異常という診断結果の出た事
項について異常警報表示部に警報表示を行なう。そのた
め、運転情報表示部に表示される変速比、スロットル開
度、機関回転数及び車速及び異常警報表示部に警報表示
される異常という診断結果の出た事項とから、車両の運
転状態及び摩擦式無段変速機等の動作状況を正確に把握
することができる。
検出センサの各センサの出力信号及び制御状態検出セン
サの各センサの出力信号を自己診断手段に入力して、自
己診断手段にて自己診断を行い、診断結果として、変速
比、スロットル開度、機関回転数及び車速を運転情報表
示部に表示するとともに、異常という診断結果の出た事
項について異常警報表示部に警報表示を行なう。そのた
め、運転情報表示部に表示される変速比、スロットル開
度、機関回転数及び車速及び異常警報表示部に警報表示
される異常という診断結果の出た事項とから、車両の運
転状態及び摩擦式無段変速機等の動作状況を正確に把握
することができる。
この発明の一実施例を第１図〜第５図を使って詳細に
説明する。 第１図はこの発明の基本構成を示すブロック図であ
る。第１図の符号１は、運転状態検出センサで、内燃機
関のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、
内燃機関の回転速度を検出する機関回転速度検出セン
サ、及び車両の走行速度を検出する車速検出センサ等で
構成されている。 第１図の符号２は、変速機の制御状態検出センサで、
制御回路動作検出センサ３、変速機駆動手段動作検出セ
ンサ４及び変速機動作検出センサ５から構成されてい
る。制御回路作動検出センサ３は、回路部の接触不良、
誤動作等の動作状態を検出する。また、変速機駆動手段
動作検出センサ４は、リンク部やモータ部の動作状態を
検出する。変速機動作検出センサ５は、変速機自体の動
作状態を検出する。 これらのセンサ1,3,4,5の出力信号は自己診断手段６
に入力され、この自己診断手段６で各動作の診断が行な
われて、その診断結果が診断表示部７に表示される。診
断表示部７は、変速比表示部８、車速表示部９、機関回
転速度表示部10及びスロットル開度表示部11からなる運
転情報表示部と、異常警報表示部12とから構成されてい
る。 第２図は、この発明を自動二輪車に適用した場合の内
燃機関、摩擦式無段変速機、運転状態検出センサ、制御
状態検出センサ等の概要を示すものであり、その自動二
輪車に搭載した内燃機関20の吸気系21には図示されてい
ないスロットルバルブが配置され、このスロットルバル
ブの開度によって混合気の吸気量が制御される。スロッ
トル開度検出手段22では、このスロットルバルブの開度
を検出して、内燃機関10に供給される混合気の吸気量を
検知している。 内燃機関20のエンジンケース23には、ピストン24によ
り駆動されるクランク軸25が回転可能に軸支されてい
る。クランク軸25の一方の端部には遠心クラッチ26を介
してトロイダル形無段変速機（摩擦式無段変速機）27が
連結されている。機関回転速度検出センサ28は、クラン
ク軸25の回転速度から内燃機関20の回転速度を検出す
る。 トロイダル形無段変速機27の入力軸29は、ハウジング
30とエンジンケース23との間に回動自在に軸支されてい
る。 入力軸29には、カムプレート31が一体回転可能に配置
され、入力ディスク（入力側回転部材）33が遊嵌され、
カムプレート31の回転がコロ32を介して入力ディスク33
に伝達される。出力ディスク（出力側回転部材）34は、
入力軸29に遊嵌され、入力ディスク33に対向して配設さ
れている。入力ディスク33及び出力ディスク34の回転曲
面33a、34a間に１対のパワーローラ（中間回転部材）35
が配設されている。入力ディスク33からの動力は、これ
らのパワーローラ35を介して、出力ディスク34へ摩擦に
より伝達される。これらのパワーローラ35は、それぞれ
ローラ軸36に回動可能に設けられ、ローラ軸36はトラニ
オン37に回動自在に軸支されている。 トラニオン37はローラ軸36と直交する方向に配置され
ている。トラニオン37の上部には、第３図に示すよう
に、変速機駆動手段Ａが配置されている。そのリンク機
構38は回転軸39の駆動で作動し、トラニオン37を駆動す
る。この回転軸39は駆動モータ40により駆動され、この
回転軸39の回転でトラニオン37を軸方向に少量移動させ
ると、周知の自動変速作用が生じ、所望の変速比が得ら
れるようになっている。 変速機変速位置検出センサ41が、回転軸39に設けら
れ、変速機動作検出センサ５の機能を果たし、変速機駆
動手段位置検出センサ42が、駆動モータ40に設けられ、
変速機駆動手段動作検出センサ４の機能を果たし、これ
らのセンサ41、42の検出信号はそれぞれ自己診断手段６
に入力するようになっている。 出力ディスク34の軸部には、出力ギヤ43が形成され、
出力ギヤ43は二次変速機44を構成する連結軸45のギヤ46
と噛合している。連結軸45の他端部にはギヤ47が設けら
れ、ギヤ47は出力軸48のギヤ49に噛合している。 出力軸48のエンジンケース23から突出する端部にドラ
イブスプロケット50が設けられている。このドライブス
プロケット50に掛けられた図示されていないチェーンに
より、駆動軸へ動力を伝達するようになっている。 出力軸48の回転速度は車速検出センサ51で検出され、
この車速情報は制御回路52に入力され、制御回路52に
は、スロットル開度検出センサ22からスロットル開度情
報及び機関回転速度検出センサ28から機関回転速度情報
が入力され、これらの情報に基づいて指令変速比を演算
して制御信号を出力するようになっている。この制御信
号に基づいて変速機駆動手段Ａの一部を構成する駆動モ
ータ40が駆動される。 スロットル開度検出センサ22、機関回転速度検出セン
サ28、車速検出センサ51、制御回路作動検出センサ３、
変速機駆動手段動作検出センサ４及び変速機動作検出セ
ンサ５の出力信号は、それぞれ自己診断手段６に入力さ
れている。 診断表示部は、第４図に示すように、変速比表示部
８、車速表示部９、機関回転速度表示部10及びスロット
ル開度表示部11からなる状態表示部と、各表示部８〜11
に対応させて設けた異常警報表示部12とで構成されてい
る。 自己診断手段６による診断結果として、現在の変速
比、車速、機関回転速度及びスロットル開度を状態表示
部に表示し、同時に、異常という診断結果の出た事項が
ある場合には、それに対応する異常警報表示部12に警報
表示（例えば、ランプを点灯又は点滅）をする。 これらの表示はアナログ表示でもデジタル表示でもよ
く、その表示を発光ダイオード又は液晶により行なって
もよい。また、これらの表示を第５図に示すような表示
メータ装置のインジケータランプを用いて行なってもよ
い。 次に、実施例の作動について説明する。 自己診断手段６による診断結果が、例えば、変速機駆
動手段Ａを動作しているのに変速比が変わらない場合に
は、変速機駆動手段Ａのリンク部、変速機駆動手段Ａ、
変速機27本体、制御回路32等の作動不良で、その状態を
変速機表示部８から知ることができる。 また、変速機駆動手段Ａを動作しているのに、変速機
駆動手段Ａが働かない場合には、変速機駆動手段Ａ、変
速機駆動手段位置検出センサ42、制御回路52部等の不良
で、その状態を変速比表示８から知ることができる。 さらに、機関回転速度がストール回転速度より高くて
も、車速信号が入力されない場合には、車速検出センサ
51自体の不良、リード線切断、回路部の不良で、車速表
示部９に車速が表示されないか、適切な表示が行なわれ
ない。 また、機関回転速度が吹き上がり、変速比が増加する
キックダウン状態なのにスロットル開度に変化がない場
合には、スロットル開度検出センサ22の不良、リード線
切断、回路部不良等であり、スロットル開度表示部11か
ら知ることができる。 これらの異常は、異常警報表示部12にランプを点灯又
は点滅して行なわれる。 このように、運転者にとっては、運転情報及びその異
常を正確に知ることができるから、運転が容易になり、
異常に対する適切な対応が可能になる。また、作業者に
とっては、各種メンテナンスを行なう場合の情報が得ら
れ、メンテナンスが容易になる。 さらに、現在の変速比を常時表示することにより、異
常の発見が容易になり、変速比がロー状態か否かの確認
ができ、発進の際に変速比がロー状態にない時は、変速
比をロー側にして円滑な発進を行なうことができる。 なお、実施例では、この発明を自動二輪車に適用した
例を説明したが、この発明は自動三輪車、自動四輪車等
にも同様に適用できる。
説明する。 第１図はこの発明の基本構成を示すブロック図であ
る。第１図の符号１は、運転状態検出センサで、内燃機
関のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、
内燃機関の回転速度を検出する機関回転速度検出セン
サ、及び車両の走行速度を検出する車速検出センサ等で
構成されている。 第１図の符号２は、変速機の制御状態検出センサで、
制御回路動作検出センサ３、変速機駆動手段動作検出セ
ンサ４及び変速機動作検出センサ５から構成されてい
る。制御回路作動検出センサ３は、回路部の接触不良、
誤動作等の動作状態を検出する。また、変速機駆動手段
動作検出センサ４は、リンク部やモータ部の動作状態を
検出する。変速機動作検出センサ５は、変速機自体の動
作状態を検出する。 これらのセンサ1,3,4,5の出力信号は自己診断手段６
に入力され、この自己診断手段６で各動作の診断が行な
われて、その診断結果が診断表示部７に表示される。診
断表示部７は、変速比表示部８、車速表示部９、機関回
転速度表示部10及びスロットル開度表示部11からなる運
転情報表示部と、異常警報表示部12とから構成されてい
る。 第２図は、この発明を自動二輪車に適用した場合の内
燃機関、摩擦式無段変速機、運転状態検出センサ、制御
状態検出センサ等の概要を示すものであり、その自動二
輪車に搭載した内燃機関20の吸気系21には図示されてい
ないスロットルバルブが配置され、このスロットルバル
ブの開度によって混合気の吸気量が制御される。スロッ
トル開度検出手段22では、このスロットルバルブの開度
を検出して、内燃機関10に供給される混合気の吸気量を
検知している。 内燃機関20のエンジンケース23には、ピストン24によ
り駆動されるクランク軸25が回転可能に軸支されてい
る。クランク軸25の一方の端部には遠心クラッチ26を介
してトロイダル形無段変速機（摩擦式無段変速機）27が
連結されている。機関回転速度検出センサ28は、クラン
ク軸25の回転速度から内燃機関20の回転速度を検出す
る。 トロイダル形無段変速機27の入力軸29は、ハウジング
30とエンジンケース23との間に回動自在に軸支されてい
る。 入力軸29には、カムプレート31が一体回転可能に配置
され、入力ディスク（入力側回転部材）33が遊嵌され、
カムプレート31の回転がコロ32を介して入力ディスク33
に伝達される。出力ディスク（出力側回転部材）34は、
入力軸29に遊嵌され、入力ディスク33に対向して配設さ
れている。入力ディスク33及び出力ディスク34の回転曲
面33a、34a間に１対のパワーローラ（中間回転部材）35
が配設されている。入力ディスク33からの動力は、これ
らのパワーローラ35を介して、出力ディスク34へ摩擦に
より伝達される。これらのパワーローラ35は、それぞれ
ローラ軸36に回動可能に設けられ、ローラ軸36はトラニ
オン37に回動自在に軸支されている。 トラニオン37はローラ軸36と直交する方向に配置され
ている。トラニオン37の上部には、第３図に示すよう
に、変速機駆動手段Ａが配置されている。そのリンク機
構38は回転軸39の駆動で作動し、トラニオン37を駆動す
る。この回転軸39は駆動モータ40により駆動され、この
回転軸39の回転でトラニオン37を軸方向に少量移動させ
ると、周知の自動変速作用が生じ、所望の変速比が得ら
れるようになっている。 変速機変速位置検出センサ41が、回転軸39に設けら
れ、変速機動作検出センサ５の機能を果たし、変速機駆
動手段位置検出センサ42が、駆動モータ40に設けられ、
変速機駆動手段動作検出センサ４の機能を果たし、これ
らのセンサ41、42の検出信号はそれぞれ自己診断手段６
に入力するようになっている。 出力ディスク34の軸部には、出力ギヤ43が形成され、
出力ギヤ43は二次変速機44を構成する連結軸45のギヤ46
と噛合している。連結軸45の他端部にはギヤ47が設けら
れ、ギヤ47は出力軸48のギヤ49に噛合している。 出力軸48のエンジンケース23から突出する端部にドラ
イブスプロケット50が設けられている。このドライブス
プロケット50に掛けられた図示されていないチェーンに
より、駆動軸へ動力を伝達するようになっている。 出力軸48の回転速度は車速検出センサ51で検出され、
この車速情報は制御回路52に入力され、制御回路52に
は、スロットル開度検出センサ22からスロットル開度情
報及び機関回転速度検出センサ28から機関回転速度情報
が入力され、これらの情報に基づいて指令変速比を演算
して制御信号を出力するようになっている。この制御信
号に基づいて変速機駆動手段Ａの一部を構成する駆動モ
ータ40が駆動される。 スロットル開度検出センサ22、機関回転速度検出セン
サ28、車速検出センサ51、制御回路作動検出センサ３、
変速機駆動手段動作検出センサ４及び変速機動作検出セ
ンサ５の出力信号は、それぞれ自己診断手段６に入力さ
れている。 診断表示部は、第４図に示すように、変速比表示部
８、車速表示部９、機関回転速度表示部10及びスロット
ル開度表示部11からなる状態表示部と、各表示部８〜11
に対応させて設けた異常警報表示部12とで構成されてい
る。 自己診断手段６による診断結果として、現在の変速
比、車速、機関回転速度及びスロットル開度を状態表示
部に表示し、同時に、異常という診断結果の出た事項が
ある場合には、それに対応する異常警報表示部12に警報
表示（例えば、ランプを点灯又は点滅）をする。 これらの表示はアナログ表示でもデジタル表示でもよ
く、その表示を発光ダイオード又は液晶により行なって
もよい。また、これらの表示を第５図に示すような表示
メータ装置のインジケータランプを用いて行なってもよ
い。 次に、実施例の作動について説明する。 自己診断手段６による診断結果が、例えば、変速機駆
動手段Ａを動作しているのに変速比が変わらない場合に
は、変速機駆動手段Ａのリンク部、変速機駆動手段Ａ、
変速機27本体、制御回路32等の作動不良で、その状態を
変速機表示部８から知ることができる。 また、変速機駆動手段Ａを動作しているのに、変速機
駆動手段Ａが働かない場合には、変速機駆動手段Ａ、変
速機駆動手段位置検出センサ42、制御回路52部等の不良
で、その状態を変速比表示８から知ることができる。 さらに、機関回転速度がストール回転速度より高くて
も、車速信号が入力されない場合には、車速検出センサ
51自体の不良、リード線切断、回路部の不良で、車速表
示部９に車速が表示されないか、適切な表示が行なわれ
ない。 また、機関回転速度が吹き上がり、変速比が増加する
キックダウン状態なのにスロットル開度に変化がない場
合には、スロットル開度検出センサ22の不良、リード線
切断、回路部不良等であり、スロットル開度表示部11か
ら知ることができる。 これらの異常は、異常警報表示部12にランプを点灯又
は点滅して行なわれる。 このように、運転者にとっては、運転情報及びその異
常を正確に知ることができるから、運転が容易になり、
異常に対する適切な対応が可能になる。また、作業者に
とっては、各種メンテナンスを行なう場合の情報が得ら
れ、メンテナンスが容易になる。 さらに、現在の変速比を常時表示することにより、異
常の発見が容易になり、変速比がロー状態か否かの確認
ができ、発進の際に変速比がロー状態にない時は、変速
比をロー側にして円滑な発進を行なうことができる。 なお、実施例では、この発明を自動二輪車に適用した
例を説明したが、この発明は自動三輪車、自動四輪車等
にも同様に適用できる。
この発明の車両用無段変速機の制御装置は、運転状態
検出センサとしてのスロットル開度センサ、機関回転速
度検出センサ及び車速検出センサと、制御状態検出セン
サとしての変速機駆動手段動作検出センサ、変速機動作
検出センサ及び制御回路動作検出センサと、運転状態検
出センサの各センサの出力信号及び制御状態検出センサ
の各センサの出力信号を入力して自己診断を行なう自己
診断手段と、運転情報表示部と異常警報表示部からなる
診断表示部とを備え、診断結果として、変速比、スロッ
トル開度、機関回転数及び車速を運転情報表示部に表示
するとともに、異常という診断結果の出た事項について
異常警報表示部に警報表示を行なうようになっていて、
運転情報表示部に表示される変速比、スロットル開度、
機関回転速度及び車速と、異常警報表示部に表示される
警報表示とから、車両の運転状態及び摩擦式無段変速機
等の動作状況を正確に把握し、車両の運転を容易且つ安
全に行うことができ、適切な時期にメンテナンスを行う
ことが可能になる。 また、入力側回転部材と、出力側回転部材と、入力側
回転部材と出力側回転部材との間に配置され且つそれら
と接触する中間回転部材と、中間回転部材の入力側回転
部材及び出力側回転部材に対する接触位置を変えて変速
比を変化させる変速機駆動手段とからなる摩擦式無段変
速機は、歯車式多段変速機に比して構造が簡単である
が、中間回転部材と入力側回転部材及び出力側回転部材
との接触面ですべりが生じやすく、変速比が一定しにく
いという短所がある。ところが、本発明の車両用無段変
速機の制御装置は、その変速比とその異状が診断表示部
に表示されるから、その短所を容易に補うことができ
る。すなわち、車両の運転状態及び摩擦式無段変速機等
の動作状況を正確に把握できるから、適切な時期に摩擦
式無段変速機のメンテナンスを行って、変速比の変動を
おさえることが可能になる。 さらに、本発明の車両用無段変速機の制御装置では、
現在の変速比、スロットル開度、機関回転速度等が運転
情報表示部に表示され、異常の発見が容易になり、発進
の際に、変速比がロー状態にあるか否かの確認をし、変
速比がロー状態にない時には、変速比をロー側にして円
滑な発進を行なうことが可能になる。
検出センサとしてのスロットル開度センサ、機関回転速
度検出センサ及び車速検出センサと、制御状態検出セン
サとしての変速機駆動手段動作検出センサ、変速機動作
検出センサ及び制御回路動作検出センサと、運転状態検
出センサの各センサの出力信号及び制御状態検出センサ
の各センサの出力信号を入力して自己診断を行なう自己
診断手段と、運転情報表示部と異常警報表示部からなる
診断表示部とを備え、診断結果として、変速比、スロッ
トル開度、機関回転数及び車速を運転情報表示部に表示
するとともに、異常という診断結果の出た事項について
異常警報表示部に警報表示を行なうようになっていて、
運転情報表示部に表示される変速比、スロットル開度、
機関回転速度及び車速と、異常警報表示部に表示される
警報表示とから、車両の運転状態及び摩擦式無段変速機
等の動作状況を正確に把握し、車両の運転を容易且つ安
全に行うことができ、適切な時期にメンテナンスを行う
ことが可能になる。 また、入力側回転部材と、出力側回転部材と、入力側
回転部材と出力側回転部材との間に配置され且つそれら
と接触する中間回転部材と、中間回転部材の入力側回転
部材及び出力側回転部材に対する接触位置を変えて変速
比を変化させる変速機駆動手段とからなる摩擦式無段変
速機は、歯車式多段変速機に比して構造が簡単である
が、中間回転部材と入力側回転部材及び出力側回転部材
との接触面ですべりが生じやすく、変速比が一定しにく
いという短所がある。ところが、本発明の車両用無段変
速機の制御装置は、その変速比とその異状が診断表示部
に表示されるから、その短所を容易に補うことができ
る。すなわち、車両の運転状態及び摩擦式無段変速機等
の動作状況を正確に把握できるから、適切な時期に摩擦
式無段変速機のメンテナンスを行って、変速比の変動を
おさえることが可能になる。 さらに、本発明の車両用無段変速機の制御装置では、
現在の変速比、スロットル開度、機関回転速度等が運転
情報表示部に表示され、異常の発見が容易になり、発進
の際に、変速比がロー状態にあるか否かの確認をし、変
速比がロー状態にない時には、変速比をロー側にして円
滑な発進を行なうことが可能になる。
第１図はこの発明の基本構成を示すブロック図、第２図
はこの発明を自動二輪車に適用した概要図、第３図は変
速機駆動手段の平面図、第４図は診断表示部の平面図、
第５図は他の診断表示部の平面図である。 ２……制御状態検出センサ、20……内燃機関 27……トロイダル形無段変速機、29……入力軸 33……入力ディスク、34……出力ディスク 35……パワーローラ、40……駆動モータ 48……出力軸、Ａ……変速機駆動手段
はこの発明を自動二輪車に適用した概要図、第３図は変
速機駆動手段の平面図、第４図は診断表示部の平面図、
第５図は他の診断表示部の平面図である。 ２……制御状態検出センサ、20……内燃機関 27……トロイダル形無段変速機、29……入力軸 33……入力ディスク、34……出力ディスク 35……パワーローラ、40……駆動モータ 48……出力軸、Ａ……変速機駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｈ 59:44 Ｂ６０Ｋ 41/12 Ｆ０２Ｄ 45/00 ３６２
Claims (1)
- 【請求項１】入力側回転部材と、出力側回転部材と、入
力側回転部材と出力側回転部材との間に配置され且つそ
れらと接触する中間回転部材と、中間回転部材の入力側
回転部材及び出力側回転部材に対する接触位置を変えて
変速比を変化させる変速機駆動手段とからなる摩擦式無
段変速機を備え、内燃機関の回転を伝動機構を介して入
力側回転部材に伝え、入力側回転部材の回転を中間回転
部材を介して出力側回転部材に伝え、出力側回転部材の
回転を伝動機構を介して車軸に伝え、且つ運転状態検出
センサの検知信号を制御回路に入力して、制御回路にて
前記無段変速機の変速比を設定し、制御回路にて設定し
た変速比になるように変速機駆動手段を作動させるよう
にした車両用無段変速機の制御装置において、運転状態
検出センサとしてのスロットル開度センサ、機関回転速
度検出センサ及び車速検出センサと、制御状態検出セン
サとしての変速機駆動手段動作検出センサ、変速機動作
検出センサ及び制御回路動作検出センサと、運転状態検
出センサの各センサの出力信号及び制御状態検出センサ
の各センサの出力信号を入力して自己診断を行なう自己
診断手段と、運転情報表示部と異常警報表示部からなる
診断表示部とを備え、診断結果として、変速比、スロッ
トル開度、機関回転数及び車速を運転情報表示部に表示
するとともに、異常という診断結果の出た事項について
異常警報表示部に警報表示を行なうようにしたことを特
徴とする車両用無段変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61017407A JP2543676B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 車両用無段変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61017407A JP2543676B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 車両用無段変速機の制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62175230A JPS62175230A (ja) | 1987-07-31 |
| JP2543676B2 true JP2543676B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=11943143
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61017407A Expired - Fee Related JP2543676B2 (ja) | 1986-01-29 | 1986-01-29 | 車両用無段変速機の制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2543676B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10218050A1 (de) | 2002-04-23 | 2003-11-13 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Verfahren zur Überwachung und Fehlerdiagnose für Komponenten des Antriebsstrangs eines Kraftfahrzeugs |
| JP2005105932A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Nikki Co Ltd | 車両診断方法 |
| JP5048462B2 (ja) * | 2007-01-31 | 2012-10-17 | ヤマハ発動機株式会社 | 車両、その制御装置およびその制御方法 |
| JP4618338B2 (ja) | 2008-06-20 | 2011-01-26 | トヨタ自動車株式会社 | 無段変速機の変速制御装置 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5926646A (ja) * | 1982-08-03 | 1984-02-10 | Isuzu Motors Ltd | トランスミツシヨン自動制御システムの表示装置 |
-
1986
- 1986-01-29 JP JP61017407A patent/JP2543676B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62175230A (ja) | 1987-07-31 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |