JP2541858B2

JP2541858B2 - 調髪用鋏

Info

Publication number: JP2541858B2
Application number: JP1329876A
Authority: JP
Inventors: 八朗平川
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1989-12-19
Filing date: 1989-12-19
Publication date: 1996-10-09
Anticipated expiration: 2011-10-09
Also published as: KR0125580B1; KR910011408A; JPH03188888A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、主として理容店等で職業的に用いられ、
頭髪を生え際から刈り上げる場合に使用する調髪用鋏に
関するものである。

従来の技術刈り上げ時に使用する従来の調髪用鋏は、上方で頭髪
を切り詰める際に使用する梳鋏とは異なって、動刃、静
刃共に刃先が先端から付根まで直線的に連続する直線刃
が用いられている。

発明が解決しようとする課題上記のように、動刃と静刃の二枚の刃を直線刃で形成
した従来の鋏によって調髪する場合、櫛の表面から臨出
する頭髪が斉一に切断されるので、刈り上げ面が長さの
揃った毛髪によって形成され、いかにも散髪したてとい
う外観に仕上る。特にスソの部分において、その現象が
著しくあらわれるので、これが原因で散髪が敬遠され易
く、鋏の使用に当って、より自然に近く刈り上げるよう
にすることが技術的な課題となっている。

課題を解決するための手段本発明は、上記の課題を解決するために、調髪用の鋏
において、一方の刃に、梳鋏とほゞ同様に刃部と欠刃部
とを交互に具えた櫛歯部を設けるとゝもに、上記欠刃部
を形成する溝底を斜面に形成して、該溝底の端部を上記
刃の背縁端に達するように設けることによって、他方の
刃との摺擦面の全幅に亘るように欠刃部を形成してなる
調髪用鋏を提供するものである。

作用上記のようにして一方の刃に櫛歯部を形成した本発明
調髪用鋏は、頭髪に櫛を当てがって、その表面に臨出す
る毛髪を鋏が切る場合に、櫛歯部の溝底に沿って欠刃部
内に嵌まる頭髪には、他方の刃との摺擦面が及ばないで
切り残される部分を生じ、従来の鋏の場合のような斉一
の長さの切断を生じない。したがって、刈り上げ面を形
成する毛髪の長さに微妙な長短の差を形成して、より自
然に近い刈り上げ面に仕上がる。

又、本発明において、前記一方の刃に対応する他方の
刃が、前記櫛歯部の刃幅とほゞ同等の刃幅を有するよう
にしたものは、欠刃部内で切り残される毛髪の流さの差
が微少になるので、特にスソ部分の刈り込みを美麗にす
る利点がある。

実施例図面に示す実施例は、本発明に係る櫛歯部を鋏におけ
る動刃側に設けた場合のもので、以下にこの実施例を図
面について説明する。

図において、（１）は環状と反り爪状の指掛部（２）
を一端に有する静刃（４）を重ね合わせて、中間を枢支
軸（３）により互いに開閉自在に連結した調髪用鋏にお
ける動刃である。（５）は、この動刃（１）に従来の梳
鋏とほゞ同様に、夫々ほゞ矩形の刃部（６）と欠刃部
（７）とを交互に具えることにより設けた櫛歯部であ
る。

上記欠刃部（７）を形成する溝底（８）は、第３図及
第４図に示すように斜面に形成されており、その端部
（８）′は同図中に示すように動刃（１）の背縁端
（１）′に達する。それによって欠刃部（７）は他方の
刃、即ち静刃（４）との摺擦面（９）の全幅に亘るよう
に形成されている。

しかして、静刃（４）は第４図に示すように、上記摺
擦面（９）、即ち動刃（１）の櫛歯部（５）の刃幅とほ
ぼ同等の刃幅ｂを有し、櫛歯部（５）における動刃
（１）と静刃（４）との摺り合わせは、全幅に亘って行
われるように構成されている。

以上の構成を備えたこの調髪用鋏は、動刃（１）と静
刃（４）の摺れ合いが櫛歯部（５）に生ずると、切断し
ようとする頭髪が欠刃部（７）内で、溝底（８）に沿う
ように傾斜しつゝ剪断される。そして、該溝底（８）の
端部（８）′には切り残される毛髪が生ずる。したがっ
て、静刃（４）を実際上固定したまゝの切断をした場合
でも、刈り込んだ頭髪は斉一に切断されなくて長短に微
妙な差が生ずる。又、第５図に示すように、従来の梳鋏
のように欠刃部ａの溝底ｃを摺擦面ｄに対して垂直に形
成した場合のように角部ｅを形成していないので、調髪
時の毛髪に対する鋏の移動もスムーズになり、上記角部
ｅとの接触によって生じ易い毛髪を傷めたり、ひっかけ
たり、折ったりすることもほとんど無くなる。

尚、この実施例は、前述のように動刃側に櫛歯部
（５）を設けているが、本発明者等の実験によれば、こ
の実施例とは逆に、櫛歯部（５）を静刃側に設けた場合
でも、ほゞ同等の作用効果が得られた。したがって、本
発明において、刃部（６）と欠刃部（７）を具えた櫛歯
部（５）は、動刃側のみに限定されず、二枚の刃のいず
れか一方に設けることができる。

発明の効果以上のように、二枚の刃のいずれか一方に刃部と欠刃
部とからなる櫛歯部を設けて、欠刃部を形成する溝底
を、その一端を同刃の背縁端に達するようにして斜面に
形成した本発明によれば、調髪用の鋏によって刈り込ま
れる頭髪に微妙な長短を形成せしめることができるの
で、いかにも散髪したてという感じを与えず、より自然
に近い刈り上げ面を容易に形成することができ、調髪に
ついて顧客の満足を得ることができるとゝもに、長髪は
勿論、短い毛髪、特にスソの部分をカッテイングする場
合でも使い易く、確実に又、熟練度を必要とせずに調髪
用鋏の高度の技術的な使用を容易にするという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図はその全
体形状を示す正面図。第２図は櫛歯部の一部切欠拡大正
面図。第３図は櫛歯部の一部切欠拡大断面図。第４図は
櫛歯部と他方の刃との断面を説明する拡大断面図。第５
図は、第４図に対応させて示す従来の梳鋏の拡大断面図
である。（１）：動刃、（１）′：背縁端、（２）：指掛部、
（３）：枢支軸、（４）：静刃、（５）：櫛歯部、（６）：刃部、
（７）：欠刃部、（８）：溝底、（８）′：端部、（９）：摺擦面、a:従
来品の欠刃部、 b:刃幅、c:溝底、d:摺擦面、e:角部。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】調髪用の鋏において、一方の刃（１）に、
梳鋏とほゞ同様に刃部（６）と欠刃部（７）とを交互に
具えた櫛歯部（５）を設けるとゝもに、上記欠刃部
（７）を形成する溝底（８）を斜面に形成して、該溝底
（８）の端部（８）′を上記刃（１）の背縁端（１）′
に達するように設けることによって、他方の刃（４）と
の摺擦面（９）の全幅に亘るように欠刃部（７）を形成
してなる調髪用鋏。
【請求項２】前記一方の刃（１）に対応する他方の刃
（４）が、前記櫛歯部（５）とほゞ同等の刃幅ｂを有す
ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の調髪用
鋏。