JPH0536738U - 熱シ−ルド - Google Patents
熱シ−ルドInfo
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- JPH0536738U JPH0536738U JP9448691U JP9448691U JPH0536738U JP H0536738 U JPH0536738 U JP H0536738U JP 9448691 U JP9448691 U JP 9448691U JP 9448691 U JP9448691 U JP 9448691U JP H0536738 U JPH0536738 U JP H0536738U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高融点の金属などのイオンビ−ムを得るため
のイオン源は高温になるのでチャンバの内壁に金属の薄
板よりなる熱シ−ルドを設ける。チャンバの温度は常温
から2000Kの高温まで変化し熱シ−ルドも著しく膨
張する。熱シ−ルドの板は両端が固定されているので膨
張すると逃げがないために波を打つように変形する。輻
射熱の反射も減少する。 【構成】 筒状にした熱シ−ルドの継ぎ目に長穴を穿ち
これにリベット、螺子等を通して板が相互に移動できる
ように接合する。温度変化が著しくても継ぎ目部分の相
互移動によって温度による膨縮を吸収できる。
のイオン源は高温になるのでチャンバの内壁に金属の薄
板よりなる熱シ−ルドを設ける。チャンバの温度は常温
から2000Kの高温まで変化し熱シ−ルドも著しく膨
張する。熱シ−ルドの板は両端が固定されているので膨
張すると逃げがないために波を打つように変形する。輻
射熱の反射も減少する。 【構成】 筒状にした熱シ−ルドの継ぎ目に長穴を穿ち
これにリベット、螺子等を通して板が相互に移動できる
ように接合する。温度変化が著しくても継ぎ目部分の相
互移動によって温度による膨縮を吸収できる。
Description
【0001】
この考案は原料ガスをイオンビ−ムとするイオン源において輻射熱を遮断する ために用いられる熱シ−ルドに関する。イオン源は真空に引くことのできる真空 チャンバと、熱電子を発生するためのフィラメントと、フィラメント電源と、チ ャンバを正、フィラメントを負として直流電圧を印加しア−ク放電を起こさせる ア−ク電源と、内部のプラズマをイオンとして引き出すための引出電極と、真空 排気装置と、チャンバの内部にカスプ磁場を発生させるためにチャンバの外部に 沿って多数設けられた永久磁石等とを含む。常温で気体であるような原料ガスを イオンにする場合は内部があまり高温にならないから、別段熱シ−ルドというも のは必要でない。
【0002】 しかし、近年常温で固体である物質たとえば、Si、Cr、Al、などをイオ ンビ−ムにして利用したいと言う場合が増えてきた。このような場合はもちろん チャンバの内部を非常な高温に保たなければならない。例えば2000Kの高温 である。そうするためにはカソ−ドフィラメントの熱量、ア−ク放電の熱量だけ では不足するので、ヒ−タを追加し発熱量の増強を計る。これはアノ−ド電位と することが多くその場合はアノ−ドフィラメントと呼ぶ。また固体原料はルツボ に入れて特別なヒ−タを備えたオ−ブンで加熱し蒸気としてイオン源チャンバに 導くということもある。これは外部に蒸発源を持つ場合である。るつぼをチャン バの内部に入れて置いてフィラメントの熱で直接加熱し蒸気を生成することもあ る。これは内部加熱方式と言える。
【0003】 いずれにしても高融点の物質をイオンビ−ムにしようとすると、チャンバの内 部の高熱状態を保持するために、加熱源を増強するばかりでなく、保熱について も特別の配慮を要する。熱シ−ルドとういのは輻射熱を反射するためにチャンバ の内壁に沿って高融点金属の薄板を何枚も重ねたものである。
【0004】
従来はWやTaの薄板を円筒に巻き端部を相互に固着して円筒とし、これらを 真空チャンバの内壁にそって挿入して熱シ−ルドとしていた。薄板は赤外線であ る輻射熱を反射する。反射は板の枚数に比例して増加するので2枚3枚というよ うに複数枚の熱シ−ルドを同心円状に挿入することも多い。板が端部に置いて離 隔しているとこの隙間から熱が逃げるので望ましくない。それで継ぎ目は必ず板 を重ね合わせて両者を固結する。ところがチャンバは常温から2000Kにまで 温度変化する。熱シ−ルドの直径を例えば10〜20cmとすると、前記の温度 変化によって数mmの膨張収縮をする。常温時に適当なものとして設定すると高 熱状態で膨張した時板が波打つように歪む。すると輻射熱を反射する性能が低下 するし、板の疲労も大きいから寿命が短くなる。変形によって熱シ−ルドがフィ ラメントや電極に接触する可能性もある。このような熱変形は望ましくない。
【0005】
温度変化が著しいので熱シ−ルドの板が膨張収縮するのは当然である。円筒に 形成してしまうから膨張によって変形するのである。そこで円周方向に幾つかに 板を分割するということが考えられる。こうすれば膨張収縮してもその量は分割 数の逆数に比例するから完全な円筒の場合よりも少なくなる。しかしそうすると 相互に板を結合することが難しい。チャンバの内壁に溝付の突起を3条、あるい は4条形成し3分割板、4分割板の両端を溝に差し入れて固定するというような ことも考えられるが、これはチャンバの内壁の加工が難しい。 チャンバの内壁の加工が不要であって、著しい温度変化においても熱シ−ルド の内部に応力が発生せず、不規則な変形が起こらないようにした熱シ−ルドを提 供することが本考案の目的である。
【0006】
本考案の熱シ−ルドは、金属板を円筒状に形成したものであるが、2枚の板の 継ぎ目に工夫がなされる。板の継ぎ目において、板の端近くに円周方向に伸びる 長穴を穿ちこれを重ね、固定具を長穴に通し両者を緩やかに組み合わせたもので ある。長穴であるから相互に板が円周方向に相対移動することができる。固定具 はリベットや螺子である。長穴の軸方向の寸法は固定具の細径部の直径より少し 大きければ良い。長穴の円周方向の長さをLとし、固定具の細径部の直径をDと すると、継ぎ目において板は相互に(2L−D)だけ移動できる。
【0007】 熱シ−ルドは円周方向に1枚としても良いが、円周方向に2枚、あるいは3枚 に分割しても良い。この場合分割数をnとすると、全円周で合計n(2L−D) の相対移動が許される。長穴の円周方向の長径Lを適当に選べば常温〜2000 Kの温度変化を継ぎ目の相対変位によって吸収することができる。 複数の熱シ−ルドを同心円状に重ねる場合は、これらが密着しないように板に 突起物(デインプル)を幾つか設けるのが良い。 熱シ−ルドの材料は、W、Ta、Moなど高融点金属の薄板である。厚みは1 mm以下である。手で曲げられて加工が容易であるからである。長穴の並びは1 列で良いが、2列あるいは3列にしても良い。こうすると板の端部での反りが少 なくなる。
【0008】 同心円状に何枚も重ねる場合は、直径が少なくなった分だけ長穴の長径を長く しておけば、内外の熱シ−ルドに対して同じ寸法の板を共通に使用できる。つま り円周方向の分割数をnとしてチャンバの内壁の直径をX、同心状の熱シ−ルド の隙間がtであるとすると、内外の板の円周の差は2πtである。これを分割数 nで割って、2πt/nだけ長穴の直径を増やしておけば、同じ長穴を穿った板 を内外共通に使える。もしもm重に熱シ−ルドを設置するのであれば、これのm 倍にし、長穴の長径を熱膨張による分とこれらの厚みに依る部分との合計として 決めれば良い。
【0009】
熱シ−ルドの板の継ぎ目において、重ね合わせた上下の板が、長穴に挿入され た固定具によって保持されているだけであるので、板は継ぎ目で円周方向に相対 移動できる。板の円周方向の長さをSとすると、線膨張率をαとして、温度変化 をΔTとすると、板の膨張は、 ΔS=αSΔT (1) で与えられる。実際には線膨張が温度に依存するのでα(T)と書いて、 これを温度で積分したものが正確な膨張量を与える。しかしここでは厳密な膨張 量を知る必要はない。これより継ぎ目の許容移動量ΔQ ΔQ=2L−D (2) が大きくなるようにすればいい。つまり、 ΔQ>ΔS (3)
【0010】 こうすれば温度が常温から2000Kに変化しても変化量が継ぎ目の板の相対 移動によって吸収され熱歪みによる応力が発生しない。従って板が波を打って歪 むということがない。分割数をnとしチャンバの内壁の直径をXとすると、S= πX/nであるから、(3)の条件は、 L>D/2+απXΔT/n (4) で与えられる。またm重に熱シ−ルドを重ねるときは、 L>D/2+απXΔT/n+2πtm/n (5) となるように長穴の長径を決めると、共通の寸法の板を用いて内外の熱シ−ルド を形成できる。
【0011】
図1によってまずイオン源の概略を説明する。真空チャンバ1は真空に引くこ とができる空間で、この中にプラズマを形成する。真空チャンバ1の中にはカソ −ドフィラメント2、アノ−ドフィラメント3、等がある。カソ−ドフィラメン トは陰極電位にあり熱電子を生ずる。アノ−ドフィラメント3は特に高温にした い場合に設けられる。これは単にヒ−タである。真空チャンバとカソ−ドフィラ メントの間においてア−ク放電が起こるので原料がプラズマになる。チャンバ1 の外壁には複数の永久磁石4が設けられる。これはチャンバの内部にカスプ磁場 を発生する。チャンバの内壁に沿って熱シ−ルド5が設けられる。本考案の対象 はこれである。熱シ−ルド6がフィラメントとチャンバの蓋板の間に設けられる 。熱シ−ルド5、6に囲まれた空間は高温のプラズマ空間9となる。またチャン バの出口には引出し電極系7が設置される。これは正電極、負電極、接地電極よ りなる。原料ガスは入口8から導入される。そしてこの先に金属の蒸発源(図示 しない)が接続されている。
【0012】 チャンバの軸方向に平行な熱シ−ルド5は円筒状の金属板よりなる。1枚より なる例を図1に示す。1枚の金属板を丸め両端を合わせリベット10で結合した ものである。固結したのではない。長穴によって相対移動可能に組み合わせたも のである。図3は継ぎ目の拡大図である。継ぎ目近くの板面に長穴11を2列に 穿孔している。長穴11はリベット10の細径部の直径よりも大きい長径を持つ 。これは中間温度の場合である。上下板の長穴11の位置が揃っている。板厚は 1mm以下であるが望ましくは0.1〜0.3mmである。W、Ta、Moなど の板である。図4は高温時の状態を示す継ぎ目の断面図である。板が伸びるので 両者の重なり部が大きくなる方向に移動する。長穴が上下で大きくずれている。 しかし長穴のために板に応力の発生するのを防いでいる。この図では半球状のデ インプル12が板に付設される。これもW、Ta、Moなどの金属である。1重 の熱シ−ルドなら不必要であるが、何重にも熱シ−ルドを設ける場合に内外の板 の間に空間を残すために用いられる。図5は継ぎ目部分の平面図である。長穴は 等間隔に2列に穿たれる。上下の板で同じものが穿孔されている。これをリベッ ト10で止めている。
【0013】 図6は他の実施例を示す。チャンバが正方形の断面を持つものである場合であ る。4分割された熱シ−ルドが使われる。それぞれ90°に折り曲げられている 。平坦部においてリベットで止められる。全体として正方形断面であるから4分 割して熱膨張を等方的に起こさせている。 図7は熱シ−ルドを何枚も重ねる場合の1枚の略図を示す。丸められて端部が リベットによって固定される。これは遊びを有する接続である。またデインプル 12を外周に幾つか設けられる。図8は2重に熱シ−ルドを設けた場合の概略断 面図である..デインプル12があるので内外の板がぴったりと接触しない。こ れは従来も行われていたことである。板がくっついていると輻射熱を反射できな いし伝導によって熱が逃げる。これを防ぐためである。
【0014】
イオン源の内部に熱を効率的に保持するための筒状の熱シ−ルドの継ぎ目を固 定せずに、相互移動の可能なように接続しているから、膨張しても、膨張分を継 ぎ目の相互移動によって吸収できる。このために高温時においても板の内部に応 力が発生しない。板が歪むこともない。長寿命の熱シ−ルドとなる。また筒状に した熱シ−ルドは外周から軽く押せば少し小さくなるので、小さくしておいてチ ャンバに差し込むと周りの器物に触ることなく円滑に差し入れることができる。 又長穴の長径を大きくすると、何重にもする場合であっても一種類の寸法の板を 用いるこができる。さらに熱シ−ルドの枚数を増やすのも容易になる。
【図1】イオン源の概略を示す縦断面図。
【図2】円筒状にした熱シ−ルドの概略図。
【図3】中程度の温度における熱シ−ルドの継ぎ目部分
の断面図。
の断面図。
【図4】高温時の熱シ−ルドの継ぎ目部分の断面図。
【図5】熱シ−ルドの継ぎ目部分の平面図。
【図6】正方形断面のチャンバに設けるための正方形の
熱シ−ルドの例を示す断面図。
熱シ−ルドの例を示す断面図。
【図7】複数枚の熱シ−ルドを同心円状に設ける場合の
一つの熱シ−ルドを示す図。
一つの熱シ−ルドを示す図。
【図8】複数枚の熱シ−ルドを同心円状に設けた場合の
熱シ−ルドの断面図。
熱シ−ルドの断面図。
1 真空チャンバ 2 カソ−ドフィラメント 3 アノ−ドフィラメント 3 永久磁石 5 熱シ−ルド 6 熱シ−ルド 7 引出し電極系 8 ガス導入口 9 プラズマ 10 リベット 11 長穴 12 デインプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山下 貴敏 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機株 式会社内 (72)考案者 稲実 宏 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機株 式会社内 (72)考案者 松永 幸二 京都市右京区梅津高畝町47番地日新電機株 式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 原料ガスを導入しこれを放電によって励
起してプラズマ状としイオンビ−ムとするイオン源チャ
ンバの内壁に沿って設けられ輻射熱をイオン源チャンバ
の内部に閉じこめるための金属薄板よりなる熱シ−ルド
であって、全体として筒状であり隣接する板の継ぎ目に
於いて各板に円周方向に長い穴を穿ち、各板の長穴に固
定具を通して両者を結合し、各板の円周方向の相対移動
を可能としてあることを特徴とする熱シ−ルド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9448691U JP2539896Y2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 熱シ−ルド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9448691U JP2539896Y2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 熱シ−ルド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0536738U true JPH0536738U (ja) | 1993-05-18 |
JP2539896Y2 JP2539896Y2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=14111619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9448691U Expired - Lifetime JP2539896Y2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 熱シ−ルド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539896Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015020217A (ja) * | 2013-07-16 | 2015-02-02 | 株式会社セーコウ | シート穿孔装置 |
JP2017523566A (ja) * | 2014-07-02 | 2017-08-17 | ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド | イオン源の動的温度制御装置 |
-
1991
- 1991-10-21 JP JP9448691U patent/JP2539896Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015020217A (ja) * | 2013-07-16 | 2015-02-02 | 株式会社セーコウ | シート穿孔装置 |
JP2017523566A (ja) * | 2014-07-02 | 2017-08-17 | ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド | イオン源の動的温度制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2539896Y2 (ja) | 1997-07-02 |
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