JP2539809Y2 - 自動車用エアロパ−ツの駆動制御装置 - Google Patents

自動車用エアロパ−ツの駆動制御装置

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JP2539809Y2
JP2539809Y2 JP1991007159U JP715991U JP2539809Y2 JP 2539809 Y2 JP2539809 Y2 JP 2539809Y2 JP 1991007159 U JP1991007159 U JP 1991007159U JP 715991 U JP715991 U JP 715991U JP 2539809 Y2 JP2539809 Y2 JP 2539809Y2
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巌 森井
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は車体に回動自在に取付
けられるエアロパ−ツの駆動速度を制御するための駆動
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、高速走行時の空力特性を向
上させるためにリヤエアロスポイラやフロントベンチュ
リスカ−トなどのエアロパ−ツを車体に取付けるように
したものがある。これらのエアロパ−ツには、自動車が
所定の速度以上の高速で走行する時にだけ回動上昇さ
せ、前輪や後輪の揚力を減少させるようにしたアクティ
ブタイプのものがある。
【0003】たとえば上記リヤエアロスポイラは、車体
のリヤゲ−トに作動機構によって回動自在に設けられて
いる。この作動機構は、リヤゲ−トの幅方向両端部に設
けられた一対のサイドステ−内に収容されている。ま
た、リヤゲ−トの幅方向中央部に設けられたセンタステ
−内にはモ−タが収容されている。このモ−タが作動す
るとケ−ブルを進退させる。ケ−ブルが進退すると、上
記作動機構が駆動され、それによってリヤエアロスポイ
ラが回動させられるようになっている。
【0004】上記モ−タには作動回路と復帰回路とが接
続されている。作動回路はリヤエアロスポイラを上昇方
向に回動させ、復帰回路は下降方向に回動させる。
【0005】各回路は車速に応じて自動あるいは手動の
いずれによっても選択的に閉成できるようになってい
る。たとえば、リヤエアロスポイラを自動で制御する場
合、車速が所定以上の高速になったときには作動回路を
閉成して上昇させ、低速になった時には復帰回路を閉成
して下降させるようになっている。
【0006】従来、上記リヤエアロスポイラは、上昇
(作動)と下降(復帰)との駆動を1つのモ−タで行っ
ているため、上昇時と下降時との速度が同じになってい
た。リヤエアロスポイラを上昇させる場合、応答性を向
上させるためにその上昇速度をできるだけ速くしてい
る。
【0007】応答性を向上させるため、リヤエアロスポ
イラの上昇速度を速くすると、下降速度も速くなること
が避けられない。しかしながら、下降速度が速いと、下
降限においてリヤエアロスポイラが上記各ステ−や車体
にぶつかる衝突音が大きくなるため、搭乗者に不快感を
与えるということがあった。
【0008】とくに、リヤエアロスポイラの下降時は、
車速が遅く、車内が比較的静粛であるから、上記ステ−
との衝突音が搭乗者に聞え易い。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】このように、従来はエ
アロパ−ツの作動時と復帰時との速度が同じであり、し
かもその速度を速く設定しているので、復帰時における
エアロパ−ツの衝突音が大きくなるということがあっ
た。
【0010】この考案は上記事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、復帰時におけるエアロ
パ−ツの衝突音を小さくするようにした自動車用エアロ
パ−ツの駆動制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの考案は、車体に作動機構によって回動自在に設け
られたエアロパ−ツと、上記作動機構を駆動するモ−タ
と、電源からの入力により上記モ−タを上記エアロパ−
ツが作動状態となる方向に作動させる作動回路と、上記
電源からの入力により上記モ−タを上記エアロパ−ツが
作動状態から復帰状態に戻る方向に作動させる復帰回路
と、この復帰回路に設けられ復帰時における上記電源か
らの入力を断続的に上記モ−タへ供給するデュ−ティ回
とを具備したことを特徴とする。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、作動時にはエアロパ−ツ
を速い速度で作動せるようにしても、復帰時にはデュ−
ティ回路によって作動時よりも遅い速度で作動させるこ
とができるから、復帰時における衝突音を小さくするこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図面を参照して
説明する。
【0014】図4は自動車の後部を示し、その車体1の
リヤゲ−ト2にはエアロパ−ツとしてのリヤエアロスポ
イラ3が設けられている。すなわち、上記リヤゲ−ト2
には、車幅方向中央部分にセンタステ−4、両端部にそ
れぞれサイドステ−5が設けられている。センタステ−
4には図5に示すようにモ−タ6が収容されている。こ
のモ−タ6の出力側には変速機7が設けられ、この変速
機7の出力軸には駆動ギヤ8が設けられている。
【0015】上記駆動ギヤ8には外周に螺旋突起9が設
けられた一対の可撓ケ−ブル11の一端部がそれぞれ噛
合されている。したがって、可撓ケ−ブル11は上記駆
動キヤ8が回転すれば、その回転方向によって矢印で示
す方向に進退駆動されるようになっている。
【0016】上記各ケ−ブル11の他端部はそれぞれ上
記サイドステ−5に導かれている。各サイドステ−5に
は図6に示すように作動機構12が収容されている。こ
の作動機構12は上記サイドステ−5内に車体1の前後
方向に沿って設けられたガイドロッド13を有する。こ
のガイドロッド13にはスライダ14がスライド自在に
支持され、このスライダ14に上記ケ−ブル11の他端
部が連結されている。つまり、スライダ14は上記ケ−
ブル11が進退駆動されることでガイドロッド13に沿
ってスライドするようになっている。
【0017】上記スライダ14の上部には係合ピン15
が設けられている。この係合ピン15は可動体16に形
成されたカム溝17にスライド自在に係合している。上
記可動体16は上記サイドステ−5内に車体1の前後方
向に沿って設けられ、前方側に位置する一端は支持ピン
18によって回動自在に支持されている。上記カム溝1
7は上記可動体16の前端側から後端側に向かって低く
傾斜している。それによって、上記スライダ14が図6
に示す位置から図7に示す位置へスライドすれば、上記
可動体16は支持ピン18を支点として後端側が上昇す
る方向に回動させられる。
【0018】上記可動体16の上端には上記リヤエアロ
スポイラ3の下端面が接合固定されている。それによっ
て、リヤエアロスポイラ3は可動体16とともに図6に
示す倒伏した状態(この状態を復帰状態とする)から図
7に示す回動上昇した状態(この状態を作動状態とす
る)に駆動されるようになっている。
【0019】図1は上記モ−タ6を駆動するために、こ
のモ−タ6と電源19との間に設けられた制御回路21
を示す。この制御回路21はモ−タ6を正転方向に作動
させてリヤエアロスポイラ3を作動状態に作動させる作
動回路22と、作動状態にあるリヤエアロスポイラ3を
作動状態から復帰状態に戻すため、上記モ−タ6を逆転
方向に作動させる復帰回路23とからなる。
【0020】上記作動回路22には第1のスイッチ24
が設けられ、上記復帰回路23には第2のスイッチ25
が設けられている。第1のスイッチ24が閉じると、モ
−タ6が正転方向に作動し、第2のスイッチ25が閉じ
ると逆転方向に作動する。
【0021】さらに、上記復帰回路23には上記モ−タ
6を上記作動回路22に比べて遅い速度で作動させる減
速手段としてのデュ−ティ回路26が設けられている。
このデュ−ティ回路26は図2(a)に示すように電源
19からの連続する入力Iを図2(b)に示すように断
続する出力Oに変換する。入力Iと出力Oとの比によっ
て上記リヤエアロスポイラ3が作動状態から復帰状態へ
戻る時間、つまり速度が減速されることになる。
【0022】つぎに、上記構成の駆動制御装置によるリ
ヤエアロスポイラ3の制御を図3を参照しながら説明す
る。
【0023】図3はリヤエアロスポイラ3を作動させる
ためのフロ−チャ−トで、ステップS1にて制御回路2
1を作動させるためのアクチブスイッチをオンにする
と、ステップS2で車速が50Km/h以上であるか否やか
が検出される。YESであれば、ステップ3で第1のス
イッチ24が閉じられ、モ−タ6が正転方向に作動す
る。それによって、リヤエアロスポイラ3は図7に示す
作動状態となるまで上昇方向に回動駆動される。
【0024】ステップS2にてNOであれば、ステップ
S4にて車速が80Km/h以上であるか否やかが検出され
る。ステップS4にてYESであれば、ステップS3に
戻ってリヤエアロスポイラ3が作動状態に回動上昇させ
られ、NOであればリヤエアロスポイラ3は作動状態に
駆動されることがない。
【0025】リヤエアロスポイラ3が作動状態に駆動さ
れたのちは、ステップS5において車速が50K/mh以上
であるか否やかが検出される。YESであれば車速の検
出が続けられ、NOであればステップS6にて復帰回路
23の第2のスイッチ25が閉じられ、第1のスイッチ
24が開かれる。それによって、モ−タ6が逆転方向に
作動し、リヤエアロスポイラ3を図7に示す作動状態か
ら図6に示す復帰状態となるまで下降方向に回動駆動す
る。
【0026】ステップS6にてリヤエアロスポイラ3が
下降させられるとステップS4に戻り、車速が80Km/h
以上であるか否やかが検出されて上述した制御が繰り返
される。つまり、車速が80Km/h以上であれば、リヤエ
アロスポイラ3は自動的に上昇させられ、50Km/h以下
であれば同じく自動的に下降させられる。
【0027】リヤエアロスポイラ3を復帰状態に戻すと
き、モ−タ6はデュ−ティ回路26からの出力Oによっ
て駆動される。デュ−ティ回路26からの出力Oは、連
続する入力Iを所定の割合で断続させている。そのた
め、モ−タ6の作動速度、つまりリヤエアロスポイラ3
の下降速度は入力Iと出力Oの比に応じて減速される。
それによって、リヤエアロスポイラ3が復帰状態となる
とき、そのリヤエアロスポイラ3は、センタステ−4や
サイドステ−4あるいは車体1などに緩やかに当たるか
ら、その際に大きな衝突音が発生するのが防止される。
【0028】なお、この考案は上記一実施例に限定され
ず、種々変形可能である。たとえば、モ−タの作動速度
を減速させるために作動回路に減速手段としてデュ−テ
ィ回路を設けたが、減速手段としてはモ−タへの入力電
圧を低くすることでその回転速度を低下させる抵抗回路
であってもよく、要はモ−タの回転速度を減速させるこ
とができるものであればよい。
【0029】また、エアロパ−ツとしてリヤエアロスポ
イラを制御する場合について説明したが、この考案は作
動状態と復帰状態とに回動駆動されるフロントスカ−ト
など他のエアロパ−ツにも適用することができる。
【0030】
【考案の効果】以上述べたようにこの考案は、エアロパ
−ツを作動状態から復帰状態へ駆動するときに、上記エ
アロパ−ツの駆動速度を減速するようにした。
【0031】そのため、エアロパ−ツを作動状態から復
帰状態に作動させるとき、上記エアロパ−ツはステ−や
車体などに緩やかに衝突するから、そのときの衝突音が
従来に比べて小さくなり、搭乗者に不快感を与えること
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の制御回路図。
【図2】(a)はデュ−ティ回路への入力信号の波形
図、(b)は同じく出力信号の波形図。
【図3】リヤエアロスポイラの制御を説明するフロ−チ
ャ−ト。
【図4】自動車のリヤ側の斜視図。
【図5】モ−タの動力を作動機構に伝達する構造の説明
図。
【図6】リヤエアロスポイラが復帰状態の側断面図。
【図7】同じく作動状態の側断面図。
【符号の説明】
1…車体、3…リヤエアロスポイラ、6…モ−タ、12
…作動機構、22…作動回路、23…復帰回路、26…
デュ−ティ回路(減速手段)。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に作動機構によって回動自在に設け
    られたエアロパ−ツと、上記作動機構を駆動するモ−タ
    と、電源からの入力により上記モ−タを上記エアロパ−
    ツが作動状態となる方向に作動させる作動回路と、上記
    電源からの入力により上記モ−タを上記エアロパ−ツが
    作動状態から復帰状態に戻る方向に作動させる復帰回路
    と、この復帰回路に設けられ復帰時における上記電源か
    らの入力を断続的に上記モ−タへ供給するデュ−ティ回
    とを具備したことを特徴とする自動車用エアロパ−ツ
    の駆動制御装置。
JP1991007159U 1991-01-28 1991-01-28 自動車用エアロパ−ツの駆動制御装置 Expired - Lifetime JP2539809Y2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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