JP2543189B2 - 構内交換機の中継台制御方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［概要］ 構内交換機の中継台制御方式に関し、 交換機本体と中継台との間で音声と制御信号を少ない
線路でしかもできるだけ遠くまで伝送することができる
構内交換機の中継台制御方式を提供することを目的と
し、 構内交換機の交換部に設けた中継台制御部と中継台と
の間を２線伝送路で接続し、中継台制御部と中継台に２
つの情報チャネルと制御チャネルによる伝送を行う２線
式時分割方向制御伝送手段を備え、２つの情報チャネル
の一方で音声信号を、他方で中継台制御部と中継台間の
制御信号をそれぞれ伝送するよう構成する。

［産業上の利用分野］ 本発明は構内交換機の中継台制御方式に関する。

構内交換機は、局線（公衆電話網に接続する電話線）
からの着信に対して応答して、希望する内線の電話機を
呼び出すために中継台を設ける必要がある。従来、中・
大容量の構内交換機の場合、複数の中継台を交換機本体
から比較的近い距離に設けた中継台室に集中して設けて
複数の扱者が中継業務を行っていた。

近年、中継台扱者の業務に資格が不要となり、しかも
ダイヤルインが普及したので中継台扱者の業務量が減っ
てきた。このため受付や、秘書などに扱者業務を兼務さ
せる事業所が増えてきた。

その場合に中継台を集中して設置することは本来の業
務を遂行する上で困難であるため、それぞれの職場に分
散して設置する必要がある。

ところが、分散設置した中継台と交換機本体との間の
距離や伝送速度の関係で従来方式によっては問題があ
り、その改善が望まれている。

［従来の技術］ 第３図に従来例のブロック構成図を示す。

図において、40は構内交換機の交換部、41は局線トラ
ンク、42はスイッチ部（SWで表示）、43は中継台制御
部、44は制御部、45は中継台、46は伝送路を表す。

第３図において、局線トランク41に着信があると、制
御部44の動作により分散配置された複数の中継台の内の
１つの中継台制御部43を選択する。次に、制御部44から
中継台制御部43に対して着信を表示する制御信号を送出
すると、その制御信号は伝送路46を介して中継台45に送
信されて着信を表示するランプ451を点灯させる。この
ランプをみて扱者が応答キーを押すと、その制御信号が
中継台制御部43に送信され、中継台制御部43でこれを検
出して制御部44に通知する。制御部はこれによりスイッ
チ部42を制御して局線トランク41と中継台制御部43間を
接続する。これにより局線トランク41,中継台制御部43
を介して発呼者と中継台45の扱者とが通話を行うことが
できる。通話により、発呼者が希望する通話相手が分か
ると、扱者はキー452を操作して番号を入力すると、中
継台制御部を介して制御部44に供給される。制御部44は
その番号に対応する内線電話機を呼出して、局線トラン
クとその内線電話機とを接続する。

上記の構成において、中継台のマンマシーンインタフ
ェースはキーとランプであるが、キー操作の応答として
ランプが点灯・または消灯する。そのキー操作に対する
ランプ点滅の遅延時間は、自然な応答として感じるには
約200ms以内にする必要がある。

そこで従来は出来る限り簡単な伝送制御手順と誤りの
生じない速度で、例えば中継台制御部43と中継台45は、
V11（CCITTの勧告による伝送制御手順）方式を使用して
いる。この方式では、平衡伝送路を使用して、“1"と
“0"を正電位と負電位に対応させた複流信号であり、交
換機本体と中継台間が直流的に接続されている。

［発明が解決しようとする課題］ 上記の従来方式によれば、伝送路の距離に比例して直
流信号レベルが減衰する。従って、中継台制御信号の伝
送速度と伝送エラーとの兼ね合いから、その伝送路の距
離は最大限数百ｍ（メートル）であり、しかも交換機本
体と中継台間に上り、下り用に別々（各々２線で合計４
線）の伝送路が必要であるから、交換機本体と中継台間
に専用のケーブルを敷設しなければならない。

従って、広大な敷地に分散して配置された建物や、同
じ建物内でも距離が離れた部屋などに中継台を分散して
設置したいという要求に対して、設置距離が制限された
り、工事コストが高くなるという問題が解決できなかっ
た。

本発明は交換機本体と中継台との間で音声と制御信号
を少ない線路でしかもできるだけ遠くまで伝送すること
ができる構内交換機の中継台制御方式を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ 第１図は本発明の基本構成図である。

第１図において、10は構内交換機の交換部、11は制御
部、12は２線伝送路、13は中継台を表し、交換部10にお
いて101は局線トランク、102はスイッチ部（SWで表
示）、103は中継台制御部、104,131は２線式時分割方向
制御伝送手段を表す。

本発明は、中継台制御部と中継台との間を２線で接続
し、近年開発されたディジタル交換機とディジタル電話
機間における２線式時分割方向制御伝送を用いて制御信
号と音声信号の２つのディジタル信号を送受するもので
ある。

［作用］ 中継台制御部103と中継台13との間は２線伝送路12で
接続され、それぞれ２線式時分割方向制御伝送手段104
および131が設けられている。

着信により制御部11から中継台へ着信を表示する制御
信号を中継台制御部103に供給する。２線式時分割方向
制御伝送方式は、いわゆるピンポン伝送方式として知ら
れ、上り・下りの情報伝送を時間を区切って交互に実行
し、伝送される信号の構成は、各方向に情報信号チャネ
ル（Ｂチャネルという）として64Kbit/sのチャネルが２
つ（B1チャネルとB2チャネルという）と制御信号チャネ
ル（Ｄチャネルという）として16Kbit/s（または8Kbit/
s）とで構成される。

この中継台制御部103と中継台13との間では、ディジ
タル音声信号をB1チャネルにより伝送し、中継台の制御
信号（着信表示，交換機の状態表示など）および中継台
からの制御信号（状態信号，ダイヤル信号など）はＤチ
ャネルを使用すると速度や、伝送容量の点で不足するの
で、B2チャネルを使用する。

作用を概説すると、制御部11からの制御信号は中継台
制御部103に与えられ、その２線式時分割方向制御伝送
手段104からB2チャネルにより伝送される。なお、B2チ
ャネルからは通常動作として着信表示（着信が無いと対
応するビットが“0"となる）を含む多数ビットからなる
制御信号が周期的に伝送されており、着信があるとその
状態を表示（該当ビットを“1"にする）した信号が伝送
される。

中継台13では、周期的に送られてくるB2チャネルの信
号を表示手段133で表示し、例えば着信表示があると、
入力手段134から応答する。この応答信号は２線式時分
割方向制御伝送手段131から上り信号のB2チャネルで中
継台制御部103の２線式時分割方向制御伝送手段104に伝
送され、その制御信号は制御部11に入力される。

次いで、制御部11は局線トランク101と中継台制御部1
03との音声チャネルを接続するようスイッチ部102に制
御信号を供給する。音声チャネルが形成されると、中継
台制御部103の２線式時分割方向制御伝送手段104は音声
信号を情報チャネルB1を用いて、双方向の伝送を開始す
る。これに対応して、中継台13の２線式時分割方向制御
伝送手段131でも、チャネルB1により伝送される音声信
号を送受話手段132に接続して扱者が音声により発呼者
と通話が可能になる。

その後、扱者が着信先の電話番号などの情報を知っ
て、ダイヤルを行うとそのダイヤル情報は２線式時分割
方向制御伝送手段131から中継台制御部103に対しチャネ
ルB2を介して高速に伝送される。

このダイヤル情報を中継台制御部103が受け取るとそ
の情報は制御部11に与えられ、ダイヤル情報に対応する
相手電話機と局線トランク101とを接続するためにスイ
ッチ部102を制御する。

［実施例］ 第２図は本発明の実施例構成図であり、交換機の中の
中継台制御部を中心にした一部が示されている。

20は構内交換機の交換部、22は時分割スイッチ回路、
23は制御部（CCで表示）、24は２線伝送路、25は中継台
を表す。

中継台制御部21において、211は２線式時分割方向制
御伝送を実行する時分割方向制御回路（第１図の２線式
時分割方向制御伝送手段104に対応）、212はメモリ213
に書き込まれた制御データを調歩同期式（１単位のデー
タの前と後にそれぞれスタートビット，ストップビット
を付した形式）にして時分割方向制御回路211に入力す
ると共に、時分割方向制御回路211が２線伝送路からB2
チャネルにより受け取った調歩同期式のデータを元のデ
ータに変換してメモリ213に出力する調歩同期回路、213
は中継台25に供給される制御情報や中継台制御部21のプ
ログラムを格納するメモリ、214はプログラムに従って
中継台制御部の制御を行うMPU（マイクロプロセッ
サ）、215は制御部23とのインタフェース回路（I.F.で
表示）である。

中継台25において、251は時分割方向制御回路、252は
交換部からB1チャネルを介して送られてきた音声のディ
ジタル信号をアナログ信号に変換するとともに、入力さ
れた音声のアナログ信号をディジタル信号に変換する音
声変換回路、253は前記中継台制御部21の212と同様の機
能を備える調歩同期回路、254は制御情報を表示する多
数のランプ表示部、255は扱者が情報を入力するキー入
力部、256は中継台の制御を行うMPU、257はプログラム
を格納するメモリ、258は扱者が通話に使用するヘッド
セットである。

動作を説明すると、先ず時分割方向制御回路211が、
一定時間データ信号を含むキャリアーを送信する。相手
中継台25の時分割方向制御回路251でこれを受け取った
後、ある一定時間キャリアーを返信する。すると、時分
割方向制御回路211はこのキャリアーを受信して、また
キャリアーを送信する。このように、時分割方向制御回
路211と251間で１対の２線式伝送路24を使用して交互に
キャリアーの送受信を絶えず繰り返しており、これが２
線式時分割方向制御伝送である。

MPU214はインタフェース215を経由して交換機の制御
部23から受信してメモリ213に格納された中継台制御信
号を、ある一定の周期で調歩同期回路212に送出する。
調歩同期回路212は、受け取ったパラレル形式の中継台
制御信号を調歩同期式のシリアル信号に変換して時分割
方向制御回路211に送信する。時分割方向制御回路211は
この中継台制御信号をデータ伝送チャネル（B2チャネ
ル）として、時分割スイッチ回路22からの音声信号を音
声チャネル（B1チャネル）として、前記キャリァに載せ
て送信する。

一方、中継台25では時分割方向制御回路251で中継台
制御部21から送信した信号を受信して、チャネル毎に分
離して、B1チャネルの信号は音声変換回路252に入力し
てアナログ信号に変換され、ヘッドセット258から音声
出力される。また、B2チャネルの中継台制御信号はシリ
アル形式で調歩同期回路253に供給して、パラレル信号
に変換してメモリ257に書きこむ。書き込まれた信号は
読出されてランプ表示部254において出力される。

なお、MPU214は中継台制御信号の送信は、相手の中継
台25のMPU256との間で送受の確認（伝送制御）を一切行
わずに一方的に送信を行う。このような伝送方式は無手
順垂れ流し方式と呼ばれ、中継台制御信号の送信周期を
適切に設定すると、絶えず受信情報が上塗りされ、複雑
なエラー訂正機能を設けなくても良く大量の情報を高速
で送信することができる。

次に、中継台25から中継台制御部21への伝送について
説明する。

中継台25から中継台制御部への制御信号（キー入力に
よるダイヤル信号等）の送信はMPU256の制御により（メ
モリ257を介してまたは直接）調歩同期回路253に供給さ
れ、ここでシリアル信号の調歩同期信号に変換されて、
時分割方向制御回路251に入力する。この時ヘッドセッ
トの送話器から送られた音声信号があれば、そのアナロ
グ信号は音声変換回路252においてディジタル信号に変
換されて、時分割方向制御回路251に入力され、２つの
信号はそれぞれ情報信号チャネルB2,B1で多重化されて
中継台制御部21に送信される。

中継台制御部21の時分割方向制御回路211は中継台25
から送信した信号を受信して、多重分離を行って、B1チ
ャネルの音声信号は時分割スイッチ回路22に送出し、B2
チャネルの制御信号は調歩同期回路212で調歩同期形式
の元のデータに変換してパラレル信号としてメモリ213
またはインタフェース215を介して制御部23に送出され
る。

［発明の効果］ 本発明によれば交換機本体と中継台間を接続するケー
ブルが従来の４線式の方式に比べて半分の２線にするこ
とができ、ディジタル電話機を設置するような手軽さで
中継台を設置することができ、更にその間の距離も長く
とることができるとともにコストを下げることが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本構成図、第２図は実施例構成図、
第３図は従来例のブロック構成図である。 第１図中、 10:交換部 11:制御部 12:2線伝送路 13:中継台 101:局線トランク 102:スイッチ部 103:中継台制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋末 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−130266（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】構内交換機の中継台制御方式において、 構内交換機の交換部（10）に設けた中継台制御部（10
   3）と中継台（13）との間を２線伝送路（12）で接続
   し、 前記中継台制御部（103）と中継台（13）にそれぞれ２
   つの情報チャネル（B1,B2）と制御チャネル（Ｄ）によ
   る双方向の伝送を行う２線式時分割方向制御伝送手段
   （104,131）を設け、 前記２つの情報チャネル（B1,B2）の一方で音声信号
   を、他方で中継台制御部と中継台間の制御信号をそれぞ
   れ伝送することを特徴とする構内交換機の中継台制御方
   式。