JP2540997Y2 - スイッチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はスイッチ構造に関するものであり、更に詳し
くは、エンボス加工シートを用いて成るメンブレンスイ
ッチ等のスイッチ構造に関するものである。

従来の技術 従来より、スイッチシートとしてエンボス加工シート
が用いられているメンブレンスイッチのスイッチ構造は
周知である。

第３図は斯るメンブレンスイッチの従来例を示す平面
図であり、第４図はそのＢ−′線断面図である。第３図
及び第４図には、それぞれ２個のスイッチ構造が示され
ているが、実際にはこれらの周辺に更に複数のスイッチ
構造が設けられている。図示のように、各スイッチ構造
について基板（５）（例えば、印刷配線基板）上には接
点導体（4a）（4b）がそれぞれ設けられている。基板
（５）の下には回路部品（図示せず）が設けられてお
り、前記接点導体（4a）（4b）と電気的に接続されてい
る。また、基板（５）上にスイッチシートとして設けら
れている外装シート（１）は、可撓性を有するプラスチ
ック材料から成るエンボス加工シートであり、各エンボ
ス部分（２）の凹状の内面には前記接点導体（4a）（4
b）と対向するように可動接点（３）が設けられてい
る。前記外装シート（１）のエンボス部分（２）を除く
部分と前記基板（５）との間にはスペーサー（６）が設
けられている。スペーサー（６）を設けることによっ
て、エンボス部分（２）を押圧したときにクリック感を
得ることができる。エンボス部分（２）を押圧すると、
可動接点（３）と接点導体（4a）（4b）とが接触し、接
点導体（4a）と接点導体（4b）とが電気的に接続され、
メンブレンスイッチはONの状態となる。このとき外装シ
ート（１）のエンボス部分（２）と基板（５）との間に
存する空気を逃がしてやるために、各エンボス部分
（２）間にはエアー抜き部分（８）が設けられている。
このエアー抜き部分（８）は、図示のように各エンボス
部分（２）間に一部スペーサー（６）を設けないことに
よって、基板（５）と外装シート（１）との間に空気が
移動しうる程度の隙間ができるように形成されている。

第３図及び第４図に示されている従来のメンブレンス
イッチにおいて、基板（１）への外装シート（１）の固
定は、通常両面に接着性を有するスペーサー（６）（例
えば、両面テープ）を用いることによって行われてい
る。

考案が解決しようとする課題 しかし、前記エアー抜き部分（８）にはスペーサー
（２）は設けられていないので、その部分（８）では外
装シート（１）は基板（５）に接着されていない。従っ
て、前記エンボス部分（２）の押圧動作を繰り返すと、
その空気圧によってエアー抜き部分（８）の周辺でスペ
ーサー（６）と外装シート（１）又は基板（５）とが剥
離する場合がある。

そこで本発明の目的は、スペーサーと外装シート及び
基板との接着性が良好で且つ安定なスイッチ構造を提供
することにある。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するため本考案では、複数のエンボス
加工が施されている可撓性プラスチック材料から成る外
装シートと、前記外装シートに形成されているエンボス
部分の内面に設けられている可動接点と、前記可動接点
と対向するように接点導体が設けられている基板と、前
記外装シートの前記エンボス部分及び前記エンボス部分
の周囲の平坦部分と前記基板との間に空間が形成される
ように前記外装シートと前記基板との間に設けられてい
るスペーサーと、前記エンボス部分直下の基板部分に形
成された貫通穴とから成る構成としている。

作用 このような構成によると、外装シートのエンボス部分
を押圧したときに、このエンボス部分と基板との間に存
する空気は、基板の接点導体及びスペーサーが設けられ
ていない部分に形成されている基板を貫通する穴から出
て行く。従って、エンボス部分を繰り返し押圧しても、
前記空気は移動するときにスペーサーと外装シート又は
基板とを剥離するように作用しないので、スペーサーと
外装シート及び基板との接着性を良好で且つ安定に保つ
ことができる。

実施例 以下、本考案の実施例について図面に基づいて説明す
る。本発明を実施した第１図及び第２図において、第３
図及び第４図の従来例と同一部分には同一の符号を付し
て重複説明を省略する。

第１図は本実施例を示す平面図であり、第２図はその
Ａ−Ａ′線断面図である。第３図及び第４図の従来例と
は異なり、外装シート（１）のエンボス部分（２）を除
く部分と基板（５）とは、両面に接着性を有するスペー
サー（６）を介して完全に固定されている。従って、図
示のスイッチ構造とその周辺に設けられている他のスイ
ッチ構造とは完全に独立しており、エンボス部分（２）
を押圧しても、エンボス部分（２）と基板（５）との間
に存する空気が他のエンボス部分（図示せず）と基板
（５）との間に移動することはない。

基板（５）には、接点導体（4a）（4b）及びスペーサ
ー（６）が設けられていない部分に、基板（５）を貫通
する穴（７）が形成されている。第１図及び第２図には
接点導体（4a）（4b）の両側に２個の穴（７）が形成さ
れた例が示されているが、その数，形状，大きさ等につ
いては、用いるスイッチ構造の構成に応じて適宜選択す
ることができる。

外装シート（１）のエンボス部分（２）を押圧すると
可動接点（３）と接点導体（4a）（4b）とが接触すると
ともに、エンボス部分（２）と基板（５）との間に存す
る空気は、押し込まれた分だけ穴（７）から出て行く。
従って、この空気の移動によるスペーサー（６）と外装
シート（１）又は基板（５）との剥離は生じにくくなる
ので、基板（５）に対する外装シート（１）の接着信頼
性は高くなる。

尚、ブラスチック材料から成る外装シート１のエンボ
ス部分２と基板５との間だけでなく、エンボス部分２の
周囲の平坦部2aと基板５との間にも、エンボス部分２の
押圧を円滑にするためスペーサーが存しないので、空間
Ａが形成されることになるが、前記穴７を基板５に設け
ているためエンボス部分２を押圧したとき、この空間Ａ
に寄せられる空間の圧力は小さく、空間Ａを介して外装
シート１と基板５の間に剥離を生じない。

また、本実施例のスイッチ構造では、前述したように
各スイッチ構造がそれぞれ独立して機能するので、第３
図のエアー抜き部分（８）及びその部分（８）を通り移
動してきた前記空気を導入する他のスイッチ構造等は必
要とされない。

尚、上述の実施例においては隣接するエンボス同士が
スペーサー（６）によって基板（５）上で互いに遮断さ
れる構造になっているが、エンボス同士の間に空気が通
じるようにスペーサー（６）を一部切除した構造として
もよい。このようにしても、基板（５）に空気逃げ用の
穴（７）が設けられていれば、そのスペーサー（６）の
切除部を通して外装シート（１）に加わる空気圧は充分
軽減でき、外装シートの剥離が生じないからである。

考案の効果 本考案によれば、外装シートを可撓性プラスチック材
料で構成しているので、エンボスを押下したとき、エン
ボス部分の形が変に崩れず動作に安定感があるととも
に、エンボス部分よりやや広い範囲の空間を形成するよ
うにスペーサを設けているので、平面的にみたときエン
ボス部分よりも外側の平坦部の下にも空間が形成される
ことになり、これによってエンボスを押下したとき、こ
の押下が円滑になりスイッチのON状態が確実に得られる
とともに、歯切れのよいクリック感が得られる。エンボ
スの高さが低く、ストロークの短いスイッチでは、スイ
ッチをONしたという感触を操作者に与えることが重要と
なるが、この要件を充足できる。また、エンボス部分直
下の基板部分に貫通穴を形成しているので、エンボスを
押下したときの内部空間における空気圧をやわらげ、外
装シートとスペーサ、基板間の剥がれを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したスイッチ構造を示す平面図で
あり、第２図はそのＡ−Ａ′線断面図である。第３図は
従来例を示す平面図であり、第４図はそのＢ−Ｂ′線断
面図である。 （１）……外装シート，（２）……エンボス部分，（2
a）……平坦部，（Ａ）……空間，（３）……可動接
点，（4a）（4b）……接点導体，（５）……基板，
（６）……スペーサー，（７）……穴，（８）……エア
ー抜き部分。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のエンボス加工が施されている可撓性
   プラスチック材料から成る外装シートと、 前記外装シートに形成されているエンボス部分の内面に
   設けられている可動接点と、 前記可動接点と対向するように接点導体が設けられてい
   る基板と、 前記外装シートの前記エンボス部分及び前記エンボス部
   分の周囲の平坦部分と前記基板との間に空間が形成され
   るように、前記外装シートと前記基板との間に設けられ
   ているスペーサーと、 前記エンボス部分直下の基板部分に形成された貫通穴
   と、 から成ることを特徴とするスイッチ構造。