JP2541223Y2 - ブレイダーの塵埃回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、複数本の糸条や繊維束
（以下、単に「糸条」と呼ぶ）を組んで組紐を組成する
ブレイダーの、塵埃を回収する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、断面が円形、方形等のマンドレル
上に複数本の糸条を組んで組紐を組成する種々のブレイ
ダーが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】組紐では、糸条として
ガラス繊維等の屈曲に弱い糸条が使用されることが多
く、繊維片等の塵埃がブレイダー周辺に飛散し、作業者
がブレイダー周辺の清掃を行って塵埃の回収を行わなけ
ればならなかった。またガラス繊維片は棘状を成してい
るので飛散して作業者の身体に接触し、作業者に不快感
を与えていた。

【０００４】本考案は、上述した現状の不便を解決し、
塵埃が飛散せず、また塵埃の回収が簡単に行える、ブレ
イダーの塵埃回収装置を提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のブレイダーの塵
埃回収装置では、上記の目的を達成する為に、マンドレ
ル上で複数の糸条或いは繊維束を組んで組紐を組成する
ブレイダーにおいて、上記マンドレルを把持するマンド
レル装置の前面にブレイダー本体を配置し、ブレイダー
本体の機台内にマンドレル上の組成点から機台内に向か
う吸引気流を発生させて塵埃を吸引するファンと、機台
内に吸引された塵埃を捕捉するフィルターとを備えるよ
うにしている。

【０００６】

【作用】このブレイダーの塵埃回収装置であれば、組紐
の組成中に生じる塵埃はファンによって発生する吸引気
流により吸引され、上記吸引された塵埃をフィルターが
捕捉するので、塵埃は飛散しない。

【０００７】

【実施例】図１〜図３は本考案の一実施例を示してい
る。以下、図面に従って実施例の詳細を説明する。

【０００７】図１はブレイダー１の側面図を表してい
る。ブレイダーはブレイダー本体２とマンドレル装置３
とから成る。ブレイダー本体は、本考案の塵埃回収装置
がその内部に位置する機台４と、上記マンドレル装置３
に支持されたマンドレル５の表面上に組成される糸条６
を巻回したボビン７がその内部に位置する円筒壁８から
成る。

【０００９】前記円筒壁８の内面には、円筒状球面を成
す軌道プレート９が設置されており、該軌道プレート９
にはボビンキャリア１０の走行軌道が穿設されている。
そして、上記円筒壁８と軌道プレート９の間には、下部
にフリクションローラ１１、上部にボビンキャリア１０
と係合する羽車１２とを備えたボビンキャリア１０の搬
送円盤１３が連設されていて、一か所の搬送円盤をモー
タにより駆動させることで連設する搬送円盤を回転さ
せ、複数のボビンキャリア１０を軌道プレート９上で上
記ボビンキャリア軌道に沿って走行させる。上記ボビン
キャリア１０にはボビン７が載置され、軌道プレート９
の中心点である組成点１４に向かってボビン７から糸条
６が解舒される。

【００１０】一方、マンドレル装置５はブレイダー本体
２の前面に配置されている。マンドレル装置５は、マン
ドレル装置機台１５と、該マンドレル装置機台１５上
に、ブレイダー本体２に向かって進退可能に設置された
水平移動体１６と、該水平移動体１６の先端部に設置さ
れた扇型移動体１７からなり、マンドレルは、該扇型移
動体１７から延びるマンドレル支持棒１８に把持され
る。上記扇型移動体１７は、上記マンドレル支持棒１８
に把持されたマンドレル５を組成点１４に位置せしめた
時、該組成点１４を中心とした円上で移動可能であっ
て、上記のマンドレル装置３によって、マンドレル５は
組成点１４に向かって進退可能かつ、組成点１４におい
て回転可能である。

【００１１】また、組成点１４の前後には、環状の組成
位置安定ガイド１９が設置され、軌道プレート９上を蛇
行しながら走行するボビンキャリア１０の横方向の移動
に伴って揺れる糸条６を該組成位置安定ガイド１９によ
り案内し、組成点１４を略一定位置に安定させる。更に
円筒壁８の前面には、組成終了時にマンドレル５から糸
条を切り離すカッター２０が配置されている。

【００１２】そして、前記ブレイダー本体２の機台４の
内部には塵埃回収装置が設置されている。塵埃回収装置
は組紐組成過程で発生する塵埃を吸引するための気流を
発生させる二基のファン２１と、吸引される塵埃を捕捉
するフィルター２２から成る。

【００１３】前記フィルター２２は円筒状を成し、両端
面が、ほぼその仮想中心線上に組成点１４が位置するよ
うに前記機台４の前面壁２３および後面壁２４に保持さ
れる。また前記ファン２１は機台後部下方に設置され
る。一方、機台４の前面壁２３にはフィルターの円筒面
と対応する位置に、フィルター２２の内径に等しい径の
塵埃吸入口２５が開口しており、機台４の後面壁２４に
はファン２１の設置位置に対応して、排気口２６が開口
している。機台４の後面壁２４は開閉可能に扉状となっ
ており、上記フィルター２２はマグネット２７によって
該後面壁に接離可能に保持される。

【００１４】また、機台４内には、組紐の縦方向に直線
的に配置される芯糸用のボビン２９が、機台４の内面に
取り付けられた環状のボビン固定リング３０に保持され
ている。尚、上記の芯糸用のボビン２９は、芯糸２８の
為に専用に作られたものではなく、軌道プレート９上を
走行するボビンキャリア１０を、上記ボビン固定リング
３０に設けられた留め金３１に引っかけることで芯糸用
として使用できる。

【００１５】組紐の組成は、マンドレル装置３によって
組成点１４で支持されたマンドレル５上で、軌道プレー
ト９上を走行する複数のボビン７から解舒された糸条６
が編組されて行われる。そして組成の進行やマンドレル
５の形状に関連して、マンドレル５はマンドレル装置３
によって組成点１４で進退や旋回を行う。

【００１６】一方、組成中には機台４内に設置されたフ
ァン２１が駆動され、それに伴い組成点１４では塵埃吸
入口２５に向けての吸引気流（矢印Ａ）が発生する。該
吸引気流は塵埃吸入口２５から機台４内へ、そしてフィ
ルター２２を通過して排気口２６から排気される。組成
点１４近傍で発生する塵埃は該吸引気流によって塵埃吸
入口２５から機台４内へ吸引されて、フィルター２２の
内面２２ａに捕捉される。そしてフィルター２２にある
程度の塵埃が溜まると、機台後面壁２４を開いてフィル
ター２２に溜まった塵埃を回収すれか、または、フィル
ター２２そのものを交換すれば良い。

【００１７】尚、上述した実施例では、マンドレルを使
用したブレイダーについて示したが、本考案の塵埃回収
装置は、上述の実施例に限定されるものではない。

【００１８】

【考案の効果】以上のように本考案によるブレイダーの
塵埃回収装置では、ファンの駆動によって組成点からブ
レイダー本体の機台に向かって吸引気流が発生するの
で、組紐組成中に糸条或いは繊維束が擦れ合うことによ
って組成点近傍で生じやすい塵埃を効率良く機台内に回
収することができる。又、機台内に回収された塵埃は機
台内のフィルターによって捕捉されるので、組紐組成中
に発生した塵埃がブレイダーの周辺に飛散することがな
くなり、飛散した塵埃が作業者に不快感を与えることも
なくなる。更に発生した塵埃の清掃は、フィルターの清
掃或いはフィルターそのものの交換によって行えるの
で、作業者が容易に塵埃を清掃できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すブレイダーの側面図で
ある。

【図２】ブレイダーの斜視図である。

【図３】フィルタの斜視図である。

【符号の説明】

１ ブレイダー ６ 糸条 ２１ ファン ２２ フィルター

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マンドレル上で複数の糸条或いは繊維束を
   組んで組紐を組成するブレイダーにおいて、上記マンド
   レルを把持するマンドレル装置の前面にブレイダー本体
   を配置し、ブレイダー本体の機台内にマンドレル上の組
   成点から機台内に向かう吸引気流を発生させて塵埃を吸
   引するファンと、機台内に吸引された塵埃を捕捉するフ
   ィルターとを備えたことを特徴とするブレイダーの塵埃
   回収装置。