JP2538426C - - Google Patents

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JP2538426C
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organopolysiloxane
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、1分子中にケイ素原子結合フェニル基(以下、単にフェニル基とす
る)およびケイ素原子結合アルコキシ基(以下、単にアルコキシ基とする)を有
するオルガノポリシロキサンと1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを原 するオルガノポリシロキサンの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 有機官能基を有するオルガノポリシロキサンは、有機樹脂モノマーと共重合し
たりまた有機樹脂と混練することにより、得られる有機樹脂が優れた耐候性、表
面撥水性、潤滑性、生体適合性、ガス透過性等を有するため、有機樹脂の改質剤
として有用である。 【0003】 有機樹脂の改質剤として、各種の有機官能基を有するオルガノポリシロキサン
が知られており、例えば、アミノ変性オルガノポリシロキサン,エポキシ変性オ
ルガノポリシロキサン,メタクリロキシ変性オルガノポリシロキサン,カルビノ
ール変性オルガノポリシロキサン,カルボン酸変性オルガノポリシロキサン等が
例示される。上記の有機官能基を有するオルガノポリシロキサンは、一般に、白 金系触媒の存在下で、ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン
と有機官能基を有する脂肪族不飽和炭化水素とをヒドロシリル化反応することに
より製造される。この製造方法で使用するケイ素原子結合水素原子を有するオル
ガノポリシロキサンは、通常、メチルポリシロキサンが主骨格であった。 【0004】 また、有機樹脂の改質剤として、フェニル基を有するオルガノポリシロキサン
は、メチル基を有するオルガノポリシロキサンに比較して有機樹脂に対する親和
性が良好であり、有機樹脂とフェニル基を有するオルガノポリシロキサンを混練
すると、得られた有機樹脂は優れた耐放射線性、耐熱性、不燃性、低温可とう性
等を有した。 【0005】 上述するように、有機樹脂の諸特性を向上させるための有機樹脂の改質剤とし
て、フェニル基および有機官能基を有するオルガノポリシロキサンが望まれてい
た。しかし、フェニル基および有機官能基を有するオルガノポリシロキサンを製
造するために、その原料である、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水
素原子を有するオルガノポリシロキサンを製造することは非常に困難であった。
これは、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水素原子を有するオルガノ
ポリシロキサンを酸性触媒の存在下で平衡重合反応により製造する場合、ケイ素
−フェニル基結合が切断されまた、塩基性触媒の存在下で平衡重合反応により製
造する場合、ケイ素−水素結合が切断されるからである。 【0006】 本発明者は、先に特願平2−114177号および特願平2−336315号
において、分子鎖両末端または分子鎖片末端にケイ素原子結合水素原子を有する
ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体およびその製造方法につい
て提案した。 【0007】 しかし、特願平2−114177号および特願平2−336315号により提
案した製造方法は、分子鎖両末端または分子鎖片末端にケイ素原子結合水素原子
を有するジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体を高収率で、かつ 、狭い範囲の分子量分布で製造することができるという特徴を有する反面、高価
で取り扱いが困難な有機リチウム化合物を使用し、重合反応のコントロールが難
しく、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを
製造することはできず、さらにケイ素原子結合水素原子の含有率が高いオルガノ
ポリシロキサンを製造することはできないという欠点があった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水素原
子を各々1個以上有するオルガノポリシロキサンの製造方法を提供することにあ
る。 【0009】 【課題を解決するための手段およびその作用】 本発明の目的は、アルコールを含む塩酸水溶液中で、1分子中にフェニル基お
よびアルコキシ基を各々1個以上有する分子量100,000以下であるオルガ
ノポリシロキサンと1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを反応させるこ
とにより達成される。 以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。 【0010】 本発明の製造方法は、1分子中にフェニル基およびアルコキシ基を各々1個以
上有する分子量100,000以下であるオルガノポリシロキサンを使用する。
これは、分子量が100,000を越えるオルガノポリシロキサンを使用すると
、該オルガノポリシロキサンの有機溶剤に対する溶解性が低下し、また、ケイ素
原子結合アルコキシ基の反応性が低下し、さらには反応の転化率が著しく低下す
るからである。また、オルガノポリシロキサン中のアルコキシ基はメトキシ基,
エトキシ基,プロポキシ基,ヘキシロキシ基等であるが、経済性および反応性か
らアルコキシ基はメトキシ基であることが好ましい。上記のオルガノポリシロキ
サンは、周知の方法により製造できる。例えば、ジメトキシシランとトリメトキ
シシランとの混合物を加水分解することにより、次式で表されるオルガノポリシ ロキサンを製造できる(特公昭32−7546号公報参照)。 【化1】 (上式中、Phはフェニル基である。) 特公昭32−7546号公報に開示される製造方法において、ジメトキシシラン
およびトリメトキシシランとの混合物と反応させる水の量を調節することによっ
て、得られるオルガノポリシロキサンの分子量を調節することができる。 【0011】 上記の方法以外にも、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニ
ルシクロトリシロキサンあるいはフェニルメチルシクロオリゴシロキサンとそれ
ら以外の各種ジオルガノシクロオリゴシロキサンを塩基性触媒下での共重合反応
する製造方法において、分子鎖末端封鎖剤としてジフェニルジアルコキシシラン
を用いることにより、分子鎖両末端をアルコキシ基で封鎖したオルガノポリシロ
キサンを製造できる。 【0012】 本発明の製造方法で使用するオルガノポリシロキサン中の、フェニル基および
アルコキシ基以外のケイ素原子に結合する有機基は、塩酸酸性条件下で化学反応
を起こさない有機基であれば別に特定されない。この有機基は、具体的には、メ
チル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;3−クロロプロピル
基,4−クロロブチル基,3−フルオロプロピル基,3,3−ジフルオロプロピ
ル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロアルキル基;シクロペンチ
ル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基等のシクロアルキル基等であり、経
済性からメチル基であることが好ましい。 【0013】 本発明の製造方法では、塩酸水溶液中で、1分子中にフェニル基およびアルコ
キシ基を各々1個以上有する分子量100,000以下であるオルガノポリシロ キサンと1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを反応させることにより、
1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合アルコキシ基を各々1個以上有する
オルガノポリシロキサンを製造することができる。この反応は次の化学反応式で
示される。 【式1】 (上式中、Rはアルキル基である。) 本発明の製造方法は無溶媒でも進行するが、塩酸水溶液とオルガノポリシロキサ
ンとの相溶性を向上させるために、アルコール溶媒を使用することが必要である
。使用できるアルコールはエチルアルコール,イソプロピルアルコール,t−ブ
チルアルコール等であり、特にイソプロピルアルコールであることが好ましい。 【0014】 本発明の製造方法において、使用する1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンのモル数は、特に制限されず、1分子中にアルコキシ基およびケイ素原子結
合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを製造する場合には、原料のオルガ
ノポリシロキサン中のアルコキシ基に対して、1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサンを当量以下で使用すればよくまた、オルガノポリシロキサン中のアル
コキシ基をすべてジメチルシロキシ基で置換する場合には、化学量論量よりも過
剰に使用すればよい。この際、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを過
剰に使用すればするほど反応の転化率は向上するが、経済的な観点から5倍当量
以下が好ましい。 【0015】 本発明の製造方法において、塩酸水溶液の濃度は、高いほど反応速度が大きく
なるが、あまり高すぎるとケイ素−フェニル基結合の解裂やシロキサン鎖の再配
列が起こるので塩酸水溶液の濃度は1重量%〜36重量%の範囲が好ましく、特
に好ましくは5重量%〜15重量%の範囲である。 【0016】 本発明の製造方法において、反応温度は高いほど反応速度が大きくなるため好
ましいが、あまり高すぎると前述した副反応が起こるため、反応温度は10〜5
0℃の範囲であり、好ましくは20〜40℃の範囲である。また、反応時間は、
長いほど上記反応の転化率が向上するため好ましいが、あまり長すぎると前述し
た副反応が起こるため、反応時間は30分〜6時間の範囲であり、好ましくは1
〜3時間の範囲である。上記の塩酸水溶液の濃度、反応温度、反応時間はそれぞ
れ独立に作用するのではなく相互に関係しあっているので、最良の結果を得るた
めには、一つの条件が高い(あるいは長い)場合には、他の二つの条件は低く(
あるいは短く)する必要がある。 【0017】 本発明の製造方法において、反応の進行は、反応混合物から定期的にサンプリ
ングを行い、有機層を分離した後、中和、水洗、乾燥、低沸点物の除去を行った
後、核磁気共鳴吸収により、Si−H結合のシグナルの生成とアルコキシ基のシ
グナルの減少を追跡することにより確認できる。反応が終了したならば、直ちに
有機層を分離するが、分離を容易にするために、トルエンやヘキサン等のオルガ
ノポリシロキサンを溶解し、非水溶性である溶剤を添加してもよい。次に、有機
層の残留塩化水素を炭酸水素ナトリウム等の中和剤で中和し、水層のpHが中性
になるまで水洗し、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブス等の脱水剤で乾燥し
た後、溶剤および低沸点物を加熱減圧留去して目的のオルガノポリシロキサンを
得る。有機層の分離の際、トルエンを添加した場合には、脱水剤で乾燥せず、共
沸脱水により脱水と留去を同時に行ってもよい。 【0018】 本発明の製造方法により、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水素原
子を各々1個以上有するオルガノポリシロキサンを製造することができ、またケ
イ素原子結合水素原子の含有率が高いオルガノポリシロキサンを製造できる。こ
のようにして製造された、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水素原子
を各々1個以上有するオルガノポリシロキサンは、白金系触媒の存在下に種々の
有機官能基を有する脂肪族炭化水素とヒドシリル化反応することにより、ケイ素 原子結合フェニル基を有する有機変性オルガノポリシロキサンを製造することが
できる。 【0019】 【実施例】 本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。実
施例中、Phはフェニル基を示す。 【0020】 【実施例1】 攪拌装置つきの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール320ミリリット
ル、濃塩酸160ミリリットル、水240ミリリットルを投入し、さらに1,1
,3,3−テトラメチルジシロキサン51.8グラム(386.8ミリモル)を
投入した。これに、平均式: 【化2】で示されるオルガノポリシロキサン80グラム(77.36ミリモル)のイソプ
ロピルアルコール(80ミリリットル)溶液を滴下し、33〜35℃で2時間攪
拌した。反応混合物にヘキサンを加えて、有機層を分離し、炭酸水素ナトリウム
を加えて残留塩化水素を中和した後、水層のpHが中性になるまで水洗を行った
。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、溶媒及び低沸点物を減圧下加熱
留去し無色透明のポリマーを得た。このポリマーは核磁気共鳴吸収(以下、NM
Rと略記する。)、赤外分光分析(以下、IRと略記する。)、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)およびヨードメトリー
によるケイ素原子結合水素原子含有量の測定値から以下の平均式で示されるオル
ガノポリシロキサンであることが判明した。 【化3】 また、29Si−NMRによる分析結果から、ケイ素−フェニル基結合の解裂は全
く起こっていないことが判明した。 【0021】 【実施例2】 攪拌装置つきの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール160ミリリット
ル、濃塩酸80ミリリットル、水160ミリリットルを投入し、さらに1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン6.7グラム(50.0ミリモル)を投入し
た。これに、平均式: 【化4】 で示されるオルガノポリシロキサン40グラム(10.0ミリモル)のイソプロ
ピルアルコール(40ミリリットル)溶液を滴下し、26〜35℃で2時間攪拌
した。実施例1と同様の後処理を行い、無色透明のポリマーを得た。このポリマ
ーはNMR、IR、GPCおよびヨードメトリーによるケイ素原子結合水素原子
の含有量の測定値から以下の平均式で示されるオルガノポリシロキサンであるこ
とが判明した。 【化5】 また、29Si−NMRによる分析結果から、ケイ素−フェニル基結合の解裂は全 く起こっていないことが判明した。 【0022】 【実施例3】 攪拌装置つきの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール640ミリリット
ル、濃塩酸160ミリリットル、水640ミリリットルを投入し、さらに1,1
,3,3−テトラメチルジシロキサン259.4グラム(1935.5ミリモル
)を投入した。これに、平均式: 【化6】で示されるオルガノポリシロキサン160グラム(メトキシ基含有量は774.
2ミリ当量である。)のイソプロピルアルコール(160ミリリットル)溶液を
滴下し、27℃で2時間攪拌した。実施例1と同様の後処理を行い、無色透明の
ポリマーを得た。このポリマーはNMR、IR、GPCおよびヨードメトリーに
よるケイ素原子結合水素原子の含有量の測定値から以下の平均式で示されるオル
ガノポリシロキサンであることが判明した。 【化7】 【0023】 【発明の効果】 本発明の製造方法は、1分子中にフェニル基およびケイ素原子結合水素原子を
各々1個以上有するオルガノポリシロキサンを容易に製造できるという特徴を有
する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルコールを含む塩酸水溶液中で、1分子中にケイ素原子結合
    フェニル基およびケイ素原子結合アルコキシ基を各々1個以上有する分子量10
    0,000以下のオルガノポリシロキサンと1,1,3,3−テトラメチルジシ
    ロキサンを反応させることを特徴とする、1分子中にケイ素原子結合フェニル基
    およびケイ素原子結合水素原子を各々1個以上有するオルガノポリシロキサンの
    製造方法。

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