JP2540503B2 - Ｅｌ素子表示部を備えたパチンコ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、EL素子表示装置を遊技盤面上に備えたパチ
ンコ機に関するものである。

（従来の技術） パチンコ機においては、パチンコ球の入賞、当該パチ
ンコ機における遊技の終了、係員の呼出、故障等の各種
表示を各パチンコ機毎に行なえるようにしてある。とこ
ろで、従来のこの各種表示は通常小さい電球によって行
なわれているが、次のような種々な欠点があった。すな
わち、 通常、電球はネジ込み式のものが多く、パチンコ機
に与えられる振動等によってこのネジ込み部が緩むこと
があり、緩んだ電球は改めてネジ込みをしなければなら
ない。

度重なる点滅によって、当該電球は球切れを生ずる
から、この場合には当然にこれを交換しなければならな
い。

電球はその収納部分を確保しておかなければならな
いが、パチンコ機にあっては通常遊技盤面に大きな孔加
工を施し、その中に収納している。すなわち、遊技盤面
に対する大きな孔加工がどうしても必要である。

それだけではなく、電球のネジ込み部が緩んだり、
また球切れが生じた場合に、そのメンテナンスを行なわ
なければならないため、当該電球の収納部分に電球が収
納できる以上の大きさのものとして確保しておく必要が
ある。このことは、スペースが非常に限られているパチ
ンコ機の遊技盤にあっては、電球の収納場所を確保する
ための設計・製造上において相当な困難を生じている。

さらに、電球による各種表示は従来既に行なわれて
いることであって新鮮味がなく、遊技者の好みが年を追
って変化してきている状態に対応しきれていないのが実
状である。

さらに、電球による表示の場合、通常電球は白色し
か発光しないため、その上に色のついたプラスチック板
等を配置しないと必要な色が得られない。しかも、視野
角を確保するために、当該プラスチック板には散光加工
を施しておかなければならない。

ところで、最近他の発光素子に比較して大面積の面光源
を作ることのできるEL（エレクトロ・ルミネッセンス）
素子が開発され、実用化の目度も立つようになってき
た。しかも、このEL素子としては、これに印加する電圧
を変化させることによって、いろいろな色を出せること
ができるようにもなってきている。

発明者等は、この近年の技術の進歩に着目し、当該EL
素子を上述したような現状のパチンコ機に適用すれば、
相当その問題の解決を図ることができるのではないかと
鋭意研究を重ねてきたのである。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は以上の実状に鑑みてなされたもので、その解
決しようとする問題点は、各種表示装置をパチンコ機に
取付ける際の困難性、及び従来の表示装置の新鮮味のな
さである。

そして、本発明の目的とするところは、EL素子を利用
することによって、パチンコ機に対する表示装置の取付
けを容易にするとともに、新鮮な遊技を行なうことので
きるパチンコ機を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するために本発明が採った手段
は、実施例に対応する図面を参照して説明すると、 「遊技盤面（12）の表側にEL素子を使用した表示装置
（20）を設けたパチンコ機（10）であって、 EL素子表示装置（20）を、駆動制御部（23）とEL素子
表示パネル（22）に分けて、駆動制御部（23）を遊技盤
面（12）の裏側に配置し、EL素子表示パネル（22）を遊
技盤面（12）の表側に出すようにするとともに、駆動制
御部（23）とEL素子表示パネル（22）とを電気的に接続
するリード線（23a）のための開口（12a）を遊技盤面
（12）に設け、この開口（12a）内に通したリード線（2
3a）によって駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（2
2）とを電気的に接続して、 EL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル（22）によ
ってパチンコ球の入賞、当該パチンコ機（10）における
遊技の終了、故障等の各種表示を行なうようにしたこと
を特徴とするパチンコ機（10）」 である。

次に、この構成を採った本発明を、図面についてさら
に詳細に説明する。第１図は本発明を採用したパチンコ
機（10）の正面図が示してある。このパチンコ機（10）
においては、その遊技盤面（12）の略中央部にEL素子表
示装置（20）のEL素子表示パネル（22）が配置してあ
る。EL素子表示装置（20）は、第２図に示したように、
表側に位置するガラス板（21）の背後に、EL素子からな
る発光層（22a）（22b）を使用した表示パネル（22）と
駆動制御部（23）とを備えたものであり、その発光面は
ほぼ完全な平面である。

また、EL素子表示パネル（22）は、第３図に示したよ
うに、発光色が異なる一対の発光層を有するもので、こ
れらにそれぞれ独立的にあるいは同時に電圧を印加する
ことによって所定の光表示を行なうものである。本発明
において使用されるEL素子表示装置（20）のEL素子表示
パネル（22）にあっては、硫化亜鉛に各種の稀土塩類元
素のフッ化物を添加することによって種々な色の光を発
することができるようにしたものである。（例えば稀土
塩類元素としてサマリウムを使用すれば赤、ネオジウム
はオレンジ、テルビウム・ホルミウム・エルビウムの場
合は緑等である）そして、印加する電圧によってその色
相を異なるものとすることができるものである。

このEL素子表示装置（20）は、第４図に示したよう
に、駆動制御部（23）をEL素子表示パネル（22）とは別
体にし、これを遊技盤面（12）の裏側に配置した。この
場合、遊技盤面（12）には駆動制御部（23）からのリー
ド線（23a）が通る開口（12a）を設けるのに留めた。こ
のようにすれば、遊技盤面（12）の加工が容易だからで
ある。つまり、このパチンコ機（10）においては、その
EL素子表示装置（20）を、駆動制御部（23）とEL素子表
示パネル（22）とに分けて、駆動制御部（23）を遊技盤
面（12）の裏側に配置し、EL素子表示パネル（22）を遊
技盤面（12）の表側に出すようにするとともに、駆動制
御部（23）とEL素子表示パネル（22）を電気的に接続す
るリード線（23a）のための開口（12a）を遊技盤面（1
2）に設け、この開口（12a）内に通したリード線（23
a）によって駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（2
2）とを電気的に接続してあるのである。

勿論、このEL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル
（22）を遊技盤面（12）の中央部に設ける場合のみに限
らず、例えば第１図に示したような駆動又は入賞表示部
（13）、終了又は入賞表示部（14）等に適用できること
はいうまでもない。駆動又は入賞表示部（13）及び終了
又は入賞表示部（14）として使用する場合には、遊技盤
面（12）の中央部に設けた場合のようにその上をパチン
コ球が通過しない部分であるから、EL素子表示装置（2
0）のEL素子表示パネル（22）を枠体（11）または遊技
盤面（12）等に直接取付けること以外に、枠体（11）ま
たは遊技盤面（12）に対して全く加工を必要としない。

（発明の作用） 本発明が以上のような手段を採ることによって以下の
ような作用がある。すなわち、このパチンコ機（10）に
あってはEL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル（2
2）による表示が、従来の場合に比較して拡大された平
面において行なわれ、しかも第１図に示したように遊技
盤面（12）の中央部に形成した場合には遊技者の目に入
り易く表示効果は非常に高い。そして、このパチンコ機
（10）に採用されたEL素子表示装置（20）のEL素子表示
パネル（22）は極めて平面的なものであるため、これを
収納するための空間は殆ど必要がなくなっている。

また、このEL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル
（22）はそれ自体固定的なものとして構成することがで
きるから、従来の電球を使用した表示装置のように、取
付部が緩んだり、球切れを起したりすることは全くな
い。しかも、当該EL素子表示装置（20）のEL素子表示パ
ネル（22）の表示そのものは、従来の電球によるいわば
点による表示とは異なり、比較的広い面によって行なう
ため、従来よりも明るい状態で表示を行なうことができ
るから、表示効果を極めて高いものとしている。勿論、
この場合の電力消費を従来の電球の場合に比して少なく
することができるものである。

そして、第４図に示したように、EL素子表示装置（2
0）を駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（22）に分
けて、駆動制御部（23）は遊技盤面（12）の裏側に配置
し、EL素子表示パネル（22）を遊技盤面（12）の表側に
出すようにしたから、遊技盤面（12）にリード線（23
a）のための開口（12a）を設けるのみでよく、遊技盤面
（12）に対して大きな孔加工を施す必要は全くなくな
る。

さらには、このEL素子表示装置（20）を備えたパチン
コ機（10）にあっては、上記「発明が解決しようとする
問題点」の項で述べているように、各種表示装置をパチ
ンコ機に取付ける際の困難性を解決して、パチンコ機
（10）に対する表示装置の取付けを容易にしているもの
である。すなわち、このパチンコ機（10）では、EL素子
表示装置（20）を駆動制御部（23）とEL素子表示パネル
（22）に分けて、駆動制御部（23）を遊技盤面（12）の
裏側に配置し、EL素子表示パネル（22）を遊技盤面（1
2）の表側に出すようにするとともに、駆動制御部（2
3）とEL素子表示パネル（22）を電気的に接続するリー
ド線（23a）のための開口（12a）を遊技盤面（12）に設
け、この開口（12a）内に通したリード線（23a）によっ
て駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（22）とを電気
的に接続したから、駆動制御部（23）とEL素子表示パネ
ル（22）の個別の交換（例えば駆動ソフトを変更するた
めに他の別のものに取り替えること）、または交換（例
えば故障があったりして同じ別の新しいものに変えるこ
と）が可能となったのであり、これにより、当該パチン
コ機（10）に対する表示装置の取付けが容易になってい
るのである。

換言すれば、本発明に係るパチンコ機（10）では、そ
のEL素子表示装置（20）の駆動制御部（23）とEL素子表
示パネル（22）とが遊技盤面（12）の表裏において完全
に分けられているのであるから、例えば遊技内容の変更
に伴った駆動制御部（23）のみの変換または交換を、こ
れ以外の部分はそのままにして行えるのであり、これと
は逆に、EL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル（2
2）のみの変換または交換を、駆動制御部（23）はその
ままにして行えるのである。勿論、交換または変換後に
おいては、開口（12a）内に通したリード線（23a）によ
って駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（22）とを電
気的に接続しておけばよいのであるが、その作業は変換
または交換されるべき駆動制御部（23）またはEL素子表
示パネル（22）側で行えばよく、その作業は、開口（12
a）内に通したリード線（23a）はそのままにしておけば
よいから、非常に簡単になっているのである。

（発明の効果） 以上詳述した通り、本発明に係るパチンコ機（10）に
あっては、 「遊技盤面（12）の表側にEL素子を使用した表示装置
（20）を設けたパチンコ機（10）であって、 EL素子表示装置（20）を、駆動制御部（23）とEL素子
表示パネル（22）に分けて、駆動制御部（23）を遊技盤
面（12）の裏側に配置し、EL素子表示パネル（22）を遊
技盤面（12）の表側に出すようにするとともに、駆動制
御部（23）とEL素子表示パネル（22）とを電気的に接続
するリード線（23a）のための開口（12a）を遊技盤面
（12）に設け、この開口（12a）内に通したリード線（2
3a）によって駆動制御部（23）とEL素子表示パネル（2
2）とを電気的に接続して、 EL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル（22）によ
ってパチンコ球の入賞、当該パチンコ機（10）における
遊技の終了、故障等の各種表示を行なうようにしたこ
と」 にその特徴があり、これにより、各種表示装置のパチン
コ機に対する取付を容易にすることができる。

また、当該EL素子表示装置（20）は、その収納場所と
して大きな場所を確保しておく必要がないから、当該パ
チンコ機に必要な他の部材を取付ける空間を残しておく
ことができ、ひいてはパチンコ機の遊技を今まで以上に
変化させることができる。

さらに、パチンコ機（10）に使用されるEL素子表示装
置（20）のEL素子表示パネル（22）による表示は、従来
の電球によるそれとは異り、EL素子表示装置（20）の表
示面全体で所望の表示を行なうものであるから、遊技者
にとって今までにない新鮮な遊技を行なうことができる
とともに、従来の表示装置のように散光するためのプラ
スチック製部材を考慮する必要が全くなくなる。

そして、本発明に係るパチンコ機（10）によれば、こ
れに対する表示装置の取付けを容易にすることができる
のである。すなわち、本発明に係るパチンコ機（10）に
よれば、そのEL素子表示装置（20）の駆動制御部（23）
とEL素子表示パネル（22）とを遊技盤面（12）の表裏に
おいて完全に分けたから、例えば遊技内容の変更に伴っ
た駆動制御部（23）のみの変換または交換を、これ以外
の部分はそのままにして行うことができるのであり、こ
れとは逆に、EL素子表示装置（20）のEL素子表示パネル
（22）のみの変換または交換を、駆動制御部（23）はそ
のままにして行うことができるのである。勿論、交換ま
たは変換後においては、開口（12a）内に通したリード
線（23a）によって駆動制御部（23）とEL素子表示パネ
ル（22）とを電気的に接続しておけばよく、しかもその
作業を、変換または交換されるべき駆動制御部（23）ま
たはEL素子表示パネル（22）側で行うことができるので
あり、その作業は、開口（12a）内に通したリード線（2
3a）はそのままにしておけばよいから、非常に簡単にお
こなうことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るパチンコ機の正面図、第２図はEL
素子表示装置の部分斜視図、第３図はEL素子表示装置の
要部拡大断面図、第４図は第１図のIV-IV線に沿って見
た拡大横断面図、第５図は第１図のVI-VI線部の部分拡
大正面図である。 符号の説明 10……パチンコ機、11……枠体、12……遊技盤面、13…
…駆動又は入賞表示部、14……終了又は入賞表示部、15
……呼出表示部、20……EL素子表示装置、21……ガラス
板、22……EL素子表示パネル、22a・22b……発光層、23
……駆動制御部、23a……リード線、30……ハンドル。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技盤面の表側にEL素子を使用した表示装
   置を設けたパチンコ機であって、 前記EL素子表示装置を、駆動制御部と、EL素子表示パネ
   ルに分けて、前記駆動制御部を前記遊技盤面の裏側に配
   置し、前記EL素子表示パネルを前記遊技盤面の表側に出
   すようにするとともに、前記駆動制御部とEL素子表示パ
   ネルとを電気的に接続するリード線のための開口を前記
   遊技盤面に設け、この開口内に通したリード線によって
   前記駆動制御部とEL素子表示パネルとを電気的に接続し
   て、 前記EL素子表示装置のEL素子表示パネルによってパチン
   コ球の入賞、当該パチンコ機における遊技の終了、故障
   等の各種表示を行なうようにしたことを特徴とするパチ
   ンコ機。
2. 【請求項２】前記EL素子表示装置のEL素子表示パネルを
   前記遊技盤面の中央部に設けることによって、このEL素
   子表示パネルが遊技中の遊技者の目に入り易いようにし
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のパチ
   ンコ機。