JP2539896Y2 - 熱シ−ルド - Google Patents

熱シ−ルド

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JP2539896Y2
JP2539896Y2 JP9448691U JP9448691U JP2539896Y2 JP 2539896 Y2 JP2539896 Y2 JP 2539896Y2 JP 9448691 U JP9448691 U JP 9448691U JP 9448691 U JP9448691 U JP 9448691U JP 2539896 Y2 JP2539896 Y2 JP 2539896Y2
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恭博 松田
裕 井内
修一 藤原
貴敏 山下
宏 稲実
幸二 松永
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は原料ガスをイオンビ−
ムとするイオン源において輻射熱を遮断するために用い
られる熱シ−ルドに関する。イオン源は真空に引くこと
のできる真空チャンバと、熱電子を発生するためのフィ
ラメントと、フィラメント電源と、チャンバを正、フィ
ラメントを負として直流電圧を印加しア−ク放電を起こ
させるア−ク電源と、内部のプラズマをイオンとして引
き出すための引出電極と、真空排気装置と、チャンバの
内部にカスプ磁場を発生させるためにチャンバの外部に
沿って多数設けられた永久磁石等とを含む。常温で気体
であるような原料ガスをイオンにする場合は内部があま
り高温にならないから、別段熱シ−ルドというものは必
要でない。
【0002】しかし、近年常温で固体である物質たとえ
ば、Si、Cr、Al、などをイオンビ−ムにして利用
したいと言う場合が増えてきた。このような場合はもち
ろんチャンバの内部を非常な高温に保たなければならな
い。例えば2000Kの高温である。そうするためには
カソ−ドフィラメントの熱量、ア−ク放電の熱量だけで
は不足するので、ヒ−タを追加し発熱量の増強を計る。
これはアノ−ド電位とすることが多くその場合はアノ−
ドフィラメントと呼ぶ。また固体原料はルツボに入れて
特別なヒ−タを備えたオ−ブンで加熱し蒸気としてイオ
ン源チャンバに導くということもある。これは外部に蒸
発源を持つ場合である。るつぼをチャンバの内部に入れ
て置いてフィラメントの熱で直接加熱し蒸気を生成する
こともある。これは内部加熱方式と言える。
【0003】いずれにしても高融点の物質をイオンビ−
ムにしようとすると、チャンバの内部の高熱状態を保持
するために、加熱源を増強するばかりでなく、保熱につ
いても特別の配慮を要する。熱シ−ルドとういのは輻射
熱を反射するためにチャンバの内壁に沿って高融点金属
の薄板を何枚も重ねたものである。
【0004】
【従来の技術】従来はWやTaの薄板を円筒に巻き端部
を相互に固着して円筒とし、これらを真空チャンバの内
壁にそって挿入して熱シ−ルドとしていた。薄板は赤外
線である輻射熱を反射する。反射は板の枚数に比例して
増加するので2枚3枚というように複数枚の熱シ−ルド
を同心円状に挿入することも多い。板が端部に置いて離
隔しているとこの隙間から熱が逃げるので望ましくな
い。それで継ぎ目は必ず板を重ね合わせて両者を固結す
る。ところがチャンバは常温から2000Kにまで温度
変化する。熱シ−ルドの直径を例えば10〜20cmと
すると、前記の温度変化によって数mmの膨張収縮をす
る。常温時に適当なものとして設定すると高熱状態で膨
張した時板が波打つように歪む。すると輻射熱を反射す
る性能が低下するし、板の疲労も大きいから寿命が短く
なる。変形によって熱シ−ルドがフィラメントや電極に
接触する可能性もある。このような熱変形は望ましくな
い。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】温度変化が著しいので
熱シ−ルドの板が膨張収縮するのは当然である。円筒に
形成してしまうから膨張によって変形するのである。そ
こで円周方向に幾つかに板を分割するということが考え
られる。こうすれば膨張収縮してもその量は分割数の逆
数に比例するから完全な円筒の場合よりも少なくなる。
しかしそうすると相互に板を結合することが難しい。チ
ャンバの内壁に溝付の突起を3条、あるいは4条形成し
3分割板、4分割板の両端を溝に差し入れて固定すると
いうようなことも考えられるが、これはチャンバの内壁
の加工が難しい。チャンバの内壁の加工が不要であっ
て、著しい温度変化においても熱シ−ルドの内部に応力
が発生せず、不規則な変形が起こらないようにした熱シ
−ルドを提供することが本考案の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の熱シ−ルドは、
金属板を円筒状に形成したものであるが、2枚の板の継
ぎ目に工夫がなされる。板の継ぎ目において、板の端近
くに円周方向に伸びる長穴を穿ちこれを重ね、固定具を
長穴に通し両者を緩やかに組み合わせたものである。長
穴であるから相互に板が円周方向に相対移動することが
できる。固定具はリベットや螺子である。長穴の軸方向
の寸法は固定具の細径部の直径より少し大きければ良
い。長穴の円周方向の長さをLとし、固定具の細径部の
直径をDとすると、継ぎ目において板は相互に(2L−
D)だけ移動できる。
【0007】熱シ−ルドは円周方向に1枚としても良い
が、円周方向に2枚、あるいは3枚に分割しても良い。
この場合分割数をnとすると、全円周で合計n(2L−
D)の相対移動が許される。長穴の円周方向の長径Lを
適当に選べば常温〜2000Kの温度変化を継ぎ目の相
対変位によって吸収することができる。複数の熱シ−ル
ドを同心円状に重ねる場合は、これらが密着しないよう
に板に突起物(デインプル)を幾つか設けるのが良い。
熱シ−ルドの材料は、W、Ta、Moなど高融点金属の
薄板である。厚みは1mm以下である。手で曲げられて
加工が容易であるからである。長穴の並びは1列で良い
が、2列あるいは3列にしても良い。こうすると板の端
部での反りが少なくなる。
【0008】同心円状に何枚も重ねる場合は、直径が少
なくなった分だけ長穴の長径を長くしておけば、内外の
熱シ−ルドに対して同じ寸法の板を共通に使用できる。
つまり円周方向の分割数をnとしてチャンバの内壁の直
径をX、同心状の熱シ−ルドの隙間がtであるとする
と、内外の板の円周の差は2πtである。これを分割数
nで割って、2πt/nだけ長穴の直径を増やしておけ
ば、同じ長穴を穿った板を内外共通に使える。もしもm
重に熱シ−ルドを設置するのであれば、これのm倍に
し、長穴の長径を熱膨張による分とこれらの厚みに依る
部分との合計として決めれば良い。
【0009】
【作用】熱シ−ルドの板の継ぎ目において、重ね合わせ
た上下の板が、長穴に挿入された固定具によって保持さ
れているだけであるので、板は継ぎ目で円周方向に相対
移動できる。板の円周方向の長さをSとすると、線膨張
率をαとして、温度変化をΔTとすると、板の膨張は、 ΔS=αSΔT (1) で与えられる。実際には線膨張が温度に依存するのでα
(T)と書いて、これを温度で積分したものが正確な膨
張量を与える。しかしここでは厳密な膨張量を知る必要
はない。これより継ぎ目の許容移動量ΔQ ΔQ=2L−D (2) が大きくなるようにすればいい。つまり、 ΔQ>ΔS (3)
【0010】こうすれば温度が常温から2000Kに変
化しても変化量が継ぎ目の板の相対移動によって吸収さ
れ熱歪みによる応力が発生しない。従って板が波を打っ
て歪むということがない。分割数をnとしチャンバの内
壁の直径をXとすると、S=πX/nであるから、
(3)の条件は、 L>D/2+απXΔT/n (4) で与えられる。またm重に熱シ−ルドを重ねるときは、 L>D/2+απXΔT/n+2πtm/n (5) となるように長穴の長径を決めると、共通の寸法の板を
用いて内外の熱シ−ルドを形成できる。
【0011】
【実施例】図1によってまずイオン源の概略を説明す
る。真空チャンバ1は真空に引くことができる空間で、
この中にプラズマを形成する。真空チャンバ1の中には
カソ−ドフィラメント2、アノ−ドフィラメント3、等
がある。カソ−ドフィラメントは陰極電位にあり熱電子
を生ずる。アノ−ドフィラメント3は特に高温にしたい
場合に設けられる。これは単にヒ−タである。真空チャ
ンバとカソ−ドフィラメントの間においてア−ク放電が
起こるので原料がプラズマになる。チャンバ1の外壁に
は複数の永久磁石4が設けられる。これはチャンバの内
部にカスプ磁場を発生する。チャンバの内壁に沿って熱
シ−ルド5が設けられる。本考案の対象はこれである。
熱シ−ルド6がフィラメントとチャンバの蓋板の間に設
けられる。熱シ−ルド5、6に囲まれた空間は高温のプ
ラズマ空間9となる。またチャンバの出口には引出し電
極系7が設置される。これは正電極、負電極、接地電極
よりなる。原料ガスは入口8から導入される。そしてこ
の先に金属の蒸発源(図示しない)が接続されている。
【0012】チャンバの軸方向に平行な熱シ−ルド5は
円筒状の金属板よりなる。1枚よりなる例を図1に示
す。1枚の金属板を丸め両端を合わせリベット10で結
合したものである。固結したのではない。長穴によって
相対移動可能に組み合わせたものである。図3は継ぎ目
の拡大図である。継ぎ目近くの板面に長穴11を2列に
穿孔している。長穴11はリベット10の細径部の直径
よりも大きい長径を持つ。これは中間温度の場合であ
る。上下板の長穴11の位置が揃っている。板厚は1m
m以下であるが望ましくは0.1〜0.3mmである。
W、Ta、Moなどの板である。図4は高温時の状態を
示す継ぎ目の断面図である。板が伸びるので両者の重な
り部が大きくなる方向に移動する。長穴が上下で大きく
ずれている。しかし長穴のために板に応力の発生するの
を防いでいる。この図では半球状のデインプル12が板
に付設される。これもW、Ta、Moなどの金属であ
る。1重の熱シ−ルドなら不必要であるが、何重にも熱
シ−ルドを設ける場合に内外の板の間に空間を残すため
に用いられる。図5は継ぎ目部分の平面図である。長穴
は等間隔に2列に穿たれる。上下の板で同じものが穿孔
されている。これをリベット10で止めている。
【0013】図6は他の実施例を示す。チャンバが正方
形の断面を持つものである場合である。4分割された熱
シ−ルドが使われる。それぞれ90°に折り曲げられて
いる。平坦部においてリベットで止められる。全体とし
て正方形断面であるから4分割して熱膨張を等方的に起
こさせている。図7は熱シ−ルドを何枚も重ねる場合の
1枚の略図を示す。丸められて端部がリベットによって
固定される。これは遊びを有する接続である。またデイ
ンプル12を外周に幾つか設けられる。図8は2重に熱
シ−ルドを設けた場合の概略断面図である..デインプ
ル12があるので内外の板がぴったりと接触しない。こ
れは従来も行われていたことである。板がくっついてい
ると輻射熱を反射できないし伝導によって熱が逃げる。
これを防ぐためである。
【0014】
【考案の効果】イオン源の内部に熱を効率的に保持する
ための筒状の熱シ−ルドの継ぎ目を固定せずに、相互移
動の可能なように接続しているから、膨張しても、膨張
分を継ぎ目の相互移動によって吸収できる。このために
高温時においても板の内部に応力が発生しない。板が歪
むこともない。長寿命の熱シ−ルドとなる。また筒状に
した熱シ−ルドは外周から軽く押せば少し小さくなるの
で、小さくしておいてチャンバに差し込むと周りの器物
に触ることなく円滑に差し入れることができる。又長穴
の長径を大きくすると、何重にもする場合であっても一
種類の寸法の板を用いるこができる。さらに熱シ−ルド
の枚数を増やすのも容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン源の概略を示す縦断面図。
【図2】円筒状にした熱シ−ルドの概略図。
【図3】中程度の温度における熱シ−ルドの継ぎ目部分
の断面図。
【図4】高温時の熱シ−ルドの継ぎ目部分の断面図。
【図5】熱シ−ルドの継ぎ目部分の平面図。
【図6】正方形断面のチャンバに設けるための正方形の
熱シ−ルドの例を示す断面図。
【図7】複数枚の熱シ−ルドを同心円状に設ける場合の
一つの熱シ−ルドを示す図。
【図8】複数枚の熱シ−ルドを同心円状に設けた場合の
熱シ−ルドの断面図。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 カソ−ドフィラメント 3 アノ−ドフィラメント 3 永久磁石 5 熱シ−ルド 6 熱シ−ルド 7 引出し電極系 8 ガス導入口 9 プラズマ 10 リベット 11 長穴 12 デインプル
フロントページの続き (72)考案者 山下 貴敏 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機 株式会社内 (72)考案者 稲実 宏 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機 株式会社内 (72)考案者 松永 幸二 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機 株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−138839(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを導入しこれを放電によって励
    起してプラズマ状としイオンビ−ムとするイオン源チャ
    ンバの内壁に沿って設けられ輻射熱をイオン源チャンバ
    の内部に閉じこめるための金属薄板よりなる熱シ−ルド
    であって、全体として筒状であり隣接する板の継ぎ目に
    於いて各板に円周方向に長い穴を穿ち、各板の長穴に固
    定具を通して両者を結合し、各板の円周方向の相対移動
    を可能としてあることを特徴とする熱シ−ルド。
JP9448691U 1991-10-21 1991-10-21 熱シ−ルド Expired - Lifetime JP2539896Y2 (ja)

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JP2015020217A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 株式会社セーコウ シート穿孔装置
US9287079B2 (en) * 2014-07-02 2016-03-15 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Apparatus for dynamic temperature control of an ion source

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