JP2542015B2 - 金属薄帯の連続鋳造装置 - Google Patents
金属薄帯の連続鋳造装置Info
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- JP2542015B2 JP2542015B2 JP62294466A JP29446687A JP2542015B2 JP 2542015 B2 JP2542015 B2 JP 2542015B2 JP 62294466 A JP62294466 A JP 62294466A JP 29446687 A JP29446687 A JP 29446687A JP 2542015 B2 JP2542015 B2 JP 2542015B2
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- continuous casting
- cooling drum
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ツインドラム方式で金属薄帯を連続鋳造す
る際、鋳造された直後の金属薄帯表面の冷却速度をコン
トロールする機能を備えた連続鋳造装置に関する。
る際、鋳造された直後の金属薄帯表面の冷却速度をコン
トロールする機能を備えた連続鋳造装置に関する。
最近、溶鋼等の溶融金属から最終形状に近い数mm程度
の厚みをもつ薄帯を直接的に製造する方法が注目されて
いる。この連続鋳造方法によるときには、従来のように
大きな加工率の熱延工程を必要とすることがなく、また
最終形状にする圧延も軽度なもので良いため、工程及び
設備の簡略化が図られる。
の厚みをもつ薄帯を直接的に製造する方法が注目されて
いる。この連続鋳造方法によるときには、従来のように
大きな加工率の熱延工程を必要とすることがなく、また
最終形状にする圧延も軽度なもので良いため、工程及び
設備の簡略化が図られる。
このような連続鋳造法の一つとして、ツインドラム法
がある(特開昭60−137562号公報参照)。この方式にお
いては、第3図に示すように、互いに逆方向に回転する
一対の冷却ドラム1a,1bを水平に配置し、その一対の冷
却ドラム1a,1b及びサイド堰2a,2bにより区画された凹部
に湯溜り部3を形成する。この湯溜り部3に供給された
溶融金属は、冷却ドラム1a,1bと接する部分が冷却・凝
固して凝固シェルとなる。
がある(特開昭60−137562号公報参照)。この方式にお
いては、第3図に示すように、互いに逆方向に回転する
一対の冷却ドラム1a,1bを水平に配置し、その一対の冷
却ドラム1a,1b及びサイド堰2a,2bにより区画された凹部
に湯溜り部3を形成する。この湯溜り部3に供給された
溶融金属は、冷却ドラム1a,1bと接する部分が冷却・凝
固して凝固シェルとなる。
この凝固シェルは、冷却ドラム1a,1bの回転につれて
一対の冷却ドラム1a,1bが互いに最も接近した位置で向
かい合う、いわゆるドラムギャップ部に移動する。この
ドラムギャップ部では、それぞれの冷却ドラム1a,1b表
面で形成された凝固シェルが互いに圧接・一体化され
て、目的とする金属薄帯4となる。
一対の冷却ドラム1a,1bが互いに最も接近した位置で向
かい合う、いわゆるドラムギャップ部に移動する。この
ドラムギャップ部では、それぞれの冷却ドラム1a,1b表
面で形成された凝固シェルが互いに圧接・一体化され
て、目的とする金属薄帯4となる。
この形式の連続鋳造装置において、鋳造された金属薄
帯4の凝固シェルに加わる張力を制御するため、ツイン
ドラムとピンチロールとの間にルーバを設け、このルー
パを動かすことによって張力を制御する方法がある。し
かし、このルーパによる張力付与は、ドラムギャップ部
から出た直後の金属薄帯4の凝固シェルの張力として加
わらず、左右の冷却ドラム1a又は1bのいずれかに金属薄
帯4が引っ張られ、ドラムギャップ部から搬出される金
属薄帯4の走行状態が不安定になることを避けることが
できない。
帯4の凝固シェルに加わる張力を制御するため、ツイン
ドラムとピンチロールとの間にルーバを設け、このルー
パを動かすことによって張力を制御する方法がある。し
かし、このルーパによる張力付与は、ドラムギャップ部
から出た直後の金属薄帯4の凝固シェルの張力として加
わらず、左右の冷却ドラム1a又は1bのいずれかに金属薄
帯4が引っ張られ、ドラムギャップ部から搬出される金
属薄帯4の走行状態が不安定になることを避けることが
できない。
すなわち、冷却ドラム1a,1bの周面で凝固シェルの成
長条件を正確に一致させることは困難である。このた
め、それぞれの冷却ドラム1a,1b周面で成長した凝固シ
ェルがその周面から離れるタイミングが異なり、これが
金属薄帯4に対して振動,ブレ等を与える。また、冷却
ドラム1a,1bの回転速度を正確に同期させることも困難
であり、この回転速度のずれも振動,ブレ等の原因とな
る。更に、高速で冷却ドラム1a,1bのドラムギャップ部
から金属薄帯4が送り出されることから、場合によって
は振動,ブレ等に起因して搬出される金属薄帯4が大き
く蛇行することになる。
長条件を正確に一致させることは困難である。このた
め、それぞれの冷却ドラム1a,1b周面で成長した凝固シ
ェルがその周面から離れるタイミングが異なり、これが
金属薄帯4に対して振動,ブレ等を与える。また、冷却
ドラム1a,1bの回転速度を正確に同期させることも困難
であり、この回転速度のずれも振動,ブレ等の原因とな
る。更に、高速で冷却ドラム1a,1bのドラムギャップ部
から金属薄帯4が送り出されることから、場合によって
は振動,ブレ等に起因して搬出される金属薄帯4が大き
く蛇行することになる。
この振動,ブレ等は金属薄帯4に横割れが生成するこ
とを促進し、また、連続鋳造装置の下流側に配置されて
いる金属薄帯搬出装置との関係において、冷却ドラム1
a,1bと搬出装置との速度調整を行うことが困難となる。
更には、搬出された金属薄帯4の冷却ドラム1a又は1b周
面に対する接触面積および状態が不規則になり、安定し
た冷却効果を金属薄帯4に与えることができない。
とを促進し、また、連続鋳造装置の下流側に配置されて
いる金属薄帯搬出装置との関係において、冷却ドラム1
a,1bと搬出装置との速度調整を行うことが困難となる。
更には、搬出された金属薄帯4の冷却ドラム1a又は1b周
面に対する接触面積および状態が不規則になり、安定し
た冷却効果を金属薄帯4に与えることができない。
この問題を解消するためには、ドラムギャップ部から
出た直後の金属薄帯4に、冷却ドラム1a,1bからの剥離
力以上の力を定常的に与えることが必要となる。しか
し、この部分の金属薄帯4は、未だ充分な強度をもつも
のではない。このような金属薄帯4に対して大きな力が
作用するとき、金属薄帯4が破断したり、横割れが発生
する。この傾向は、特に薄肉の金属薄帯4を製造する場
合や高温で金属薄帯4を製造する場合に、顕著なものと
なる。
出た直後の金属薄帯4に、冷却ドラム1a,1bからの剥離
力以上の力を定常的に与えることが必要となる。しか
し、この部分の金属薄帯4は、未だ充分な強度をもつも
のではない。このような金属薄帯4に対して大きな力が
作用するとき、金属薄帯4が破断したり、横割れが発生
する。この傾向は、特に薄肉の金属薄帯4を製造する場
合や高温で金属薄帯4を製造する場合に、顕著なものと
なる。
そこで、本発明は、このドラムギャップ部から出た直
後の金属薄帯を一方の冷却ドラムに対して確実に押し付
けることにより、鋳造された金属薄帯を均一な条件下で
冷却して凝固シェルに強度を持たせると共に、金属薄帯
を張力付与状態にし搬出を安定化させることを目的とす
る。
後の金属薄帯を一方の冷却ドラムに対して確実に押し付
けることにより、鋳造された金属薄帯を均一な条件下で
冷却して凝固シェルに強度を持たせると共に、金属薄帯
を張力付与状態にし搬出を安定化させることを目的とす
る。
本発明の連続鋳造装置は、その目的を達成するため
に、回転する一対の冷却ドラムの表面間に溶融金属を供
給して金属薄帯を製造する連続鋳造装置において、ドラ
ムギャップ部下端から送り出される金属薄帯の片側表面
を一方の冷却ドラム周面に押圧する単数又は複数のガイ
ドロールを、前記一方の冷却ドラムの軸心を中心として
旋回可能に配置したことを特徴とする。
に、回転する一対の冷却ドラムの表面間に溶融金属を供
給して金属薄帯を製造する連続鋳造装置において、ドラ
ムギャップ部下端から送り出される金属薄帯の片側表面
を一方の冷却ドラム周面に押圧する単数又は複数のガイ
ドロールを、前記一方の冷却ドラムの軸心を中心として
旋回可能に配置したことを特徴とする。
なお、ガイドロールは、一方の冷却ドラムのアーバか
ら延びた旋回可能なアームに枢着することができる。或
いは、一方の冷却ドラムの周面に同心円状に配置したガ
イドレールに沿って移動可能に設けても良い。
ら延びた旋回可能なアームに枢着することができる。或
いは、一方の冷却ドラムの周面に同心円状に配置したガ
イドレールに沿って移動可能に設けても良い。
以下、図面を参照しながら、実施例により本発明の特
徴を具体的に説明する。
徴を具体的に説明する。
第1図は、冷却ドラムの周囲に同心円状に配置したガ
イドレールにガイドロールを設けた第1実施例を示す。
なお、第1図において、第3図で示した部材等に対応す
るものについては、同一の符番で指示した。
イドレールにガイドロールを設けた第1実施例を示す。
なお、第1図において、第3図で示した部材等に対応す
るものについては、同一の符番で指示した。
冷却ドラム1a,1bは、矢印で示すように互いに逆方向
に回転している。この冷却ドラム1a,1bの間を、ドラム
軸方向の両端をサイド堰2a,2bで仕切って湯溜り部3を
形成し、そこにタンディッシュ5から溶融金属6を供給
することは、第3図で示した従来の装置と同様である。
に回転している。この冷却ドラム1a,1bの間を、ドラム
軸方向の両端をサイド堰2a,2bで仕切って湯溜り部3を
形成し、そこにタンディッシュ5から溶融金属6を供給
することは、第3図で示した従来の装置と同様である。
それぞれの冷却ドラム1a,1bの周面で冷却・凝固した
溶融金属は、ドラムギャップ部7で一体化されて、金属
薄帯4として送り出される。この金属薄帯4は、ガイド
ロール8によって一方の冷却ドラム1bの周面に密着され
た状態で、ピンチロール9a,9bにより引き抜かれ、コイ
ル10として巻き取られる。この金属薄帯4の搬送経路に
ルーパ11を設け、金属薄帯4を引き抜くときの張力を一
定にコントロールしている。
溶融金属は、ドラムギャップ部7で一体化されて、金属
薄帯4として送り出される。この金属薄帯4は、ガイド
ロール8によって一方の冷却ドラム1bの周面に密着され
た状態で、ピンチロール9a,9bにより引き抜かれ、コイ
ル10として巻き取られる。この金属薄帯4の搬送経路に
ルーパ11を設け、金属薄帯4を引き抜くときの張力を一
定にコントロールしている。
ここで、ガイドロール8は、冷却ドラム1bの軸心に関
して同心円状に配置されたガイドレール12によって、そ
のシャフト13が回転可能に支持されている。また、ガイ
ドロール8は、冷却ドラム1bの軸心を中心として、ガイ
ドレール12に沿って旋回し、所定の位置で回転可能に支
持される。したがって、冷却ドラム1bとガイドロール8
との間の最接近点Pのドラムギャップ部7からの距離を
自由に調整することができる。また、スプリング,油圧
等によってガイドロール8を冷却ドラム1b方向に付勢す
ることが好ましい。このときの付勢力によって、間に挟
まれた金属薄帯4は、冷却ドラム1bの周面に押圧され
る。
して同心円状に配置されたガイドレール12によって、そ
のシャフト13が回転可能に支持されている。また、ガイ
ドロール8は、冷却ドラム1bの軸心を中心として、ガイ
ドレール12に沿って旋回し、所定の位置で回転可能に支
持される。したがって、冷却ドラム1bとガイドロール8
との間の最接近点Pのドラムギャップ部7からの距離を
自由に調整することができる。また、スプリング,油圧
等によってガイドロール8を冷却ドラム1b方向に付勢す
ることが好ましい。このときの付勢力によって、間に挟
まれた金属薄帯4は、冷却ドラム1bの周面に押圧され
る。
このガイドロール8は、モータ等によって駆動される
ものである。その周速度は、最接近点P〜ドラムギャッ
プ部7との間で、金属薄帯4が常に冷却ドラム1bに密着
するように、制御される。すなわち、冷却ドラム1bの半
径と金属薄帯4の板厚とで定まる金属薄帯4表面の速度
に、金属薄帯4の収縮代等を考慮した速度に制御する。
ものである。その周速度は、最接近点P〜ドラムギャッ
プ部7との間で、金属薄帯4が常に冷却ドラム1bに密着
するように、制御される。すなわち、冷却ドラム1bの半
径と金属薄帯4の板厚とで定まる金属薄帯4表面の速度
に、金属薄帯4の収縮代等を考慮した速度に制御する。
第2図は、冷却ドラムのアーバに取り付けたアームに
よってガイドロールを旋回可能にした第2実施例を示
す。同図(a)は冷却ドラムの周面からみた図であり、
同図(b)は軸方向からみた図である。
よってガイドロールを旋回可能にした第2実施例を示
す。同図(a)は冷却ドラムの周面からみた図であり、
同図(b)は軸方向からみた図である。
すなわち、一方の冷却ドラム1bのアーバ21にアーム22
が旋回可能に取り付けられている。また、アーム22の途
中にシリンダ23が設けられており、これによってアーム
22の長さが調節自在となっている。そして、アーム22の
先端には、ガイドロール8を回転可能に支持する軸受け
部24が設けられている。このガイドロール8の冷却ドラ
ム1bに対する最接近点は、第2図(b)に示すようにア
ーム22をアーバ21周りに旋回させることによって調整さ
れる。そして、シリンダ23の駆動によって、金属薄帯4
を所定の圧力で冷却ドラム1bの周面に押圧する。
が旋回可能に取り付けられている。また、アーム22の途
中にシリンダ23が設けられており、これによってアーム
22の長さが調節自在となっている。そして、アーム22の
先端には、ガイドロール8を回転可能に支持する軸受け
部24が設けられている。このガイドロール8の冷却ドラ
ム1bに対する最接近点は、第2図(b)に示すようにア
ーム22をアーバ21周りに旋回させることによって調整さ
れる。そして、シリンダ23の駆動によって、金属薄帯4
を所定の圧力で冷却ドラム1bの周面に押圧する。
本実施例のガイドロール8は、内部が中板25で仕切ら
れた空洞になっている。そして、この空洞に一方の軸受
け部24方向から冷却水26を供給することによって、ガイ
ドロール8を水冷している。このような水冷構造は、第
1実施例のガイドロール8に対しても適用することがで
きる。このようなガイドロール8を水冷構造とすると
き、金属薄帯4が両面から冷却されるため、張力付与状
態で搬送するのに必要な強度の発現をより短時間で行う
ことができる。また、この両面からの冷却は、金属薄帯
4の組織を均一化する上でも効果がある。
れた空洞になっている。そして、この空洞に一方の軸受
け部24方向から冷却水26を供給することによって、ガイ
ドロール8を水冷している。このような水冷構造は、第
1実施例のガイドロール8に対しても適用することがで
きる。このようなガイドロール8を水冷構造とすると
き、金属薄帯4が両面から冷却されるため、張力付与状
態で搬送するのに必要な強度の発現をより短時間で行う
ことができる。また、この両面からの冷却は、金属薄帯
4の組織を均一化する上でも効果がある。
以上のいずれの実施例においても、ドラムギャップ7
部から最接近点Pまでの距離を変更することができるよ
うになっている。これは、鋳造される金属薄帯4の材質
や肉厚,鋳造条件(鋳造速度,鋳造温度等)等によっ
て、ドラムギャップ部7から出た直後の冷却ドラム1bに
よる金属薄帯4の冷却効果を調整するためである。
部から最接近点Pまでの距離を変更することができるよ
うになっている。これは、鋳造される金属薄帯4の材質
や肉厚,鋳造条件(鋳造速度,鋳造温度等)等によっ
て、ドラムギャップ部7から出た直後の冷却ドラム1bに
よる金属薄帯4の冷却効果を調整するためである。
たとえば、肉厚の大きな金属薄帯4を製造する場合の
ように、冷却ドラム1bによる冷却効果を大きくとりたい
場合には、ドラムギャップ部7〜最接近点Pとの間の距
離を大きくして、ドラムギャップ部7から出た金属薄帯
4を長い範囲にわたって冷却ドラム1bの周面に接触させ
る。他方、冷却効果を小さくする場合には、ドラムギャ
ップ部7〜最接近点Pとの間の距離を小さくして、ドラ
ムギャップ部7から出た金属薄帯4が冷却ドラム1bの周
面に接触する距離を短くする。なお、特に冷却ドラム1b
との接触を充分に行わせるために、複数のガイドロール
8を配置することもできる。
ように、冷却ドラム1bによる冷却効果を大きくとりたい
場合には、ドラムギャップ部7〜最接近点Pとの間の距
離を大きくして、ドラムギャップ部7から出た金属薄帯
4を長い範囲にわたって冷却ドラム1bの周面に接触させ
る。他方、冷却効果を小さくする場合には、ドラムギャ
ップ部7〜最接近点Pとの間の距離を小さくして、ドラ
ムギャップ部7から出た金属薄帯4が冷却ドラム1bの周
面に接触する距離を短くする。なお、特に冷却ドラム1b
との接触を充分に行わせるために、複数のガイドロール
8を配置することもできる。
また、ドラムギャップ部7から出た金属薄帯4が冷却
ドラム1bの周面に接触する範囲は、巻取り機前に圧延機
を設けてライン内で圧延を行う場合には、必要な圧延温
度が確保されるように調整される。この点からしても、
ドラムギャップ部7〜最接近点Pとの間の距離を、ガイ
ドロール8の旋回によって規制することは重要である。
おおよその目安としては、冷却ドラム1bを離れるときの
金属薄帯4の温度を1200℃以下で900℃以上に維持する
ことが好ましい。
ドラム1bの周面に接触する範囲は、巻取り機前に圧延機
を設けてライン内で圧延を行う場合には、必要な圧延温
度が確保されるように調整される。この点からしても、
ドラムギャップ部7〜最接近点Pとの間の距離を、ガイ
ドロール8の旋回によって規制することは重要である。
おおよその目安としては、冷却ドラム1bを離れるときの
金属薄帯4の温度を1200℃以下で900℃以上に維持する
ことが好ましい。
他方、巻取り機前のライン内で圧延を行わない場合、
鋳造する金属薄帯4の種類によって異なる適当な温度に
冷却する。たとえば、C0.10%以下の低炭素鋼では、650
℃程度が好ましい。
鋳造する金属薄帯4の種類によって異なる適当な温度に
冷却する。たとえば、C0.10%以下の低炭素鋼では、650
℃程度が好ましい。
次いで、第2図に示したガイドロール8を使用して、
金属薄帯4を製造したときの具体的な操業条件を示す。
金属薄帯4を製造したときの具体的な操業条件を示す。
冷却ドラム1a,1bとしては、内部水冷式の鋼製ドラム
を使用した。このドラムの外径は2000mm,幅は1200mmで
あった。そして、普通鋼組成をもち温度1520〜1560℃の
溶鋼を湯溜り部3に供給し、冷却ドラム1a,1bを30m/分
の速度で回転させ、肉厚3mmで板幅1200mmの鋳片を製造
した。ドラムギャップ部7から出た後の鋳片を冷却ドラ
ム1bに接触させるガイドロール8としては、内部水冷構
造をもつ径350mmの鋼製ロールを使用した。このガイド
ロール8により、鋳片は2〜3トンの加圧力で冷却ドラ
ム1bの周面に押圧される。また、ドラムギャップ部7〜
最接近点Pまでの距離を600mmに設定した。
を使用した。このドラムの外径は2000mm,幅は1200mmで
あった。そして、普通鋼組成をもち温度1520〜1560℃の
溶鋼を湯溜り部3に供給し、冷却ドラム1a,1bを30m/分
の速度で回転させ、肉厚3mmで板幅1200mmの鋳片を製造
した。ドラムギャップ部7から出た後の鋳片を冷却ドラ
ム1bに接触させるガイドロール8としては、内部水冷構
造をもつ径350mmの鋼製ロールを使用した。このガイド
ロール8により、鋳片は2〜3トンの加圧力で冷却ドラ
ム1bの周面に押圧される。また、ドラムギャップ部7〜
最接近点Pまでの距離を600mmに設定した。
このようにして鋳片を製造したところ、ドラムギャッ
プ部7から引き抜かれた鋳片は、冷却ドラム1bの周面に
密着した状態で搬出され、冷却ドラム1bによる充分な冷
却効果を受けていた。そのため、冷却ドラム1bから離れ
る個所で、大きな強度をもつ状態となっており、ピンチ
ロール9a,9bによりガイドロール8〜ピンチロール9a,9b
間の鋳片に付与することができる張力の制御範囲が拡大
した。また、振動,ブレ,蛇行等の影響を受けることな
く鋳片が取り出されるため、破断,横割れ,波打ち等の
欠陥がない製品が得られた。
プ部7から引き抜かれた鋳片は、冷却ドラム1bの周面に
密着した状態で搬出され、冷却ドラム1bによる充分な冷
却効果を受けていた。そのため、冷却ドラム1bから離れ
る個所で、大きな強度をもつ状態となっており、ピンチ
ロール9a,9bによりガイドロール8〜ピンチロール9a,9b
間の鋳片に付与することができる張力の制御範囲が拡大
した。また、振動,ブレ,蛇行等の影響を受けることな
く鋳片が取り出されるため、破断,横割れ,波打ち等の
欠陥がない製品が得られた。
以上に説明したように、本発明においては、ドラムギ
ャップ部を出た金属薄帯をガイドロールによって一方の
冷却ドラムに押圧し、且つこのガイドロールと冷却ドラ
ムとの間に最接近点のドラムギャップ部からの距離を調
節自在にしている。そのため、鋳造される金属薄帯の性
状や鋳造条件に応じて、ドラムギャップ部から出た金属
薄帯の冷却ドラムによる冷却を制御することができ、冷
却ドラムを離れた時点での金属薄帯がその後の搬送時に
付与される張力に充分耐える強度となっている。そのた
め、鋳造された金属薄帯の搬送が容易となる。また、ガ
イドロールにより金属薄帯が冷却ドラムの周面に沿って
送り出されるため、金属薄帯のバタツキや蛇行も抑制さ
れ、品質の優れた金属薄帯が得られる。
ャップ部を出た金属薄帯をガイドロールによって一方の
冷却ドラムに押圧し、且つこのガイドロールと冷却ドラ
ムとの間に最接近点のドラムギャップ部からの距離を調
節自在にしている。そのため、鋳造される金属薄帯の性
状や鋳造条件に応じて、ドラムギャップ部から出た金属
薄帯の冷却ドラムによる冷却を制御することができ、冷
却ドラムを離れた時点での金属薄帯がその後の搬送時に
付与される張力に充分耐える強度となっている。そのた
め、鋳造された金属薄帯の搬送が容易となる。また、ガ
イドロールにより金属薄帯が冷却ドラムの周面に沿って
送り出されるため、金属薄帯のバタツキや蛇行も抑制さ
れ、品質の優れた金属薄帯が得られる。
第1図は本発明の第1実施例を説明する図であり、第2
図は同じく第2実施例を説明する図である。他方、第3
図は従来の金属薄帯連続鋳造装置を示す。
図は同じく第2実施例を説明する図である。他方、第3
図は従来の金属薄帯連続鋳造装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 邦政 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 平田 勝美 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−189852(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】回転する一対の冷却ドラムの表面間に溶融
金属を供給して金属薄帯を製造する連続鋳造装置におい
て、ドラムギャップ部下端から送り出される金属薄帯の
片側表面を一方の冷却ドラム周面に押圧する単数又は複
数のガイドロールを、前記一方の冷却ドラムの軸心を中
心として旋回可能に配置したことを特徴とする金属薄帯
の連続鋳造装置。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のガイドロール
が、前記一方の冷却ドラムのアーバから延びたアームに
枢着されていることを特徴とする金属薄帯の連続鋳造装
置。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載のガイドロール
が、前記一方の冷却ドラムの周囲に同心円状に配置した
ガイドレールに沿って移動可能に設けられていることを
特徴とする金属薄帯の連続鋳造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62294466A JP2542015B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62294466A JP2542015B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01133651A JPH01133651A (ja) | 1989-05-25 |
| JP2542015B2 true JP2542015B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=17808140
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62294466A Expired - Lifetime JP2542015B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2542015B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0327843A (ja) * | 1989-06-23 | 1991-02-06 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造薄肉鋳片の幅方向均一急速冷却方法 |
| FR2757790B1 (fr) * | 1996-12-31 | 1999-01-22 | Usinor | Procede de coulee continue de bandes metalliques minces entre deux cylindres, et installation pour sa mise en oeuvre |
| AT501044B8 (de) * | 2004-10-29 | 2007-02-15 | Voest Alpine Ind Anlagen | Verfahren zum herstellen eines gegossenen stahlbandes |
| JP4672745B2 (ja) * | 2008-03-11 | 2011-04-20 | 三菱日立製鉄機械株式会社 | 双ドラム式連続鋳造設備及び連続鋳造方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61189852A (ja) * | 1985-02-18 | 1986-08-23 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 連続鋳造機の鋳片支持方法及び装置 |
-
1987
- 1987-11-20 JP JP62294466A patent/JP2542015B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01133651A (ja) | 1989-05-25 |
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