JP2539911B2 - オ―ステナイト系ステンレス鋼材の接合方法 - Google Patents

オ―ステナイト系ステンレス鋼材の接合方法

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JP2539911B2 JP1095273A JP9527389A JP2539911B2 JP 2539911 B2 JP2539911 B2 JP 2539911B2 JP 1095273 A JP1095273 A JP 1095273A JP 9527389 A JP9527389 A JP 9527389A JP 2539911 B2 JP2539911 B2 JP 2539911B2
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哲郎 竹下
崇徳 中沢
隆夫 井上
侑弘 五十殿
義勝 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はステンレス鋼材をボルトで締結し摩擦係合
する接合方法に関する。
[従来の技術] オーステナイト系のステンレス鋼材の接合部にボルト
整合方式を採用しようとすると、ステンレス鋼材はボル
ト締め付け後にクリープ変形を起すため接合力が時間と
共に低下し(第3図)、摩擦接合として充分に機能しな
くなる。また、接合ボルトにオーステナイト系ステンレ
ス鋼ボルトを用いた場合、ボルトもクリープ変形を起す
ため、接合力はさらに低下する。
オーステナイト系ステンレス鋼材が常温下でクリープ
変形を起こすことについては従来から知られていたが
(例えば、寺井:材料試験,8(1969)P.652)、ボルト
接合力の低下についての知見は無く、その対策は成され
ていなかった。このためオーステナイト系ステンレス鋼
材の接合は中ボルトによるせん断接合によらざるをえ
ず、摩擦接合に比し接合力が小さくなり、大きな応力が
作用する部材の場合は溶接接合とするか、ボルト本数を
多くする必要がある。さらに、中ボルトによるせん断接
合の場合には、ボルト穴のガタにより構造物全体が変形
する恐れがあり、小規模構造物にしか適用できないとい
う問題点もある。
[発明が解決しようする課題] この発明は上記事情に鑑みなされたものである。その
目的はオーステナイト系ステンレス鋼材のクリープによ
る圧縮変形を起こり難くし、長期にわたり大きな摩擦接
合力を維持できる接合方法を提案するにある。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するためのオーステナイト系ステンレ
ス鋼材の接合方法は、接合すべき複数個のオーステナイ
ト系ステンレス鋼材の接合部位を重ね、該材料を貫通す
るボルトにて締結し接合する接合方法において、ボルト
締結に先んじ、接合部位のステンレス鋼材に初期降伏応
力(残留歪0.2%)をボルト締結時にステンレス鋼材内
に生じる応力の1.6倍以上とするにたる塑性変形を生じ
させ、好ましくは耐食処理を施した高張力ボルトを用い
摩擦接合することを特徴とする。
オーステナイト系ステンレス鋼材に一定の圧縮力を加
えた場合、第2図に示すように時間の経過と共に圧縮変
形量が増加する、いわゆるクリーブ変形特性を示す。第
3図に示すようにこのクリープ変形が前述した接合力低
下の主因となる。従って一定時間経過後の接合力低下量
の大小は、クリープ変形速度(クリープ歪速度)の大小
で評価できるものと考えられる。圧縮力負荷後一定時間
経過時のクリープ歪速度と負荷応力の関係を第4図に示
す。図より明らかなように、負荷応力を減らせばクリー
プ歪速度は小さくなる。このことはボルト締め付け力を
減らせばクリープ変形による接合力の低下を防止できる
ことを意味するが、所定の全接合力を得るためにはボル
ト本数を増さねばならない。この問題を解決するために
は、クリープ変形を起さない限界の負荷応力を高める方
法を見いだす必要がある。
発明者らは他鋼種を加えた種々の実験を行い、クリー
プ歪速度と負荷応力を初期降伏応力(残留歪0.2%)で
除した値の関係を求めたところ、第5図に示すように初
期降伏応力の0.6倍以下の負荷応力では、クリープ歪速
度がほぼ0、即ちクリープ変形は殆ど生じないことを発
明した。この事実は、何らかの方法で初期降伏応力を所
定の負荷応力の1.6倍以上に高めればクリープ変形を起
さない可能性があることを示唆している。
初期降伏応力を高めるためには、鋼中成分比を変える
方法もあるが、より簡便には圧延、プレス加工等により
塑性変形を加え、加工硬化させる方法がある。そこで発
明者らは加工硬化によるクリープ変形防止硬化を確認す
るため、予め冷間圧延により加工硬化させたオーステナ
イト系ステンレス鋼材のクリープ試験を行った。その結
果、第1図に示すように、負荷応力の1.6倍以上の相当
する初期降伏応力を加工により付与すれば、鋼材のクリ
ープ変形を防止できることが確かめられた。このこと
は、ボルト締結に先んじて接合部位のステンレス鋼材を
加工し、ボルト締結時にステンレス鋼材内に生じる応力
の1.6倍以上の初期降伏応力となるまで硬化させれば、
接合力の低下を防止できることを意味するものである。
なお、ボルトのリラクゼーションを小さくするために
はセラミックコーティングあるいはステンレス鋼クラッ
ド等の手段で耐食処理を施した高張力ボルトを用いるこ
とが最も望ましい。
[実施例] SUS304ステンレス鋼材(0.05C−0.61Si−0.87Mn−0.0
37P−0.009S−18.86Cr−9.23Ni:数値はwt%)を対象に
摩擦接合力試験を実施した。試験では、先ず2枚重ねし
た厚さ25mmの鋼材にM24の高張力ボルトで35tonの締め付
け力を与え、1000時間後に鋼材を側方から引張り、鋼材
間にずれを生じる荷重を測定した。結果を第6図に示
す。図より明らかなように、本法を適用しない場合接合
力は約10%低下するのに対し、プレス加工により平均負
荷応力の1.6倍まで硬化させた場合で約3%、さらに2
倍以上に硬化させれば1%未満となり、接合力の低下は
実用上全く問題とならない程度にまで改善される。
またコーティング処理を施した高張力ボルトを使用す
ることにより、腐食による劣化も生じなかった。
[発明の効果] 本発明によればオーステナイト系ステンレス鋼材を摩
擦接合する事が可能となり、大形海洋施設などに応用し
て長期にわたり高い接合強度および耐食性を維持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はクリープ歪速度と加工硬化材の初期降伏応力
(残留歪0.2%)の相関グラフ、第2図は圧縮応力下の
鋼材変形量と経過時間の相関グラフ、第3図はクリープ
変形による接合力低下の機構を説明する概念図、第4図
はクリープ歪速度と負荷応力の相関グラフ、第5図はク
リープ歪速度と負荷応力を初期降伏応力で除した値との
相関グラフ、第6図はボルト締結前にプレス加工により
加工硬化させた鋼材の初期降伏応力と1000時間経過後の
摩擦接合力の相関グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 哲郎 神奈川県相模原市淵野辺5―10―1 新 日本製鐵株式会社第2技術研究所内 (72)発明者 中沢 崇徳 神奈川県相模原市淵野辺5―10―1 新 日本製鐵株式会社第2技術研究所内 (72)発明者 井上 隆夫 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 五十殿 侑弘 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 三浦 義勝 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 佐藤 紘三郎 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−31710(JP,A) 特開 平1−268940(JP,A) 特開 平1−266309(JP,A) 特開 昭63−38708(JP,A) 特公 平4−54085(JP,B2) 特公 昭62−27286(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合すべき複数個のオーステナイト系ステ
    ンレス鋼材の接合部位を重ね、該材料を貫通するボルト
    にて締結し接合する接合方法において、ボルト締結に先
    んじて接合部位のステンレス鋼材に初期降伏応力をボル
    ト締結時にステンレス鋼材内に生じる応力の1.6倍以上
    とするにたる塑性変形を生じさせ、ボルトを用い摩擦接
    合することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼
    材の接合方法。
  2. 【請求項2】ボルトは耐食処理を施した高張力ボルトで
    ある請求項1記載の方法。
JP1095273A 1989-04-17 1989-04-17 オ―ステナイト系ステンレス鋼材の接合方法 Expired - Lifetime JP2539911B2 (ja)

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