JP2538292B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電解コンデンサの改良に係り、特に電解コ
ンデンサの耐腐蝕特性の改善に関する。
〔従来の技術〕
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタルなどの皮
膜形成性金属を陽極に用い、この陽極表面に誘電体とな
る絶縁性の酸化皮膜を陽極酸化処理等により形成し、陰
極として酸化皮膜のない同種もしくは他の金属を対抗配
置し、これら電極間に紙、多孔質プラスチックなどのセ
パレータを介在させて巻回あるいは、層状に重ね合わせ
てコンデンサ素子を形成している。
図面は、一般的な巻回構造のアルミニウム電解コンデ
ンサの素子構造を例示したもので、帯状のアルミニウム
陽極箔1はその表面が拡面化のためのエッチング処理が
施されるとともに、その上面に陽極酸化処理により、誘
電体酸化皮膜層が形成されている。
そしてこの陽極箔2に対抗させて、同様に帯状のアル
ミニウム陽極箔3が配置され、これら陽極箔2、陰極箔
3の間に前記電極箔より僅かに幅の広いセパレータ紙4
が挟み込まれて円筒状に巻回されてコンデンサ素子1が
形成されている。なおリード5は、コンデンサ素子1の
電極箔2,3と外部との電気的接続をおこなうために、各
々の電極箔に取りつけられ、コンデンサ素子1の巻回端
面から引き出されたものである。
このコンデンサ素子1に電解液を含浸し、外部への電
極引出し手段を設けたうえ、金属、樹脂等の外装ケース
あるいは、樹脂モールド等の手段で外装が施され、電解
コンデンサとなる。
電解コンデンサは、誘電体が陽極の皮膜形成性金属の
表面に形成された酸化皮膜であり、電解液がこの酸化皮
膜と接触して、コンデンサの機能を持つことになる。つ
まり、電解液が真の陰極として機能している。また、電
解液はこの酸化皮膜の劣化部分に作用して、皮膜を修復
させる機能を有している。このことは、酸化皮膜と電解
液の接触面で常に局所的に陽極酸化反応が常におこなわ
れているといえる。
ところがこの陽極酸化反応の部位に塩素イオンが存在
すると、アルミニウムは塩素と化合し塩化アルミニウム
となり、さらに加水分解して水酸化アルミニウムが形成
される。そして塩素イオンはあたかも触媒のように作用
してアルミニウムの腐蝕を進行させ、濡れ電流の増加、
内圧上昇等特性劣化に始まり、ついには内部リードの断
線等により電解コンデンサの機能を全く損ねてしまうこ
とになる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このため電解コンデンサの内部は、塩素の存在を極力
排除しなければならない。しかしながら、塩素は電極箔
のエッチング処理を、塩酸あるいは塩化ナトリウム水溶
液中でおこなうので、完全な塩素の除去は極めて難し
い。そして封口部材に用いられる各種のゴム等からなる
弾性体の中に不純物として混入していることもある。ま
た製造工程中で塩素イオンの侵入する可能性もある。さ
らには電解コンデンサは、印刷配線基板上に半田により
取り付けられるが、この半田付け後の基板洗浄に、トリ
クロロエタン等のハロゲン系洗浄剤を使用するので、残
存洗浄剤が電解コンデンサの封口部分やリード引き出し
部分から内部に浸透し、腐蝕発生の原因となることもあ
る。従って、信頼度の高い電解コンデンサを得るには、
腐蝕を抑制するための手段が必要となる。
この対策として、従来から電解コンデンサの封口部材
に塩素を全く含まない高価な材料を用いたり、封口部材
の外部を樹脂で二重に封止することなどが検討されてい
るが、いずれも値段が高くなったり、製造工程が複雑に
なったりしてあまり実用的でない。
また電解コンデンサの内部にある塩素イオンを捕捉
し、他の無害な物質に置き代えてしまおうという試みも
ある。このようなものとして、例えば特開昭61−156716
号のようにビスマス酸化物を含有させたものや、特開昭
61−156717号のようにビスマス酸塩とアンチモン酸を含
有させたものなどがある。しかしこれらの塩素イオン捕
捉剤は、電解コンデンサの電解液中に燐酸あるいは燐酸
塩などとして含まれる燐イオンが存在すると、この燐イ
オンも同時に捕捉してしまうので、有害な塩素イオンの
捕捉が十分におこなえないという欠点があった。
近年電解コンデンサはますます高い信頼性が要求され
るようになっており、しかも使用する温度範囲も拡大さ
れている。また電解コンデンサの大半は印刷配線基板へ
取り付けけられ、ハロゲン系の洗浄剤で洗浄されること
が多い。このため塩素による腐蝕防止には、より高度の
ものが求められている。
この発明の目的は、従来のこのような技術背景に対
し、内部残存あるいは外部から侵入する塩素選択的に捕
捉し、塩素による腐蝕発生をより高度に防止し、従来以
上に信頼度の高い電解コンデンサを得ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、陽極電極、陰極電極間にセパレータを介
在させ、電解液を含浸したコンデンサ素子を、外装ケー
ス内部に収納してなる電解コンデンサにおいて、前記電
解コンデンサ内部に一般式 A5(XO43Zq ただし (A=Ca,Pb;X=As,P,V;Z=OH,F) であらわされる燐灰石群から選ばれた化合物の一種もし
くは二種以上を含有させたことを特徴としている。
燐灰石群の化合物は通常電解液等に溶解しないので、
微細な粉末状としたものを、水や各種の有機溶媒に分散
させ、コンデンサ素子の電極またはセパレータに塗布
し、水や溶媒を蒸発させるなどの手段で付着させてもよ
い。
またコンデンサ素子に含浸する電解液にあらかじめ混
合、分散させておいて用いてもよい。
〔作用〕
電解コンデンサの内部に含有される燐灰石群の化合物
は、一般式としてA5(XO43Zqの形をしており、式中の
Zにあたる水酸基(OH)、フッ素(F)が、塩素(Cl)
と置き代わる。そして置き代えられた塩素は燐灰石化合
物中に強固に捕捉されて再び遊離することがない。この
結果電解コンデンサ内部の塩素イオンが減少し、電極の
アルミニウムの腐蝕を防止できる。
また水酸基やフッ素は、選択的に塩素と置き代わるの
で、従来のビスマス化合物やアンチモン酸のように、燐
イオンを捕捉してしまい塩素イオンの捕捉能力が低下す
ることもない。
この発明で用いることのできる燐灰石群の具体的な化
合物を例示すると、Ca5(PO4(OH)、Ca5(PO4
3F、Pb5(PO4(OH)、Pb5(PO43F、Ca5(VO4
(OH)、Pb5(VO43Fなどがある。これらの化合物は単
体のみでなく、二種あるいはそれ以上の混合物であって
もよい。
なお燐灰石群の中には、一般式のZ部分に最初から塩
素が取り込まれた塩素燐灰石もあるが、この発明の場合
には、塩素捕捉の目的からして塩素燐灰石については適
当でない。
〔実 施 例〕
次にこの発明を実施例に基づいて説明する。まずこの
発明で用いる燐灰席群の化合物が、塩素イオンの捕捉を
おこなう能力の確認をおこなった実験例を示す。
実験は、N,N−ジメチルフォルムアミドにマレイン酸
およびトリエチルアミンを溶解した電解コンデンサ用電
解液(電解液A)、およびこの電解液にさらに燐酸を添
加して燐イオンが存在するように調整した電解液(電解
液B)に、一定量の塩素イオンを存在させ、ここに燐灰
石群化合物を入れて所定時間放置後の塩素イオンの濃度
変化を調べた。
実験条件は、前記の電解液A、Bとも塩素イオン濃度
が100ppmになるように塩化ナトリウムを添加した。また
電解液Bの燐イオン濃度は約200ppmである。この中に第
1表に示す各化合物を粉末状態でいずれも電解液に対し
て5wt%の割合で添加し、60℃で20時間放置後の塩素イ
オン残量を測定したものである。なお添加した各化合物
は電解液に不溶のため、2時間毎に撹拌をおこなった。
これら実験例からわかるように、燐灰石群の化合物を
添加した電解液は、当初100ppmに調整した塩素イオン濃
度が、所定時間経過後にいずれも三分の一ないし四分の
一程度以下まで低下しており、塩素イオンが燐灰石群の
化合物に捕捉されたことを示している。また比較の例と
して挙げたビスマス酸ナトリウムも塩素捕捉に効果のあ
ることがわかるが、燐イオンを含む電解液Bにおいては
その捕捉能力が著しく低下していることがわかる。
次に実際の電解コンデンサを製作して、腐蝕の抑制効
果について調べた結果を示す。
製作した電解コンデンサは、帯状のアルミニウム電極
をセパレータ紙とともに巻回した通常の電解コンデンサ
で、定格電圧63V、静電容量10μF、外形寸法10φ×12.
5mmのものである。そしてこの発明の実施例について
は、マニラ繊維紙からなるセパレータ紙の表面に、粉末
状の燐灰石群の化合物に水を加えてスラリー状にしたも
のを塗布し、乾燥させてから電極箔とともに巻回してコ
ンデンサ素子とした。
使用電解液は、N,N−ジメチルフォルムアミド−マレ
イン酸系の電解液で、組成は次のとおりである。
N,N−ジメチルフォルムアミド 83wt% マレイン酸 9wt% トリエチルアミン 7wt% 燐酸 1wt% この電解液に塩化ナトリウムを溶解して、塩素イオン
で100ppmの濃度になるように調整した。この電解液を前
記コンデンサ素子に含浸後、外装ケースに収納し、開口
部を封口部材で密封して電解コンデンサを完成させた。
この電解コンデンサを110℃で63Vの電圧を印加して寿
命試験をおこない、腐蝕の発生割合をみた。また比較例
として、塗布をおこなわないものと、ビスマス酸ナトリ
ウムを塗布したものとを挙げた。なおいずれの例も電解
コンデンサを20個づつ用いて寿命試験をおこなった。こ
の結果を、第2表に示す。
この結果から明らかなように、この発明の燐灰石群化
合物をセパレータ紙に塗布した実施例は、1000時間の寿
命試験経過後もいずれからも腐蝕の発生が見られず腐蝕
抑制に効果があることがわかる。
〔発明の効果〕
以上述べたようにこの発明によれば、電解コンデンサ
の塩素による腐蝕を抑制するので、腐蝕による濡れ電流
の増加、内部リードの断線、封口部の開弁等の電解コン
デンサにとって致命的な事故の発生を防止することがで
き、極めて信頼度の高い電解コンデンサを得ることがで
きる。
また塩素を選択的に捕捉できるので、電解液に燐が含
まれていてもその捕捉能力が低減することもない。
【図面の簡単な説明】 図面は、巻回構造の電解コンデンサ素子をあらわした、
説明図である。 1……コンデンサ素子、2……陽極箔、3……陰極箔、 4……セパレータ紙、5……リード。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極電極、陰極電極間にセパレータを介在
    させ、電解液を含浸したコンデンサ素子を、外装部材内
    部に収納してなる電解コンデンサにおいて、前記電解コ
    ンデンサ内部に一般式 A5(XO43Zq ただし (A=Ca,Pb;X=As,P,V;Z=OH,F) であらわされる燐灰石群から選ばれた化合物の一種もし
    くは二種以上を含有させたことを特徴とする電解コンデ
    ンサ。
  2. 【請求項2】燐灰石群の化合物は、コンデンサ素子の電
    極またはセパレータに塗布等の手段によって固着されて
    いるところの特許請求の範囲第(1)項記載の電解コン
    デンサ。
  3. 【請求項3】燐灰石群の化合物は、コンデンサ素子中の
    電解液に混合されているところの特許請求の範囲第
    (1)項記載の電解コンデンサ。
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