JP2542513B2 - 有機酸の分離方法 - Google Patents

有機酸の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は有機酸混合溶液の分離方法に関する。
さらに詳しくは主としてギ酸と酢酸主成分とする有機
酸混合溶液を蒸留により分離するのに際してシクロヘキ
サンを共沸溶剤として用い、かつ、コントロールし易
く、安定な運転を達成できる分離方法に関するものであ
る。
(従来技術) 主としてギ酸(沸点100℃)と酢酸(沸点118℃)から
なる有機酸混合溶液を通常の蒸留塔により分離する場合
にはその沸点差が極めて少ないため70段〜80段のような
高い段数の蒸留塔が必要となる。
さらに,その分離の困難性は、単に沸点差が少ないこ
とによるだけでなく、酸同志が気相部で会合し、ギ酸−
酢酸会合化合物を生じているためにもよる。
したがって,ギ酸と酢酸の分離の度合いを高めようと
すると塔頂の還流比を充分に大きくする必要があり、そ
の結果、蒸留塔の運転のために多くの熱量を要する。
また、設備的にも、還流比が増加するということは、
塔内ベイパー量が増加することであり,熱を供給するリ
ボイラーを始め、蒸留塔、コンデンサー等の規模も大き
くせざるを得ず、設備経済性において不利となる。
また、分離が困難であると同時に、塔内のギ酸と酢酸
の温度変化が極めて緩慢であるため、塔内の温度分布も
塔底の酢酸の沸点より、塔頂のギ酸の沸点までわずかず
つ変化する。
したがって、塔頂留出液の微量酢酸濃度を許容値以下
に管理しようとした場合、通常は塔内のある位置の温度
を検出し,温度が一定になるように還流比を増減しなが
ら調整するが、この温度の変化が小さすぎて充分に留出
物組成の制御ができない。
そのため、現実的には、留出液を実際に分析し、確認
するといった、工程分析の頻度を増加せざるを得ない。
以上のような、ギ酸−酢酸混合溶液系を直接蒸留分離
する際の問題点を解決する方法として特開昭47−2718号
公報に開示されているように混合液仕込段の上方より、
エステル化剤を仕込み、塔頂より、水、ギ酸エステルを
得、塔底より純粋な酢酸を得るといった方法が採用され
ている。
また,特開昭49−54324号公報に開示されているよう
に酸アミド類共存下に蒸留し、塔頂よりギ酸を得、塔底
より酸アミド−酢酸を得て、次の塔で酸アミドと酢酸の
親和力を切るような温度で塔頂より酢酸を得るといった
方法もある。
また,ギ酸分が少ない場合、この有機酸混合溶液を触
媒存在下、ギ酸と無水物を形成する化合物を添加し、ギ
酸を除去するといった方法(特開昭49−82618)もあ
る。
また、化学反応を伴う以上の複雑な分離方法の他に、
共沸溶剤(エントレーナー)を用いて、酸の会合を阻止
し、かつ、沸点差を拡大させて蒸留分離をする方法もあ
る。
そのエントレーナーとして通常トルエンが用いられ
る。
しかし、トルエンの場合、酢酸との共沸組成で酢酸濃
度が高く、そのため、塔頂へ酢酸が留出し易い。したが
って還流も多目にとらざるを得ない。
また、ギ酸と酢酸の混合液中に微量の低沸物が存在す
る場合、それら低沸物が塔頂の還流系に蓄積し、凝縮液
の分液性が悪化し、上層であるトルエン層へのギ酸の溶
解量が増加し、ギ酸の還流量が増すために、更に還流量
の増量が余儀なくされ、分離に必要な熱量が増加すると
いった問題がある。
この欠点を改善するエントレーナーとしてベンゼンが
あるが、ベンゼンは毒性(特に血液毒)が強く、最近で
は使用が制限される動きがある。
このようにエントレーナー方式の場合、トルエン、ベ
ンゼンいずれを用いるにしろ上記のような毒性の問題を
避けて通ることは出来ない. 本発明者らは、以上のようなギ酸と酢酸の分離状況を
考慮して、もっとも単純なエントレーナーを使用する方
法で,かつ,分離に必要なエネルギーの少ない、かつ,
毒性の少ないエントレーナーを使用して安定運転できる
方法について鋭意検討した結果、本発明を完成させた。
(発明の構成) すなわち、本発明は ギ酸と酢酸を主成分とする有機酸混合溶液をシクロヘ
キサン存在下に、該シクロヘキサンを還流循環させなが
ら、共沸蒸留を行うことにより、ギ酸と酢酸を蒸留分離
する方法において、蒸留塔内のギ酸とシクロヘキサンと
の共沸領域における温度および酢酸とシクロヘキサンと
の共沸領域における温度をそれぞれ検出し、それぞれの
検出温度により還流領域に設置されたデカンターから蒸
留塔内へのデカンター下部液還流配管およびデカンター
から蒸留塔内へのデカンター上部液還流配管に設置され
たコントロールバルブをそれぞれ制御することを特徴と
するギ酸と酢酸との蒸留分離方法である. シクロヘキサン(C6H12)はギ酸と共沸温度、及び共
沸組成において、それぞれ、71℃、30wt%とベンゼンの
それとほぼ同じである。
かつ、この塔頂から溜出した共沸組成ベイパーを凝縮
すると分液し,その上層のシクロヘキサン層へのギ酸溶
解度は約2wt%であり、ベンゼンの場合の9wt%に比較し
て溶解度が極めて小さく、この上層を還流させる場合の
塔のギ酸濃度の増加を抑えることができ、必然的に還流
液中のギ酸を塔頂より留出させるためのエネルギーが不
要となるため、分離に要するエネルギーが小さくて済
む。
また下層となるギ酸層に対する、シクロヘキサンの溶
解度は約1wt%であり、ベンゼンの1.5wt%に比較し小さ
いため、シクロヘキサンの回収エネルギーも小さくてす
む。
かつ、共沸物性は、上記した如く、ベンゼンと同じ、
即ち、酢酸との共沸性は極めて小さく、トルエンをエン
トレーナーとして用いる場合に比較し、分離に要するエ
ネルギーは小さくて済む。
一方,毒性の問題であるが、特にベンゼンは蓄積性血
液障害を生じ過去に事故例も多く,毒性は非常に強い。
ちなみに最高作業場濃度(MAK)は、10ppmである。
また,トルエンは、慢性の蓄積性による毒性はベンゼ
ンより低いとされているが,MAKは100ppmである。
それに対しシクロヘキサンの最高作業場濃度は300ppm
であり、トルエンに比較しても毒性が低いことがわか
る。
また、法規則に関してもベンゼンは高圧ガス取締法に
よる毒性ガス、大気汚染防止法、労働安全衛生法の特定
物質、有害物質に指定されており、トルエンについて
も、毒・劇物取締法、労働安全衛生法の有害物質に指定
されているが、シクロヘキサンについては上記各規制は
なされていない。
次に本発明の分離方法を適用する場合の安定制御方法
であるが,通常はギ酸と酢酸を主成分とする仕込混合液
におけるギ酸と酢酸の濃度分布が安定している場合は、
図−1に示されるフローによる運転制御方法でよい。
即ち、仕込みライン1より分離塔2の中央部にギ酸−
酢酸混合液が仕込まれ、塔頂留出ライン3よりギ酸−シ
クロヘキサンが共沸物として溜出し,コンデンサー4で
凝縮され、次いでデカンター5に入る。
デカンター5で上層(シクロヘキサン層)と、下層
(ギ酸層)に分液し、上層シクロヘキサンは、溜出液戻
りライン6を通って分離通2に還流され,下層(ギ酸
層)はデカンター5より製品塔10に送られ、塔頂より溶
解しているシクロヘキサンをシクロヘキサン−ギ酸の共
沸物として回収し、塔底より純粋なギ酸11を得る。
また酢酸分は分離塔2の塔底ライン7より取出される
が,一部は、加熱器8を通過することにより熱エネルギ
ーを与えられ,ベイパーとなって塔底還流ライン9より
分離塔2の底部に還流され,蒸留に必要な熱エネルギー
を塔に与える。
加熱器8の熱媒量のコントロールは分離塔2内の仕込
部より上部,ギ酸−シクロヘキサン共沸ゾーンの温度
(約70℃)を検知することにより行なう。
また,その際の塔内の濃度分布と、温度分布を図2、
図3に示す。
これらからわかるように塔上部でギ酸−シクロヘキサ
ンの約70℃の共沸ゾーンが形成され,次に80℃付近で酢
酸−シクロヘキサンの共沸ゾーンが形成されている。
また、塔中央部でシクロヘキサンが切れて、また部分
で塔内温度も80℃付近から酢酸の沸点(118℃)付近の
温度へ急激に変化する。
したがって、仕込液組成が安定していればT1の温度を
検出し、充分、ギ酸−シクロヘキサン、共沸ゾーンが形
成されるよう、塔底で与える熱量で温度コントロールす
ればよい。
しかし、仕込組成が変動する場合、上記制御方法では
色々な問題を生ずる。
例えば仕込まれた液中のギ酸濃度が減少した場合、塔
頂ベイパー量が減少し、留出下層液(ギ酸溶液)の減少
と共に上層還流液も減少する。
そのため十分な、ギ酸−シクロヘキサン共沸ゾーンの
形成がされにくく、即ち、図−3におけるT1の温度が上
昇してくる。
即ち、酢酸が留出し易くなる。
また、仕込まれたギ酸−酢酸混合液中のギ酸濃度が増
加した場合、塔頂ベイパー量が増加し、留出下層液(ギ
酸層)の増加と共に上層還流量も増加する。
したがって、図−3におけるT2の温度が下ってくるこ
とにより、シクロヘキサン、又はギ酸が塔底より缶出さ
れ易くなる。
即ち、図−1に示されたフローによる運転制御方法の
問題点は、共弗組成が一定のため、仕込まれた液中のギ
酸と酢酸濃度の変動により上層(シクロヘキサン)還流
量が変化してしまうためである。
即し、ギ酸−シクロヘキサン共沸ゾーン及び酢酸−シ
クロヘキサン共沸ゾーンの長さが変動するために、ギ酸
と酢酸の分離の度合いが変動してしまうのである。
これに対し、図4に示されるフローによる運転制御方
法の如く、塔底に与えられる熱エネルギーを一定にし
て、上層還流量と、下層還流量を自由に変えられるよう
に しておけば仕込液中の酢酸とギ酸の組成の変化などの条
件が変動してもギ酸−シクロヘキサン共沸ゾーン、酢酸
−シクロヘキサン共沸ゾーンを一定に保つことができ
る。
即ち、仕込まれたギ酸と酢酸混合液中のギ酸濃度が低
下した場合、余剰の還流シクロヘキサンが酢酸−シクロ
ヘキサン共沸ゾーンを成長させて、図−3のT1の温度が
上がってくる。
従って酢酸が留出し易くなる。
従って、このためT1の温度を検知し、下層還流量を増
加させる。
具体的な操作としては弁Bの開度を上げる。
するとギ酸仕込量が増加するため、ギ酸−シクロヘキ
サン共沸ゾーンが回復し,T1が下がって、酢酸の留出が
抑えられる。
また、仕込まれたギ酸と酢酸混合液中のギ酸濃度が増
加してくるとギ酸−シクロヘキサン共沸ゾーンが成長
し、したがって、酢酸−シクロヘキサンの共沸ゾーンの
形成に必要なシクロヘキサンが不足し、図−3のT2が上
昇してくる。
したがって、T2を一定に保つようにシクロヘキサンの
還流量を増加させ、即ち,Aの開度を上げて、T2を下げれ
ば、酢酸シクロヘキサン共沸ゾーンを十分保つことがで
き、ギ酸の塔底からの缶出を防ぐことができる。
即ち、T1の温度を一定に保つように、言い換えるとギ
酸−シクロヘキサン共沸ゾーンの長さを一定に保つよう
に弁Bの開度を調節し、下層還流量を調節し、また、T2
の温度を一定に保つように、さらに言い換えると酢酸−
シクロヘキサン共沸ゾーンを一定に保つことにより、塔
のギ酸と酢酸の分離の度合いを安定させることができ
る。
即ち,運転を安定させることができるということであ
る。
通常、常圧にて蒸留する場合のT1の制御温度は70〜80
℃、T2の制御温度は80〜120℃の間、好ましくは、T1を7
2〜78℃の間で定め、T2については82〜100℃の間で定め
る。本分離塔を加圧又は減圧で操作する場合は、その圧
力に応じた温度にスライドさせることができる。
また分離塔2の段数はギ酸と酢酸の要求される分離の
度合いによって決まるが、およそ30〜100段の間であ
る。
また、T1とT2の温度位置、即ち、ギ酸−シクロヘキサ
ン共沸ゾーンと、酢酸−シクロヘキサン共沸ゾーンの長
さも要求される分離の度合いにより変わるが、好ましく
は、およそそれぞれ5〜30段の範囲である。
また、仕込まれた混合液中にギ酸、酢酸以外に他の高
沸カルボン酸、例えばプロピオン酸、酪酸などがあって
も何ら問題ない。
また、塔底に与えられる熱エネルギーは一定で保持さ
れる。
これは上層還流液ホールドタンク液面、分離塔の塔底
圧力、温度、又は、仕込流量等で必要により設定値が変
更されるが、これにより上記制御方法の特性に影響はな
い。
実施例1 図4に示した装置でエントレーナーとしてシクロヘキ
サンを用い、連続共沸蒸留を行った。
用いた蒸留塔は60段×40φのシーブトレイ型のもので
ある。
仕込液はギ酸17.7wt%、酢酸72.5wt%その他高沸酸
(主にプロピオン酸、酪酸)9.8wt%からなる混合液で
あり、これを300g及びシクロヘキサンを50g塔底に張り
込み、次に、デカンター上層液タンクに、シクロヘキサ
ンを200cc張り込んだ。
次に塔底のヒーターを加熱し、塔内を全還流状態にし
塔内温度が安定したところで仕込混合液を300cc/Hで下
から30段の位置に連続仕込を開始した(以下段数は全て
下から数える)。
その直後、デカンター上層液2の還流ポンプを作動さ
せ、約200g/Hで塔頂より仕込むと同時にコンデンサ凝縮
液は、全量デカンターに流れ落ちるように弁を切換え
た。
やがて、塔頂に10段のシクロヘキサン−ギ酸共沸ゾー
ン70℃ができるように、即ち、また、30段目の温度が酢
酸の沸点(118℃)を示すように、塔底のヒーター、及
び上層還流量を調整し安定させた。
約1時間でデカンター上層に張り込んだシクロヘキサ
ンは、留出上層シクロヘキサンと切換えた。
その後、6時間程塔底缶液面、塔内温度分布、及び還
流タンク液面が一定になるよう安定した状態で運転を続
けた後、留出下層液、上層還流液及び塔底缶出液の、流
量測定と濃度分析を行った。
その結果、デカンター下層留出液は、54g/Hであり、
この液の酢酸濃度は0.05wt%、シクロヘキサン濃度は2.
5wt%であった。
また上層還流量と下層留出量との比は3.3:1であっ
た。
一方,塔底缶出液は、250g/Hであり,この塔底液中の
ギ酸濃度は0.02wt%、シクロヘキサン濃度はtraceであ
った。
なお、1時間当りの仕込量と全抜取り量の収支誤差は
99.5wt%であった。
また、50段目の温度は71℃であり、図−3のT1に相当
する。
45段目の温度は75℃であり、T2に相当する, 30段目の温度は85℃であった。
比較例1 実施例1の連続蒸留で計量を終えた後、運転しながら
仕込液を、ギ酸10.8wt%、酢酸82.3wt%、その他高沸酸
(主にプロピオン酸、酪酸)6.9wt%の仕込液に切り変
えた。
また、30段目の温度が酢酸の沸点(118℃)を示すよ
うに、同じように共沸ゾーン70℃を塔頂10段に運転した
が、還流上層液量が少ないためか上部50段〜60段は、71
℃に維持できたものの下部50段〜55段は、70〜75℃まで
温度が上がり気味であり、塔底ヒーター調節では、これ
以上下げることができなかった。
したがって、塔内温度分布、及び塔底缶液面、及び還
流タンク液面が一定する条件で約6時間、連続運転した
後、留出下層液、上層還流液、及び塔底缶出液の流量測
定と濃度分析を行った。
その結果、デカンター下層留出液は、33g/Hであり、
このギ酸溶液中の酢酸濃度は1.02wt%であり、シクロヘ
キサン濃度は2.5wt%であった。
また上層還流量と下層留出量の比は、3.3:1であっ
た。
一方,塔底缶出液は268g/Hであり、塔底でのギ酸濃度
は0.01wt%、シクロヘキサン濃度はtraceであった。
なお、1時間当りの仕込量と全抜取り量の収支誤差は
99%であった。
また図−3のT1に相当する45段目の温度は、80℃まで
上昇していた。
また図−3のT2に相当する30段目の温度は98℃まで上
昇していた。
即ち、仕込液中のギ酸温度が低下したことにより、還
流液量が減少し、それにより塔頂部のギ酸−シクロヘキ
サン共沸ゾーンの形成が不十分で、その結果、留出ギ酸
中の酢酸が増加したものと考えられる。
実施例2 比較例1において、上層還流ポンプを作動させ、図−
3のT1に相当する45段目の温度が73℃を示すように上層
還流液を増加させた。
それにつれて、図−3のT2の温度に相当する30段目が
78℃まで低下したため85℃を維持するように下層還流量
を調整した。
その後、6時間程、塔底缶液面、塔内温度分布、及び
還流タンク液面が一定になるよう運転した後、留出下層
液、下層還流液、上層還流液、塔底缶出液の流量測定と
濃度分布を行った。
その結果、デカンター下層留出液は33g/Hであり、こ
のギ酸溶液中の酢酸濃度は、0.02wt%であり、シクロヘ
キサン濃度は、2.4wt%であった。
また下層還流量は、11g/Hであり、上下層還流液と、
下層留出液の比は、4.6:1となり、比較例1に比べ還流
比は増加しているものの、酢酸の留出は、実施例1並に
抑えることができた。
一方、塔底缶出液は269g/Hであり、塔底中のギ酸濃度
は0.01wt%、シクロヘキサン濃度はTraceであり、実施
例1、比較例1と同じであった。
一方、仕込液に対し、下層留出液、塔底抜取り液の比
率、即ち、物質収支は98.5%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図はギ酸,酢酸混合液中の濃度分布が安定している
場合の運転制御方法を示すフロー図,第2図は分離塔内
の各液の濃度分布を示す図,第3図は分離塔内の温度分
布を示す図,第4図はギ酸,酢酸混合液中の濃度分布が
安定していない場合の運転制御方法を示すフロー図であ
る.

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ギ酸と酢酸を主成分とする有機酸混合溶液
    をシクロヘキサン存在下に、該シクロヘキサンを還流循
    環させながら、共沸蒸留を行うことにより、ギ酸と酢酸
    を蒸留分離する方法において、蒸留塔内のギ酸とシクロ
    ヘキサンとの共沸領域における温度および酢酸とシクロ
    ヘキサンとの共沸領域における温度をそれぞれ検出し、
    それぞれの検出温度により還流領域に設置されたデカン
    ターから蒸留塔内へのデカンター下部液還流配管および
    デカンターから蒸留塔内へのデカンター上部液還流配管
    に設置されたコントロールバルブをそれぞれ制御するこ
    とを特徴とするギ酸と酢酸との蒸留分離方法。
  2. 【請求項2】ギ酸と酢酸を主成分とする該有機酸混合液
    が酢酸とシクロヘキサンとの該共沸領域より下部に供給
    される特許請求の範囲第(1)項記載のギ酸と酢酸との
    蒸留分離方法。
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