JP2538165C - - Google Patents

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JP2538165C
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ブラッコ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は置換芳香族アミド成分を有するアミノカルボキシレート配位子、更に 詳しくは、常磁性金属イオンと錯合したアミノカルボキシレート配位子から成り
、該アミノカルボキシレート内の窒素原子が置換芳香族アミド基で置換されてい
る新規な金属−キレート錯体に関する。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】 金属−キレート化配位子は、診断薬において造影剤として有用である。X線画
像、放射性核種画像、超音波画像および磁気共鳴画像はそれぞれ、キレート化配
位子に金属原子が結合したものを使用することにより向上することができる。た
とえば、キレート化配位子は、99mTC、111In、67Ga、140La、169Yb、68
a、90Y、188Re、153Smまたは他の放射性金属イオンとのキレート錯体として
調製すると、放射性薬剤となる。キレート化配位子を、ランタノイド、タンタル
、ビスマス、またはヨウ素より分子量の大きい他の元素の安定なアイソトープと
錯合すると、得られる錯体はX線を十分に吸収して、X線造影剤として作用する
。場合によっては、X線画像に有用な造影剤は、超音波輻射を十分に吸収、反射
または散乱せしめ、超音波剤として使用することができる。キレート化配位子を
、対称電子接地状態(electronic ground state)を有する常磁性金属原子(たとえ
ばGd+3や八面体Mn+2、Fe+3、Cr+3)と錯合すると、得られる錯体は、磁気共
鳴画像(NMR画像として公知)において造影剤として用いられるスピン緩和触媒
として有用となる。キレート化剤を、非対称電子接地状態を有する常磁性金属原
子(たとえばジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)およびエルビウム(I
II))と錯合すると、得られる錯体は、磁気共鳴画像におけるあるいはビボ分光
分析法の磁気共鳴における化学移動剤として有用となる。加えて、いずれの常磁
性気金属イオン錯体も、ビルリンガーらの「Magnetic Resonance in Medicine
」(、164〜174頁、1988年)に開示の如く、その磁気感受性によって
造影剤として使用しうる。 【0003】 またキレート化配位子は、2つの機能を有することができる。すなわち、キレ
ート化配位子は金属イオンに密に結合してキレートを形成し、かつ同時に、該キ
レートに対して所望の化学的、物理的および/または生物学的性質を付与する第 2の機能を有する。キレート化剤の望まれる物理的性質は、金属キレートの診断
または治療目的に応じて異なる。全ての用途に共通する望ましい物理的性質は、
キレート化剤に結合する金属イオンに対する親和力が高く、かつ合成が容易であ
ることである。金属キレートをNMR画像または一般用途のX線画像の造影剤と
して用いることが望まれるとき、望ましい物理的性質は水溶性が高く、かつ配合
した薬物溶液の粘度および重量モル浸透圧濃度がヒト血液のそれらとできるだけ
接近していることである。さらに、スピン緩和触媒の特別な場合では、最大限の
可能な緩和性が望まれる。本明細書で用いる緩和性とは、錯体1モル当りの、核
が映像されている間の緩和時間を変える有効性であることが理解される。 【0004】 ヒト血液は、0.3 Osm/kg水の重量モル浸透圧濃度を有する。過剰重量モ
ル浸透圧濃度は、注入造影剤に対して逆患者反応をもたらすことがよく知られて
おり、また最新のX線剤の低い重量モル浸透圧濃度は、該X線剤が非イオン分子
(正味ゼロの全荷電を所有)であることに基づく[シェハディ・W.H.の「Radio
l」(143、11〜17頁、1982年),“造影剤の逆反応:発生、再発および
分布パターン”;ベットマン・M.A.の「Am.J.Roentgen」(139、787
〜794頁、1982年),“血管造影剤: 従来と新規の比較”; ベットマン・
M.A.およびモーリス・T.W.の「Radiol.Clin.North.Am.」(24
347〜357頁、1986年),“造影剤の最近の進歩”参照]。従来より用い
られるガドリニウムをベースとする多くのNMR剤は、正味陰の全荷電を有する
ため、その配合した水溶液は高い重量モル浸透圧濃度を有する。たとえば、Gd(
DTPA)2(ここで、DTPAはジエチレントリアミンペンタ酢酸の略語である)
は、N−メチルグルカミン塩として0.5M(水中)で用いるように配合される。
該溶液の重量モル浸透圧濃度は、1.6〜2.0 Osm/kg水である。新しい非
イオンGd錯体は、U.S.P.No.4859451および4687659に記
載されている。この発明の好ましい新ガドリニウム錯体は非イオンであって、塩
ではない。これらの非イオンガドリニウム錯体を0.5M(水中)で配合すると、
溶液の重量モル浸透圧濃度は0.3〜0.6 Osm/kg水である。錯体は、長期
間にわたって組織にGd金属を全く沈着せず、あるいは最小限に抑え、通常、腎
経 路により、一般組織分布および排泄を除く、人体との相互作用に対し一般に不活
性でなければならない。大環状アミノカルボキシレート化合物のGd錯体は一般
に、線状アミノカルボキシレート化合物のGd錯体よりも化学的に不活性である[
P.ウェデキングおよびM.ツイードルの「Nucl.Med.Biol.」(15、39
5〜402頁、1988年); M.ツイードルらの「Magn.Reson.Imog.」(
、409〜415頁、1991年); およびM.ツイードルの「European Work
shop on Magnetic Resonance in Medicine」(1989年),P.A.リ
ンク編,“磁気共鳴画像における造影および造影剤”参照]。従って、Gdの好ま
しいアミノカルボキシレート配位子は、大環状アミノカルボキシレートの種類の
もので、加えて非イオンである。これらの性質はNMR画像に重要であるが、加
えて、NMR画像用剤の有効性は、金属キレートの水プロトンの緩和時間に影響
を及ぼす能力を増大できるように化学構造を変えることによって、増大すること
ができる。 【0005】 放射性薬剤の画像において、投与される量は比較的に少ないため、薬物配合物
の物理的性質をヒト血液のそれに合わすことは相対的に重要でない。この用途で
は、生理学的特異性がより重要である。特に、金属として99mTcと、胆汁酸、脂
肪酸、アミノ酸、ペプチド、プロティンなどの生理学的活性実在物またはインビ
ボでレセプターに結合することが知られている多数の化学的実在物の1つで官能
化されたキレート化配位子とを使用できる。またNMR造影剤は、生理学的特異
性をも利用しうる。 【0006】 放射性薬剤療法において、金属イオンは当該分野で公知のもの、たとえば90
188Re、153Smから選ぶことができる。この目的に、キレート化配位子は一般
に、モノクロナール抗体などの疾病特異実在物に共有結合する。金属−キレート
化剤−抗体共役物をヒトに注入すると、共役物は疾病部位、通常は悪性腫瘍で濃
縮する。この用途では、キレート化配位子は、キレート化配位子と抗体間に共有
結合の形成を可能ならしめる反応性官能基を含有しなければならない。反応性官
能基の重要な特徴は、以下の通りである。(1)反応性官能は、金属イオンに対す るキレート化剤の親和力をそれほど減少させないようにキレート化剤に共有結合
しなければならない。(2)反応性官能基は、金属−キレート化剤一抗体共役物の
高収率で簡単な合成を可能ならしめなければならず、形成した共役物はその抗原
に対し最大の親和力を有すべきであり、そしてかかる親和力は、金属−キレート
化剤に共有結合した結果において最小限で減少していること。(3)金属−キレー
ト化剤−抗体共役物が分解またはインビボ代謝する場合に、反応性官能基は理想
として、放射性金属キレート化剤の急速排泄および/または最適線量計測を可能
ならしめるべきである。 【0007】 金属がガドリニウム(III)の如き、非放射性で常磁性であるとき、磁気共鳴
画像における造影剤として二官能性キレートを、個別の分子で、またはリピド類
、糖類、アルコール類、胆汁酸類、脂肪酸類、レセプター結合配位子、アミノ酸
類、ペプチド類、ポリペプチド類、プロティン類、およびモノクロナール抗体な
どの物質に結合させて用いる。金属が90Yなどのイットリウム(III)の如き放
射性のとき、X線療法での用途に対しモノクロナール抗体の標識に二官能性キレ
ートを用いる。金属が99mTc、111In、201Tl、67Ga、68Gaなどのとき、X線
薬剤画像に二官能性キレートを用いる。 【0008】 キレート化剤から二官能性キレートを製造するのに、2つの一般法が用いられ
ている。第1法において、ポリアミノポリカルボン酸キレート化剤のカルボン酸
基の1つ以上を、内部または混合酸無水物、活性化エステル類などの活性化基(
たとえばp−ニトロフェニル、N−ヒドロキシスクシンイミド等)に変換すること
により、または当業者にとって公知の他の誘導体を用いて活性化する。次いで、
活性化した酸基をプロティンと反応させる。次にプロティン−キレート化剤錯体
に金属イオンを加える。 【0009】 この方法には、2つの問題がある。第1に、電位ドナー基を用いてカルボン酸
をプロティンと反応させると、キレートの強さが減少し、かつ金属イオンが化学
的に不安定となる。第2の問題は、キレート化配位子が特異的に反応しない数種 のカルボキシレートを有することから起る。キレート化配位子を活性化剤と化合
させると、活性化される基の数や化学的位置を適切にコントロールできないため
、複数種が生じる。このような種々の活性化したキレート化配位子の混合物をプ
ロティンに加えると、キレート化強さが変化しやすく不確定なプロティン−キレ
ート化剤錯体が形成しうる。また、このような複カルボン酸のキレート化剤への
多様活性化は、免疫特異性減少の主要源である内部相互分子架橋を招く。この問
題は、活性化剤とキレート化配位子の反応から形成する全ての生成物を分離する
ことによって解消しうるが、かかる分離法は非常に面倒で、かつ合成全体を非常
に非能率的なものとする。 【0010】 二官能性キレートを製造する第2法は、特異的反応性基(たとえばイソチオシ
アネート)を持つキレート化配位子を製造することであり、ここで特異的反応性
基はキレート化配位子が金属イオンと結合する強さを減じない位置で、キレート
化配位子に結合する。この第2法は、マーチン・W.ブレチビール、オット・A
.ガンソウ、ロバート・W.アッチャー、ジェフリー・シュロム、ジョセ・エス
テバン、ダイアネ・E.シンプソン、デビット・コルチャーの「Inorganic Ch
emistry」(25、2772頁、1986年),“DTPAおよびEDTAの1−(p
−イソチオシアナトベンジル)誘導体の合成、抗体標識および腫瘍画像研究”に
例示されている。また、これらの方法が特異的に非イオン大環状アミノカルボキ
シレートに適用できる旨の記載が、U.S.特許No.4885363にある。 【0011】 ウェデキングらの「医薬の磁気共鳴協会の第8回年次会合のアブストラクト」(
801、1989年),“新しいGd−錯体のマウスにおける生分布および排泄”
に、式: 【化22】 の化合物が開示されている。この化合物を磁気共鳴画像において常磁性イオン(
たとえばGd)をキレート化するのに用いると、緩和性は許容しうるが、水溶性に
乏しいことがわかった。 【0012】 【発明の構成と効果】 本発明の目的は、新規な金属−キレート化配位子を提供することである。 本発明の目的は、非イオンの新規金属キレート錯体を提供することである。 【0013】 他の目的は、ヨウ素より重い金属(たとえばBa、Ta、Pb、Bi、ランタノイ
ド)と錯合すると、X線造影剤として有効である金属キレート化配位子を提供す
ることである。 他の目的は、ガンマ放出放射性核種(たとえば99mTcまたは111In)と錯合する
と、画像X線薬剤として有効である金属キレート化配位子を提供することである
。 他の目的は、ベータまたはアルファ放出放射性核種(たとえば90Y、153Sm、1
88Re、212Bi)と錯合すると、治療X線薬剤として有効である金属キレート化配
位子を提供することである。 【0014】 本発明のさらに他の目的は、その金属キレート錯体が水溶液において低い重量
モル浸透圧濃度を有する金属−キレート化配位子を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、その金属キレート錯体が低い急性毒性を有する金 属−キレート化配位子を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、常磁性金属原子と錯合すると、磁気共鳴画像の緩
和触媒として有効である金属−キレート化配位子を提供することである。 【0015】 本発明のさらに他の目的は、プロティン類または他の生物学的活性分子に共有
結合する能力を有することにより、金属キレート錯体に生物学的特異性を付与す
る二官能性金属−キレート化配位子を提供することである。ここで記載の新しい
分子の二官能性キレートへの変換は、上述の方法で行われる。 本発明のさらに他の目的は、緩和性を増大した新規金属錯体を提供することで
ある。 本発明のさらに他の目的は、熱力学的に安定で、動力学的に不活性で、および
要すれば、電気的に中性である二官能性金属−キレート化配位子を提供すること
である。 【0016】 本発明の実施者が認識するこれらの目的並びに他の目的は、アミノカルボキシ
レート配位子の窒素原子の1つを、下記式[I]の置換芳香族アミド成分またはそ
の多量体で置換することにより達成される。 【化23】 [式中、A1は−(CH2)m'−または単結合; (CH2)mおよび(CH2)m'は個別にアルキルまたはヒドロキシアルキルで置換
されていてよい; R13は水素、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシまたはヒド
ロキシアルキル; R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、−NO2、−NH2、 【化24】 NR3COR9、ここでR9はアルキルまたはヒドロキシアルキル、但し、R1とR
2の少なくとも一方は水素を除く;3およびR4はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキル、アリ
ール、アルコキシまたはヒドロキシアルキル; R12は水素、アルキルまたはヒドロキシアルキル; mおよびm'はそれぞれ独立して1〜5である] A1が単結合である化合物が好ましい。 【0017】 本明細書で用いる各種語句の定義は、以下の通りである。 「アルキル」および「アルコキシ」とは、直鎖および分枝鎖基両方を指称する。炭
素数1〜5の基が好ましく、メチルが最も好ましいアルキル基である。 【0018】 「アリール」とは、フェニルおよび置換フェニルを指称する。好ましい置換フェ
ニル基は、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキ
シ、カルバモイル、カルボキサミド、アシルアミノまたはカルボキシル基の1、
2または3個で置換されたフェニルである。 【0019】 ヒドロキシアルキルとは、R−OH基を有する直鎖および分枝鎖アルキル基を
指称し、たとえば−CH2CH2OH、−CH2CH2(OH)CH2OH、CH(C
2OH)2等が挙げられる。このような化学構造は当業者にとって周知である[ソ
バク・M.の「Radiocontrast Agents」,スプリンガー−ベンラーグ、1〜1
25頁、1984年参照]。 【0020】 上述の如く、当分野で公知のアミノカルボキシレート核に式[I]の置換芳香族
アミド成分を付与して、本発明の新規化合物を得ることができる。 【0021】 置換芳香族アミド成分を有する新規アミノカルボキシレート化合物の具体例と
しては、下記式[Ia]の化合物が挙げられる。 【化25】 【0022】 上記式[Ia]において、m,R13,A1,R1,R2およびR12は式[I]の場合と
同意義である。 【0023】 式[Ia]の化合物およびそれらの塩を、常磁性金属原子と錯合させることがで
き、そして磁気共鳴画像の緩和増強剤として使用しうる。これらの薬剤は哺乳動
物宿主(たとえばヒト)に投与すると、異なる組織に対し種々の濃度で分配し、か
つ磁気共鳴画像剤(imager)からの高周波エネルギーの吸収によって励起されるプ
ロトン(組織中)の緩和を促進する。この励起プロトンの緩和速度の促進は、宿主
を磁気共鳴画像剤で走査するとき、造影(コントラスト)の異なる画像を提供する
。磁気共鳴画像剤を用いて、通常、薬剤投与の前後の各種時間における画像を記
録し、そして組織中の薬剤存在によって生じる画像の差異を診断に用いる。プロ
トン磁気共鳴画像において、常磁性金属原子、たとえばガドリニウム(III)、
並びに八面体マンガン(II)、クロム(III)および鉄(III)(これらの全て
は対称電子配置を持つ常磁性金属原子である)が、式[Ia]の配位子で錯合される
金属として好ましく、適当な配位子への錯合時の最大の常磁性、低毒性、および
配位水の高不安定性を有するという事実に基づき、ガドリニウム(III)が最 も好ましい。 【0024】 本発明の金属−キレート化配位子は、ランタニド(原子番号58〜71)と錯合
することができ、そして磁気共鳴画像または磁気共鳴インビボ分光分析法におけ
る化学移動剤として使用しうる。 【0025】 本発明の金属−キレート化配位子の用途として上述のものが好ましいが、診断
分野で作業する者は、当該配位子が適当な金属とも錯合することができ、そして
X線画像、放射性核種画像および超音波画像の造影剤として使用しうることを理
解する。 【0026】 画像での用途 本発明の配位子は、画像用途に用いるには、先ず適当な金属と錯合しなければ
ならない。この錯合は当該分野で公知の方法によって行うことができる。たとえ
ば、金属をオキシドの形状またはハライドもしくはアセテートの形状で水に加え
、次いで当モル量の本発明配位子で処理することができる。配位子は水溶液また
は水性懸濁液で加えることができる。中性pHを維持するため、必要に応じて、
希酸または塩基を加えることができる。金属およびキレート化剤並びにそれらの
濃度に応じて、4時間以内の期間にわたり、100℃もの高い温度での加熱が時
々必要である。 【0027】 また本発明配位子の金属錯体の医薬的に許容しうる塩も、画像剤として使用し
うる。これらの塩は、塩基(たとえば水酸化アルカリ金属、メグルミンまたはア
ルギニン)を用い、上記製造した金属錯体をなお水溶液の状態で中和することに
より製造することができる。金属錯体の幾種かは形式上非帯電で、対イオンとし
てカチオンを必要としない。このような中性錯体は、静脈内投与のX線およびN
MR画像剤として帯電錯体よりも好ましく、何故なら、その低い重量モル浸透圧
濃度に基づき生理学的耐性の大きな溶液を付与するからである。 【0028】 該キレート錯体の滅菌水溶液を哺乳動物(たとえばヒト)に対し、経口投与、く
も膜下投与、特に0.003〜1.0モル濃度で静脈内投与することができる。
たとえば、磁気共鳴画像を用いてイヌの脳損傷を映像化するため、式[Ia]の配
位子のガドリニウム錯体を、0.05〜0.5ミリモル/動物体重(kg)、好まし
くは0.1〜0.3ミリモル/動物体重(kg)の用量で静脈内投与することができ
る。腎の映像化には、用量は0.25〜1.0ミリモル/kgが好ましい。配合物
のpHは約6.0〜8.0、好ましくは約6.5〜7.5である。生理学的に許
容しうる緩衝剤[たとえばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]および他の生
理学的に許容しうる添加剤(たとえばパラベンなどの安定化剤)を存在させてよい
。 【0029】 また、U.S.特許出願No.682487(1991年4月9日出願、名称:
金属キレート造影剤の二元機能型賦形剤)に記載されているような二元スキャベ
ンジャー賦形剤を用いることも有利である。かかる賦形剤は、一般式: Xm[X'(L')]n [式中、XおよびX'はそれぞれ独立して、CaまたはZn、L'は金属を錯合する
のに用いる配位子と異なるかあるいは同一であってよい有機配位子、mおよびnは
それぞれ独立して、1、2または3である]で示される。 【0030】 金属−キレート錯体を生体分子に結合させるX線療法または画像での用途 X線療法に用いるため、二官能性金属−キレート化配位子をモノクロナール抗
体またはその断片に結合させることができる。モノクロナール抗体は、特異性の
大きい癌あるいは腫瘍部位を放射性核種の標的にするのに使用できる点で有用で
ある。そして、R1が水素以外である本発明化合物を、モノクロナール抗体また
はその断片に結合させる。 【0031】 該二官能性キレートを抗体またはその断片に結合させる方法は、当該分野で公
知であって[上記で引用したブレチビールの文献参照]、第1に個々の二官能性キ
レート、第2に抗体またはその断片の種類に左右される。たとえば、R1=H、 R2=−NCSまたは 【化29】 である化合物[Ia]の場合、キレート化剤[Ia]の5.0mM水溶液10μlを、p
H8.5の50mMヘペス(Hepes)緩衝剤中、0.5mlの5.0mg/mlモノクロ
ナール抗体(B72.3、ダモン・ビオテク・コンポレーションより入手可能)と
反応させる。16μlの1.5Mトリエチルアミン水溶液を加える。2時間の反
応時間後に、モノクロナール抗体を透析で精製する。この操作によって、各モノ
クロナール抗体に結合した1〜2の式[Ia]のキレート化剤分子を得る。次いで
、モノクロナール抗体-結合キレート化剤に、公知の方法で放射性金属イオン(た
とえば90Y)を加えることができる。たとえば、90Yを90Y(III)(アセテート
)3(H2O)4(水溶液中での近似式)の形状で、モノクロナール抗体−結合キレート
と溶液中で反応させることができ、この場合、それぞれの濃度は10-5〜10-7
の間で、pHは6である。次いでクエン酸に対し透析を行って、生成物を精製す
る。 【0032】 上記キレート化配位子の代わりに金属キレート錯体を用いる以外は、上述と同
様な他の好ましい方法がある。この方法を用いるには、先ず、金属オキシド、ハ
ライド、ニトレート、アセテートなどを式[Ia]のキレート化剤と反応させるこ
とにより、金属キレート錯体を作る。上記キレート化剤の場合、<10-6Mの90
YのアセテートをpH6にて、約10-3Mのキレート化剤と反応させ、キレート
錯体をイオン交換または逆相HPLCクロマトグラフィーで精製し、次いで上記
モノクロナール抗体と反応させる。以下に示す方法で、二官能性の金属含有結合
抗体を用いる。モノクロナール抗体が特異的である腫瘍を持つヒトまたは動物に
、たとえば、90Y−キレート化剤[Ia]−モノクロナール抗体化合物の水溶液を
静脈注射、皮下注射、腹腔内注射またはリンパ内注射する。この注射によって、
放射性金属イオンを目的とする腫瘍へ向けることができる。使用した静脈内の投
与量は、0.1〜0.4ミリキュリー/体重(kg)である。 【0033】 化合物をプロティンに結合させるときの好ましい具体例は、R1および/また
はR2=−NCSの化合物をプロティンと反応させて、プロティン共役物を生成
するときである。好ましいプロティンは血清のプロティンであって、この場合、
1および/またはR2=−NCSの化合物を直接注入する。 【0034】 本発明の二官能性金属−キレート化配位子をモノクロナール抗体またはその断
片に結合させるのに、当該分野で公知の他の官能基を使用しうることが理解され
る。 【0035】 一般目的磁気共鳴画像で有用なGd(III)キレートを形成する好ましい具体
例において、R1およびR2はそれぞれ、 【化30】 で、各R3はヒドロキシアルキルである。Gd(III)キレートを形成する最も好であるときである。 【0036】 また本発明は、化合物[Ia]の多量体、たとえば二量体、三量体、八量体等を
包含する。かかる多量体を得るのに、生体分子との共役に関して上述したような
公知の官能基および方法を容易に利用しうる。フェニル環: 【化31】 上に設けた官能基は、たとえばR2=NCSまたは 【化32】 、ここで特にR12はメチルまたはエチルであってよい。すなわち、式[Ia]、す
なわち 【化33】 [式中、Qは式[Ia]のアミノカルボキシレート核である]の化合物の多量体の
具体例は、下記で示される。 【0037】 二量体 【化34】 または 三量体 【化35】 八量体 【化36】 ここで、Xは 【化37】 【0038】 化合物[Ia]の製造 式: 【化38】 の化合物[IIa]を溶媒(たとえば水)中、塩基(たとえば水酸化ナトリウム)の存
在下、式: 【化39】 [式中、Lはハロゲンなどの脱離可能基である] の化合物[III]と反応させる。化合物[IIa]の製法は周知であって、たとえ
ばツィードルらのU.S.特許No.4885363に記載されている。たとえ
ば、化合物[IIa]の製造に当り、式: 【化40】 の化合物[IV]と式: 【化41】 [式中、Lはハロゲンなどの脱離可能基である] の化合物[V]の反応は、pH約8.5〜9の水中で行うのが好ましく、反応温度
を約45〜55℃に維持する。反応において、好ましくは最初に、たった約2当
量の化合物[V]を用い、反応の開始から約2〜3時間後に、追加当量の化合物[
V]を少量づつ添加し始める。全反応時間は約8〜24時間が好ましい。モノ、
ジ、トリおよびテトラ置換誘導体を含む反応混合物から、選択的沈澱、クロマト
グラフィーおよび結晶化を含む当該分野で公知の方法によって、所望のトリ置換
生成物を分離することができる。 【0039】 R12が水素である化合物[IIa]の好ましい製法は、公知の1,4,7,10−テ
トラアザシクロドデカンをベンゼンの存在下、ジメチルホルムアミドジメチルア
セタールと反応させて、1,4,7,10−テトラアザトリシクロ[5.5.1.0]ト
リデカンを得ることである。この“三環式”化合物を、エタノール/水混合物と
反応させて、1−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンを得る
。次いでこのホルミル化合物を、t−ブチルブロモアセテートと反応させて、1
−ホルミル−4,7,10−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラア
ザシクロドデカン・トリス−t−ブチルエステルを得る。最後に、強酸(たとえば
硫酸)の存在下でエステル基を脱離して、R12が水素である化合物[IIa]を得る
。最も好ましい方法は、ディスチノらの「Inorg.Chem.」(30、1265頁、
1991年)に開示されている。 【0040】 R1およびR2がそれぞれ、−CONHR3、R13がHである化合物[III]は
、以下の手順で製造される。先ず、式: 【化42】 の化合物[VI]を溶媒(たとえばメタノール)中、式: VII H2NR3 の化合物[VII]と反応させて、式: 【化43】 の中間体化合物[VIII]を得る。 【0041】 その後、化合物[VIII]をパラジウム/炭素触媒の存在下、たとえば水素で
還元して、式: 【化44】の化合物[IX]を得ることができる。 【0042】 化合物[IX]を溶媒(たとえばジメチルアセトアミド)中、式: 【化45】 [式中、LおよびL'は同一もしくは異なって、ハロゲンなどの脱離可能基であ
る] の化合物[X]と反応させて、式: 【化46】 の化合物[III']、すなわち、R1およびR2がそれぞれ、 【化47】、A1が単結合、およびR13がHである化合物[III]を得る。 【0043】 中間体化合物[VII]のR3基がヒドロキシアルキル成分を含有する場合、化
合物[VI]および[VII]の反応中に、ヒドロキシ基をアセチルオキシ基に変換
する。すなわち、中間体化合物[III']のアセチルオキシ基を公知の処理で、
たとえばナトリウムメトキシド/溶剤(たとえばメタノール)で処理して、ヒドロ
キシ基に変換する。たとえば、化合物[VII]が式: であるとき、上述の化合物[VI]との反応によって、式: 【化48】 [式中、Acはアセチルである] が得られる。対応するアニリン化合物に還元した後、化合物[X]と反応させて、
対応する中間体[III']を、上述のヒドロキシアルキル対応物に変換する。 【0044】 A1が−CH2−、R13がH、LがクロロおよびR1およびR2がそれぞれ、 【化49】 である化合物[III]は、以下の手順で製造される。先ず、式: 【化50】 の化合物[VIII]を、希鉱酸中の触媒、たとえばパラジウム/炭素の存在下、
水素ガスと反応させて、式: 【化51】 のアニリン化合物[IX]を得る。 【0045】 アニリン化合物[IX]を亜硝酸/酸性媒体でジアゾ化し、次いでシアン化ナト
リウムで処理して、式: 【化52】のニトリル[XI]を得る。 【0046】 ニトリル[XI]をプラチナ触媒の存在下、低圧(たとえば3気圧)の水素ガスで
還元して、式: 【化53】 の化合物[XII]を得る。 【0047】 化合物[XII]を式: 【化54】 [式中、Lは塩素などの脱離可能基である] の化合物[XIII]と反応させて、式: 【化55】の化合物[I11'']を得る。 【0048】 R13が水素以外、たとえばメチルである場合、化合物[XII]を還元条件下、
たとえばホウ水素化ナトリウムを用い、R8CHOのアルデヒド、たとえばR8
Hのホルムアルデヒドで処理して、式: 【化56】 [式中、R13はメチルである] の化合物[IX']を得る。化合物[IX']をクロリド[XIII]と反応させて、式
: 【化57】 の所望中間体[III''']を得る。 【0049】 A1が−CH2−または単結合、mが1、R1およびR2がそれぞれ−CONHR3
である化合物[Ia]は、以下の手順で製造される。すなわち、化合物[IIa]を水
性アルカリ媒体中、式: 【化58】 [式中、qは1または0である] のエポキシド[XIV]と反応させる。qが1の場合、上記反応によって、A1がC
2である化合物[Ia]が得られ、またqが0の場合では、A1が単結合である化合
物[Ia]が得られる。 【0050】 化合物[XIV]は以下の手順で製造される。すなわち、アミン[IX]をジアゾ
化して、式: 【化59】 [式中、X-は非求核性基、たとえばBF4 -である] のジアゾニウム塩[XV]を得る。この化合物[XV]をテトラアリルチンおよびパ
ラジウムアセテート触媒で処理して、式: 【化60】 の化合物[XVI]を得る。 【0051】 化合物[XVI]を、過酸(たとえばm−クロロパーオキシ安息香酸)を用いてエ
ポキシ化を行い、式: 【化61】 の化合物[XIV']、すなわち、qが1である化合物[XIV]を得る。別法として
、ジアゾニウム塩[XV]を式: 【化62】のトリブチル−ビニルチン[XVII]およびパラジウムアセテート触媒で処理し
て、式: 【化63】 の化合物[XVIII]を得る。 【0052】 ベンゾニトリルの存在下で過酸もしくはH22を用いるか、または当業者に公
知の他のエポキシ化法により、化合物[XVIII]をエポキシ化して、式: 【化64】 の化合物[XIV"]、すなわち、qが0である化合物[XIV]を得る。 【0055】 【実施例】 次に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。 実施例1 10−[2−[[3,5−ビス[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニ
ル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム錯体の製造:− A.N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピル]−5−ニトロ−1,
3−ベンゼンカルボキサミド メタノール(300ml)中のジメチル−5−ニトロイソフタレート(23.9g、
100ミリモル)の溶液に、1−アミノ−2,3−プロパンジオール(20.2g)
を加え、混合物を48時間還流する。メタノールを減圧除去し、残渣をピリジン
(150ml)に溶解し、次いで室温にて無水酢酸(80ml)で16時間処理する。反
応混合物に水(50ml)を加えて、過剰の無水酢酸を分解する。溶媒を減圧除去し
、残渣を酢酸エチル(400ml)に溶解し、水(100ml×2)、10%塩酸(20
0ml)および最後に塩水(100ml)で洗う。酢酸エチル層を乾燥し、溶媒を除去
して標記Aニトロビスアミド(51.8g)を淡黄色粘稠シロップ物で得る。この
物質はそれ以上精製せずに、そのまま次工程に用いた。 【0056】 B.5−アミノ−N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピル]−1,
3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(180ml)中の上記Aニトロビスアミド(31.5g、60ミリモル
)の溶液を、10%パラジウム/炭素(300mg)上で、3時間にわたって水素添
加する。触媒を濾去し、溶媒を減圧除去して、純粋な標記Bアニリン化合物(2
8.6g)を粘稠シロップ物で得る。この物質は、それ以上精製せずに、そのまま
次工程に用いた。 【0057】 C.N,N'−ビス[2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピル]−5−N−[(クロ
ロアセチル)アミノ]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 上記Bアニリン化合物をジメチルアセトアミド(150ml)に溶解し、クロロア
セチルクロリド(11.28g、100ミリモル)を20分にわたり滴下して処理
する。溶液を3時間撹拌し、ジメチルアセトアミドを減圧除去する。得られる残
渣を酢酸エチル(300ml)に溶解し、水(150ml)、10%重炭酸ナトリウム水
溶液(150ml)および最後に水(150ml)で洗う。酢酸エチル層を乾燥し、溶媒
を除去して粗クロロアセトアニリド(32.0g)を得る。この粗物質をシリカゲ
ルにて、カラムクロマトグラフィーで精製して、標記C化合物(26.3g)を無
色ガラス状固体で得る。1.00gのガラス状固体を酢酸エチル(5ml)およびヘ
キサン(1.0ml)より結晶化して、分析試料を得る。 元素分析(C24303ClO11として) 計算値:C50.40、H5.29、N7.35、Cl6.20、O30.77 実測値:C50.28、H5.15、N7.11、Cl6.25 【0058】 D.5−[(クロロアセチル)アミノ−N,N'−ビス(2,3−ジヒドロキシプロ
ピル)−1,3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(200ml)中の上記C化合物(25.6g、45ミリモル)の溶液を
、ナトリウムメトキシド(20ミリモル)で処理し、溶液を0℃で30分間撹拌す る。反応混合物のpHを、Dowex50(H+)樹脂の添加で7に調整し、樹脂を濾去
し、メタノールを減圧除去して、純粋な上記D化合物を無色ガラス状固体(16
.8g)で得る。この物質はそれ以上精製せずに、そのまま次工程に用いた。 【0059】 E.10−[2−[[3,5−ビス[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カル
ボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシ
クロドデカン−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(DO3A=1,4,7−トリスカルボキシメチル−1,4
,7,10−テトラアザシクロドデカン、ツィードルらのU.S.特許No.48
85363の記載に準じ製造)(12.0g、27ミリモル)の溶液を水(80ml)中
に作り、溶液のpHを5M水酸化ナトリウムの添加で9.8に調整する。溶液のp
Hを9.8に維持しながら、DO3A溶液に80℃にて、水(50ml)中の上記D
化合物(16.4g、40.6ミリモル)の溶液を45分にわたりゆっくりと加え
る。17時間後、反応混合物を室温まで冷却し、1N塩酸を加えてpHを3.5
まで下げ、溶液をカチオン交換クロマトグラフィーで脱塩する。さらにアニオン
交換クロマトグラフィーで精製して、標記E化合物をトリエチルアンモニウム塩
(19.9g)で得る。トリエチルアンモニウム塩(6.00g)を水(1l)に溶解し
、これをアニオン交換カラムに付し、次いで50mMギ酸で溶離して、所望の標
記E化合物HAA−DO3A(4.9g)を得る。 IR:3400(OH)、3115(NH)、1631(COOHおよびArCON
H)cm-1 マススペクトル:714(M+N)+、712(M−H)- 元素分析(C3047713・0.38H2Oとして) 計算値:C50.01、H6.68、N13.61、O29.71 実測値:C49.91、H6.97、N13.42、H2O0.95 【0060】 F.10−[2−[[3,5−ビス[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カル
ボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシ
クロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩 水(80ml)中の上記Eトリエチルアンモニウム塩(19.00g、18.7ミリ
モル)の溶液にpH4.72にて、水(80ml)中のGd(OAc)3・4H2O(9.8
3g、24ミリモル)の溶液を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応
混合物を非イオン樹脂HP−20にて、低圧逆相カラムクロマトグラフィーに付
して、標記化合物(17.5g)を無色ガラス状固体で得る。この純粋生成物(17
.00g)を温メタノール(300ml)より結晶化して、Gd(HAA−DO3A)を
無色針状晶で得る(純度>99.9%)。この試料を水(200ml)に再溶解し、溶
媒を除去し、試料を80℃で4日間減圧(1mmHg)を乾燥する。 マススペクトル:869(M+H)+、867(M−H)-1 元素分析(C3044713・0.36H2Oとして) 計算値:C41.20、H5.15、N11.21、O24.45 実測値:C40.96、H5.07、N10.93、H2O0.75 【0061】 実施例2 10−[2−[[3,5−ビス[[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチ
ル]アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10
−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸の製造:− A.N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)−1−[(アセチルオキシ)メチル]エ
チル]−5−ニトロ−1,3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(150ml)中のジメチル−5−ニトロイソフタレート(14.0g、
58ミリモル)の溶液に、2−アミノ−1,3−プロパンジオール(16.5g、1
81ミリモル)を加え、混合物を48時間還流する。反応混合物を室温まで冷却
し、分離した結晶固体を濾過し、乾燥してビスアミド(19.5g)を得る。ピリ
ジン(75ml)中のビスアミド(19.0g)の溶液を、室温にて無水酢酸(40ml)
で16時間処理する。反応混合物に水(50ml)を加えて、過剰の無水酢酸を分解
する。溶媒を減圧除去し、残渣を酢酸エチル(400ml)に溶解し、次いで溶液を
水(100ml×2)、10%塩酸(200ml)および最後に塩水(100ml)で洗う。
酢酸エチル層を乾燥し、溶媒を除去し、アセトンおよびヘキサンより結晶化して
から、純粋な標記Aニトロビスアミド(23.6g)を無色固体で得る。m.p.1 05〜107℃。 【0062】 B.5−アミノ−N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)−1−[(アセチルオキ
シ)メチル]エチル]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(180ml)中の上記A化合物(18.0g、34ミリモル)の溶液を
、パラジウム/炭素(0.5g)上で3時間にわたり水素添加する。触媒を濾去し
、溶媒を減圧除去し、アセトンおよびヘキサンより結晶化してから、純粋な標記
Bアニリン化合物(16.6g)を得る。m.p.152〜154℃。 元素分析(C24303ClO11として) 計算値:C50.40、H5.29、N7.35、Cl6.20 実測値:C50.64、H5.20、N7.22、Cl6.57 【0063】 C.N,N'−ビス[2−(アセチルオキシ)−1−[(アセチルオキシ)メチル]エ
チル]−5−(クロロアセチル)アミノ−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 上記B化合物(17.0g、34ミリモル)をジメチルアセトアミド(150ml)
に溶解し、クロロアセチルクロリド(7.52g、64ミリモル)を20分にわた
り滴下して処理する。溶液を3時間撹拌し、次いでジメチルアセトアミドを減圧
除去する。得られる残渣を酢酸エチル(300ml)に溶解し、水(150ml)、重炭
酸ナトリウム水溶液(10%、150ml)および最後に水(150ml)で洗う。酢酸
エチル層を乾燥し、溶媒を除去して、粗クロロアセチル−アニリド(18.5g)
を得る。この物質を酢酸エチルおよびヘキサンより結晶化して、純粋な標記C化
合物(16.8g)を得る。m.p.135〜137℃。 マススペクトル:572(M+H)+、570(M−H)- 元素分析(C24303ClO11として) 計算値:C50.40、H5.29、N7.35、Cl6.20、030.77 実測値:C50.64、H5.20、N7.22、Cl6.57 【0064】 D.5−[(クロロアセチル)アミノ]−N,N'−ビス[2−ヒドロキシ−1−(ヒ ドロキシメチル)エチル]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド メタノール(200ml)中の上記C化合物(16.0g、28ミリモル)の溶液を
ナトリウムメトキシド(10ミリモル)で処理し、溶液を0℃で30分間撹拌する
。沈澱した固体を濾別し、乾燥して純粋な標記D化合物を無色ガラス状固体(1
0.8g)で得る。m.p.222〜224℃。 マススペクトル:m/Z404(M+H)+ 元素分析(C16223ClO7として) 計算値:C47.59、H5.49、N10.41、Cl8.78、O27.7
3 実測値:C47.66、H5.55、N9.98、Cl8.88 【0065】 E.10−[2−[[3,5−ビス[[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)
エチル]アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(6.0g、13.5ミリモル)の溶液を水中で作り、溶
液のpHを5M水酸化ナトリウムの添加で9.8に調整する。DO3A溶液のpH
を9.8に維持しながら、該溶液にN,N'−ビス[2−ヒドロキシ−1−[(ヒド
ロキシ)メチル]エチル]−5−N−(クロロアセチル)アミノベンゼン−1,3−ジ
カルボキサミド固体(8.2g、20.4ミリモル)を80℃にて45分にわたり
少量づつ加える。20時間後に、反応混合物を室温まで冷却し、1N塩酸を加え
てpHを3.5まで下げ、溶液をカチオン交換カラムクロマトグラフィーで脱塩
する。さらにアニオン交換カラムクロマトグラフィーで精製して、標記E化合物
を対応するトリエチルアンモニウム塩(5.2g)で得る。トリエチルアンモニウ
ム塩(5.2g)を水(1l)に溶解し、これをアニオン交換カラムに付し、50mM
ギ酸で溶離して、純粋な標記化合物HAS−DO3A(4.4g)を無色ガラス状
固体で得る。 マススペクトル:714(M+H)+、712(M−H)- 元素分析(C3047713として) 計算値:C50.48、H6.64、N13.74、029.14 実測値:C50.34、H6.83、N13.54 この配位子のGd錯体は、実施例1の場合で用いた同じ方法で製造した。 元素分析(C3044713Gd・3.48H2Oとして) 計算値:C38.72、H5.52、N10.53、O28.33 実測値:C39.01、H5.37、N10.26 【0066】 実施例3 10−[2−[[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)アミノ]カルボニル]フェニル
]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1
,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム錯体の製造:− A.N,N'−ビス[(2−メチルブチル)アミノ]−5−ニトロ−1,3−ベンゼ
ンジカルボキサミド ジメチル−5−ニトロ−イソフタレート(14.0g、50ミリモル)のメタノ
ール溶液に、2−メチルブチルアミン(12.5g、150ミリモル)を加え、混
合物を48時間還流する。メタノールを減圧除去し、残渣を酢酸エチル(200m
l)に溶解し、10%塩酸(200ml)、10%重炭酸ナトリウム水溶液(20ml)お
よび最後に水(100ml)で洗う。酢酸エチル層を乾燥し、溶媒を除去して、所望
化合物を得る。これを酢酸エチルおよびヘキサンより結晶化して、標記A化合物
を無色針状晶(19.6g)で得る。m.p.147〜148℃。 【0067】 B.5−アミノ−N,N'−ビス[(2−メチルブチル)アミノ]−1,3−ベンゼ
ンジカルボキサミド メタノール(180ml)中の上記A化合物(17.45g、50ミリモル)の溶液
を、10%パラジウム/炭素(500mg)上で3時間にわたり水素添加する。触媒
を濾去し、溶媒を減圧除去して、標記Bアニリン化合物を無色固体で得る。これ
をアセトンおよびヘキサンより結晶化して、標記B化合物を無色針状晶(15.
8g)で得る。m.p.170〜172℃。 【0068】 C.5−[(クロロアセチル)アミノ]−N,N−ビス[(2−メチルブチル)アミノ ]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド ジメチルアセトアミド(200ml)中の上記B化合物(11.48g、36ミリモ
ル)の溶液を、クロロアセチルクロリド(5.6g、50ミリモル)を20分にわた
り滴下して処理する。溶液を3時間撹拌し、ジメチルアセトアミドを減圧除去す
る。得られる残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解し、水(100ml)、10%重炭
酸ナトリウム水溶液(100ml)および最後に水(100ml)で洗う。酢酸エチル層
を乾燥し、溶媒を除去して、粗クロロアセトアニリド(12.8g)を得る。これ
を酢酸エチルおよびヘキサンより結晶化して、標記C化合物を無色針状晶(11
.2g)で得る。m.p.160〜162℃。 【0069】 D.10−[2−[[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)アミノ]カルボニル]フェ
ニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(6.0g、13.5ミリモル)の溶液を水(100ml)中
で作り、溶液のpHを、5M水酸化ナトリウムの添加で9.8に調整する。溶液
のpHを9.8に維持しながら、DO3A溶液に80℃にて、エタノール(100
ml)中のn−クロロアセチルアニリド(8.2g、27ミリモル)の溶液を1時間に
わたりゆっくり加える。17時間後に、反応混合物を室温まで冷却し、1N塩酸
を加えてpHを3.5まで下げ、溶液をカチオン交換クロマトグラフィーで脱塩
する。さらにアニオン交換クロマトグラフィーで精製して、標記化合物をトリエ
チルアンモニウム塩(2.8g)で得る。トリエチルアンモニウム塩を水に溶解し
、これをアニオン交換カラムに付し、次いで50mMギ酸で溶離して、所望のA
AA−DO3A(2.2g)を得る。さらに逆相CHP−20カラムクロマトグラ
フィーで、この試料に存在する少量の不純物を除去して、標記化合物を無色ガラ
ス状固体(1.8g)で得る。 マススペクトル:706(M+H)+、704(M−H)- 元素分析(C345579・1.7H2Oとして) 計算値:C55.45、H7.99、N13.31、O23.24 実測値:C55.85、H8.37、N13.19、H2O4.15 【0070】 この配位子のGd錯体は、実施例1の場合で用いた同じ方法で製造した。 元素分析(C345279Gd・6.44H2Oとして) 計算値:C41.84、H6.70、N10.04、O26.31 実測値:C41.80、H6.65、N10.28 【0071】 実施例1、2および3の配位子(それぞれ下記表において#10、11および
12)を用いた新規ガドリニウム錯体と、従来の9種のガドリニウム錯体(#1〜
9)のT1緩和性を比較した。緩和性は、20MHzおよび39±1℃で作動する
IBMミニスペック・スピン分析器で測定した。0.1〜5mMのGd濃度範囲の
水溶液を使用。 【0072】 表1のGd錯体の配位子の構造 1.DTPA−HA 【化67】 2.DTPA−HA 【化68】 3−12. 【化69】 3.DOTA X=O Y=O 4.NH2−DO3A X=O Y=−NH2 5.MA−DO3A X=O Y=−NHCH3 6.HEA−DO3A X=O Y=−NHCH2CH2OH 7.PA−DO3A X=O Y=−NHフェニル 8.HP−DO3A X=OH,H Y=−CH3 9.PG−DO3A X=OH,H Y= 【化70】 10.HAA−DO3A(実施例1) X=O Y= 【化71】 11.HAS−DO3A(実施例2) X=O Y= 【化72】 12.AAA−DO3A(実施例3) X=O Y= 【化73】 【0073】 表1:水溶性Gd錯体に関し、N−ヒドロキシ−アルキルもしくはN−アルキル
−イソフタルアミド基およびアリール基またはヒドロキシアルキルもしくはアル
キルアミド基による緩和性増大をイオン証明する(ionsdemostrating)するデータ Gd(L),L= 1緩和性 1.DTPA 3.7 2.DTPA−HA 4.4 3.DOTA 3.4 4.NH2−DO3A 3.6 5.MA−DO3A 4.3 6.HEA−DO3A 4.3 7.PA−DO3A 4.1 8.HP−DO3A 3.7 9.PG−DO3A 3.4 10.HAA−DO3A 5.8 (実施例1) 11.HAS−DO3A 5.4 (実施例2) 12.AAA−DO3A 5.9 (実施例3) 【0074】 緩和性は、置換アリール化合物10,11および12、すなわち、Gd(HAA
−DO3A)、Gd(HAS−DO3A)およびGd(AAA−DO3A)においての
み、特に高い。L=HP−DO3A,PG−DO3Aから明らかなように、1ま
たは2個のヒドロキシル基単独では緩和性を増大しない。MA−DO3Aおよび
PA−DO3Aから示されるように、アルキルまたはアリール置換基はほんの少
しだけ緩和性を増大する。芳香族上の両アルキルおよびヒドロキシアルキル置換
基は、緩和性の増大に有効である(水溶性を高めるのにヒドロキシルアルキルが
好ましい)。 【0075】 実施例4 10−[2−[メチル[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)アミノ]カルボニル]フ
ェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ ン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩の製造:− A.N,N'−ビス(2−メチルブチル)−5−[[(フェニルメトキシ)カルボニル
]アミノ]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 無水DMA(75ml)中の実施例3A化合物(15.4g、46ミリモル)の冷却
溶液に0℃にて、ベンジルクロロホルメート(9.4g、55.2ミリモル)を加
える。透明溶液を0℃で2時間撹拌する。DMAを減圧除去する。残渣をEtO
Ac(150ml)に溶解し、NaHCO3水溶液(30ml)およびH2O(50ml×2)で
洗う。有機層を無水MgSO4上で乾燥し、溶媒を除去して、粗生成物を油状液体
で得る。この粗物質をEtOAc/ヘキサン(5/1)より再結晶して、標記A化合
物を白色固体(17.0g)で得る。m.p.130.5〜132.5℃。 元素分析(C263534として) 計算値:C68.85、H7.78、N9.26、O14.11 実測値:C68.64、H7.91、N9.20 【0076】 B.N,N'−ビス(2−メチルブチル)−5−[メチル[(フェニルメトキシ)カル
ボニル]アミノ]−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 無水THF(25ml)中のNaH(0.58g、24.2ミリモル)の懸濁液に、無
水THF(60ml)中の上記A化合物(10.0g、22ミリモル)の溶液を加える
。メル(Mel)(15.7g、110ミリモル)を加え、反応混合物を室温で1時間
撹拌する。THFを減圧除去する。固体をEtOAc(150ml)に溶解し、H2O(
50ml×2)、次いでNaCl水溶液(50ml)で洗う。EtOAc層を無水MgSO4
上で乾燥し、溶媒を除去して、標記B化合物を得る。 元素分析(C273734として) 計算値:C69.35、H7.98、N8.99、O13.69 実測値:C69.10、H8.03、N8.91 【0077】 C.5−(メチルアミノ)−N,N'−ビス(2−メチルブチル)−1,3−ベンゼ
ンジカルボキサミド MeOH(50ml)中の上記B化合物(13g、27.8ミリモル)の溶液に、1, 4−シクロヘキサジエン(20ml)および10%Pd/C(3.25g)を加える。混
合物を0.5時間還流する。固体をセライト(celite)ケーキで濾過し、溶媒を除
去して、粗生成物を得る。温EtOAcより再結晶して、標記C化合物を白色結晶
(5.2g)で得る。m.p.160.1〜160.8℃。 元素分析(C193132として) 計算値:C68.43、H9.37、N12.60 実測値:C68.13、H9.50、N12.57 【0078】 D.5−[(クロロアセチル)メチルアミノ]−N,N'−ビス(2−メチルブチル)
−1,3−ベンゼンジカルボキサミド 無水DMA(150ml)中の上記C化合物(5.2g、15.6ミリモル)の溶液
に、クロロアセチルクロリド(2.43g、5.9ミリモル)を加える。溶液を室
温で1.5時間撹拌する。混合物を冷却する。水(20ml)を加え、溶媒を減圧除
去する。残渣をEtOAc(200ml)に溶解し、NaHCO3水溶液(50ml)、次い
で水(50ml×2)で洗う。有機層を無水MgSO4上で乾燥し、溶媒を除去して、
粗生成物を得る。温EtOAcより再結晶して、標記D化合物を白色結晶(6.0g
)で得る。m.p.170.0〜171.5℃。 元素分析(C213233Clとして) 計算値:C61.53、H7.87、N10.25、Cl8.65 実測値:C61.77、H7.83、N10.39、Cl8.41 【0079】 E.10−[2−メチル[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)アミノ]カルボニル
]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(4.35g、9.8ミリモル)をH2O(100ml)に溶解
し、溶液のpHを10N−NaOHの添加で9.8に調整する。この溶液に85℃
にて、EtOH(100ml)中の上記D化合物(5.7g、13.9ミリモル)の溶液
を45分にわたって加える。5N−NaOHを加えて、pH9.8に維持する。混
合物を85℃で44時間加熱する。溶媒を減圧除去する。固体をH2O(300ml )およびEtOAc(100ml)に溶解し、濁った溶液を85℃で2時間撹拌して混
合物を透明にする。2つの層を分離する。粗生成物を含有する水性層(pH7)を
、300mlカラムのCHP−20樹脂に付し、溶離剤としてEtOH/H2O(0
〜10%)を用いる。所望化合物を含有する画分をコンバインし、溶媒を除去し
て、標記E化合物をモノナトリウム塩(2.9g)で得る。 【0080】 F.10−[2−[メチル[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)アミノ]カルボニ
ル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩 上記E化合物(700mg、0.97ミリモル)をH2O(8ml)に溶解し、溶液のp
Hを希AcOHの添加で4.5に調整する。この溶液に、H2O(10ml)中のGd(
OAc)3・4H2O(1.21g、1.3ミリモル)の溶液を加える。混合物を45
℃で24時間撹拌する。次いで溶液を600mlカラムのCHP−20樹脂に付し
、溶離剤としてEtOH/H2O(0〜50%)を用いる。所望化合物を含有する画
分をコンバインし、溶媒を除去して770mgの標記化合物を得る。 元素分析(C345279Gd・1.10H2Oとして) 計算値:C46.42、H6.21、N11.14、Gd18.28、O16.
74 実測値:C46.68、H6.35、N10.88 【0081】 実施例5 10−[2−[[4−[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニル]フェ
ニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩の製造:− A.N−(2,3−ジアセチルプロピル)−4−カルボキシアミドニトロベンゼ
ン 200mlのMeOH中のメチル・4−ニトロベンゾエート(18.1g、100
ミリモル)の溶液に、3−アミノ−1,2−プロパンジオール(18.2g、200
ミリモル)を加え、混合物を24時間還流する。次いで生成物をそのままアセチ ル化する。メタノールを減圧除去する。残渣を100mlのピリジンに溶解し、8
0mlの無水酢酸を加える。溶液を室温で24時間撹拌する。溶液を冷却し、水を
加えて過剰の無水酢酸を分解する。溶媒を減圧除去する。残渣をEtOAc(30
0ml)に溶解し、これをH2O(80ml×2)、10%HCl(150ml)および最後
塩水(150ml)で洗う。有機層を乾燥し、溶媒を除去して、28.3gの標記A
化合物を黄色がかった固体(87.3ミリモル)で得る。m.p.101.5〜10
2.8℃。 元素分析(C141627として) 計算値:C51.85、H4.97、N8.64 実測値:C51.69、H5.00、N8.58 【0082】 B.N−(2,3−ジアセチルプロピル)−4−カルボキシアミドアニリン 120mlのEtOAc中の上記A化合物(12g、37ミリモル)の溶液を、5%
Pd/C(1.2g)と混合する。溶液を45psi圧にて、圧力が一定値に低下する
まで水素添加する。次いで固体を濾過する。濾液を濃縮乾固し、10.8gの標
記B化合物を泡状液体で得る(36.7ミリモル)。 TLC(シリカゲル、EtOAc、UVで可視),Rf=0.70 【0083】 C.4−[(クロロアセチル)アミノ]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−
1−ベンゼンカルボキサミド 120mlの無水DMA中の上記B化合物(9.3g、31.6ミリモル)の冷却
溶液に、クロロアセチルクロリド(5.3g、46.9ミリモル)を加える。溶液
を室温で1時間撹拌する。混合物を冷却し、20mlの飽和NaHCO3水溶液を加
え、混合物を減圧濃縮する。残渣を200mlのEtOAcに溶解し、H2O(50ml
×2)および塩水(50ml)で抽出する。有機層を無水MgSO4上で乾燥し、蒸発
乾固する。アセテート基を脱保護するため、残渣を130mlのMeOHに溶解す
る。この溶液に、5mlのMeOH中のNa230mgの溶液を加える。これを室温で
1時間撹拌する。Dowex50(H+型)をpH7まで加える。樹脂を濾別し、溶液を
50ml容まで濃縮する。生成物を結晶化して、6.2gの標記C化合物(21.6 ミリモル)を固体で得る。m.p.184.6〜185.5℃。 元素分析(C121524Clとして) 計算値:C50.40、H5.39、N9.48、Cl12.00 実測値:C50.78、H5.28、N9.59、Cl12.19 【0084】 D.10−[2−[[4−[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニル]
フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(6.0g、13.5ミリモル)を200mlのH2Oに溶解
し、溶液のpHを10N−NaOHの添加で9.8に調整する。この溶液に85℃
にて、200mlのEtOH中の上記C化合物(5.8g、20.2ミリモル)の溶液
を45分にわたって加える。5N−NaOHを加えて、pH9.8に維持する。反
応が進むにつれて、混合物は透明に変化する。混合物を85℃で26時間加熱す
る。溶媒を減圧除去する。粗物質を500mlのH2Oに溶解し、2lカラムのCH
P−20P樹脂に付す。カラムをEt3NH+CO3-緩衝剤の5mM〜10mM(そ
れぞれ4l)、次いで100mM〜200mM(それぞれ1l)の勾配で溶離する。所
望化合物を含有する画分をコンバインし、減圧濃縮する。標記D化合物(6.1g
)をモノトリエチルアンモニウム塩(8.8ミリモル)で得る。 元素分析(C3255710・0.29H2Oとして) 計算値:C54.67、H7.97、N13.95 実測値:C54.71、H8.14、N13.94 【0085】 E.10−[2−[[4−[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]カルボニル]
フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩 700mg(1.0ミリモル)の上記D化合物(モノトリエチルアンモニウム塩)を
10mlのH2Oに溶解し、溶液のpHを希AcOHの添加で4.5に調整する。こ
の溶液に、15mlのH2O中のGd(OAc)3・4H2O(540.4mg、1.3ミリ
モル)の溶液を加える。混合物を45℃で24時間撹拌する。次いで溶液を10 0mlに希釈し、600mlカラムのCHP−20樹脂に付す。カラムをH2O、次
いでEtOH量を5〜20%に増大して溶離する。所望生成物を含有する画分を
コンバインし、これを蒸発して、300mgの純粋な標記化合物(0.40ミリモ
ル)を得る。 元素分析(C2637710Gd・0.82H2Oとして) 計算値:C40.79、H5.09、N10.98 実測値:C40.81、H5.14、N10.91 【0086】 実施例6 10−[N−(4−ニトロフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テトラア
ザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩の製造:− A.10−[N−(4−ニトロフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テ
トラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸 水(30ml)中のDO3A(5.8g、16.8ミリモル)の溶液のpHを、50℃
にて10N−NaOHの添加で10に調整し、これにDMSO(30ml)中に2−
クロロ−4'−ニトロアセトアニリド(3g、14ミリモル)の溶液をゆっくりと加
える。反応液を50〜60℃に維持し、pH10で54時間保持する。黄色沈澱
物を濾別し、水(150ml)に溶解する。得られる溶液のpHを、1.0N−HCl
の添加で約2に調整する。次いで溶液を600mlカラムのCHP−20P樹脂に
付す。カラムを順次、水(3l)、5%EtOH/水(1l)、10%EtOH/水(1l
)および20%EtOH/水(1.5l)で溶離する。所望化合物を含有する画分を
コンバインし、減圧濃縮して、黄色の標記A化合物(2.6g)を得る。 元素分析(C223269・1.30H2Oとして) 計算値:C48.23、H6.36、N15.34 実測値:C47.94、H6.48、N15.72、H2O4.26 【0087】 B.10−[N−(4−ニトロフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩 水(5ml)に懸濁した上記A遊離酸(580mg、1.114ミリモル)を65℃に て、水(3.5ml)中の酢酸ガドリニウム(602mg、1.48ミリモル、1.3
3当量)で処理する。これらの出発物質を混合すると、溶液は均一になるが、2
5分後に、淡黄色固体が析出する。濾過および固体を水(2ml×2)で洗って、標
記化合物(470mg)を得る。 元素分析(C222969Gd・0.69H2Oとして) 計算値:C38.23、H4.43、N12.16 実測値:C38.34、H4.48、N12.09、H2O1.80% 【0088】 実施例7 10−[N−(4−アミノフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テトラア
ザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩の製造:− A.10−[N−(4−アミノフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノトリエチルアンモニウム塩 水(150ml)中の実施例6A化合物(5.3g、10.1ミリモル)の溶液のpH
を、10N−NaOHの添加で7.0に調整し、これに10%Pd/C触媒(2.
17g、1.0ミリモルのPd)を加える。溶液を水素雰囲気下(20〜25psi)、
室温で3時間水素添加する。次いで反応混合物を濾過して、触媒を除去する。濾
液を濃縮し、5×20cmカラムのDEAEセファデックス(Sephadex)樹脂に付す
。カラムを5mM、10mM、25mM、40mM、80mMおよび100mMの重炭
酸トリエチルアンモニウム緩衝剤(各1l)で溶離する。所望化合物を含有する画
分をコンバインし、濃縮して4.2gの標記Aモノトリエチルアンモニウム塩を
得る。 【0089】 B.10−[N−(4−アミノフェニル)アセトアミド]−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩 MeOH(95ml)および水(18ml)中の上記A化合物(3.39g、5ミリモル)
の溶液に、10%Pd/C触媒(1.06g、0.5ミリモルのPd)を加える。溶
液を水素雰囲気下(20〜25psi)、室温で10時間水素添加する。次いで触媒
を含有する溶液を濾過する。濾液を蒸発乾固後、残渣をMeOH(30ml)より結 晶化して、標記化合物(3.04g)を得る。 元素分析(C223327Gd・4.18H2Oとして) 計算値:C36.49、H5.48、N11.61 実測値:C36.22、H5.41、N11.41、H2O10.4% 【0090】 実施例8および9 10−[N−[4−(イソチオシアナト)フェニル]アセトアミド]]−1,4,7,1
0−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム塩およ
び10−[N−[4−(N'−メチルチオウレイド)フェニル]アセトアミド]−1,4
,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガドリニウム
塩の製造:− H2O(7.5ml)中の実施例7化合物(194.7mg、0.3ミリモル)の溶液
に、CHCl3(6ml)中のチオホスゲン(138mg、1.2ミリモル)の溶液を加え
る。二相混合物を室温で撹拌して、化合物を完全に消費せしめる。水性層(pH1
.0〜1.5)を分離し、CHCl3層を水(1ml×2)で洗う。コンバインした水
性層を1N−NaOHで処理して、形成する標記実施例8化合物溶液のpHを6.
0に調整する。次いでメチルアミン(18.04mg、0.58ミリモル)を加え、
反応混合物を10分間撹拌する。得られる溶液をカラムに充填し、水およびエタ
ノールで溶離する。10%エタノールで所望の標記実施例9化合物を溶出して、
所望生成物(129mg)を得る。 元素分析(C243477Gd・2.99H2Oとして) 計算値:C37.16、H5.19、N12.64 実測値:C37.00、H5.16、N12.39、H2O6.94% 【0091】 実施例10 10−[N−[4−(N',N'−ジエチルチオウレイド)フェニル]アセトアミド]
−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガド
リニウム塩の製造:− H2O(15ml)中の実施例7の標記ガドリニウムキレート(324mg、0.5ミ リモル)の溶液に、CHCl3(10ml)中のチオホスゲン(230mg、2ミリモル)
の溶液を加える。二相混合物を室温にて、キレートが完全に消費されるまで撹拌
して、実施例8イソチオシアナト生成物の溶液を得る。水性層(pH1.0〜1.
5)を分離し、CHCl3層を水(2ml×2)で洗う。コンバインした水性層を1N
−NaOHで処理して、イソチオシアナト溶液のpHを6.0に調整する。次いで
ジエチルアミン(73.1mg、1.0ミリモル)を加え、反応混合物を10分間撹
拌する。得られる溶液をCHP−20Pカラムに充填し、水およびエタノールで
溶離する。10%エタノールで所望化合物を溶出して、標記化合物(286mg)を
得る。 元素分析(C274077SGd・2.31H2Oとして) 計算値:C40.26、H5.58、N12.17 実測値:C40.30、H5.71、N11.99、H2O5.16% 【0092】 実施例11 10,10'−[[[[[(1,2−エタンジイル)ジイミノ]ビス(チオキソメチル)ジ
イミノ]−ビス(4,1−フェニレン)]ジイミノ]−ビス(2−オキソ−2,1−エタ
ンジイル)]ビス[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢
酸]・ガドリニウム(1:2)塩の製造:− 実施例8、9および10と同様にして、実施例8イソチオシアナト誘導体溶液
を製造する。この溶液に、水(1.0ml)に溶解したエチレンジアミン(11.2m
g、0.19ミリモル)を加える。得られる混合物のpHを最初10.04に上げ
、次いで3時間の撹拌後に7.88に下げる。濃水酸化アンモニウムを用いて、
過剰の実施例8キレートを浄化する(clean up)。水および水酸化アンモニウムの
除去後に得られる粗生成物を、CHP−20P(75〜150μ)クロマトグラフ
ィー(2.5×20cm)で精製する。所望生成物を10%エタノールで溶出して、
二量体のガドリニウムキレート(150mg)を得る。 元素分析(C486614142Gd2・2.19H2Oとして) 計算値:C38.92、H4.79、N13.24、S4.33 実測値:C39.07、H4.77、N13.19、S3.95、H2O2.6 6% 【0093】 実施例12 N,N'−ビス[N"−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4
,7−トリ酢酸)−1−オキソエチル]アミノフェニル]チオ尿素・ガドリニウム(
1:2)塩の製造:− 前記実施例8イソチオシアナト溶液に、水(0.5ml)に溶解した実施例7化合
物(194.7mg、0.3ミリモル)を加える。反応混合物を室温で10時間撹拌
する。得られる溶液をCHP−20Pカラムに付す。カラムをH2O、2%,4%
および6%のEtOHで順次溶離する。所望化合物を6%のEtOHで溶離して、
標記化合物(259mg)を得る。 元素分析(C45601214SGd2・4.37H2Oとして) 計算値:C38.11、H4.88、N11.85 実測値:C38.35、H5.03、N11.80、H2O5.55% 【0094】 実施例13 10,10'−[[[[[[イミノトリス(1,2−エタンジイル)トリイミノ]トリス(
チオキソメチル)]トリイミノ]トリス−(4,1−フェニレン)]トリイミノ]−トリ
ス(2−オキソ−2,1−エタンジイル)]トリス[1,4,7,10−テトラアザシク
ロドデカン−1,4,7−トリ酢酸]・ガドリニウム(1:3)塩の製造:− 前記実施例8イソチオシアナト溶液に、水(0.5ml)に溶解したトリス(2−
アミノエチル)アミン(19.7mg、0.135ミリモル)を加える。得られる混
合物のpHは混合時に10.10を示し、18時間の撹拌後に7.88に下がる
。濃水酸化アンモニウムを加えて、過剰実施例8化合物の反応を抑える。水およ
び水酸化アンモニウムの除去後に得られる粗生成物を、CHP−20P(75〜
150μ)クロマトグラフィー(2.5×20cm)で精製する。所望生成物を20
%エタノールで溶離して、三量体のガドリニウムキレート(230mg)を得る。 元素分析(C7510522213Gd3・6.92H2Oとして) 計算値:C38.44、H5.11、N13.15、S4.10 実測値:C38.75、H5.09、N13.14、S3.76、H2O5.3
2% 【0095】 実施例14 10−[2−[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]−2−オキソエチル]
−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノガド
リニウム塩の製造:− A.2−クロロ−N−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アセトアミド 無水DMA(50ml)およびEt3N(3.0g、29.7ミリモル)中のp−ニトロ
フェネチルアミン・塩酸塩(6.0g、29.7ミリモル)の溶液に、クロロアセ
チルクロリド(6.71g、59.4ミリモル)を加える。反応混合物を室温で2
時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcに溶解し、溶液を水性NaH
CO3(30ml)および塩水(30ml)で洗う。有機層を乾燥し、溶媒を除去して、
粗生成物を黄色固体で得る。この物質を温EtOAc/ヘキサン(10:1)より再
結晶して、標記Aアニリドを白色結晶(5.5g)で得る。 元素分析(C10112ClO3として) 計算値:C49.50、H4.57、N11.54、Cl14.61、O19.
78 実測値:C49.74、H4.50、N11.12、Cl14.35 【0096】 B.10−[2−[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]−2−オキソエ
チル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸 DO3Aスルフェート(6.0g、13.5ミリモル)をH2O(100ml)に溶解
し、溶液のpHを10N−NaOHの添加で9.5に調整する。この溶液に80℃
にて、EtOH(80ml)中の上記A化合物(5.5g、22.7ミリモル)の溶液を
30分にわたって加える。5N−NaOHを加えてpHを9.5に維持する。混合
物を80℃で48時間加熱し、溶媒を減圧除去する。固体をH2O(200ml)に
溶解し、EtOAc(50ml×2)で洗う。水性層を40℃にて水ポンプで蒸発して
、痕跡量のEtOAcを除去する。溶液を600mlに希釈し、1.5lカラムのD EAEセファデックス樹脂に付す。カラムをEt3NH+CO3-緩衝剤の5mM〜
10mM(それぞれ4l)、次いで100mM〜200mM(それぞれ1.5l)の勾配
で溶離する。所望化合物を含有する画分をコンバインし、減圧濃縮する。標記B
化合物(7.67g)をモノトリエチルアンモニウム塩で得る。 【0097】 C.10−[2−[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]−2−オキソエ
チル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸・モノ
ガドリニウム塩 上記B化合物(モノトリエチルアンモニウム塩、65.3mg、0.1ミリモル)
をH2O(5ml)に溶解し、溶液のpHを希HOAcの添加で4.5に調整する。こ
の溶液に、H2O(5ml)中のGd(OAc)3・4H2O(52.8mg、0.13ミリモ
ル)の溶液を加える。混合物を室温で1時間撹拌する。次いで溶液を400mlカ
ラムのCHP−20樹脂に付し、溶離剤としてEtOH/H2O(0〜15%)を用
いる。所望化合物を含有する画分をコンバインし、溶媒を除去して、標記化合物
をモノガドリニウム塩(450mg)を得る。 元素分析(C24336GdO9・1.93H2Oとして) 計算値:C38.88、H5.01、N11.33、Gd21.21、O23.
57 実測値:C38.81、H5.15、N11.40

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 常磁性金属イオンと錯合したアミノカルボキシレート配位子
    から成り、該アミノカルボキシレート配位子は、式: 【化3】 [式中、A1は−(CH2)m'−または単結合; (CH2)mおよび(CH2)m'は個別にアルキルまたはヒドロキシアルキルで置換
    されていてよい; R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、−NO2、−NH2、 【化2】 NR3COR9、ここでR9はアルキルまたはヒドロキシアルキル、但し、R1とR
    2の少なくとも一方は水素を除く; R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキル、アリ
    ール、アルコキシまたはヒドロキシアルキル; R12は水素、アルキルまたはヒドロキシアルキル; R13は水素、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシまたはヒド
    ロキシアルキル; mおよびm'はそれぞれ独立して1〜5である] で示される化合物またはその多量体であることを特徴とする診断剤。 【請求項2】 常磁性金属イオンがガドリニウムである請求項1に記載の診
    断剤。 【請求項3】 式: 【化6】 [式中、A1は−(CH2)m'−または単結合; (CH2)mおよび(CH2)m'は個別にアルキルまたはヒドロキシアルキルで置換
    されていてよい; R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、−NO2、−NH2、−NCS、 【化7】 またはNR3COR9、ここでR9はアルキルまたはヒドロキシアルキル、但し、
    1とR2の少なくとも一方は水素を除く; R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキル、アリ
    ール、アルコキシまたはヒドロキシアルキル; R12は水素、アルキルまたはヒドロキシアルキル; R13は水素、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシまたはヒド
    ロキシアルキル; mおよびm'はそれぞれ独立して1〜5である] で示される化合物。 【請求項4】 R1およびR2がそれぞれ、 【化8】で、各R3基がヒドロキシアルキルである請求項3に記載の化合物。 【請求項5】 R1およびR2がそれぞれ、 【化9】 、各R4基が水素である請求項3に記載の化合物。 【請求項6】 R1およびR2がそれぞれ、 【化10】 である請求項3に記載の化合物。 【請求項7】 R1およびR2がそれぞれ、 【化11】 である請求項3に記載の化合物。 【請求項8】 10−[2−[[3,5−ビス[[(2,3−ジヒドロキシプロピル
    )アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−
    テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求項3に記載の化合物
    。 【請求項9】 請求項8の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項10】 10−[2−[[3,5−ビス[[[2−ヒドロキシ−1−(ヒド
    ロキシメチル)エチル]アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル
    ]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求
    項3に記載の化合物。 【請求項11】 請求項10の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項12】 10−[2−[メチル[3,5−ビス[[(2−メチルブチル)ア
    ミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テト
    ラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求項3に記載の化合物。 【請求項13】 請求項12の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項14】 10−[2−[[4−[[(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミ
    ノ]カルボニル]フェニル]アミノ]−2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラ
    アザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求項3に記載の化合物。 【請求項15】 請求項14の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項16】 10−[N−(4−ニトロフェニル)アセトアミド]−1,4
    ,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求項3に
    記載の化合物。 【請求項17】 請求項16の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項18】 10−[N−(4−アミノフェニル)アセトアミド]−1,4
    ,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である請求項3に
    記載の化合物。 【請求項19】 請求項18の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項20】 10−[N−[4−(イソチオシアナト)フェニル]アセトア
    ミド]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸である
    請求項3に記載の化合物。 【請求項21】 請求項20の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項22】 10−[N−[4−(N'−メチルチオウレイド)フェニル]ア
    セトアミド]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸
    である請求項3に記載の化合物。 【請求項23】 請求項22の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項24】 10−[N−[4−(N',N'−ジエチルチオウレイド)フェ
    ニル]アセトアミド]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−
    トリ酢酸である請求項3に記載の化合物。 【請求項25】 請求項24の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項26】 請求項3に記載の化合物の多量体。 【請求項27】 10,10'−[[[[[(1,2−エタンジイル)ジイミノ]ビス(
    チオキソメチル)ジイミノ]−ビス(4,1−フェニレン)]ジイミノ−ビス(2−オ
    キソ−2,1−エタンジイル)]ビス[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
    −1,4,7−トリ酢酸]である請求項26に記載の多量体。 【請求項28】 請求項27の多量体のガドリニウム錯体。 【請求項29】 N,N'−ビス[N"−[2−(1,4,7,10−テトラアザシ
    クロドデカン−1,4,7−トリ酢酸)−1−オキソエチル]アミノフェニル]チオ
    尿素である請求項26に記載の多量体。 【請求項30】 請求項29の多量体のガドリニウム錯体。 【請求項31】 10,10'−[[[[[[イミノトリス(1,2−エタンジイル)
    トリイミノ]トリス(チオキソメチル)]−トリイミノ]トリス−(4,1−フェニレ
    ン)]トリイミノ]−トリス(2−オキソ−2,1−エタンジイル)]トリス[1,4,7
    ,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸]である請求項26に記
    載の多量体。 【請求項32】 請求項31の多量体のガドリニウム錯体。 【請求項33】 10−[2−[[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ]
    −2−オキソエチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−
    トリ酢酸である請求項3に記載の化合物。 【請求項34】 請求項33の化合物のガドリニウム錯体。 【請求項35】 金属原子と式: 【化12】 [式中、A1は−(CH2)m'−または単結合; (CH2)mおよび(CH2)m'は個別にアルキルまたはヒドロキシアルキルで置換
    されていてよい; R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、−NO2、−NH2、−NCS、 【化13】 またはNR3COR9、ここでR9はアルキルまたはヒドロキシアルキル、但し、 R1とR2の少なくとも一方は水素を除く; R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキル、アリ
    ール、アルコキシまたはヒドロキシアルキル; R12は水素、アルキルまたはヒドロキシアルキル; R13は水素、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシまたはヒド
    ロキシアルキル; mおよびm'はそれぞれ独立して1〜5である] で示される金属キレート化配位子またはその多量体との錯体、またはその医薬的
    に許容しうる塩。 【請求項36】 R1およびR2がそれぞれ、 【化14】 で、各R3基がヒドロキシアルキルである請求項35に記載の錯体。 【請求項37】 R1およびR2がそれぞれ、 【化15】 で、各R3基が 【化16】 および−CH(CH2OH)2から選ばれ、各R4基が水素である請求項35に記載
    の錯体。 【請求項38】 R1およびR2がそれぞれ、 【化17】 である請求項35に記載の錯体。 【請求項39】 R1およびR2がそれぞれ、 【化18】である請求項35に記載の錯体。 【請求項40】 金属原子が原子番号56〜83を持つものである請求項3
    5に記載の錯体。 【請求項41】 金属原子がガドリニウム(III)である請求項35に記載
    の錯体。 【請求項42】 式: 【化19】 【化20】または [式中、Xは 【化21】 、Qは請求項1に記載の式Iaのアミノカルボキシレート核、その他の記号につ
    いては請求項1に記載と同意義である] から選ばれる多量体。

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