JP2542915B2 - 振動抑制駆動装置 - Google Patents

振動抑制駆動装置

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JP2542915B2 JP63236126A JP23612688A JP2542915B2 JP 2542915 B2 JP2542915 B2 JP 2542915B2 JP 63236126 A JP63236126 A JP 63236126A JP 23612688 A JP23612688 A JP 23612688A JP 2542915 B2 JP2542915 B2 JP 2542915B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は駆動装置、特に駆動力伝達部の弾性に基づく
可動部の振動を抑制する振動抑制駆動装置に関する。
[従来の技術] 近年、極めて高精度の加工あるいは測定等のため各種
工作機械、X−Yテーブル、測定機等には可動部を正確
に移動制御する駆動装置が強く要望されている。このよ
うな駆動装置としては、従来モータ等の駆動部より、例
えばボールネジ等の駆動力伝達部を介して該駆動力伝達
部に接続された可動部(例えばテーブル、測定用プロー
ブ等)を所定の移動制御しているものが多い。
この場合、可動部を所定位置に位置決めするために、
可動部の位置を検出し、その位置信号等を駆動部にフィ
ードバックして可動部の位置を制御するのが一般的であ
る。
第11図にこのような従来の駆動装置のサーボ系におけ
るブロック線図の一例を示す。同図におけるブロック線
図は、本来二軸系、三軸系において論ずべきものである
が、説明の便宜上一軸系を示している。
同図に示す駆動装置は、駆動部を構成するDCモータ10
と、該DCモータ10の駆動力をボールネジ等を介して伝達
する駆動力伝達部12と、該駆動力伝達部12より駆動力を
伝達され所定の運動を行なう可動部14と、を含む。そし
て、DCモータ10は位置制御部16より加え合わせ点18、速
度補償器20、加え合わせ点22、電流補償器24、ドライバ
26により駆動される。また、駆動力伝達部12は所定の駆
動力伝達特性により可動部14に変位θの駆動量を与え
る。
ここで、位置制御部16はカウンタ16a、位置制御器16b
及びD/A変換器16cを備える。また、ドライバ26の後段
(出力端)には電流検出器28を備え、加え合わせ点22に
負の信号により電流フィードバックを行なっている。さ
らに、DCモータ10の回転はタコメータ30を介して加え合
わせ点18に負の信号により速度フィードバックを行なっ
ている。また、DCモータ10の駆動に基づく可動部14の移
動はスケール32のスケール信号(位置信号)として位置
制御部16のカウンタ16aに位置フィードバックを行なっ
ている。この位置制御部16ではマイクロコンピュータ等
を用いてソフト的に位置制御処理を行ない、加え合わせ
点18、速度補償器20、加え合わせ点22、電流補償器24及
びドライバ26でハード的に速度制御、電流制御処理を行
ない、これらソフト的処理及びハード的処理により駆動
制御を行なう。また、DCモータ10及び駆動力伝達部12に
おいて機構的処理を行なう。
このようなサーボ系を簡単に説明すると、まず位置制
御部16で可動部14の所望の運動を設定し、その設定量に
応じてドライバ26によりDCモータ10を駆動する。DCモー
タ10が所定の電流によって駆動しているか否かを電流検
出器28により検出すると共に、その検出量を加え合わせ
点22に負の信号としてフィードバックし、電流補償器24
によりDCモータ10に所望の電流を供給すべく補償してい
る。
また、DCモータ10の回転はタコメータ30により検出す
ると共に、その検出量は加え合わせ点18に負の信号とし
てフィードバックされ、速度補償器20によりDCモータ10
が所定速度で回転すべく補償している。
さらに、可動部14の位置はスケール32により検出さ
れ、スケール信号として位置制御部16のカウンタ16aに
フィードバックして位置制御器16bにより駆動量を補正
し、D/A変換器16c等を介して可動部14の位置制御を行な
っている。
次に、第12図に第11図におけるDCモータ10及び駆動力
伝達部12の駆動系の負荷モデルを示す。ここでは負荷を
剛的に結合した場合について説明する。同図において、
駆動系の負荷をモータ側の負荷と駆動力伝達部側の負荷
とに分け、モータ側のJmはモータの慣性モーメント、Dm
は粘性摩擦係数であり、駆動力伝達部側のJdは駆動系慣
性モーメント、Ddは粘性摩擦係数である。また、τ
モータのロータへの印加トルク、θ(ω)はモータ
のロータの回転変位(角速度)、θ(ω)は駆動力
伝達部12の変位(角速度)である。
この場合の運動方程式は以下の式のようになる。
(A)式をラプラス変換すると、 τ(S)=JmS2θ(S)+Dm(S) +JdS2θ(S)+Dd(S) τ=JmS2θ+Dm+JdS2θ +Dd となり、ここでθ=θ(剛的結合)であるから、 τ=(JmS2+DmS+JdS2+DdS)θ ……(B) となる。
従って、モータのロータの印加トルクτと駆動力伝
達部の変位θとの伝達特性は、 となり(第13図(A))、角速度ωを分離すると第13
図(B)のようなブロック線図となる。
また、上記駆動系の負荷モデルにDCモータ10の電気的
特性を含めたブロック線図が第13図(C)に示される。
ここで、伝達特性のうちLは電機子巻線のインダクタン
ス、Rは電機子巻線の抵抗、Ψは電機子鎖交磁束(トル
ク定数)である。
このように、従来の駆動装置は上記のような駆動力の
伝達特性を前提としたサーボ系によって制御されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところで、DCモータ10と結合する駆動力伝達部12には
剛性Kd(第2図参照)があり、駆動力伝達部12の変位θ
によって剛性Kdが発生し、これに起因する外乱トルク
が存在するものである。しかしながら、従来の駆動装置
における上記サーボ系による制御は、ブロック線図から
も明らかなようにDCモータ10を駆動する電流、その速度
及び移動する可動部14の最終的な位置をフィードバック
しているのみで、駆動中の駆動力伝達部12の変位θ
伴う剛性Kdによる外乱トルクが考慮されていない。すな
わち、実際上存在するモータ10と結合する駆動力伝達部
12の剛性Kdを無視して、第12図のように剛的結合として
取扱ってきた。従って、この外乱トルクが可動部14の運
動中に振動となって現れる。すなわち、この外乱トルク
によって可動部14の運動軌跡にブレを生じ、速度制御の
精度や位置制御の精度を向上することができないという
問題があった。
第14図に、この場合における可動部14が設定位置に達
するまでの速度と位置との関係を示す。同図において、
設定位置tまでの速度は滑らかな台形状の破線で示す軌
跡を描くことが理想であるが、上記外乱トルクのために
実際には実線で示す波型となり振動状態となる。この振
動の振幅を小さくして精度を向上させるために、速度フ
ィードバックや位置フィードバックのハイゲイン化が考
えられるが、これによっても多少の振動抑制効果はある
が大幅な効果がなく精度の向上が図れなかった。
この結果、従来の駆動装置を用いた測定機等では測定
精度の向上に限界が生じ、また、精密加工機等でも加工
精度のより一層の改善の支障となっていた。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、
その目的は外乱トルクによる可動部の移動中の振動を抑
制して速度制御、位置制御の精度を向上させる振動抑制
駆動装置を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の振動抑制駆動装置は上記課題を解決するため
に、従来のサーボ系で考慮されていなかった外乱トルク
をサーボ系に含めることに着目し、この外乱トルク量を
算出して同量の負の信号により当該外乱トルクを打消す
べく可動部、駆動力伝達部、駆動部に加えて振動補償部
を備えたものである。
ここで、駆動力伝達部は駆動部に結合されると共に、
可動部が接続されている。
また、振動補償部は駆動力伝達部で発生する外乱トル
ク量を算出し、この外乱トルク量を駆動力伝達部または
駆動部にフィードバックを行なう。
ここで、この振動補償部で算出される外乱トルク量
は、ラプラス変換式Jd{S2+2ζωndS}(ここで、J
dは駆動力伝達部の慣性モーメント、ζ場は可動部の振
動減衰係数、ωndは可動部の固有振動係数)により求め
ることが好適である。
[作用] 本発明の振動抑制駆動装置は可動部、駆動力伝達部、
駆動部と共に振動補償部を備えている。この振動補償部
は駆動力伝達部で発生する外乱トルク量を算出すると共
に、この外乱トルク量を駆動力伝達部または駆動部にフ
ィードバックする。これにより駆動力伝達部に発生する
外乱トルクを打消し、外乱トルクにより生ずる可動部の
振動を抑制することができる。
また、この補償回路部で算出される外乱トルク量は、
結果的にラプラス変換式Jd{S2+2ζddωndS}で求め
ることが可能である。ここで、Jdは駆動力伝達部の慣性
モーメント、ζは可動部の振動減衰係数、ωndは可動
部の固有振動係数である。すなわち、Jd、ζ、ωnd
駆動装置固有の係数値として実験的に求めることがで
き、外乱トルク量を駆動装置のサーボ系に含めることが
可能となる。
[実施例] 以下、本発明の好ましい実施例を図により説明する。
第1図に本発明の振動抑制駆動装置の概念図を示す。
なお、本実施例では便宜上一軸系のみについて説明す
る。同図において、振動抑制駆動装置100は可動部105、
駆動部110、駆動力伝達部130及び振動補償部150によっ
て構成されている。
駆動部100はモータ112とこれを駆動させるモータドラ
イバ114により構成される。また、駆動力伝達部130はモ
ータ112の回転軸にはボールネジ132がベアリング等の連
結部132aを介して直接に接続されている。また、ボール
ネジ132にはその回転により相対位置を変更するテーブ
ル等の可動部105が螺合して設けられ、該テーブル105に
振動抑制器136及び加速度計138が設けられている。
さらに、ボールネジ132には位置スケール140が並設さ
れ、これに位置検出器142が設けられており、テーブル1
05の位置信号を位置検出器142により検出する。位置検
出器142は駆動部110のモータドライバ114及び振動補償
部150に位置信号を送出する。
一方、振動補償部150は加速度計138よりテーブル105
の加速度の信号を受信し、テーブル105の振動を抑制す
べく振動抑制信号を振動抑制器136またはモータドライ
バ114に送出してフィードバックする。この場合、振動
抑制器136またはモータドライバ114のどちらかに振動抑
制信号をフィードバックするとしたのは、どちらでもテ
ーブル105の振動を抑制することが可能であり、モータ
ドライバ114にフィードバックする場合にはモータ112の
電気的特性をフィードバック量に含めることが必要であ
る。
ここで、第2図に振動抑制器136の一例の部分図を示
す。同図において、テーブル105が箱状の保持部材106に
載置されており、保持部材106とテーブル105との側部に
該保持部材106及びテーブル105に当接して圧電素子107
を設けている。そして、この圧電素子107が振動補償部1
50に接続されるものである。
次に、第1図に示す振動抑制装置の動作について説明
する。まず、可動部であるテーブル105を所定位置に移
動すべくその設定量がモータドライバ114に記憶されて
おり、これによりモータ112がボールネジ132を回転させ
る。この場合にモータドライバ114はモータ112が所定電
流、所定速度で駆動しているか否かをフィードバックに
より制御している(第10図参照)。また、テーブル105
の位置変位は位置スケール140、位置検出器142により検
出し、モータドライバ114を介してモータ112を制御す
る。
一方、振動補償部150は、位置検出器142からの位置信
号と可動部105に設けられた加速度計138からの加速度信
号により、駆動力伝達部130、特にボールネジ132で発生
する外乱トルク量を算出する。そして、算出した外乱ト
ルク量を駆動部110のモータドライバ114または駆動力伝
達部130の振動抑制器144にフィードバックする。すなわ
ち、発生した外乱トルクと同量の信号をフィードバック
することによって外乱トルクを打消し、外乱トルクによ
って生ずる可動部105の振動を抑制するものである。
次に、動作原理を説明すると共に、従来把握が困難で
あった可動部の振動の原因となる外乱トルクをサーボ系
に含めることが可能となることを明らかにする。上記振
動抑制駆動装置100は第3図の駆動系の負荷モデルによ
って表される。同図において、駆動系の負荷をモータ側
の負荷と駆動力伝達部側の負荷とに分け、モータ側の負
荷のうちJmはモータ112の慣性モーメント、Dmは粘性摩
擦係数であり、駆動力伝達部側の負荷のうちJdは駆動力
伝達部130の駆動系慣性モーメント、Ddは粘性摩擦係数
である。また、Kdはモータ112の回転軸と駆動力伝達部1
30のボールネジ132とをそれぞれ弾性体と考えた場合の
剛性値、τはモータ112のロータへの印加トルク、θ
(ω)はモータ112のロータの回転変位(角速
度)、θはボールネジ132の回転変位である。この場
合、モータ112のロータにトルクτが発生したときの
モータ側(入力側)では以下の運動方程式が成立つ。
また、駆動力伝達部側(出力側)では以下の運動方程
式が成立つ。
(C)式をラプラス変換すると、 JmS2θ(S)=τ(S)−Dm(S) −Kd(θ(S)−θ(S)) (JmS2+DmS)θ=τ−Kd(θ−θ) ……
(E) となり、この場合のブロック線図は第4図(A)に示さ
れる。
一方、(D)式をラプラス変換すると、 となり、この場合のブロック線図は第4図(B)に示さ
れる。
これらを結合してトルクτとボールネジ132の回転
変位θ間における伝達要素のブロック線図が第4図
(C)に示される。
また、検出器等による速度フィードバック、位置フィ
ードバックを考慮し、さらに等価変換すると第4図
(D)のブロック線図となる。同図において、破線Y内
の各伝達要素内の伝達特性を伝達関数Gd(S)で表して
整理すると、 となる。ここで、ωnd 2はKd/Jd、2ζωndはDd/Jd
置換えたもので、ωndはテーブル105の固有振動係数で
あり、ζはその振動減衰係数である。すなわち、G
d(S)は上式からも明らかなように二次共振系として
の特性を有し、このωnd及びζの値は実験的に求める
ことができるものである。
一方、第4図(D)中の経路Xにおけるトルクτ
作用している負の信号量はボールネジ132の運動(特に
速度と加速度)によって生ずる外乱トルクであると考え
られる。
次に、モータ112の電気的特性を考慮すると、モータ1
12は印加電圧eiに対して、その電気的特性にしたがって
電流が流れ、トルクが発生してロータが回転する。この
ロータの角速度ωに対する伝達特性のブロック線図が
第5図(A)に示される。ここで、Lはモータ112の電
機子巻線のインダクタンス、Rは同じく電機子巻線の抵
抗、Ψは電機子鎖交磁束(トルク定数)である。また、
Ψ2/(LS+R)はDm(内部制動係数)と置換えられ、第
5図(B)のブロック線図となる。
第6図は以上の伝達特性を結合した場合の総合的なブ
ロック線図である。同図はボールネジ132を弾性体とし
た駆動系の基本的な構成を示しており、図からも明らか
なようにボールネジ132の回転運動に関連した外乱トル
クを存在させている。すなわち、従来一般にこの外乱ト
ルクは全く考慮されることがなかったが、本発明は、例
えば一般の駆動装置はもちろんのこと、特に超高精度送
り装置において問題があることが理解され、その解決方
法として上記外乱トルクを打消す系をサーボ系に付与で
きることを意味する。
そこで、本発明はこの点に着目して、第1図に示すよ
うに振動補償部150を設けたもので、この場合のブロッ
ク線図が第7図に示される。同図は、本来駆動装置の駆
動力伝達部に存在する外乱トルクの伝達要素160が加え
合わせ点162に負の信号量として存在し、振動補償部150
はこの外乱トルクの伝達要素164を信号量Jd{S2+2ζ
ωndS}のラプラス変換式として算出することが可能
である。
ここで、振動補償部150が信号量Jd{S2+2ζω
ndS}を算出する場合について説明する。上記信号量中S
2はd2θd/dt2を変換したもので駆動力伝達部130のボー
ルネジ132の回転加速度を示しており、また、Sはdθd
/dtを変換したものでボールネジ132の回転速度を示して
いる。従って、可動部であるテーブル105の運動はボー
ルネジ132の回転変位θで表されることから、位置検
出器142よりのテーブル105の位置信号からボールネジ13
2の回転変位θを取り出し、これによりボールネジ132
の速度を算出し、加速度系138の信号によりボールネジ1
32の回転変位θを取り出して加速度を算出すること
で、上記S2及びSを求める。そして、実験的に求めた定
数(Jd、ζ、ωnd)を加算して駆動力伝達部で130で
発生する外乱トルク量を算出する。
そして、この外乱トルク量を加え合わせ点162に正の
信号量としてフィードバックしている。これは、第1図
において、振動補償部150より振動抑制器136に振動抑制
信号をフィードバックすることである。これにより、駆
動力伝達部130で発生する外乱トルクを打消して、テー
ブル105で生ずる振動を抑制させることができるもので
ある。
なお、同図の電流フィードバック、速度フィードバッ
ク及び可動部105の位置フィードバックは従来の駆動系
の場合と同様である。
また、フィードバックを駆動力伝達部(第1図振動抑
制器136)の位置に行なうものであるが、同図破線の如
く加え合わせ点166(第1図駆動部110のモータドライバ
114)の位置にフィードバックを行なっても同様の効果
を有することは前述の通りである。この場合、フィード
バック量にはモータ112の電気的特性が含まれる。
次に、第8図及び第9図に、本発明の他の実施例のブ
ロック図及びブロック線図を示す。第8図及び第9図
は、振動補償部150が前記外乱トルク量を算出するにあ
たり、該振動補償部150に速度検出器と加速度検出器を
設けたものである。
第8図において、加速度計138より振動補償部150の加
速度検出器152に可動部105の加速度信号が送られ、位置
検出器142より速度検出器154に可動部105の速度信号が
送られる。また、振動補償部150の加速度検出器152及び
速度検出器154にはそれぞれフィルタ152a及び154aが設
けられ、これらは演算器156に接続されている。そし
て、演算器156は振動抑制器136またはモータドライバ11
4に接続されている。例えば、加速度計138に圧電型加速
度計を用い、この信号により加速度検出器152およびフ
ィルタ152aを介して上述のラプラス変換式におけるS2
信号処理を行なう。また、速度検出器154は位置スケー
ル140の信号を位置検出器142を介して位相差90度の二つ
の信号を取り出し、この信号をF/V変換(周波数からア
ナログ電圧に変換)し、フィルタ154aにより低減のみを
変動要素分として上述のラプラス変換式におけるSの信
号処理を行なう。そして、演算器156によりこれらを加
算して外乱トルク量を算出してフィードバック量とす
る。
また、第9図のブロック線図で示すと、振動補償部15
0における外乱トルク量の伝達特性164は、可動部105の
速度と加速度により算出される。すなわち、速度の信号
量はF/V変換器166の信号量X1(ラプラス変換式のS)
と、実験的に求められた可動部105の振動減衰係数ζ
及び固有振動係数ωndの伝達特性2ζωndとで表さ
れ、加速度の信号量は加速度計138の信号量X2(ラプラ
ス変換式のS2)で表される。これらを加算した信号量
と、さらに駆動力伝達部130の慣性モーメントJdを含む
定数K0とが加算される。これがフィードバック量Jd{S2
+2ζωndS}として駆動力伝達部(第1図振動抑制
部136)の位置である加え合わせ点162に、または駆動部
110のモータドライブ114の位置である加え合わせ点166
(同図破線)にフィードバックを行なうものである。し
かし、加え合わせ点166にフィードバックする場合、定
数K0にはモータ112の電気的特性(L,R,Ψ)が含まれ
る。
次に、外乱トルク量を位置検出器142から算出する場
合のブロック図を第10図に示す。同図において、振動補
償部150は演算器158及びフィルタ158aを有し、可動部10
5における位置検出器142と接続されている。すなわち、
可動部105の運動中に、位置検出器142から信号を振動補
償部150の演算器158において1階微分して可動部105の
速度を算出して記憶し、2階微分して加速度を算出して
記憶し、これらを加算して外乱トルク量を算出するもの
である。
この場合の外乱トルク量の算出を説明する。前述の如
く可動部105の運動はボールネジ132の回転変位θで表
されることから、位置検出器142よりの可動部105の位置
信号からボールネジ132の回転変位θを取り出し、こ
れを1階微分してボールネジ132の速度dθd/dtを算出
し、2階微分して加速度d2θd/dt2を算出することで、
前述の外乱トルク量Jd{S2+2ζωndS}のS2及びS
を求める。そして、実験的に求めた定数(Jd、ζ、ω
nd)を加算して駆動力伝達部で130で発生する外乱トル
ク量を算出する。
この算出した外乱トルク量をフィルタ158aを介して、
前述の如く低域周波数のみの変動要素分を振動抑制器13
6またはモータドライバ114(同図破線)へのフィードバ
ック量としている。これは、新たに構成部分を設けるこ
となく外乱トルク量を算出することができ、小型の駆動
装置で可動部の振動を制御することが可能となる。
以上のように本実施例では、特にモータドライブ114
に外乱トルク量をフィードバックした場合に一定周波数
帯域で5〜10dbの振動の減衰が可能であった。
なお、上記実施例の信号系はアナログ、デジタルのど
ちらでもよく、A/D変換またはD/A変換を行なえばよい。
また、上記実施例では、駆動部110におけるモータ112
はサーボモータとして主にDCモータを使用する場合を示
したが、ACモータを使用しても基本的な制御は同様であ
る。例えば、トルクを制御する場合、DCモータは電機子
電流(スカラ量)を制御しているが、ACモータは交流の
振幅と位相(ベクトル量)を制御すればよい。
さらに、上記実施例では一軸系のみを説明したが、こ
れを複数用いて工作機械、X−Yテーブル等の二軸系で
使用し、三次元測定機等の三軸系で使用するものでもよ
い。
[発明の効果] 上記実施例からも明らかなように本発明によれば、駆
動装置の駆動系に本来存在する外乱トルクを振動補償部
により算出し、これをフィードバックすることで打消す
ことにより、外乱トルクにより生ずる可動部の振動を抑
制することができる。
また、算出する外乱トルクは位置検出及び加速度検出
と実験的に得られる定数によりラプラス変換式で表すこ
とでができ、簡単な回路構成を加えるだけで駆動装置の
外乱トルクをサーボ系に含められ、該外乱トルクにより
生ずる可動部の振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概念図、 第2図は振動抑制器の一例を示した概念部分図、 第3図は本発明の駆動系モデル、 第4図は駆動力伝達部のブロック線図、 第5図はモータの電気的特性のブロック線図、 第6図は駆動部、駆動力伝達部を結合した場合のブロッ
ク線図、 第7図は本発明の振動補償部における信号量を含めたブ
ロック線図、 第8図は振動補償部に加速度検出器及び速度検出器を設
けた場合のブロック図、 第9図はそのブロック線図、 第10図は位置信号のみで外乱トルクを算出する場合のブ
ロック図、 第11図は従来の駆動装置のブロック線図、 第12図はその駆動系モデル、 第13図は駆動装置の伝達特性を示したブロック線図、 第14図は従来の駆動装置が振動状態で駆動する場合の概
念を示したグラフである。 105……可動部 110……駆動部 130……駆動力伝達部 142……位置検出器 150……振動補償部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の移動が可能な可動部と、 該可動部に所定の駆動力を伝達する駆動力伝達部と、 該駆動力伝達部に接続され、これに駆動力を加える駆動
    部と、 前記駆動力伝達部で発生する外乱トルク量を下記演算式
    Iにより算出し、該外乱トルク量を駆動力伝達部または
    前記駆動部にフィードバックして発生する外乱トルクを
    打ち消し、該外乱トルクによる前記可動部の振動を抑制
    する振動補償部と、 を備えることを特徴とする振動抑制駆動装置。 ラプラス変換式:Jd{S2+2ζωndS} ……(I) (ここで、Jdは前記駆動力伝達部の慣性モーメント、ζ
    は前記可動部の振動減衰係数、ωndは該可動部の固有
    振動係数、S2は駆動力伝達部の加速度、Sは駆動力伝達
    部の速度)
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