JP2539624B2 - 車両積載重量測定装置 - Google Patents

車両積載重量測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (a) 技術分野 本発明は、車両積載重量測定装置に関し、より詳細に
は、車両の車軸に発生するひずみを検出することにより
その車両の積載重量を測定する装置に関するものであ
る。
(b) 従来技術 車両の積載重量の測定は、主としてトラック等の大型
車両に対して行われる。トラック等に過積載を行うとそ
の車両自体の運転操作性に支障が生じ交通事故の要因と
なるばかりでなく車両および路面の傷みおよび騒音公害
の要因ともなる。そこで、警察や道路管理者(道路公団
等)においては、法定の積載重量以下の積載であるか否
かを車両重量測定装置を用いて取締りあるいは通行規制
を行っている。従来、この種の測定としては、例えば車
輪を荷重変換器を備えた積載板上に正確に載せ、その車
輪の輪重量または軸重量を測定しこれらの輪重量等を加
算して車両重量を求め、さらにこのようにして測定され
た車両重量から乗車実員、規定の空荷重量(車両自体の
重量)を減算して積載重量を求めている。
しかしながら、上述のような荷重変換器を備えた積荷
板は、装置が大がかりで装置自体および装置の設置のた
めのコストが大幅に嵩むため、その設置場所や設置台数
は非常に制限されるものであった。そのため積載重量の
測定を受け得る車両数は、全体車両のごく一部にすぎ
ず、過積載を防止するには不充分であった。
このような問題に対処するものとして、車両の車軸に
検出器を取付けその検出器によって車軸に生じたひずみ
量を測定して、積載重量(または積荷荷重)を各車両毎
に測定するいわゆる自重計が考えられている。しかしな
がら、この自重計は、積載量が一定であるにも拘らず、
車両の走行の前後で積載重量の測定値が変化してしまい
信頼のおける測定が行い得ないという問題点があった。
さらに、該積載重量を得るための基準となる上記空荷状
態の重量、すなわち自重の測定値は車両が停止する毎に
変化して、極めて真値を得にくいという問題があった。
このように自重の測定値が変化するのは、車両が停止す
るときの状況によって上記検出器の取付部等に発生する
応力が変化することによるものと考えられる。またその
他に停車位置の路面の傾斜が荷重測定の誤差成分となっ
たり路面の状態(平坦性)、車体の傾き、車軸にかかる
荷重の支点位置、タイヤの接地状態等の微妙な変化によ
り、積載重量の測定基準が変動してしまうことが原因と
考えられる。
第13図(G1)、(G2)および(G3)に三軸車における
上記自重の実測例を示す。第13図(G1),(G2)および
(G3)は、それぞれ前輪の車軸である前軸、後輪の後方
の車軸である後後軸および同じく後輪の前方の車軸であ
る後前軸に取付けられた上記検出器の出力値を、車両の
走行・停止を繰り返しその車両を停止させるごとに記録
したものである。E0は自重の仮の真値で、第3図(G1)
〜(G3)の縦軸はこの先値E0からのずれを誤差率〔%〕
で示し、横軸は停止した回数(または地点)、すなわち
測定した回数Nである。N1は比較の基準となる走行開始
前の自重を仮に真値として測定する第1回目、N2は第2
回目、N3は第3回目、以下同様にしてNnは第n回目の測
定を示す。同図からわかるように、荷重分担の少ない前
軸(G1)においても最大誤差約−16〔%〕、後後軸(G
2)においては+20〔%〕を超え、後前軸(G3)におい
ても−20〔%〕を超えている。このような大きな誤差を
有する自重値を基に算出した積載重量値は、信頼性が高
いとは到底いい得ない。
(c) 目的 本発明は、上記従来装置の問題点に鑑みなされたもの
で、第1の目的は、車両の走行中に空荷重量値および積
載重量値を安定的に高精度で測定することができ、第2
の目的は、車両の停止中は上記空重量値および積載重量
値の測定を禁止し、走行中にのみその測定を自動的に実
行することができ、第3の目的は、装置自体および装置
の設置費用が低廉で車両の小空間に設置が可能な、車両
積載重量測定装置を提供することにある。
(d) 構成 上述の第1および第3の目的を達成するために第1の
発明(特許請求の範囲第1項記載の発明)は、車両の車
軸に発生するひずみを検出することによりその車両の積
載重量を測定する装置において、車軸に取付けられその
車軸に発生するひずみを検出する検出手段と、上記車両
が積荷を積載していない空荷状態のとき上記検出手段か
らの出力を最小量に調整してこの状態を保持する平衡調
整手段と、上記検出手段から出力されるアナログ信号を
デジタル信号に変換し重量信号として出力するアナログ
/デジタル変換手段と、内容が上記最小量である上記重
量信号を受けこれを最小値として記憶する第1の記憶手
段と、上記空荷状態で上記車両が走行しているときこの
走行に伴って変動する上記重量信号を所定周期毎に受
け、その重量信号を先ず上記最小値と比較しその最小値
に対し所定の範囲に収まる重量が入力されたときこれを
空荷重量値として上記第1の記憶手段に記憶せしめ、以
降各回毎に順次上記比較を行い上記空荷重量値に対し上
記所定の範囲の重量信号を受けたとき当該重量信号を新
たな空荷重量値として記憶更新する空荷重量値管理手段
と、積荷を積載した状態で上記車両が走行し、この走行
に伴って変動する上記重量信号を所定周期毎に複数回受
けてこれらを平均化した平均重量値を算出する平均化演
算手段と、該平均重量値から上記空荷重量値を減じて上
記車両の積荷の重量である積載重量値を算出する積載重
量演算手段と、上記積載重量値を記憶する第2の記憶手
段と、上記車両が走行中の場合の上記積載重量値を上記
第2の記憶手段に記憶させてその記憶内容を更新する更
新制御手段とを具備し、少なくとも上記平衡調整手段、
上記空荷重量値管理手段および上記平均値演算手段をそ
れぞれ上記車両の走行中に作動させ該車両の積載重量を
走行中に測定するように構成したことを特徴としたもの
であり、第2の発明(特許請求の範囲第2項記載の発
明)は上記第1および第3の目的を達成させるため、第
1の発明における空荷重量値管理手段の代りに、空荷状
態で車両が走行しているとき、この走行に伴って変動す
る重量信号を所定周期毎に受けてこれを空荷重量値と
し、この空荷重量値と第1の記憶手段に記憶されている
内容との差の絶対値を算出する絶対値演算手段と、該絶
対値を所定の基準値K1と比較し該絶対値が該基準値K1
り大きい場合に排除信号を、また小さい場合に更新情報
を出力する追従判定手段と、該更新情報を受けたときは
上記空荷重量値を第1の記憶手段に記憶させてその記憶
内容を更新し、上記排除情報を受けたときは該更新を行
わず上記記憶内容を保持させる追従制御手段とを具備し
てなり、車両の走行に伴って変動する上記空荷重量値を
平均化すると共に該車両の上記空荷状態および積載状態
の区別なく所定範囲内に該空荷重量値を可及的に真値に
近い値に自動的に保持するように構成したものである。
そして第3の発明(特許請求の範囲第3項に記載の発
明)は、上記第1,第2および第3の目的を達成するため
に、第1の発明における構成に加えて、車両の走行に伴
って変動する上記重量信号を所定期間にわたって受けそ
の最大値および最小値を検出する最大最小値検出手段
と、該最大値と該最小値の差を変動差として算出する変
動差演算手段と、該変動差を所定の基準値K2と比較しこ
の基準値K2よりも該変動差が大きい場合に上記車両が走
行中であることを示す走行情報を更新制御手段に出力す
る走行情報発生手段とを具備し、走行中の上記車両が停
止した場合または停車中の場合、上記第2の記憶手段の
記憶内容を保持するように構成したものである。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて具体的に
説明する。
第2図は、本発明に用いる検出器を車軸に取付けた状
態を示す模式図である。
同図において、検出手段としての検出器1は、車両の
駆動軸2を支えるデファレンシャルギヤケース3の側面
(車両の前後関係から見た場合後面)に、そのひずみゲ
ージ部を機械的に上部な特殊な接着剤で接着し、このひ
ずみゲージを長期にわたり安定して動作させるため、防
水プロテクタ(ケース)で覆い、このプロテクタをスタ
ッドボルトにより取付ける。
この検出器1内のひずみゲージは、図示は省略したが
ホイートストンブリッジ回路を構成し、駆動軸2に自重
および積荷荷重によって生じたひずみ量を電気抵抗の変
化量として検出し、これをもとに積載重量を求める。
ここで、検出器1をデファレンシャルギヤケース3の
側面に取付けたのは、ダブルタイヤ4の接地点移動の影
響が少なく、どの車両メーカの車両にも共通して取付け
られ、ひずみの大きさが均一で、周りに車両附帯品がな
い、などの理由による。検出器1により検出されたひず
み信号は、ケーブル5を介して車両運転室内に設けられ
た装置本体6に導かれ積載重量として表示される。
第1図は、本発明の一実施例の回路構成を示すブロッ
ク図である。
同図において、一点鎖線で囲んだ部分6は、上記装置
本体であり、ここでは便宜上検出器1およびバッテリ7
を除く本装置部分を指す。装置本体6に含まれる各回路
は、車両用のバッテリ7より電力の供給を受けて動作す
るようになっており、このバッテリ7の電力は、電源安
定化回路8により定電圧化されて検出器1のブリッジ電
源としても供給される。電源安定化回路8と検出器1と
の間には極性切換スイッチ9が設けられており、この極
性切換スイッチ9は、2つの連動したスイッチSW1およ
びSW2より成り、検出器1のブリッジ入力端に供給する
電源の正負の極性の切換えを行うものである。検出器1
より出力されたアナログ信号Eは、平衡調整手段として
の零点調整部10を介して増幅器11により適宜増幅された
後、感度調整器12を経てアナログ/ディジタル変換手段
としてのA/Dコンバータ13によってデジタル信号に変換
され、重量信号としての測定データ(a)がマイクロコ
ンピュータ(以下「CPU」と略記する)14に入力され
る。このCPU14には、基準値K1およびK2、CPU14の動作順
序を決定するプログラム等が予め格納されている固定メ
モリ(以下「ROM」と略記する)15が接続され、さらに
それぞれ外部操作可能な登録スイッチ16、モードスイッ
チ17、測定スイッチ18およびリセットスイッチ19が接続
されている。またCPU14には、その他に積載重量を単位
〔TON〕で表示するデジタル型式の表示器20および発光
ダイオード等より成る警報器21も接続されている。尚、
上記各スイッチ16〜19は、すべてCPU14内部でプルアッ
プされている。従って登録スイッチ16は、接点Rd側にて
Hレベル、接点HL側にてLレベルの信号を出力し、モー
ドスイッチ17は接点M側にてHレベル、接点T側にてL
レベルの信号を出力し、測定スイッチ18およびリセット
スイッチ19は開放状態でHレベル、閉成状態でLレベル
の信号を出力するように構成されている。
さて、CPU14に入力された上述の測定データ(a)
は、先ず、絶対値演算手段としての絶対値演算部(以下
「ABS」と略記する)22に入力され、このABS22の出力は
追従判定手段としての追従判定部23に入力され、この追
従判定部23の出力である排除情報および更新情報として
の排除/更新信号(b)は追従制御手段としての追従制
御部24に入力される。この追従制御部24は、上記排除/
更新信号(b)の内容に従ってラッチ信号(c)を出力
する。尚、上記ABS22、上記追従判定部23および上記追
従制御部24をもって空荷重量値管理手段としてのゼロト
ラッキングコントローラ(以下「ZTC」と略記する)25
を構成している。
一方、上記測定データ(a)は、また平均化演算手段
としての平均化演算部26に入力され、真値を中心に上下
に変動する測定データ(a)を所定周期としての測定周
期T1にわたって平均化して平均重量値(Wn)または初期
設定時の自重である最小量(Waj)を出力する。第1の
記憶手段としての読書き自在なメモリ(以下「RAM」と
略記する)27は、該最小量(Waj)を受け、登録スイッ
チ16が接点Rdにあるならば該最小量(Waj)を最小値と
して記憶し、また上記ABS22が演算を行うに先立って既
に記憶している最小値(Waj)または自重値(W0)を出
力し、上記ラッチ信号(c)を受けているときはABS22
から出力される測定値(Wn)を記憶する。積載重量演算
手段としての積載重量演算部28は、上記RAM27から出力
される自重値(W0)および平均化演算部26から出力され
る平均重量値(Wn)を受けてW=Wn−W0なる演算によっ
て積載重量値(W)を算出して出力する。
上記測定データ(a)は、さらに最大最小値検出手段
としての最大最小値検出部29に入力され所定周期として
の監視周期T2間に変動する測定データ(a)の最大値お
よび最小値を検出し、これら最大値および最小値を受け
る変動指演算手段としての変動指演算部30は該最大値と
該最小値の差を変動差(d)として算出し出力する。こ
の変動差(d)を受ける走行情報発生手段としての走行
信号発生部31は、該変動差(d)が上記基準値K2より大
きいとき走行情報としての走行信号(e)を出力する。
尚、上記最大最小値検出部29、上記変動差演算部30およ
び上記走行信号発生部31をもって走行判定手段としての
走行判定部32を構成している。走行信号(e)を受ける
更新制御手段としての更新制御部33は、走行信号(e)
を受けていない期間は車両が停止中であると判定してホ
ールド信号(f)を出力する。第2の記憶手段としての
読書き自在なメモリ(以下「RAM」と略記する)34は、
該ホールド信号(f)を受けている期間は上記積載重量
値(W)を受付けず、従ってその記憶内容を更新するこ
とはない。表示制御部35の出力は、上述した表示器20に
接続され、上記RAM34の出力である積載重量(W)を表
示させる。また警報判定部36の出力も上述した警報器21
に接続され、上記RAM34の出力を受けて予め定められた
重量より積載重量値(W)が大きいとき警報器21を点灯
させる。制御部37は、CPU14内の上記各部の動作を制御
信号(CDT)によって制御すると共に、CPU14の外部のRO
M15のデータを読込んだり、さらには各スイッチ16〜19
の出力信号のレベルを読込んで状態判定を行う。
尚、RAM27および34には、メモリバックアップ電源Vm
が接続され、図示しない電源スイッチがOFFになって
も、RAM27および34の内容は保持されるように構成され
ている。
第3図(G1)〜(G6)は、車両が走行中の検出器1の
出力(E)を波形としてそれぞれ示す実車による実験例
のデータである。第3図(G1)〜(G6)の各縦軸は、検
出器1の出力(E)を重量の単位〔TON〕で表わし、各
横軸は時間tを表わしている。E0は真値で、この例の場
合、E0=17.4〔TON〕である。第3図(G1)および(G
2)は、走行速度5km/hにおける第1回目および第2回目
の測定結果を、第3図(G3)および(G4)は、走行速度
10km/hにおける第1回目および第2回目の測定結果を、
第3図(G5)および(G6)は、走行速度15km/hにおける
第1回目および第2回目の測定結果を、それそれ表わし
ている。また、最大振幅(片振幅)A1〜A12は真値E0
ら最大のずれを示し、具体的数値は、単位を〔TON〕と
して表わすと、下記のとおりである。A1=0.25 A2=−
0.35 A3=0.4 A4=−0.6 A5=0.85 A6=−1.0 A7=1.1 A8=−0.95 A9=1.5 A10=−1.35 A11=1.15 A12=−1.25 また、これらの図から分るように第3図(G1)〜(G
6)のいずれの場合も、真値E0からのずれには周期性が
あり、正方向のずれ(正の振幅)と負方向のずれ(負の
振幅)とは互いに打消し合うことが予測される。従っ
て、例えば第3図(G3)の場合、最大振幅A5およびA6
代数和をとると、A5+A6=−0.15〔TON〕となり、これ
を真値E0で除して単位を〔%〕で表わすと−0.86〔%〕
となる。つまり、厳密ではないにしても、真値E0に対す
る誤差が±0.86〔%〕程度のオーダーであることは予想
できる。因に、第3図(G1)〜(G6)の各誤差を上述の
ように算出して順に列記すると、−0.57,−1.15,−0.8
6,+0.86,+0.86,−0.57である(いずれも単位は
〔%〕)。また、上述したように第3図(G1)と(G
2)、第3図(G3)と(G4)等には、それぞれ第1回目
と第2回目の測定結果しか示していないが、数回にわた
る測定においても、走行速度が同一であれば出力波形も
極めて類似することが確認されており、再現性の高さを
示している。従って、誤差が±20〔%〕を超える従来例
(第13図)に比べるとはるかに測定精度が向上したとい
える。つまり本発明者は、第3図(G1)〜(G6)に示さ
れる測定結果を考察した結果、車両の停止中における測
定が最も正確であるとされてきた従来の車両積載重量測
定の常識を覆し、むしろ走行中における重量を測定する
方がより高精度に測定し得るという新たな認識を得たの
である。このように測定精度の向上がもたらされる一つ
の要因は、第2図に示す駆動軸2およびデファレンシャ
ルギヤケース3等を含む車両各部がフリーな状態となっ
て、車両停止中に生じていたストレスの偏りが無くなる
ことにあると考えられる。
第4図は、第1図の測定動作の全体を説明するための
図である。第4図においてt0〜t1,t3〜t4およびt6〜t7
は走行中を示し、逆にt1〜t3,t4〜t6は停止中を示す。
またt2,t5は、積荷を積載しはじめる時点である。W0
車両が空荷状態のときの重量、すなわち当該車両の自重
である。W1は第1回目の積荷の重量、W2は、第2回目の
積荷の重量である。従って、W00=W0,W11=W0+W1,W22
=W0+W1+W2である。ΔWは自重W0の管理範囲である。
尚、以下の図面において、第4図と同一部分には同一符
号を附して説明は省略する。
第5図および第6図は、本発明の要部の1つであるゼ
ロトラッキング動作を説明するための線図である。
第5図および第6図において、Wajは調整値、W1〜Wn
は第1回目〜第n回目までの測定値、T0は調整値Wajが
確定してから第1回目の測定が行われるまでの時間、T1
は各測定点W1〜Wnの測定周期である。尚、Waj=W0が望
ましいが、現実的にはわずかなずれがある。
第7図は、本発明(第3発明)の要部の1つである走
行判定動作を説明するため第4図の時点t4の前後を拡大
して示した図である。第7図において、T2)〜T2
)は、それぞれ第1回目〜第3回目の監視周期、DW1
〜DW3はそれぞれ上記各監視周期T2)〜T2)に
おける最大値と最小値の差で示される変動差である。
第8図は、平均化動作を説明する図である。W1〜Wmは
測定周期T1毎に平均化された測定値である。
尚、上記第4図〜第8図に示す波形は、すべてデジタ
ル量(離散値)であるが、図面を煩雑にしないためアナ
ログ量のように連続的に示してある。
第9図〜第12図は、いずれも第1図に示す実施例の動
作順序を示すフローチャートで、第9図および第10図は
メインルーチンを示し、第11図および第12図はこのメイ
ンルーチン中に用いられているサブルーチンでそれぞれ
の動作内容は、第11図が「ゼロトラッキング」、第12図
が「走行判定」である。
さて、このように構成された本実施例の動作を第9図
および第10図のフローチャートに沿って説明する。
検出器1を車両のディファレンシャルギヤケース3
(第2図示)の側面に取付け、装置本体6を運転室内に
設置し、両者をケーブル5により接続し、更に本装置の
電源安定化回路8およびその他の電源部を車両のバッテ
リ7に接続する。
次に図示省略の電源スイッチを投入してから車両の走
行を開始させる(ただし、この手順は逆でもよい)。
尚、車両は空荷状態とする。そして起動前の準備として
登録スイッチ16は接点HL側に、モードスイッチ17は接点
T側にそれぞれ設定する。常開モーメンタリスイッチか
ら成る測定スイッチ18およびリセットスイッチ19はもち
ろん開放状態である。ここで、リセットスイッチ19を瞬
時閉成することにより、CPU14が起動し、第9図のフロ
ーチャートはSTARTから始まる。先ず、最初の条件分岐
「モードスイッチはT?」において制御部37はモードスイ
ッチ17の信号レベルをチェックし、今の場合Lレベルで
あるから接点T側に設定されていることを知りYESに分
岐する。次の「演算処理」において平均化演算部26は、
第3図に示すように車両の走行に伴って刻々と変動する
検出器1の出力(E)をA/Dコンバータ13等を介して測
定データ(a)として読込み、第8図に示すように測定
周期T1毎に読込んだ測定値W1〜Wmを測定回数mで除する
平均化演算(平均化動作)を行い平均重量値(Wn)を出
力する。尚、平均化演算部26のもう1つの出力である最
小値(Waj)と上記平均重量値(Wn)とは、共に上記平
均化演算の結果という意味において同一のものである
が、用途が異なるので、符号を付してある。
さて、フローチャートに戻って、次の「無条件表示」
において制御部37は、モードスイッチ17が接点Tになっ
ていることを確認した上で制御信号(CDT)によって積
載重量演算部28およびRAM34の本来の動作を停止させ
る。その結果、平均化演算部26の上記出力平均重量値
(Wn)は上記積載重量演算部28およびRAM34を通過(素
通り)して表示制御部35に至る。表示制御部35は入力信
号である該平均重量値(Wn)を表示器20に適合する形式
に変換して表示器20に表示させる。次にフローチャート
は条件分岐「モードスイッチはM?」に進み、モードスイ
ッチ17は以然と接点T側であるからこの条件分岐をNOに
分岐して再び上記「演算処理」に戻り、モードスイッチ
17が接点M側に変更されるまでこの動作ループを繰り返
している。尚、この動作ループを以下「初期調整表示ル
ープ」と呼ぶ。つまり、この初期調整表示ループの動作
は、大雑把な表現をすれば、検出器1の出力(E)を単
に表示しているだけということになる。
さて、初期調整のための準備が整ったので少しの間フ
ローチャートを離れて初期調整の手順を説明する。既
に、第3図の説明においても述べたように、車両は走行
中において、その各部に加わるストレスの偏り等による
影響が除去(または緩和)されるので、当然ながら上記
初期調整も走行中に行う。操作者は、まず極性切換スイ
ッチ9の設定を行なう。すなわち、検出器1の設定箇所
または設置方向によりひずみゲージ等のひずみ検出素子
の出力極性が変わるので、荷重が加わったとき表示器20
における表示値が増加する側に設定する。尚、この設定
は、設定精度に影響しないので停車中に行ってもよい。
さて切換スイッチ9を上述のように設定したとき、車両
に積荷がない状態においては、検出器1より車両の自重
等によるひずみに応じた出力(E)が送出される。(も
っとも車両の空荷状態で検出器1を車軸に取付けた場合
には、空荷状態における検出器1の出力(E)は殆ど零
に等しいが、ここでは検出器1より車両の自重出力が送
出されるものとして説明する)。検出器1の出力(E)
は、零点調整部10を経て増幅器11により増幅され、感度
調整器12を経てA/Dコンバータ13に入力される。
そして上述のようにA/Dコンバータ13の出力である測
定データ(a)が平均化されて表示器20に表示される。
従って操作者は、零点調整器10により表示器20の表示器
が零を表示するように設定して零点調整を行う。
次に、一旦車両を停止させ(可能ならば走行中でもよ
い)、既知荷重を車両に積載し、再び走行を開始して上
記表示器20に該既知荷重が表示されるように感度調整器
12により感度調整を行う。そして上記既知荷重の積荷を
降して、再び空荷状態にし、上記初期調整を終了する。
尚、この初期調整は、当該車両の使用頻度、あるいは走
行地域の路面状態および要求する測定精度等に応じて適
当な期間(数ヶ月〜数年)毎に行うだけでもよい。
さて、第9図フローチャートに戻る。初期調整が終っ
たので、操作者は車両を走行させた後、モードスイッチ
17を接点M側に切換える。ここで、フローチャートは、
上記初期調整表示ループ内の条件分岐「モードスイッチ
はM?」をYESに分岐して該初期調整表示ループを抜け出
す。そして次の「調整値格納」において、上記初期調整
によって調整された自重を平均換演算部26が平均化した
最小量(Waj)は、制御部37によって、RAM27の所定の領
域に記憶(格納)される。このことを「初期設定」と呼
ぶ。また、この初期設定および上記初期調整をまとめて
「初期化動作」と呼ぶことがある。尚、上記初期調整を
した後、例えば2日後に上記初期設定を行うことも可能
であるが、上記初期化動作として同時に行うのが望まし
い。
第9図フローチャートは、次の条件分岐「登録スイッ
チ操作?」に進み、今の場合は、NOに分岐しつづける。
一方、操作者は、当該車両が空荷状態であることを確認
し、さらに走行している路面の状態を観察する。つまり
路面が進行方向に対してほぼ平坦であり、車軸方向にも
極端に傾斜していないことを目視により確認した上で登
録スイッチ16を接点Rd側に切換える。ここで、フローチ
ャートは上記条件分岐をYESに分岐してサブルーチン
「ゼロトラッキング」に進み、第11図に移る。
先ず、「絶対値演算」において、ZTC25内のABS22が測
定データ(a)を読込み、第5図および第6図に示すよ
うにこれを第1回目測定値W1とする。そしてRAM27に上
記初期設定によって記憶された最小値(Waj)を読出し
て、Waj=W0とし、W1=Wnとして|W0−Wn|=δなる絶対
値演算を行うと共に上記W1をRAM27に送る。次の条件分
岐「K1より小さい?」において制御部37がROM15から読
出して基準値K1を制御信号(CDT)と共に追従判定部23
に送り、これを受けた追従制御部24は上記ABS22の出力
δを基準値K1と比較する。すなわちδ≦K1なる比較を
し、この条件を満す場合は更新信号(b)を出力し、満
さない場合は排除信号(b)を出力する。今の場合、上
記条件を満しているものとすれば、フローチャートはYE
Sに分岐する。次の「初期値更新」において追従制御部2
4は、上記更新信号(b)を受けてRAM27に対してラッチ
信号(c)を出力し、これを受けたRAM27は、ABS22から
送出されている上記測定値W1を初期値として記憶(登録
する)。つまり最小値Wajの代りに上記W1が記憶され、
記憶内容が更新されたのである。第11図のフローチャー
トはRTSで第9図のメインルーチンに復帰し、「ゼロ表
示」にて表示制御部35が表示器20の表示を零にクリアす
る。次の条件分岐「操作終了?」において制御部37は、
登録スイッチ16の状態をチェックし、以然として接点Rd
側なので、まだ登録スイッチの操作が終了していないと
判断し、NOに分岐する。そして再びサブルーチン「ゼロ
トラッキング」に至る。ここで、この動作ループを「ト
ラッキングループ」と呼ぶ。さて、本発明の要部の1つ
であるこのトラッキングループによるゼロトラッキング
動作を第5図および第6図によって少し詳しく説明す
る。測定周期T1後に測定値W2を第2回目の測定値として
読込み、第1回目の登録された初期値W0の内容はW1であ
ったから、絶対値である|W0−Wn|の内容は|W1−W2|であ
り、これも上記条件を満しているので初期値W0はその内
容をW1からW2に更新される(尚、第5図の図面上では基
準線K1として便宜的に約1cmの長さを対応させてい
る)。第3回目、第4回目も初期値W0は更新され、従っ
て第5回目は|W0−Wn|=|W4−W5|となり、この絶対値は
δ>K1(1cm)となるので更新されない。つまり追従判
定部23から排除信号(d)が出力されるので、追従制御
部24からラッチ信号(c)が出力されない。従って第11
図フローチャートにおいて「K1より小さい?」をNOに分
岐し、RAM27においては初期値W0が更新されることなくW
0=W4が保持されている。つまりW5は、排除される。第
6回目の測定値W6も同様に排除され、第7回目の測定値
W7に至って再び初期値W0が更新されW0=W7となる。以
下、同様の動作が測定周期T1毎に繰返され、この結果を
示すのが第6図である。つまり、×印で示す測定値W5,W
6,W9,W12,W13,W14,W15,W18,W19が初期値W0として排除さ
れ、図面から分るように平均値演算を行うことなく自重
W0が平均化される。そして管理範囲ΔW内に終始収めら
れ、変動範囲の管理が自動的になされるのである。
さて、ここで再び第9図示のフローチャートに戻る。
このフローチャートにおいては上記トラッキングループ
が、第1図において、ZTC25およびRAM27によるゼロトラ
ッキング動作が続行されているが、操作者は平坦路を走
行中に登録スイッチ16を接点HL側に切換える。制御部37
がこの切換を読取ることにより上記ゼロトラッキング動
作は中断され、上記トラッキングループは、「操作終了
?」をYESに分岐して該トラッキングループを脱出す
る。尚、この時RAM27内には第6図のWnが登録されてい
るとする。そしてから第10図のに移る。先ず、最初
の条件分岐「測定スイッチ操作?」において未だ測定ス
イッチ18は開放したままで操作されていないのでNOに分
岐し、次の条件分岐「登録スイッチ操作?」も同様に登
録スイッチ16が接点HLのままなので、NOに分岐し、再び
上記条件分岐「測定スイッチ操作?」に戻り同じ動作を
繰り返している。ここで、この動作ループを「スタンバ
イループ」という。
尚、この状態で、登録スイッチ16を再び接点Rd側に切
換えると、上記スタンバイループ内の「登録スイッチ操
作?」からYESに分岐し、から第9図のに移り、再
度上記トラッキングループによって上記ゼロトラッキン
グ動作を実行することができる。つまり、走行を開始し
てから第1回目のゼロトラッキング動作のとき、平坦路
がみつからず、わずか傾斜した走行路であったとして、
しばらく走行した後、平坦路に出たので初期値W0をとり
直したい等の時に、有効である。
さて、車両は第4図の時点t1まで走行したところで停
車し、しかる後時点t2から重量W1の積荷の積載を開始
し、時点t3にて積載を完了して再び走行を開始したとす
る。その後、操作者は、走行路が平坦であることを確認
して測定スイッチ18を閉成する。このとき第10図のフロ
ーチャートは「測定スイッチ操作?」をYESに分岐し上
記スタンバイループを抜け出す。そして、まず上述のサ
ブルーチン「ゼロトラッキング」を実行する。ただし、
この第10図における「ゼロトラッキング」も、動作の内
容は第9図の「ゼロトラッキング」と同一であるが、目
的が異なり、第10図においては積荷の有無を判定する目
的で該サブルーチンを実行する。つまりこのことを第4
図を用いて説明すると、上述したように車両が空荷状態
のときは積荷重量値Wが自重(初期値)W0に等しい時点
t0〜t1の間にあり、W=W00を中心に変動しているが、
今のようにW1の積荷を積載(t3〜t4間)すると、図から
もわかるようにW=W11は管理範囲ΔWから大きくはず
れるのでZTC25は積載の有無を知ることができ、初期値W
0としてW00±ΔW=Wnを保持することになる。
次の「平均化」では、上記平均化演算部26が平均重量
値(Wn)をWn=W11として出力し、次の「荷重演算」で
は、積載重量演算部28はRAM27内の初期値W0を受け、該
平均重量値(Wn)との差を算出して積載重量値(W)を
出力する。つまり、W=Wn−W0なる演算を行うが、第4
図に対応させると、W=W11−W00である。次に、サブル
ーチン「走行判定」に進む。ここで第12図のサブルーチ
ンに移り走行判定動作を説明する。先ず、「最大値検
出」および次の「最小値検出」において、走行判定部32
内の最大最小値検出部29が測定データ(a)を受け最大
値および最小値を検出する。そして次の条件分岐「時間
内?」において第7図に示すように監視周期T2としての
T2)が経過したか否かをチェックし、経過していな
ければYESに分岐して再び上記「最大値検出」に戻り、
同じ動作を繰り返す。そして監視周期T2)が経過す
ると上記「時間内?」をNOに分岐し、次の条件分岐「変
動差は大?」において変動差演算部30が上記最大値と上
記最小値の差である変動差(d)をDW1として算出し、
制御部37はROM15から読出した基準値K2を走行信号発生
部31に送り、これを受けた走行信号発生部31がDW1≧K2
なる比較を行う。変動差DW1は基準値K2より大きいとし
て上記条件分岐はYESに分岐し、次の「走行中」におい
て走行信号発生部31が走行信号(e)を出力する。RTS
で第10図に戻り、次の条件分岐「走行中?」において更
新制御部33は、該走行信号(e)が入力されていること
を確認してYESに分岐し、次の「表示値更新」において
同じく更新制御部33はホールド信号(f)を出力する。
これを受けたRAM34は入力されている積載重量値(W)
を新たに記憶し、その記憶内容を更新する。今の場合、
この更新によって新しく記憶された内容は、W=W11−W
00であり、つまりは積荷の重量W1である。表示制御部35
はこのRAM34の内容W1を表示器20に表示し、警報判定36
は同じくRAM34の内容W1と予め定められた比較値(例え
ば当該車両の最大積載量)とを比較して、これを超えて
いるならば、警報器21を点灯させる。フローチャートは
次に「登録スイッチ操作?」に進み、今、未だ登録スイ
ッチ16は操作されていないので、NOに分岐して再び上記
「測定スイッチ操作?」に戻る。今、測定スイッチ18に
押されて閉成の操作が続行しているとすれば、再び「ゼ
ロトラッキング」から「走行判定」までの動作が実行さ
れ(これを「測定動作」という)、特にサブルーチン
「走行判定」においては第7図の変動差DW2が演算さ
れ、これも上記基準値K2より大きいとして走行信号
(e)が出力され、時点t4を過ぎてから車両は停止する
ものとする。しかし、走行判定部32は、さらに監視周期
T2)において、上記同様に変動差DW3を算出する。
この変動差DW3が基準値K2より小さいとして、第12図サ
ブルーチンにおいて「変動差は大?」をNOに分岐し、次
の「停止中」で走行信号発生部31が走行信号(e)の出
力を中止するので、RTSで第10図に戻ってフローチャー
トは「走行中?」をNOに分岐し、更新制御部33はホール
ド信号(f)を出力することなく、従ってRAM34内の記
憶内容は更新されることなく、前回(走行中)の積載重
量値(W)が保持される。つまり車両の停止に至るまで
測定スイッチ18が操作されていても、走行判定部32の走
行判定動作によって、停止中に測定された積載重量値
(W)は精度が低いとして記憶せず、自動的に排除する
のである。第10図フローチャートは、この後、測定スイ
ッチ18の操作が解除されると、再び上記スタンバイルー
プを繰り返すことになる。また、しかる後、第4図の時
点t5〜t6において重量W1なる積荷を積載し、時点t6から
走行を開始して、上記同様測定スイッチ18を操作するこ
とにより、積載重量値(W)としてW=W1+W2が表示器
20に表示される。
直、先にも少し触れたが、上記初期調整後、数日経て
から上記初期設定を行いたいときは、モードスイッチ17
を接点M側にした上でリセットスイッチ19によってCPU1
4を起動すれば、上記初期化動作は省略できる。
このように、本実施例によれば、測定データ(a)を
平均化演算部26および積載重量演算部28等によって走行
中の積載重量(W)を測定しつつ、ZTC25によって変動
する自重(W0)を追尾し、測定周期T1毎に基準値K1と比
較して、この基準値K1より小さい場合のみ初期値(W0
を更新するように構成したから、測定値Wnに対する平均
値演算を行うことなく、平均化でき、さらにこの平均化
の機能は、管理範囲ΔW外の測定値Wnを排除することで
あるから、積荷の有無を判定する機能を併せて持ち、従
って、初期値(W0)の管理が簡略な構成で、自動的に確
実にできるという利点がある。
また、測定データ(a)から走行判定部32が走行判定
動作を行うように構成したので、新たな検出器等を要す
ることなく、車両の走行/停止が容易に判定でき、しか
も停止中にはRAM34の記憶内容を更新せずに保持するの
で、車両の停止に至るまで操作スイッチ18を操作し続け
ていたとしても停車中の精度の低い測定データを取入れ
ることなく的確に自動的に排除できる利点がある。ま
た、このことから停車中の誤操作によって精度の低い測
定データを取入れることがないという利点がある。
また、走行中に積載重量値(W)の測定を行うので、
検出器1を取付けた車軸等車体各部が自由な状態になっ
てストレスの偏りが緩和され測定精度が向上するという
利点がある。
また、走行に伴う振動成分には周期性があり、平均化
演算部26がこれを平均化するので、上記振動成分の影響
を受けないという利点がある。
また、走行中に積載重量値(W)を測定するように構
成したから、例えば散水車のように、走行中に刻々と積
載重量値(W)が変化するような車両に適用できる利点
がある。
また、ZTC25が初期値(W0)を常に管理範囲ΔW内に
管理しているので、複数回にわたって積荷を積増し測定
する場合、従来は積増し回数に比例して測定誤差が増加
したが、ΔW≪W0であり、実質上初期値(W0)は変動し
ないので積増しによる誤差が除去できる利点がある。
また、初期値(W0)を登録するタイミングは操作者が
走行路の平坦性を確認した上で、測定スイッチ18の操作
で決められているので、路面の傾斜等による影響が除去
でき、しかも測定スイッチ18による再登録が可能なの
で、より正確な初期値(W0)が得られるという利点があ
る。
また、第1図に示すように装置本体6の大部分はCPU1
4より成るので装置自体小型化でき例えばトラックの運
転室のコンソールボックス内等に容易に収納でき、ま
た、車軸には検出決1を取付けるのみなので構成が極め
て簡略化できるという利点がある。
尚、本発明は、上述の実施例に限定されることなく、
その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能で
ある。
例えば、RAM27および34は、CPU14内蔵形に限ることな
く、外付けで構成してもよい。
また、増幅器11の前段または後段に積分回路等、走行
に伴う上記振動成分を平均化する回路を挿入してもよ
い。この場合、平均化演算部26の動作速度を遅くできる
利点がある。
また、零点調整部10は、外部操作による手動に限るこ
となく、別途不平衡分打消回路、制御部等を設けて自動
調整を行うように構成してもよい。この場合、外部操作
が不要になり、調整の操作性が向上する。
また、ABS22および平均化演算部26の測定周期T1は、
同一に限ることなく、それぞれ異なる測定周期であって
もよい。
また、走行判定動作は、測定値(a)によることな
く、タイヤの回転数またはスピードメータ等からの情報
によって判定するように構成してもよい。
また、走行路の平坦性が確保されているならば、ある
いは多少の精度低下が許されるならば、第9図フローチ
ャートに示したように、ゼロトラッキング動作の開始
は、登録スイッチ16の操作によることなく、「調整値格
納」を実行した後、該ゼロトラッキング動作を所定時間
にわたって行うように構成してもよい。
また、測定周期T1および監視周期T2はそれぞれ第8図
および第7図に示す間隔に限ることなく、車種、CPU14
の動作速度および検出器1の特性(定格)等によってそ
れぞれに最適な周期を決めてよい。
また、空荷状態での積載重量値(W)の表示を許すな
らば、第10図フローチャートの条件分岐「測定スイッチ
操作?」は省略してもよい。従って、この場合、測定ス
イッチ18も不要となる。
また警報判定部36の比較値は、予め定めることなく、
外部操作によってその設定が変更できるように構成して
もよい。この場合、上記初期設定動作の際に該設定を行
えばよい。
また、警報器21は、発光体によることなく発音体によ
ってもよいし、表示体として発光ダイオードに限らず液
晶でもよい。また警報器21と警報判定部36との間にフォ
トカプラ等の絶縁手段を介挿してもよい。
(e) 効果 以上詳述したように第1、第2および第3の発明によ
れば、装置自体並びに装置の設置費用が低廉で、車両の
運転席の小空間に設置可能であり、車両の走行中に空荷
重量値および積載重量値を安定的に高精度で測定し得る
車両積載重量測定装置を提供することができ、特に第2
の発明によれば、車両の走行の前後において極めて変動
の大きい空荷重量を、可及的に真値び近い値に自動管理
でき、極めて信頼性と操作性に優れた車両積載重量測定
装置を提供することができ、さらに、特に第3の発明に
よれば、車両の走行/停止を自動的に判定し走行中のみ
積載重量が自動測定でき、極めて操作性に優れた車両積
載重量測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の全体構成を示すブロック
図、第2図は、本発明に用いる検出器を車軸に取付けた
状態を示す模式図、第3図(G1)〜(G6)は、車軸に取
付けられた検出器の出力波形をそれぞれ示す図、第4図
は、測定動作全体の説明をするための図、第5図および
第6図は、それぞれゼロトラッキング動作を説明するた
めの図、第7図は、走行判定動作を説明するための図、
第8図は、平均化動作を説明するための図、第9図〜第
12図は、いずれも第1図に示す実施例の動作順序を示す
フローチャートで、このうち、第9図および第10図は、
全体の動作順序を示すメインルーチン、第11図および第
12図は、上記メインルーチン中に用いられるサブルーチ
ンで、それぞれのフローチャートの内容は、第11図は
「ゼロトラッキング」、第12図は、「走行判定」のサブ
ルーチンを示し、第13図は、従来装置において異なる地
点において測定した結果を示すグラフである。 1……検出器、2……駆動軸、 3……デファレンシャルギアケース、 6……装置本体、7……バッテリ、 8……電源安定化回路、 9……極性切換スイッチ、 10……零点調整部、11……増幅器、 12……感度調整器、 13……A/Dコンバータ、 14……マイクロコンピュータ(CPU)、 15……固定メモリ(ROM)、 16……登録スイッチ、 17……モードスイッチ、 18……測定スイッチ、 19……リセットスイッチ、 20……表示器、21……警報器、 22……絶対値演算部(ABS)、 23……追従判定部、24……追従制御部、 25……ゼロトラッキングコントローラ(ZTC)、 26……平均化演算部、 27,34……読書き自在なメモリ(RAM)、 28……積載重量演算部、 29……最大最小値検出部、 30……変動差演算部、 31……走行信号発生部、 32……走行判定部、33……更新制御部、 35……表示制御部、36……警報判定部、 37……制御部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車軸に発生するひずみを検出するこ
    とによりその車両の積載重量を測定する装置において、
    車軸に取付けられその車軸に発生するひずみを検出する
    検出手段と、上記車両が積荷を積載していない空荷状態
    のとき上記検出手段からの出力を最小量に調整してこの
    状態を保持する平衡調整手段と、上記検出手段から出力
    されるアナログ信号をデジタル信号に変換し重量信号と
    して出力するアナログ/デジタル変換手段と、内容が上
    記最小量である上記重量信号を受けこれを最小値として
    記憶する第1の記憶手段と、上記空荷状態で上記車両が
    走行しているときこの走行に伴って変動する上記重量信
    号を所定周期毎に受け、その重量信号を先ず上記最小値
    と比較しその最小値に対し所定の範囲に収まる重量信号
    が入力されたときこれを空荷重量値として上記第1の記
    憶手段に記憶せしめ、以降各回毎に順次上記比較を行い
    上記空荷重量値に対し上記所定の範囲の重量信号を受け
    たとき当該重量信号を新たな空荷重量値として記憶更新
    する空荷重量値管理手段と、積荷を積載した状態で上記
    車両が走行し、この走行に伴って変動する上記重量信号
    を所定周期毎に複数回受けてこれらを平均化した平均重
    量値を算出する平均化演算手段と、該平均重量値から上
    記空荷重量値を減じて上記車両の積荷の重量である積載
    重量値を算出する積載重量演算手段と、上記積載重量値
    を記憶する第2の記憶手段と、上記車両が走行中の場合
    のみ上記積載重量値を上記第2の記憶手段に記憶させて
    その記憶内容を更新する更新制御手段とを具備し、少な
    くとも上記平衡調整手段、上記空荷重量値管理手段およ
    び上記平均値演算手段をそれぞれ上記車両の走行中に作
    動させ該車両の積載重量を走行中に測定するように構成
    したことを特徴とする車両積載重量測定装置。
  2. 【請求項2】車両の車軸に発生するひずみを検出するこ
    とによりその車両の積載重量を測定する装置において、
    上記車軸に取付けられその車軸に発生するひずみを検出
    する検出手段と、上記車両が積荷を積載していない空荷
    状態のとき上記検出手段からの出力を最小量に調整して
    この状態を保持する平衡調整手段と、上記検出手段から
    出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し重量信
    号として出力するアナログ/デジタル変換手段と、内容
    が上記最小量である該重量信号を受けこれを最小値とし
    て記憶する第1の記憶手段と、上記空荷状態で上記車両
    が走行しているときこの走行に伴って変動する上記重量
    信号を所定周期毎に受けてこれを空荷重量値とし、この
    空荷重量値と上記第1の記憶手段に記憶されている内容
    との差の絶対値を算出する絶対値演算手段と、該絶対値
    を所定の基準値K1と比較し該絶対値が該基準値K1より大
    きい場合に排除情報を、また小さい場合に更新情報を出
    力する追従判定手段と、該更新情報を受けたときは上記
    空荷重量値を上記第1の記憶手段に記憶させてその記憶
    内容を更新し、上記排除情報を受けたときは該更新を行
    わず上記記憶内容を保持させる追従制御手段と、積荷を
    積載した状態で上記車両が走行し、この走行に伴って変
    動する上記重量信号を所定周期毎に所定回数受けこれら
    を平均化した平均重量値を算出する平均化演算手段と、
    該平均重量値から上記空荷重量値を減じて上記車両の積
    荷の重量である積載重量値を算出する積載重量演算手段
    と、該積載重量値を記憶する第2の記憶手段と、該車両
    が走行中の場合のみ上記積載重量値を上記第2の記憶手
    段に記憶させてその記憶内容を更新する更新制御手段と
    を具備し、上記車両の走行に伴って変動する上記空荷重
    量値を平均化すると共に該車両の上記空荷状態および積
    荷を積載した積載状態の区別なく所定範囲内に該空荷重
    量値を自動的に保持するように構成したことを特徴とす
    る車両積載重量測定装置。
  3. 【請求項3】車両の車軸に発生するひずみを検出するこ
    とによりその車両の積載重量を測定する装置において、
    該車軸に取付けられその車軸に発生するひずみを検出す
    る検出手段と、上記車両が積荷を積載していない空荷状
    態のとき上記検出手段からの出力を最小量に調整してこ
    の状態を保持する平衡調整手段と、上記検出手段から出
    力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し重量信号
    として出力するアナログ/デジタル変換手段と、内容が
    上記最小量である上記重量信号を受けこれを最小値とし
    て記憶する第1の記憶手段と、上記空荷状態で上記車両
    が走行しているときこの走行に伴って変動する上記重量
    信号を所定周期毎に受け、その重量信号を先ず上記最小
    値と比較しその最小値に対し所定の範囲に収まる重量が
    入力されたときこれを空荷重量値として上記第1の記憶
    手段に記憶せしめ、以降各回毎に順次上記比較を行い上
    記空荷重量値に対し上記所定の範囲の重量信号を受けた
    とき当該重量信号を新たな空荷重量値として記憶更新す
    る空荷重量値管理手段と、積荷を積載した状態で上記車
    両が走行し、この走行に伴って変動する上記重量信号を
    所定周期毎に複数回受けてこれらを平均化した平均重量
    値を算出する平均化演算手段と、該平均重量値から上記
    空荷重量値を減じて上記車両の積荷の重量である積載重
    量値を算出する積載重量演算手段と、該積載重量値を記
    憶する第2の記憶手段と、上記車両の走行に伴って変動
    する上記重量信号を所定期間にわたって受けその最大値
    および最小値を検出する最大最小値検出手段と、該最大
    値と該最小値の差を変動差として算出する変動差演算手
    段と、該変動差を所定の基準値K2と比較しこの基準値K2
    よりも該変動差が大きい場合に上記車両が走行中である
    ことを示す走行情報を出力する走行情報発生手段と、こ
    の走行情報発生手段の出力を受け該車両が走行中の場合
    のみ上記積載重量値を上記第2の記憶手段に記憶させて
    その記憶内容を更新する更新制御手段とを具備し、走行
    中の上記車両が何らかの理由で停止した場合、または停
    車中の場合、上記第2の記憶手段の記憶内容を保持する
    ように構成したことを特徴とする車両積載重量測定装
    置。
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