JP2538340B2 - セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

セラミックス焼結体の製造方法

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JP2538340B2 JP1146698A JP14669889A JP2538340B2 JP 2538340 B2 JP2538340 B2 JP 2538340B2 JP 1146698 A JP1146698 A JP 1146698A JP 14669889 A JP14669889 A JP 14669889A JP 2538340 B2 JP2538340 B2 JP 2538340B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セラミックス焼結体の製造方法に関し、さ
らに詳しくは、微細組織を目的に応じて短時間の焼結段
階で十分制御することにより、同一組成出発材料におい
ても焼結体の諸特性を広範囲に改質でき、また微細組織
の制御性及び均質性に優れた新規なセラミックス焼結体
の製造方法に関する。特に本発明の焼結法は、緻密化促
進剤又は微細組織制御剤等添加剤が存在しない状態で
も、従来の焼結法では殆ど不可能であった高度の緻密化
と微細組織の広範な制御及び均質性の向上という互いに
相反する課題を克服するため工夫をこらしたものであ
り、得られた焼結体は、従来のセラミックス利用分野は
もとより、より高性能が求められる各種産業分野におい
て極めて有用なセラミックス焼結材料を提供する。
〔従来の技術〕
セラミックス焼結体の各種特性は、その微細組織に強
く依存する。そのため、セラミックス焼結法は、出発セ
ラミックス粉の種類、原料粉末の特性、焼結用結合剤の
有無、成型体の粉体充填度等の焼結前段階におけるセラ
ミックス材質、結晶構造、及び粉体の物理的性質等々の
諸因子に対し、期待する焼結体特性を達成するため必要
な微細組織制御法を探索すべく、各種加熱プロセス技術
として開発、選択改良されてきた。このセラミックス焼
結体製造法に係わる最大の課題は、高度の緻密化を図り
つつ、要求する焼結体特性を達成できる広範囲な微細組
織制御性を持った焼結手法を確立することである。
本課題を克服するための方策としては、(i)高品
質、多様化した焼結原料粉の開発、(ii)焼結体性能、
生産性をも考慮した各種粉体成形技術の開発等からなる
粉体プロセス技術の開発、(iii)各種結合剤等微細組
織制御剤の探索、及び(iv)加熱手法、加熱処理プロセ
スの開発等からなる焼結及びそのプロセス技術の開発に
大別され、数多くの研究開発が行なわれてきた。しか
し、実際の焼結過程においては、現状の粉体プロセス技
術と加熱焼結プロセス技術の係わり合いが極めて複雑な
ため、粉体特性、成型条件一定のセラミックス粉体の焼
結においても、わずかな焼結プロセスパラメータ(温
度、加熱速度等)の変動や、粉体不可避不純物、成型密
度等のわずかな変動により、その微細組織は局所的にも
全体的にも大きく変化したり、また再現性に乏しかった
りするのが現状である。
これら粉体プロセス技術と加熱焼結プロセス技術の複
雑な係わり合いから生じる微細組織制御性の欠除は、次
の点に問題がある。
(a)雰囲気焼結、真空焼結等に代表される従来の焼結
法は、被焼結体の加熱、緻密化に長時間を要し、プロセ
ス進行中に各種の焼結メカニズムが段階的又は同時に進
行するため微細組織の制御は著しく困難で、焼結体の緻
密化達成条件(温度、時間等)によって微細組織は一義
的に決まってしまう。その結果、微細組織の制御性は著
しく低下してしまう。
(b)緻密化の促進、加速のためには、圧力を付加した
加圧焼結法を採用できるが、通常使用されるホットプレ
ス(HP)、熱間静水圧プレス(HIP)、高圧焼結法共、
加熱方法が前記(a)と同様に間接加熱に類似であり、
加熱速度は比較的遅く、その制御性も低いため、圧力付
加は被焼結セラミックス材料中の穴の除去には役立つ
が、被焼結体の微細組織制御には十分機能しない。
(c)前記(a)、(b)に記述した被焼結体粉末の加
熱速度の制御には、被焼結粉末体に直接通電、抵抗発熱
加熱を利用する通電焼結法の適用が適用が考えられる。
しかし、本手法は、導電性セラミックス及び限られた組
成の導電性セラミックスと半導性又は絶縁性セラミック
ス混合体の焼結にのみ有効な手法であり、半導性、絶縁
性セラミックスの焼結には適用できない。また、前記し
たように、被焼結粉体の成形密度や粉体電気抵抗の局所
的変動に依存して抵抗発熱温度が異なり、被焼結体中で
温度分布の変動が発生し、均一な微細組織が得られにく
いという欠点がある。加えて、導電性被焼結体の直接通
電加熱には、被焼結体の電気抵抗が通常低いため、大電
流供給設備が不可欠である等、工業的にも困難な点が多
い。
(d)微細組織制御剤としての各種焼結結合剤や焼結助
剤の開発が行なわれているが、これら添加剤の焼結メカ
ニズムに及ぼす機能、また結果として得られる焼結体特
性に及ぼす効果の予測は不十分であり、極めて探索的で
ある。そのため、各種焼結体特性を考慮した微細組織の
制御された新しいセラミックス材料の開発は、多くの実
験結果を待たねば達成困難であり、加えてこれら結合剤
を使用した場合でも前記(a)、(b)、(c)に示し
た加熱焼結プロセスにおける微細組織制御の乗り越えら
れない課題が存在する。
(e)粉体プロセス技術の進歩は近年めざましいが、た
とえば、均一な微細組織を得るため、原料粉について粒
径分布の均一な凝集(aggregation)のないセラミック
粉の製造は極めて困難で、製造コストも非常に高価であ
る。加えて、これら均一粉体特性をもった原料粉、特に
微細原料粉の均一成形技術は、一部、温間成型技術等開
発されているが、いまだ未完成であり、粉体プロセス、
加熱焼結プロセスにおいて微細組織すなわち焼結体特性
制御に多大の注意を要し、わずかなプロセスパラメータ
の変動、バラツキにより焼結体特性は大きく変化する困
難さがある。
これらの問題点を解決する試みとして、上記問題点
(a)〜(c)に示す緻密化促進及び微細組織制御の別
様の短時間焼結法として、各種プラズマ焼結法(エンジ
ン用セラミック部品についての第1回国際シンポジウム
議事録Proceedings of the First International Sympo
sium on Ceramic Components for Engine,1983,710〜71
5頁)、及びマイクロウェーブ焼結法(セラミックス
ブリティンCeramic Bulletin,Vol.68,No.2,1989,376〜3
86頁)が開発されている。プラズマ焼結法は、雰囲気の
適切な制御により、プラズマのもつ超高温を焼結に利用
するもので、極めて高いエネルギー効率で被焼結体を急
速加熱できるプロセスであり、主に酸化物系セラミック
スで緻密化、焼結中の粒成長抑制を同時に達成したとの
報告がある。一方、マイクロウェーブ焼結法は、加熱手
法としてマイクロ波を使用する冷間プロセス(cold pro
cess)であり、熱は被焼結体内部で発生するのが特徴で
ある。その結果、小型、大型試料を問わず急速かつ均一
に加熱でき、焼結体微細組織の均一性が高くなるという
報告がある。
圧力技術を付加した別様の短時間焼結法として、加圧
自己燃焼焼結法(High−Pressure,Self−Combustion Si
ntering for Ceramics)が開発されている(特開昭60−
246270号公報及びComm.Am.Ceram.Soc.,c−224−5,1984
年11月)。本手法は、発熱反応混合物、すなわちセラミ
ックス材料の構成元素混合物から各元素間の化合物発熱
生成反応(SHS法ないし燃焼合成法Self−Propagating H
igh Temperature Synthesis)を用いて合成焼結するも
のであり、たとえばTi(チタン)とB(ホウ素)のプレ
ス混合物を電気的に着火することによって圧力3GPa下で
数秒間で緻密なTiB2焼結体を製造したとの報告がある。
また、圧力付加の別様の短時間焼結法として、衝撃圧
力固化法(Explosive Shock Compaction)に上記SHS法
を組み合せ、セラミックス材料を緻密固化する手法が提
案されている(米国特許No.4,655,830及びアドバンスド
セラミックマテリアルズAdvanced Ceramic Material
s.,Vol.3,288−90頁(1988))。本手法は、μsecレベ
ルの短時間に数十GPa程度の高い衝撃圧力下でセラミッ
クスの合成同時焼結(タイプI)あるいは衝撃圧力固化
及び衝撃固化補助加熱法(Post−shock−Heating)(タ
イプII)を実施するもので、たとえばタイプIではTiと
炭素の粉末混合物を出発原料として45GPa以上の衝撃圧
力付加によりTiC焼結体を合成したとの報告がある。得
られた焼結体は、比較的多孔質(porous)であり、微小
硬さは500−700kg/mm2を得ている。タイプIIの手法とし
ては、たとえば、SiCセラミックの衝撃圧力固化法に衝
撃固化補助加熱法構成成分(Post−shock−heating ele
ment)として前記化合物発熱反応を付加したもので、Ti
とCの混合物成形体ペレットでSiCセラミック被焼結成
形体をサンドイッチする構造で衝撃固化及び衝撃固化補
助加熱した報告がある。得られたSiC焼結体は相対密度9
9%、微小硬さ28GPaが得られている。
また、長時間を要する緻密化プロセスではあるが、単
一相(single phase)セラミックスの特に微細組織の均
一性向上のため、従来の焼結法を工夫した2段焼結法も
近年再び注目される傾向にある(ジョンゲらの発表L.C.
De.Jonghe etal.)。本手法は、緻密化加熱焼結段階に
先だって、微細組織の均一化をはかる低温(焼結が実質
的には進行しない温度)加熱処理を行うことが特徴とな
っており、本低温均質化処理にて微細組織の均一性は大
幅に向上するとの報告がある。しかし、そのメカニズム
等については未だ不明な点が多く、前記プラズマ焼結法
等と同様に酸化物セラミックスにその実施例は限られて
いる。
一方、粉体プロセス技術開発の立場から、セラミック
スの緻密化、微細組織の制御に関連した最近の研究で
は、プラズマ合成法等気相技術による超微粉セラミック
ス原料の合成と焼結及びゾルーゲル法等液相法による超
微細セラミックス原料の合成、焼結に関する研究がさか
んである。原料粉体の微細化、複合原料粉及び結合剤含
有原料粉等の製造開発により、たとえばR.F.プラズマCV
D法により製造された共有結合性SiC超微粒子セラミック
スの焼結段階における微細化が焼結助剤(B,C,Al,Be)
等無添加でもかなり促進されたとの報告がある(昭和61
年(1986年)5月窒業協会講演予稿集第1分冊427〜428
頁)。この現象は、原料粉微細化による粉体セラミック
ス活性度の増加、比表面積の増大等により、焼結段階で
の拡散反応の促進効果が現われた結果と思われる。な
お、プラズマ合成SiCセラミックス粉体の焼結では、ホ
ットプレス焼結温度を2200℃まで上昇しても結晶粒径の
成長は数μm程度に抑えられたと報告されている。
難燃焼性セラミックスの緻密化促進及び微細組織の制
御性、均質性向上に関する活性プラズマ合成粉及び気相
/固相の不均質系反応により製造した超微粉適用の別様
の例として、TiB2セラミックスの真空焼結及びホットプ
レス焼結による緻密化の結果が報告されている(ジャー
ナル.オブ.ジ.アメリカン.セラミック.ソサイエテ
ィJournal of the American Ceramic Society Vol.67,N
o.3 207〜212頁及び前掲Advanced Ceramic Materials,V
ol.1,No.1,1986,50〜54頁)。両者共、出発原料粉は塊
状(Agglomerate)粉体の粒子径が1μm以下であり、
極めて活性な粉体である。プラズマ合成粉の真空焼結で
は、本難焼結性TiB2セラミックスでも1800〜2300℃の焼
結にて相対密度98〜99%への増大が達成されている。一
方、固相/気相不均質反応(heterrogeneous reactio
n)から製造されたTiB2超微粉のホットプレート焼結で
は、微量のFe、Ni(合計〜0.4%)の存在下で相対密度
>99%、結晶粒径2μmと微細組織が十分に制御された
焼結体が得られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述した問題点を解決すべく試みられている最近の各
種技術を総括すると、たとえば焼結プロセス技術に関し
て、 (a)各種プラズマ焼結法では、たとえばR.F.プラズマ
を用いたAl2O3セラミックスの焼結では、プラズマ加熱
による被焼結体の加熱焼結温度は粉体水分付着量に著し
く依存し、その焼結体特性もバラつきが多い等の難点が
ある。また、本焼結法においては、発振器の出力安定
性、焼結時間、Ar、N2、H2等ガス流量、ガス圧等の安定
性も焼結体密度、微細組織に著しい影響を及ぼし、緻密
さと均質な微細組織及び広範囲な微細組織改質性双方の
達成は困難である。
(b)マイクロウェーブ焼結法では、被焼結粉末体によ
るマイクロウェーブインターラクションすなわち吸収の
度合いによって焼結の可否が決まってしまうという、焼
結材料の選択性に関する原理的壁がある。すなわち、導
電性のあるセラミックス材料ではマイクロ波は反射して
しまい、加熱焼結することは不可能となる欠点がある。
従って、被焼結体の材質はマイクロ波に対して透過能の
ある(transparent)低損失絶縁体(low loss insulato
r)か、低損失絶縁体と吸収剤(absrber)としての損失
性絶縁体(lossy insulator)の組合せについての被焼
結セラミックス材質の選択性しか持たない焼結材料設計
上の困難さがある。
(c)加圧自己燃焼焼結法では、外部加熱なしに生成反
応熱の極めて大きな化合物の元素間混合を主体として合
成焼結を行う、いわゆる自己燃焼モードのため、合成温
度が極めて高いこと、反応速度が一般に早いことによ
り、微細組織は元素間生成反応熱できめられた合成反応
温度、冷却速度で一義的に決められてしまい、微細組織
の広範な制御はむずかしい。
また、SHS法を付加した衝撃圧力固化法では、上記と
同様、自己燃焼モード特性と圧力付加がμsecと短いた
め、衝撃固化補助加熱法(Post−shock−heating)を用
いても微細組織の広範な制御は困難である。
(d)2段焼結法に関しては、そのメカニズムに不明な
点が多く、報告例については、材料結晶構造の異方性、
焼結中の粒成長異方性のおだやかなものが多いが、低温
での均質化加熱処理をほどこし緻密化加熱焼結を実施し
た場合でも、長時間を要する焼結法であるが故に、均質
化加熱処理温度から本焼結温度への加熱速度、焼結時間
等に依存して微細組織の均一性も失われやすい難点があ
る。特に違方性の強い難焼結性セラミックスの焼結で
は、本焼結段階での最適加熱パラメータの選択幅は極め
て小さいため、微細組織の均一性、制御の多様性と緻密
化達成は、ほとんど困難な現状にある。
(e)粉体プロセス技術の開発から生れたプラズマ合成
粉、固相/気相不均質反応合成粉、ゾルーゲル法セラミ
ック粉体を用いたセラミックスの緻密化、微細組織の制
御、均質化焼結法では、超微細化により粉体は活性とな
り、非酸化物系セラミックスでは不可避不純物の多量の
混入を招いたり、酸化物系、非酸化物系を問わず成型性
が著しく低下するため、成型助剤等の使用が不可欠とな
り、このためミクロな成型密度のバラツキが生じやす
い。これらの欠点は、焼結段階での緻密化促進と微細組
織制御に著しい影響を及ぼし、粉体活性を利用した低温
化焼結において気泡を残したり、不可避不純物による異
常粒成長を引きおこすなど、数多くの難点が残されてい
る。
本発明は、前述の事情に鑑みなされたもので、その目
的は、従来技術では克服できなかった緻密化、微細組織
の広範囲な制御、及び均質性の確保という3つの課題を
十分達成できる、従来にない微細組織の制御性の高い、
また高い均質性を得るための新しいセラミックス焼結体
の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、セラミックスの焼結工程にひき
続き、焼結体の微細組織及び微細組織の均一性を変化さ
せることなく、ごくミクロなレベルでの下部組織の改質
を通して焼結体信頼性及び性能向上を図ることができる
セラミックス焼結体の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
前記目的を達成するため、本発明の第1態様によれ
ば、セラミックス粉末を予じめ所定の温度、所定の時間
で、一部焼結反応が開始される状態になるまで予備加熱
する段階と、前記予備加熱されたセラミックス粉末体を
加圧状態でテルミット反応の発熱によって加熱焼結する
段階から成ることを特徴とするセラミックス焼結体の製
造方法が提供される。
ここにおいて、前記予備加熱は、好ましくは、真空加
熱、又はN2、Ar、Ar+H2、大気などの不活性雰囲気、還
元性雰囲気もしくは酸化性雰囲気下での雰囲気加熱によ
り、使用するセラミックス粉末の種類等に応じて異なる
が一般に500℃以上の温度で行なわれる。そしてこの予
備加熱によりセラミックス粉末は、一部焼結反応が開始
される状態となり、これにより、セラミックス粉末の粒
子間にネッキングが生じ、この粒子間に粒界が生成され
る。
一方加熱焼結の際の加圧条件は、使用するセラミック
ス粉末の種類等に応じて適宜選定されるが、通常200気
圧以上の圧力範囲が選定される。そしてこの加熱焼結に
おいて、前記予備加熱されてネッキング状態のセラミッ
クス粉末は、これの各粒子間の粒界が動いて粒子間、し
いてはネッキング粒子の集合体である焼結体各結晶粒
体、粒界全体にわたって、この粒界移動にて欠陥を除去
しつつ焼結される。
本発明の第2態様によれば、前記方法によるセラミッ
クスの焼結工程にひきつづき、さらに、得られたセラミ
ックス焼結体の微細組織及び微細組織の均一性を変化さ
せることなく、焼結体の信頼性及び性能の向上を図るた
め、所定の温度で所定の時間、後加熱することを特徴と
するセラミックス焼結体の製造方法が提供される。
この後加熱も、好ましくは、前記予備加熱と同様に真
空加熱、又は不活性雰囲気、還元性雰囲気もしくは酸化
性雰囲気下での雰囲気加熱により行なわれる。また、焼
結体に対して1〜2000気圧の加圧状態下で、好ましくは
熱間静水圧プレス、ホットプレス又は常圧雰囲気加熱処
理により行なわれる。なお、後加熱の温度は、得られた
セラミックス焼結体の微細組織及び微細組織の均一性を
変化させることのない温度範囲であり、使用セラミック
ス粉末の種類等に応じてその溶融温度未満の範囲で適宜
選択される。
本発明のセラミックス焼結体の製造方法においては、
真空加熱又は雰囲気加熱により予備加熱処理の施された
被焼結粉末体を高温短時間加熱が簡便に活用できる化学
反応、いわゆるテルミット組成物で加圧下加熱する。テ
ルミット組成物による焼結粉末体の高温短時間加熱用化
学発熱反応の一例は、たとえば次式で示される。Fe2O3
+2Al→Al2O3+2Fe+204kcal テルミット反応の発熱を加熱源として用いたセラミッ
クス粉末、金属粉末またはセラミックス粉末と金属粉末
の混合物の焼結方法は、特開昭61−186404号及び米国特
許出願No.928220に開示されているが、これまで、被焼
結粉末を予じめ所定の温度及び時間、真空加熱又は雰囲
気加熱による予備加熱処理を施した後、加圧状態でテル
ミット反応熱により短時間で急速焼結することによっ
て、緻密化と同時に焼結体特性に著しい影響を及ぼす微
細組織を広範囲に改質し、かつ均質性、信頼性を高めた
セラミックスの焼結法は未だ開発されていない。
本発明のセラミックス焼結体の製造方法における真空
又は雰囲気予備加熱では、セラミックス粉体表面の活性
度、不可避不純物等を種々制御できる。また一部焼結反
応が開始されて、焼結の駆動力であるセラミックス粉体
の自由エネルギーが種々制御できる。
従って、従来法では出発原料粉の各種キャラクター、
セラミックス粉体の配合組成、混合条件、成型特性等
々、特に粉体プロセス技術で一義的に決まってしまう被
焼結粉末体のキャラクターも、本発明の方法によれば、
任意に改質できる優れた利点を有することとなる。上記
したような被焼結粉末の真空又は雰囲気予備加熱被焼結
粉末体を本発明のセラミックス焼結法のもう1つの特徴
である加圧下のテルミット反応による急速加熱と組み合
せることにより、従来にない優れた特徴である緻密度を
一定とし、微細組織を広範囲に改質した、均質な信頼性
の高いセラミックス焼結体の製造が可能となる。加え
て、前述したように、緻密化促進剤あるいは微細組織制
御剤等添加剤の存在フリーの状態で、異常粒成長を起こ
しやすいモノリシックセラミックスにおいても、従来焼
結法ではほとんど不可能であった緻密化、広範囲な微細
組織制御、均質性の向上が達成できることは言うまでも
ない。
さらに本発明の第2の態様においては、セラミックス
の焼結工程にひき続き、焼結体の微細組織及び微細組織
の均一性を変化させることなく後加熱処理が施される。
この後加熱によって、後述する実施例4に示されるよう
に、焼結体の硬さ、熱拡散係数、破壊靱性値等の諸物性
が向上する。しかし、この後加熱前後において焼結体の
微細組織の粒子形状、サイズ等に有意な差は認められ
ず、従って、この後加熱の作用は、極くミクロなレベル
での下部組織の改質を通して行なわれているものと推測
され、これによって焼結体の信頼性及び性能向上を図る
ことができる。
〔実施例〕
以下、実施例を示して本発明の方法についてさらに具
体的に説明するが、本発明が下記実施例により限定され
るものでないことはもとよりである。
実施例1 平均物径1μmのTiB2粉末1.3g(ヘルマン、シイー・
シュタルクHermann C.Starck社製)を直径12.8mmの円板
状にCIP(冷間静水圧)装置を用いて冷間成形した。本
粉末成形体を真空加熱炉を使用して真空予備加熱処理を
行った。温度としては、1300℃、1500℃、1700℃を設定
し、真空度2×10-3〜1×10-4torrで各3時間保持後冷
却して、被焼結粉体塊とした。
この被焼結粉体塊は、一部焼結反応が開始された状態
となっており、粒子相互はネッキングされ、粒子間に粒
界が生成されている。
テルミット組成物としては、酸化鉄粉末とAl粉末をモ
ル比で1対2に混合したテルミット組成物34.2gを2分
割し、直径30mmに冷間成型し、7.7gの同組成物は外径30
mm、内径22mmの同筒状に冷間成型して、二板の円板及び
円筒状テルミット間に前記真空予備加熱された被焼結Ti
B2塊を六方晶窒化ホウ素の薄層を介して配置させた。こ
の組立物をベルト型の高圧発生装置の中に充填した。
第1図は高圧発生装置への配置状態を示したものであ
る。引用符号1,2は、それぞれシリンダ及びアンビル
で、高圧発生容器を形成する。3はパイロフィライト製
のガスケットで、圧力封止する。4はパイロフィライト
製断熱材である。5,6,7はそれぞれ銅板、鋼リング、モ
リブデン板、8はセラミックス製断熱材であり、これら
によって円筒状カーボンヒータ9に電気を供給する組立
物を構成する。10はパイロフィライト製断熱材、11は六
方晶窒化ホウ素薄層体で、12の酸化鉄とアルミニウム粉
末から成るテルミット組成物と真空予備加熱処理された
被焼結粉体塊13との反応防止及びカーボンヒータ9との
電気的絶縁の働きをする。上記した高圧発生装置は、次
のように作動される。対向するアンビル2に荷重を加
え、試料室に2万気圧の圧力を発生させる。対向したア
ンビル2からカーボンヒータ9に通電し、830〜920℃に
試料室を加熱し、テルミット組成物12を着火させる。本
実施例におけるテルミット発熱量は40kcalであった。
テルミット反応熱により真空加熱された被焼結粉体塊
は、急速に加熱されて焼結されるが、このとき、前記予
備加熱によりネッキングされて粒子間に生成された粒界
が移動して粒子間、しいてはネッキング粒子の集合体で
ある焼結体各結晶粒体、粒界全体にわたって、この粒界
移動にて欠陥を除去しつつ焼結される。
そしてこの被焼結粉体塊(TiB2)の短時間加熱焼結
は、アンビル間距離の変化が停止した時点をもって完了
し、試料部を冷却した後、圧力を除去してTiB2セラミッ
クス焼結体を回収した。本実施例に示す真空予備加熱被
焼結粉末体は緻密な焼結体となっており、相対密度は〜
99%以上であった。
第2図に本実施例にて得られたTiB2セラミックス焼結
体の電子顕微鏡による微細組織観察結果を示す。写真
(A)は、真空予備加熱処理しないTiB2粉体をテルミッ
ト加熱焼結のみで製造した焼結体微細組織を示すが、粒
成長は全く起っておらず、平均粒径1μmを保ったまま
の微細焼結体が得られている。本発明に従って真空予備
加熱処理したTiB2被焼結粉末体のテルミット加熱焼結後
の焼結体微細組織は写真(B)〜(D)に示してある。
写真(B)は、1300℃、3時間真空予備加熱処理した被
焼結粉末体をテルミット加熱焼結した微細組織を示す
が、TiB2粒子は2〜3μm長さの均一な棒状粒子のから
みであった構造となり、TiB2セラミックス結晶の異方性
をよく反映した形態が得られている。写真(C)は、15
00℃で同様な時間真空予備加熱処理した場合のテルミッ
ト加熱焼結微細組織を示すが、結晶粒径は1〜2μmと
均一で、ハビット(habit)のしっかりした等方性ある
結晶体からなる構造が特徴である。写真(D)は、1700
℃で同様な時間真空予備加熱処理した場合の例である
が、同様に等方的でハビット(habit)のしっかりした
2〜5μmの均一な粒子径から構成される微細組織が得
られた。
前述のように、これら4種の焼結体の緻密度はほぼ一
定であり、本焼結法は、同一の緻密度で均質性を保った
まま同一組成出発原料においても微細組織を広範囲に改
質できることを明確に示している。二ホウ化物セラミッ
クは難焼結性セラミックスの代表的例の1つであり、た
とえばTiB2セラミックでは、従来技術の残された課題に
も示すごとく、超微粉原料を十分管理して微量添加元素
を有効に活用しても、ごく限られた製造条件にて緻密化
と粒成長制御ができるにすぎず、焼結後の緻密度を一定
に保ったまま微細組織を変化させることは不可能であ
る。たとえば、従来技術では本TiB2焼結体の微細組織を
変更しようとすれば、必ず緻密度の低下(ポア(pore)
の残留)、微細組織の不均一性(結晶粒径は数μm〜数
十μmまで各種混在することになる)を引き起こし、各
種特性も当然変化すなわち低下するが、信頼性も著しく
低下(熱応力破壊等)する結果は、すでに報告されてい
る。
セラミックス焼結体の各種特性は、微細組織の変化に
強く依存することは前述したが、以下に本焼結法によっ
て得られた各種焼結体の特性を比較検討する。たとえ
ば、TiB2セラミックスの熱的性質として室温での熱拡散
係数、熱伝導度を比較すると、未加熱処理、及び1300
℃、1700℃の各温度で真空予備加熱処理した焼結体で
は、それぞれ熱拡散係数は0.22cm2/sec、0.26cm2/sec、
0.34cm2/secと変化し、また熱伝導度は65W/m.K、76W/m.
K、91W/m.Kと変化する。また、TiB2セラミックは導電性
セラミックスとして知られているが、室温での比抵抗を
前者と同様それぞれ比較すると11.3μΩ−cm、11.1μΩ
−cm、10.4μΩ−cmと変化する。焼結体の機械的性質で
は、特に1300℃で真空予備加熱処理した焼結体の破壊靱
性値がかなり高くなる等々、各種の特性値の差異が明ら
かとなり、焼結ごとの各特性値の再現性もすこぶる良好
であった。
実施例2 セラミックス粉末として平均粒径0.65μm、α相%1
%のβ−Si3N4粉(Hermann C.Starck社製)1.3gを直径1
2.8mmの円板状に冷間成形した。本粉末成形体を、窒素
雰囲気加熱炉にてN2ガスを100ml/min流しながらN2雰囲
気で、本粉末成形体の焼結反応が一部開始される状態に
なるまで予備加熱処理を行った。N2雰囲気予備加熱設定
温度は1500〜1800℃とし、それぞれ4時間加熱処理を行
った。本被焼結粉末体を実施例1に示す高圧装置中に装
入し、テルミット組成物発熱量を30kcalとした以外は、
実施例1と同一条件にてセラミックス焼結体を製造し
た。
本実施例で得られたβ−Si3N4焼結体は、すべて極め
て緻密な焼結体となっており、結合剤無添加でも相対密
度98〜99%以上であった。得られた焼結体の微細組織を
電子顕微鏡にて観察したところ、1500℃N2気流中予備加
熱処理したβ−Si3N4焼結体は、ほとんど粒成長は認め
られず、結晶粒径は1μmであった。1800℃N2気流中
予備加熱処理したβ−Si3N4の被焼結粉末体の焼結体微
細組織は、2〜3μm長さの均一な棒状粒子のからみあ
った構造より成り、通常の結合剤添加焼結法で得られる
微細組織と類似している。しかし、緻密度一定の条件で
通常法焼結体と比較すると、β−Si3N4粒子は極めて均
一で微細な棒状体である点が極めて特徴的であり、通常
法で認められるような粗大成長した各種アスペクト比の
β−Si3N4からなる微細組織と著しい差異を示してい
る。
本実施例で得られた焼結体の特性を比較すると、ビッ
カース微小硬さは、1500℃N2気流中予備加熱処理の場合
1800kg/mm2、1800℃N2気流中予備加熱処理の場合2000kg
/mm2であった。焼結体熱伝導度で比較すると、1800℃N2
気流中予備加熱処理焼結体の室温熱伝導度は1500℃N2
流中予備加熱処理焼結体より良好であった。
実施例3 セラミックス粉末として(Hermann C.Starck社製)3C
構造SiC粉末を用い、焼結助剤として少量のB(1%以
下)を使用した。サンプル1.3gを直径12.8mmの円板状に
CIP装置を用いて成形した。本粉末成形体を真空加熱炉
にて焼結反応が一部開始される状態になるまで予備加熱
処理を行った。真空加熱温度は1400℃〜1600℃とし、加
熱時間は2〜3時間とした。本被焼結粉末体を実施例1
に示す高圧装置中に装入し、テルミット組成物発熱量を
35kcalとした以外は、実施例1と同一条件にてセラミッ
クス焼結体を製造した。
本実施例で得られた3C構造のSiC焼結体は、すべて緻
密な焼結体となっており、相対理論密度は99%以上であ
った。得られた焼結体の微細組織を検討した結果、1400
℃で2時間真空予備加熱処理したB添加SiC被焼結粉末
体の焼結体微細組織は1〜2μmの均一微細結晶粒が特
徴であり、1600℃で3時間真空予備加熱処理した同上被
焼結粉末体の焼結体微細組織は約3μm長さの均一な棒
状粒子のからみあった構造が特色であった。SiCセラミ
ックの焼結では、難焼結性セラミックスの故に焼結用助
剤としてB、C等を微量添加する手法が用いられるが、
通常の真空焼結、ホットプレス焼結においては、緻密化
に伴いSiC結晶粒の異常成長を抑えることは単体に近い
焼結体ではほとんど不可能である。この結果、得られる
焼結体の破壊靱性値は、微細組織に依存して一義的に決
まってしまう。
本実施例の結果によれば、1400℃で2時間真空予備加
熱処理した場合の微細結晶粒から成るSiC焼結体の破壊
靱性値は、マイクロインデンテーション法によれば、3M
N/m3/2であるが、1600℃で3時間真空予備加熱処理した
場合の結果では〜6MN/m3/2と上昇した。
実施例4 実施例1にて得られたTiB2焼結体の信頼性及び性能向
上をはかるため、Ar雰囲気下で2000気圧のHIP(熱間静
水圧)処理をほどこした。HIP温度は1450℃とし、加圧
時間は30分とした。
第2図に示す(写真(D))1700℃予備加熱処理した
TiB2テルミット焼結体の室温マイクロビッカース硬さは
22GPaであるが、HIP処理後の室温硬さは28〜29GPaに上
昇した。加えて、室温での熱拡散係数も10%程度上昇し
た。電子顕微鏡にて微細組織の変化をHIP処理前、HIP処
理後で比較検討したが、粒子形状、サイズ等有意な差は
認められなかった。加えて、焼結体全体にわたって微細
組織の均一性が保たれていることも確認できた。同様な
処理の効果は、真空雰囲気下でのホットプレス(HP)処
理、又はAr+H2雰囲気中での加熱処理においても確認さ
れた。本処理条件の詳細は、ホットプレスでは1400℃で
1時間、Ar+H2雰囲気加熱では、1400℃で2時間であ
る。HIP処理、HP処理、雰囲気加熱処理間では処理圧力
が異なる。本処理圧力の選定により、当然のことながら
微細組織を変更せず、ごくミクロなレベルでの焼結体下
部組織の変更に必要な温度選定、処理時間が異なるのは
当然のことである。最良の態様としては、工業的な経済
性の立場からHIP処理又はHP処理が好ましい。
本HIP処理を施したTiB2焼結体の破壊靱性値は6MPa・m
1/2という従来にない高い値が得られた。本後加熱処理
は合計10ケのサンプルについてテストを行ったが、HIP
処理前後における焼結体性能は、ほぼ同一レベルで向上
し、本後加熱処理の極めて高い信頼性を示している。他
のセラミックス材料については、詳細は記述しないが、
同様な本処理の効果は多くの材料について確認されてい
る。
本実施例に示すごとく、前記実施例1に示したセラミ
ックスの焼結工程にひきつづき、焼結体の微細組織及び
微細組織の均一性を変化させることなく下部組織の改質
を通して焼結体の信頼性及び性能の向上をはかるHIP、H
P、雰囲気加熱等の後処理は、高性能セラミックスの製
造においては極めて有効な手段である。
なお、上記各実施例では、特に難焼結性セラミックス
として著名な二ホウ化物セラミックス、Si3N4、SiCを例
に挙げて説明したが、他の各種セラミックス、例えば共
有結合性セラミックス(AlN、SiBn等)、遷移金属炭化
物系、ケイ化物系、酸化物系、遷移金属窒化物系、リン
化物系、硫化物系等あるいはさらに混合系のセラミック
スにも本発明の焼結方法が適用できることはいうまでも
ない。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明のセラミックス焼結体の製造方法
によれば、通常の焼結法にては達成が極めて困難な、緻
密化、微細組織の広範な制御、及び微細組織の均質性を
同時に達成できる優れた手法が提供される。
上記緻密化、微細組織制御、均質性の向上は、従来の
焼結法では互に相反する課題として焼結体特性との密接
なかかわりにおいて克服すべき重要な問題点とされてき
た。本発明は、これら個々の問題点を被焼結粉末を、一
部焼結反応が開始される状態となるように予備加熱処理
する段階と、前記予備加熱処理された被焼結粉末体を加
圧状態の下で、テルミット反応の発熱を利用した短時間
加熱焼結する段階からなる簡潔な手法により克服し、新
しいセラミックス焼結法として確立したものである。本
発明のセラミックス焼結体の製造方法によれば、下記の
ような顕著な効果を得ることができる。
焼結助剤や微細組織制御剤無添加での難焼結性セラ
ミックスの焼結でも、緻密度一定の条件で、微細組織を
各種改質可能であり、得られる焼結体諸特性も改良でき
る。そして特に、予備加熱により被焼結粉末が、一部焼
結反応が開始された状態になっていることにより、この
状態での被焼結粉末の粒子相互はネッキングされ、粒子
間の粒界が生成される。そしてこの状態で加圧状態でテ
ルミット反応の発熱によって加熱焼結することにより、
上記粒子間に生成された粒界が移動して粒子間、しいて
はネッキング粒子の集合体である焼結体各結晶粒体、粒
界全体にわたって、この粒界移動にて欠陥を除去しつつ
焼結され、欠陥のない焼結体を得ることができる。
焼結用入熱として、化学反応熱を利用するため、加
熱エネルギーが著しく低減できる。
セラミックス粉末の種類、配合の選択によって、急
熱焼結により新しいセラミックス材料の製造も可能とな
る。
本発明の第2の態様のように、セラミックスの焼結
工程にひき続き後加熱を施すことにより、均質な微細組
織を保持すると共に、性能及び信頼性の高いセラミック
ス材料の製造が可能となる。
この結果、工業的に極めて有用なセラミックス材料を
製造することができる。たとえば、実施例に示した結合
剤無添加TiB2焼結体は優れた耐摩耗性、耐熱性、耐食
性、耐酸化性、及び導電性により、高温構造部品、耐食
部品、通電部品として使用できる。一方、結合剤無添加
β−Si3N4焼結体は高硬度、優れた耐酸化性、耐化学反
応性、及び耐熱性の故に、切削工具、耐アルミ溶湯部
品、各種化学プラント部品として適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のセラミックス焼結体の製造方法にお
いて焼結体製造に用いた高圧発生装置の要部概略断面
図、第2図は実施例1にて得られた結合剤無添加TiB2
ラミックス焼結体の微細組織の結晶の構造を示す電子顕
微鏡写真であり、第2図(A)は比較例として真空予備
加熱処理せずにTiB2粉末を2万気圧下のテルミット反応
加熱のみによって得た焼結体の微細組織の結晶構造を示
す電子顕微鏡写真、第2図(B)、(C)、(D)はそ
れぞれ1300℃、1500℃、1700℃の各温度で2×10-3〜1
×10-4torrの真空度で各3時間真空予備加熱処理後2万
気圧下のテルミット反応加熱にて製造した各焼結体の微
細組織の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス粉末を予じめ所定の温度、所
    定の時間で、一部焼結反応が開始される状態になるまで
    予備加熱する段階と、前記予備加熱されたセラミックス
    粉末体を加圧状態でテルミット反応の発熱によって加熱
    焼結する段階から成ることを特徴とするセラミックス焼
    結体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記予備加熱を、真空加熱、又は不活性雰
    囲気、還元性雰囲気もしくは酸化性雰囲気下での雰囲気
    加熱により行なうことを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記請求項1に記載のセラミックスの焼結
    工程にひきつづき、さらに、得られたセラミックス焼結
    体の微細組織及び微細組織の均一性を変化させることな
    く、焼結体の信頼性及び性能の向上を図るため、所定の
    温度で所定の時間、後加熱することを特徴とするセラミ
    ックス焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記後加熱を、真空加熱、又は不活性雰囲
    気、還元性雰囲気もしくは酸化性雰囲気下での雰囲気加
    熱により行なうことを特徴とする請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記後加熱を、焼結体に対し1〜2000気圧
    の加圧状態下で行なうことを特徴とする請求項3又は4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記後加熱を、熱間静水圧プレス、ホット
    プレス又は常圧雰囲気加熱処理により行なうことを特徴
    とする請求項5に記載の方法。
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