JP2543671Y2 - 圧縮空気用フィルタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本考案は、圧縮空気用フィルタ装置に係
り、特に圧縮空気中に含まれる水分や油分等の蒸気乃至
は液状微粒子を、該圧縮空気より更に一層良好に分離、
除去し得る圧縮空気用フィルタ装置の改良された構造に
関するものである。

【０００２】

【背景技術】従来から、各種工場や医療分野及び原子力
プラント等において用いられる種々の空気圧機器に対し
て圧縮空気を供給するための管路上には、通常、それら
空気圧機器を保護したり、或いはそれら空気圧機器によ
る作業の向上を図るために、圧縮空気用フィルタ装置が
設けられ、該フィルタ装置によって、圧縮空気中に含ま
れる水分や油分等の除去が行なわれるようになってい
る。

【０００３】そして、そのような圧縮空気用フィルタ装
置の一種として、特公昭６２−１７６３号公報に開示さ
れている如き、筒体内に所定の第一の詰物を有する第一
のフィルタ手段と筒体内に所定の第二の詰物を有する第
二のフィルタ手段とが、それら第一及び第二のフィルタ
手段と連通せしめられた、密閉された所定容積の捕捉チ
ャンバ上に、垂直方向に並設されてなる構造の装置が提
案されている。このようなフィルタ装置においては、圧
縮空気を、導入管路より第一のフィルタ手段を通じて捕
捉チャンバ内に導くことにより、該圧縮空気中に存在す
る蒸気乃至は液状微粒子を凝縮乃至は合体せしめて、該
圧縮空気より分離する一方、かかる蒸気乃至は液状微粒
子の分離された圧縮空気を、捕捉チャンバより第二のフ
ィルタ手段を通じて圧縮空気の送出管路に導くようにす
ることによって、該圧縮空気中に残存する液状の粒子を
気化せしめるようにして、かかる圧縮空気中の蒸気乃至
は液状微粒子を可及的に低減するようにされているので
ある。

【０００４】ところで、このような圧縮空気用フィルタ
装置にあっては、第一のフィルタ手段には、第一の詰物
として金属繊維製の塊が、また第二のフィルタ手段に
は、第二の詰物として布等からなる構造体が、それぞれ
収容されているが、それら金属繊維製或いは布製の詰物
は、一般に、巻回成形体の形態にて充填されているとこ
ろから、その巻回状態により、それら詰物とそれを収容
する筒壁の内面との間に間隙が生じる場合があり、この
ためそのような間隙を通過したり、更にはそれら詰物に
本来的に存在する間隙を通過したりすること等によっ
て、第一及び第二のフィルタ手段内を通過せしめられた
圧縮空気中に、除去され得なかった液状微粒子が残存し
たまま、送出管路に導かれてしまうという問題があっ
た。

【０００５】そこで、本考案者は、先に、実願平２−１
２４３９２号において、前記第二のフィルタ手段の筒体
内において、第二の詰物よりも下流側に、所定の筒状発
泡体を配置せしめ、かかる発泡体により、第一及び第二
のフィルタ手段内を通過せしめられた圧縮空気中に残存
する液状微粒子を除去するようにした構造の圧縮空気用
フィルタ装置を提案した。

【０００６】しかしながら、上述のフィルタ装置構造で
は、第一及び第二のフィルタ手段を通過した圧縮空気か
ら液状微粒子を有効に除去して、該液状微粒子の存在し
ない圧縮空気を有利に供給管路に送出することが、充分
には満足され得ず、また第一及び第二のフィルタ手段
が、それぞれ、互いに独立した筒状形態をもって、捕捉
チャンバ上に並設された構造とされており、全体として
比較的大型となるところから、通常、その取付けや使用
上において、よりコンパクトなものが要求されているフ
ィルタ装置を実現するには、未だ改良の余地があったの
である。

【０００７】

【解決課題】ここにおいて、本考案は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、圧縮空気中の蒸気乃至は液状微粒子をより一層
充分に分離・除去せしめ得、また装置全体のコンパクト
化を図り得る、改良された圧縮空気用フィルタ装置を提
供することにある。

【０００８】

【解決手段】そして、本考案にあっては、かかる課題を
解決するために、（ａ）外部から供給される圧縮空気を
導く、中心部の下面に開口する圧縮空気導入通路と、周
縁部近傍に位置して、上下に貫通する中間通路と、中心
部の上面に形成された開口部を通じて圧縮空気を外部に
送り出す圧縮空気送出通路とを備えた仕切り部材と、
（ｂ）該仕切り部材の下部に気密に取り付けられて、内
部に密閉空間が形成されると共に、該密閉空間の下部
が、圧縮空気中の蒸気乃至は液状微粒子を凝縮乃至は合
体せしめて分離される液状物の収容空間とされる有底円
筒形状の下部ハウジングと、（ｃ）該下部ハウジングの
内部密閉空間の上部中心部に位置するように配置され
て、前記圧縮空気導入通路を通じて導かれた圧縮空気が
通過せしめられることによって、該圧縮空気中に存在す
る蒸気乃至は液状微粒子を凝縮乃至は合体せしめて、該
圧縮空気より分離せしめる、筒体内に第一の詰物を有す
る第一のフィルタ手段と、（ｄ）該下部ハウジングの内
部密閉空間の上部において該第一のフィルタ手段の外側
に位置するように配置されて、該第一のフィルタ手段を
通じて該内部密閉空間の下部の収容空間内に導かれた圧
縮空気を通過せしめて前記中間通路に導く、筒体内に第
二の詰物を有する第二のフィルタ手段と、（ｅ）該下部
ハウジングの底部に設けられて、該内部密閉空間の下部
の収容空間内に収容される、前記圧縮空気から分離され
た蒸気乃至は液状微粒子からなる液状物を外部に取り出
すドレン手段と、（ｆ）前記仕切り部材の上部に気密に
取り付けられて、内部に密閉空間が形成されると共に、
かかる密閉空間が前記中間通路を通じて前記下部ハウジ
ングの内部密閉空間に連通せしめられる有底円筒形状の
上部ハウジングと、（ｇ）該上部ハウジングの内部密閉
空間内に立設配置されて、前記中間通路を通じて前記下
部ハウジング側より導かれた圧縮空気が、所定厚さの多
孔構造の円筒状の通気壁部を外側から内側に通過せしめ
られることにより、該圧縮空気中に残存する蒸気乃至は
液状粒子を該圧縮空気より分離せしめるミストフィルタ
と、（ｈ）該ミストフィルタの内側空間内に位置して、
前記圧縮空気送出通路の開口部に接続され、該内側空間
内に所定高さで延びるように設けられた、該ミストフィ
ルタの筒壁内面との間に、該ミストフィルタにて分離さ
れる前記蒸気乃至は液状微粒子からなる液状物を収容す
る空間を形成する集気筒と、（ｉ）前記仕切り部材に設
けられて、前記ミストフィルタと集気筒との間の空間内
に開口し、そこに滞留する液状物を外部に排出するドレ
ン流路とを、有することを特徴とする圧縮空気用フィル
タ装置を、その要旨とするものである。

【０００９】

【実施例】以下に、本考案を更に具体的に明らかにする
ために、本考案の実施例を、図面を参照しつつ、詳細に
説明することとする。

【００１０】先ず、図１には、本考案に従う構造とされ
た圧縮空気用フィルタ装置の一具体例が示されている。
即ち、かかるフィルタ装置は、第一のフィルタ２、第二
のフィルタ４及びドレン装置６が収容されている下部ハ
ウジング８と、ミストフィルタ１０及び集気筒１２が収
容されている上部ハウジング１４と、それら下部ハウジ
ング８及び上部ハウジング１４の中間に位置するように
配された、圧縮空気の導入通路１６及び送出通路１８を
有する仕切り部材２０とからなる構成とされている。

【００１１】より具体的には、図２〜４からも明らかな
ように、仕切り部材２０は、略厚肉円板状を呈し、その
径方向外方に突出する突部２１ａにおいて、その外側面
に開口すると共に、該仕切り部材２０の底面中央部に開
口する下部開口部２２に連通する圧縮空気の導入通路１
６と、かかる突部２１ａに対して対称的に配設された突
部２１ｂの外側面に開口すると共に、仕切り部材２０の
上面中央部に開口する上部開口部２４に連通する圧縮空
気の送出通路１８とが、それぞれ、設けられてなる構成
とされ、更に、その厚さ方向において上下に貫通する複
数の中間通路２６が設けられて、後述する如き下部ハウ
ジング８側から上部ハウジング１４側への圧縮空気の連
通路とされている。

【００１２】また、仕切り部材２０の上面側には、その
中央部に、送出通路１８に連通する上部開口部２４を有
するドレン受部２８が設けられていると共に、図５から
も明らかなように、該ドレン受部２８のテーパ状底面に
開口するドレン流路３０が、仕切り部材２０の外周面上
で、圧縮空気の導入通路１６及び送出通路１８の各開口
部に対して所定角度ずれた位置において開口するよう
に、設けられている。

【００１３】そして、このような構成の仕切り部材２０
の下部には、Ｏリング３２を介して有底円筒状の下部ハ
ウジング８が、その開口部を当接するようにして配置さ
れて、該仕切り部材２０の下端外周面上に係止ナット３
４が螺着されることにより、該ナット３４と下部ハウジ
ング８の開口部外周面上に形成されたフランジ部３６と
の係合により、仕切り部材２０と下部ハウジング８とが
一体的に且つ気密に組み付けられている。これによっ
て、仕切り部材２０の下方で、下部ハウジング８内に、
該仕切り部材２０の圧縮空気導入通路１６を通じて圧縮
空気が導かれる密閉空間が、形成されるのである。

【００１４】さらに、この下部ハウジング８内の密閉空
間において、その上部中心部には、第一のフィルタ２
が、また、該第一のフィルタ２の外側に位置するように
第二のフィルタ４が、それぞれ配置せしめられている。

【００１５】すなわち、かかる第一のフィルタ２は、複
数の通孔を有する円形の押え板３８を介して、仕切り部
材２０の下部開口部２２の端部に螺着され、また第二の
フィルタ４は、連通孔を有する円環状の押え板４０を介
して、前記第一のフィルタ２の螺合端部よりも仕切り部
材２０の厚さ方向内方に位置する、中間通路２６の下部
段付部４２に当接するように配されることにより、第一
のフィルタ２は、第二のフィルタ４よりも所定長さにお
いて下方に突出した状態で配置されるのである。更に、
それら第一及び第二のフィルタ２，４の下端には、第
一，第二のフィルタ２，４の下部開口部に対応して複数
の通孔が設けられていると共に、第一のフィルタ２に対
応する部位が凹部４４として形成されてなる支持板４６
が、第一のフィルタ２の端部に対して、該凹部４４に設
けられたネジ部において螺合されており、これによっ
て、第一及び第二のフィルタ２，４が仕切り部材２０に
対して固着せしめられているのである。

【００１６】 なお、かかる第一のフィルタ２は、円筒
状の筒体４７内部において、ステンレス繊維等の金属繊
維からなる網状体の巻回成形体が第一の詰物４８として
充填され、かかる詰物４８を内部に収容した該筒体４７
の軸方向上端に、押え板３８が嵌着されて、構成されて
いる。

【００１７】 一方、第二のフィルタ４は、前記第一の
フィルタ２の筒体４７の外径よりも所定寸法大きな内径
を有する内筒５０と、該内筒５０よりも所定寸法大径で
且つ略同一の長さを有する外筒５２が同心的に配され、
それら内筒５０と外筒５２との間の間隙内に、綿繊維か
らなる網状体の巻回物が第二の詰物５４として充填され
てなる構造とされており、その上端部には、押え板４０
が配設されている。

【００１８】 そして、かかる下部ハウジング８の密閉
空間の底部には、ドレン装置６が収容配置せしめられて
おり、これによって、該下部ハウジング８の内部空間に
おいて圧縮空気より分離された液状微粒子等の液状物が
収容され、外部に排出される液状物収容空間５６が構成
されている。なお、かかるドレン装置６としては、公知
の各種ドレン装置の何れもが採用され得るものである。

【００１９】一方、仕切り部材２０の上部側には、有底
円筒状の上部ハウジング１４が、その開口部がＯリング
等を介して係合（螺合）せしめられることにより、仕切
り部材２０に対して気密に取り付けられて、その内部に
密閉空間が形成されており、そしてかかる密閉空間は、
仕切り部材２０の中間通路２６によって、下部ハウジン
グ８の密閉空間と連通せしめられている。

【００２０】また、かかる上部ハウジング１４内の密閉
空間には、所定厚さを有する円筒状のミストフィルタ１
０が、前記第一，第二のフィルタ２，４と略同心的に位
置するように、該仕切り部材２０の上面中央部に設けら
れたドレン受部２８の外側部位に対して、Ｏリング６０
等を介して液密に装着せしめられており、更にその下端
面が支持板６２で支持された状態で立設されている。こ
れにより、上部ハウジング１４内の密閉空間は、ミスト
フィルタ１０の外部と内部とに仕切られると共に、ミス
トフィルタ１０の外側空間６４は、仕切り部材２０の中
間通路２６を通じて、該仕切り部材２０の下部に設けら
れている下部ハウジング８内の密閉空間に連通せしめら
れるのである。なお、６６は、ミストフィルタ１０の上
端部に嵌着されて、上部ハウジング１４に支持，固定せ
しめる支持板である。

【００２１】なお、かかるミストフィルタ１０は、筒壁
が多孔構造の通気壁部とされた円筒体であれば、公知の
ミストフィルタの何れもが採用され得、例えば、微細な
連通気孔を有する軟質または硬質のウレタンフォーム、
焼結樹脂、ガラスファイバー等から構成されるものであ
る。そして、そのような構成の通気壁部を外側から内側
に圧縮空気が通過することにより、該圧縮空気中に残存
する蒸気乃至は液状粒子が、圧縮空気より分離せしめら
れるのである。また、本実施例では、かかるミストフィ
ルタ１０の内外周面には、適当なフィルタ状のスクリー
ン６８、例えば金属からなる網目状物や綿繊維を層状に
組み合わせたもの等が設けられているが、そのようなス
クリーンの設けられていない構成であっても何等差支え
ない。

【００２２】さらに、かかるミストフィルタ１０の内側
空間７０内において、その略中央部に位置するように、
所定長さを有する薄肉円筒形状の集気筒１２が仕切り部
材２０のドレン受部２８の中央に設けられている上部開
口部２４内に液密に固定、立設されている。なお、かか
る集気筒１２の長さとしては、ミストフィルタ１０を通
じて外部から内部へ通過する圧縮空気と共に液状微粒子
等の液状物が侵入しない程度の高さにおいて設けられる
ことが好ましく、また該集気筒１２の径としては、ミス
トフィルタ１０の内周面との間に、該ミストフィルタ１
０により分離される液状物を収容し得る充分な空間を形
成し得る程度において、適宜に選定されることが望まし
い。

【００２３】従って、このような構造とされたフィルタ
装置にあっては、先ず、仕切り部材２０の圧縮空気導入
通路１６から供給された圧縮空気が、流通断面積の大き
な第一のフィルタ２内に導かれることとなるが、該第一
のフィルタ２内を通過せしめられる際に、断熱膨張作用
によって、また第一の詰物４８の存在下に流通させられ
ることによって、かかる圧縮空気中に含まれる水や油の
蒸気乃至は液状微粒子は、小滴に凝縮乃至は合体され、
また捕捉されることとなるのであり、そしてこの凝縮乃
至は合体または捕捉された小滴（液体）は、流通圧縮空
気によって、下部ハウジング８内の液状物収容空間５６
内に運び込まれる。

【００２４】そして、かかる収容空間５６内では、その
流通断面積（空気流に対する容積）が、第一のフィルタ
２よりも更に大きいところから、更に断熱膨張作用にて
圧縮空気中の蒸気の凝縮が進行し、また合体が行なわれ
ることに加えて、流入する圧縮空気の流速が低下せしめ
られる。これによって、該圧縮空気の空気流に乗せられ
た小滴状態の液体は効果的に分離され、重力によって落
下せしめられて、ドレン装置６を介して外部に排出され
るのである。

【００２５】次いで、このように蒸気乃至は液状微粒子
が凝縮や合体等によって除去された圧縮空気は、下部ハ
ウジング８の収容空間５６よりも通路断面積の小さな、
第一のフィルタ２の周方向外側に配置された第二のフィ
ルタ４内に導かれることによって、断熱圧縮作用を受
け、更に該第二のフィルタ４の第二の詰物５４を通過す
る際に惹起される空気流の渦巻現象等の作用によって、
該圧縮空気中に液状の粒子として残存する水分や油分
は、気化されることとなる。そして更に、該第二の詰物
５４を通過せしめられた圧縮空気は、仕切り部材２０の
中間通路２６を通じて、上部ハウジング１４内に導か
れ、ミストフィルタ１０の筒壁を外側から内側に向って
通過することにより、該空気中に残存している液状粒子
は該ミストフィルタ１０によって捕捉され、以て水分や
油分が液状粒子として存在しない、軽くなった圧縮空気
が、ミストフィルタ１０の内側空間７０において上方に
て開口する集気筒１２の内孔７２、仕切り部材２０の上
部開口部２４、更には送出通路１８を通じて、送出管路
に導かれることとなる。

【００２６】なお、このようにしてミストフィルタ１０
により捕捉された液状微粒子は、ミストフィルタ１０の
内部を徐々に落下して、下部に滞留し、更にミストフィ
ルタ１０の内側に押し出されて、仕切り部材２０の上面
に設けられたドレン受部２８内に滞留すると、該ドレン
受部２８の底部に開口するドレン流路３０を通じて、適
宜に外部に排出されることとなる。

【００２７】従って、上述の如き構造の、本考案に係る
フィルタ装置にあっては、第二のフィルタ４を通過せし
められた圧縮空気中に液状微粒子が残存していても、更
にミストフィルタ１０を通過することによって、該圧縮
空気から、そのような液状微粒子が有効に除去されると
共に、該ミストフィルタ１０の内側空間７０内に所定高
さをもって集気筒１２が配されて、かかる集気筒１２を
通じて、圧縮空気が送出されるようになっているところ
から、ミストフィルタ１０の筒壁にて捕捉された液状微
粒子が、該ミストフィルタ１０の内側空間上方にて開口
する集気筒１２の内孔７２内に侵入することは殆どな
く、それ故、液状微粒子の分離・除去された圧縮空気
を、各種の空気圧機器に対して、より有利に供給し得る
のである。

【００２８】以上、本考案の実施例について詳細に説明
してきたが、本考案は、かかる実施例の記述のみに限定
して解釈されるものでは決してなく、本考案の範囲を逸
脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々な
る変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理
解されるべきである。

【００２９】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に従う構造とされた圧縮空気用フィルタ装置にあって
は、第一及び第二のフィルタ手段を通過して蒸気乃至は
液状微粒子が除去せしめられた圧縮空気が、更にミスト
フィルタを通過せしめられて、該ミストフィルタの内側
空間に所定高さをもって設けられている集気筒を通じて
送出管路に導かれ、所定の空気圧機器に供給されるよう
になっているところから、該ミストフィルタによって圧
縮空気中に残存する蒸気乃至は液状微粒子が更に良好に
除去されると共に、かかる除去された液状粒子は、集気
筒とミストフィルタの内周面との間に形成された空間よ
り外部に巧みに排出されることとなり、以て蒸気乃至は
液状微粒子の可及的に除去された圧縮空気を効果的に供
給し得るのである。

【００３０】また、かかる圧縮空気用フィルタ装置にお
いては、第一のフィルタと第二のフィルタとが略同心的
に位置し、またそれら第一及び第二のフィルタとミスト
フィルタとが仕切り部材を挟んで略同一軸心上に配され
て、巧みに連通せしめられているところから、装置のコ
ンパクト化が有利に達成され得るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に従う圧縮空気用フィルタ装置の縦断面
説明図である。

【図２】かかるフィルタ装置に用いられる仕切り部材の
縦断面説明図である。

【図３】図２における仕切り部材の上面説明図である。

【図４】図２における仕切り部材の底面説明図である。

【図５】図３におけるＶ−Ｖ断面説明図である。

【符号の説明】

２ 第一のフィルタ ４ 第二のフィル
タ ６ ドレン装置 ８ 下部ハウジン
グ １０ ミストフィルタ １２ 集気筒 １４ 上部ハウジング １６ 圧縮空気導
入通路 １８ 圧縮空気送出通路 ２０ 仕切り部材 ２６ 中間通路 ２８ ドレン受部 ３０ ドレン流路 ３４ 係止ナット ４８ 第一の詰物 ５４ 第二の詰物

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部から供給される圧縮空気を導く、中
   心部の下面に開口する圧縮空気導入通路と、周縁部近傍
   に位置して、上下に貫通する中間通路と、中心部の上面
   に形成された開口部を通じて圧縮空気を外部に送り出す
   圧縮空気送出通路とを備えた仕切り部材と、 該仕切り部材の下部に気密に取り付けられて、内部に密
   閉空間が形成されると共に、該密閉空間の下部が、圧縮
   空気中の蒸気乃至は液状微粒子を凝縮乃至は合体せしめ
   て分離される液状物の収容空間とされる有底円筒形状の
   下部ハウジングと、 該下部ハウジングの内部密閉空間の上部中心部に位置す
   るように配置されて、前記圧縮空気導入通路を通じて導
   かれた圧縮空気が通過せしめられることによって、該圧
   縮空気中に存在する蒸気乃至は液状微粒子を凝縮乃至は
   合体せしめて、該圧縮空気より分離せしめる、筒体内に
   第一の詰物を有する第一のフィルタ手段と、 該下部ハウジングの内部密閉空間の上部において該第一
   のフィルタ手段の外側に位置するように配置されて、該
   第一のフィルタ手段を通じて該内部密閉空間の下部の収
   容空間内に導かれた圧縮空気を通過せしめて前記中間通
   路に導く、筒体内に第二の詰物を有する第二のフィルタ
   手段と、 該下部ハウジングの底部に設けられて、該内部密閉空間
   の下部の収容空間内に収容される、前記圧縮空気から分
   離された蒸気乃至は液状微粒子からなる液状物を外部に
   取り出すドレン手段と、 前記仕切り部材の上部に気密に取り付けられて、内部に
   密閉空間が形成されると共に、かかる密閉空間が前記中
   間通路を通じて前記下部ハウジングの内部密閉空間に連
   通せしめられる有底円筒形状の上部ハウジングと、 該上部ハウジングの内部密閉空間内に立設配置されて、
   前記中間通路を通じて前記下部ハウジング側より導かれ
   た圧縮空気が、所定厚さの多孔構造の円筒状の通気壁部
   を外側から内側に通過せしめられることにより、該圧縮
   空気中に残存する蒸気乃至は液状粒子を該圧縮空気より
   分離せしめるミストフィルタと、 該ミストフィルタの内側空間内に位置して、前記圧縮空
   気送出通路の開口部に接続され、該内側空間内に所定高
   さで延びるように設けられた、該ミストフィルタの筒壁
   内面との間に、該ミストフィルタにて分離される前記蒸
   気乃至は液状微粒子からなる液状物を収容する空間を形
   成する集気筒と、 前記仕切り部材に設けられて、前記ミストフィルタと集
   気筒との間の空間内に開口し、そこに滞留する液状物を
   外部に排出するドレン流路とを、 有することを特徴とする圧縮空気用フィルタ装置。