JP2541760Y2 - 液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、液体状の化粧品、医療品、洗剤、食品など
を収納する液体容器に関するものである。

［従来の技術］ 従来から、液体状の化粧品、医療品、洗剤、食品など
を収納する液体容器としては、プラスチック製のボトル
タイプのものが用いられている。

［考案が解決しようとする課題］ ボトルタイプの液体容器は、それ自体で使用に供され
るところから、強度が大で、外観性に優れており、高価
であるにもかかわらず、収納液の詰め替えに適さないと
ころから、ほとんど再利用されず、廃棄処理の上でも問
題であった。

本考案は、ボトルタイプの液体容器における上記問題
点を解消しようとするものであって、液体を収納する容
器をフィルムからなる袋状のものとすることで構成材料
の量を極く少なくして、廃棄処理上の問題を解消し、し
かも、袋状の容器であっても、収納液を漏出させること
なく注出具を取付けることができ、また、収納液を効率
的に注出することができるうえ、容器が袋状であるにも
かかわらず、収納液をほとんど残さず吸出して有効に使
用することができる液体容器を提供することを目的とす
るものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の目的を達成するための技術的手段と
しては、次のように構成した。すなわち、 上部に吊部を有し下部の外側壁に開封補助具が固着さ
れてなるフィルムより構成された内部に液体を収納する
袋状の容器と、袋状の容器の吊部を支持することにより
袋状の容器を吊り下げる吊架部材と、その開封補助具の
筒部に嵌着するこにより開封補助具に囲まれた袋状の容
器の壁を破る先鋭体からなる開封手段を備える注出具と
で構成されており、上記開封手段は、その先鋭体に収納
液を吸出する孔を有するとともに開封補助具の筒部内で
先鋭体が容器の壁の外方に後退可能であり、注出具は上
記先鋭体の孔を通して袋状の容器から収納物を吸出す吸
引機能を備えたもので構成されることを特徴とする液体
容器としたものである。

［作用］ 本考案に係る液体容器にあっては、容器がフィルムで
構成された袋状のものであるが、その容器の上部には吊
部を有しているので、収納液が収納された容器は、吊部
を吊架部材に吊下げた状態に保持できる。そこで、容器
を吊下げた状態で、下部の開封補助具に注出具を嵌着す
れば、その嵌着とともに注出具に有する開封手段によっ
て開封補助具に囲まれた袋状の容器の壁が開封され、か
つそれに注出具が形成される。したがって、容器が収納
液を収納した袋状のものであっても、収納液を漏出させ
ずに注出具を設けることができる。

また、収納液を収納した容器が袋状のものであって
も、それを吊下げた状態で下部の注出具から収納液を注
出するうえ、開封手段を構成する先鋭体には収納液を吸
出する孔を設けてあり、かつ開封手段は、容器の開封後
に開封補助具の筒内で容器の壁を外方に後退させること
により容器内に開封手段が突出しないようにできるの
で、吸引機能を備えた注出具による吸引作用で容器の収
納液は容器内に残留することなく注出され、収納液を効
率的に注出して無駄なく使用することができる。

なお、容器はフィルム状のものであるから、収納液を
注出した後に廃棄しても、その廃棄物としての量は極く
僅かであり、廃棄処理上の問題は生じない。注出具は再
使用が可能であるから、一度の使用で廃棄処分せずに、
何度も有効使用ができる。

［実施例］ 本考案の一実施例について図面を参照して説明する。

第１図および第２図において、１は線状低密封ポリエ
チレンのフィルムで構成された袋状の容器であって、こ
の袋状の容器１は収納液を収納して密封されたものであ
る。袋状の容器１は両側にガゼットを形成し、上部と下
部を溶着して厚肉状の立上片2a,2bが形成され、この上
部の立上片2aの両端部には吊孔3,3が設けられて、吊部
４が形成されている。袋状の容器１の下面は平面状をな
しており、この下面には開封補助具５が取付けられてお
り、この開封補助具５には、注出具６が着脱自在に嵌着
されるようになっている。

７は自立性のケースであって、このケース７は、一対
のケース半体8,9をヒンジ10によって開閉自在に構成さ
れており、11はラッチ、12はラッチ受である。ケース７
の一方の半体８内には、その上部に吊棒13,13が一体に
突設されており、ケース７の他方の半体９には凹部（図
示せず）が吊棒13,13と係合するように形成され、この
吊棒13,13に上記袋状の容器１の吊孔3,3を差込むことに
より、袋状の容器１を吊架け保持することができるよう
になっており、自立性のケース７は、袋状の容器１の吊
架部材をなすものである。

開封補助具５は、第３図に示すように、筒部14に一体
の鍔部15を有するものであって、鍔部15を袋状の容器１
の外側壁に粘着剤で固着して取付けられるものである。
開封補助具５の筒部14は外周に雄ネジを有している。注
出具６は、その先端部がキャップ状のねじ込み部16とな
っており、ねじ込み部16内には孔17を有する先鋭体から
なる開封手段18が嵌装されており、開封手段18の先鋭部
外周にはＯリング19が嵌込まれている。開封手段18はそ
の先鋭部を開封後に筒部14内で容器１の壁の外方に後退
可能であって、開封後は開封手段18先鋭体は容器１内に
突出させないようになっている。注出具６のねじ込み部
16には弾性管20を介し、第４図に示すように、延長管21
を経てさらに注出弁機構22が接続されており、この注出
弁機構22の上部可動体23に注出口24が開口している。上
記注出弁機構22は、下部のボール弁25と上部の板弁26を
備えた吸い上げ部27を有する構造をなしている。28は上
部可動体23の復帰スプリングである。上部可動体23は回
動自在であって、ケース７の他方の半体８の凹部29に収
納保持できるようになっている。

なお、上記実施例では強度、透明性および加工性の面
より線状低密度ポリエチレンを使用したが、本考案はこ
れに限定されるものではなく、たとえば、低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ナイロンなどのプラスチックが使用できるものであ
る。そして、収納液によっては、これらのプラスチック
にナイロン、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物など
の酸素バリヤ性のプラスチックやアルミニウム箔を積層
したものや、上記フィルムにアルミニウムなどの金属を
蒸着したもの、さらには紙と上記プラスチックとを貼り
合わせたフィルムが使用できるものである。

注出具６はノズルを備えた吸引ポンプ等であってもよ
いし、単にコックを有するだけの口部であってもよい。

また、本考案の袋状の容器は、上記実施例では両側にガ
ゼットを形成したが、単に周囲をシールしたものも利用
できる。

なお、本考案の吊架部材は、上記実施例によれば袋状
の容器を内部に収納して外観を美麗に保つことができる
ものであるが、単に袋状の容器の上部の吊部を吊架ける
手段を持つ部材であってもよい。

以上のように構成された液体容器においては、容器１
の上部に吊部４を有しているので、収納液が収納された
袋状の容器１は、吊部４をケース７の一方の半体８内の
吊棒13,13に吊架けた状態に保持でき、かつケース７を
閉じてその内部に収納した状態とすることができる。そ
こで、袋状の容器１を吊架けた状態で、下部の開封補助
具５に注出具６を嵌着すれば、その嵌着とともに注出具
６に有する開封手段18によって注出補助具５が開封さ
れ、かつそれに注出具６が接続される。したがって、容
器１が収納液を収納した袋状のものであっても、収納液
を漏出させずに注出具６を設けることができる。

そして、開封手段18は、開封後にその先鋭体を開封補
助具５の筒部14内で容器１の壁の外方（第３図に示す位
置）まで後退させることができ、先鋭体は容器１内に突
出しないようにすることができる。

したがって、収納液を収納した容器１が袋状のもので
あっても、それを吊下げた状態で下部開封補助具５から
注出部６を介して収納液を注出するうえ、収納液を吸出
する孔17を有する開封手段18が容器１の壁より外方に位
置するので、容器１内には収納液が残留せず、収納液を
効率的に注出して無駄なく使用できることができる。

なお、容器１はフィルム状のものであるから、収納液
を注出した後に廃棄しても、その廃棄物としての量は極
く僅かであり、廃棄処理上の問題は生じない。注出具６
は再使用が可能であるから、一度の使用で廃棄せずに、
何度も有効使用ができ、廃棄処理上の上で一層有利であ
る。

また、袋状の容器１は内容液の充填時に特別な注入口
を有せず、袋体の上部から直接広口の状態で充填できる
ので、充填を高速で行なうことができ、特にマヨネー
ズ、ケチャップ、梅肉などのような粘性物の充填が可能
である。

さらに、このような食品の包装に必要とされている無
菌包装時にあっては、袋状の容器１は収納液に充填時に
特別の注入口を有しないので、従来行なっていたこの部
分の熱塩素水の噴霧による殺菌が不要となり、容易に無
菌包装が得られるものである。

また、袋状の容器１は、その下部の外側壁に開封手段
が固着されているものであるが、この開封手段は袋状の
容器の吊り架け時に、固着するものであるので、収納物
の充填後の運搬、保管時には邪魔にならず、袋状の容器
自体も積み重ねることができるものである。

［考案の効果］ 本考案は、フィルムで構成された袋状の容器の上部に
吊部を有し、かつ下部に開封補助具を有しており、袋状
の容器の吊り架け手段と、その開封補助具の開封手段を
有しかつ開封補助具に着脱自在の注出具を備えてなるも
のであるから、容器をフィルムからなる袋状の容器とし
て構成材料の量を極く少なくして、廃棄処理上の問題を
解消し、しかも、袋状の容器であっても、収納液を漏出
させることなく注出具を取付けることができ、また、収
納液を効率的に注出することができるうえ、容器が袋状
であるにかかわらず、収納液をほとんど残さず吸出して
有効に使用することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る液体容器の一実施例を示し、第１図
はケースを分離し、かつその一部を破断して示した斜視
図、第２図はケースに収納した状態を示す全体斜視図、
第３図は容器の開封補助具および注出具の部分を破断し
て示す部分側面図、第４図は注出具の一部の断面図であ
る。 １……袋状の容器、3,3……吊孔、４……吊部、５……
開封補助具、６……注出具、７……自立性のケース、8,
9……一対のケース半体、10……ヒンジ、13,13……吊
棒、14……筒部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に吊部を有し下部の外側壁に開封補助
   具が固着されてなるフィルムより構成された内部に液体
   を収納する袋状の容器と、袋状の容器の吊部を支持する
   ことにより袋状の容器を吊り下げる吊架部材と、その開
   封補助具の筒部に嵌着することにより開封補助具に囲ま
   れた袋状の容器の壁を破る先鋭体かなる開封手段を備え
   る注出具とで構成されており、上記開封手段は、その先
   鋭体に収納液を吸出する孔を有するとともに開封補助具
   の筒部内で先鋭体が容器の壁の外方に後退可能であり、
   注出具は上記先鋭体の孔を通して袋状の容器から収納物
   を吸出す吸引機能を備えたもので構成されることを特徴
   とする液体容器。