JP2537576B2 - 鉄骨柱の柱頭レベル調整装置および調整方法 - Google Patents

鉄骨柱の柱頭レベル調整装置および調整方法

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JP2537576B2
JP2537576B2 JP3176873A JP17687391A JP2537576B2 JP 2537576 B2 JP2537576 B2 JP 2537576B2 JP 3176873 A JP3176873 A JP 3176873A JP 17687391 A JP17687391 A JP 17687391A JP 2537576 B2 JP2537576 B2 JP 2537576B2
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章 阿部
喜雄 河口
宏 馬場
博彦 松崎
徳章 森
三郎 原田
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Mitsui Construction Co Ltd
Kajima Corp
IHI Corp
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Mitsui Construction Co Ltd
Kajima Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に超高層鉄骨構造
における鉄骨柱の柱頭レベル調整装置および調整方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超高層建物の柱には鋼管などか
らなる鉄骨柱が使用され、また、建物の高さに応じて複
数本の鉄骨柱を溶接によって上方向に接合しながら上下
に重ねることにより最上階まで連続する1本の鉄骨柱に
構築されている。また、上下鉄骨柱は裏当金を使用し
た、いわゆる裏波溶接によって一体的に接合されている
(図6参照)。
【0003】ところで、この種の鉄骨柱の構築に際し、
各鉄骨柱の建て付けと同時に柱頭レベルの調整が行われ
る。
【0004】従来、この種の鉄骨柱の柱頭レベルの調整
方法としては、建て方中の鉄骨柱の柱頭レベルを、それ
より3〜5段上の柱に反映させるべく鉄骨製作工場にお
いて鉄骨柱の端部を削る切削加工を待機させる方法と、
柱頭レベルの測定データをもとに、あらかじめ用意され
たフィラープレートを適切な時期にセットする方法とが
一般に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような鉄
骨柱の柱頭レベルの調整方法では、工場における製作工
程の絡みなどの理由により、建て付け直後の鉄骨柱の柱
頭レベルを次の柱頭レベルの調整に反映できず、3〜4
段後の鉄骨柱にしか反映できないため、誤差の累積が大
きくなり、手直しすべき部分が多く発生するなどの課題
があった。また、工場における鉄骨柱の製作および現場
における建て方工程に支障を来すなどの課題もあった。
【0006】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、鉄骨柱の柱頭レベルの調整を、柱の製
作および建て方工程に支障を来すことなく簡単に、か
つ、効率的に行えるようにした鉄骨柱の柱頭レベル調整
装置および調整方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項第
1項記載の柱頭レベルの調整装置は、複数本の鉄骨柱の
下端部に裏波溶接用の開先をそれぞれ形成し、この鉄骨
柱を溶接しながら上下に重ねて連続する1本の鉄骨本柱
を構築する際に、前記鉄骨柱の上端部にそれぞれ取り付
けられる複数枚の水平プレートと、前記鉄骨柱の下端部
にそれぞれ取り付けられる複数個のレベル調整ナット
と、このレベル調整ナットに螺合され、前記鉄骨柱を上
下方向に移動させる複数個のレベル調整ねじとを備えて
構成されている。
【0008】この発明に係る請求項第2項記載の柱頭レ
ベルの調整方法は、複数本の鉄骨柱の下端部に裏波溶接
用の開先をそれぞれ形成し、この鉄骨柱を溶接しながら
上下に重ねて連続する1本の鉄骨本柱を構築する際に、
前記鉄骨柱の上端部にそれぞれ取り付けられる複数枚の
水平プレートと、前記鉄骨柱の下端部にそれぞれ取り付
けられる複数個のレベル調整ナットと、このレベル調整
ナットに螺合され、前記鉄骨柱を上下方向に移動させる
複数個のレベル調整ねじとを備え、前記レベル調整ねじ
をその下端部を下側に位置する前記水平プレートに当接
させた状態で回して前記鉄骨柱を上下方向に移動するこ
とにより各鉄骨柱の柱頭レベルを調整することを特徴と
する。
【0009】
【作用】この発明に係る鉄骨柱の柱頭レベル調整装置お
よび調整方法は、鉄骨柱の建て込みと同時に、レベル調
整ねじをその下端部を下側に位置する水平プレートに当
接させた状態で回して前記鉄骨柱を上下方向に移動させ
ることにより、施工誤差などに伴う累積誤差が大きくな
らないうちに鉄骨柱の柱頭レベルの調整を柱ごとに逐一
行う。
【0010】
【実施例】図1および図2は、この発明に係る鉄骨柱の
柱頭レベル調整装置および調整方法の一実施例を示し、
角形鋼管からなる鉄骨柱1(以下「柱1」という)の下
端部に裏波溶接用の開先2が形成されている。また、各
柱1の上端部には水平プレート1aが溶接することにより
取り付けられている。
【0011】このように形成された複数本の柱1を溶接
しながら上下に重ねることによって最上階まで連続する
1本の鉄骨柱が構築される。
【0012】また、各柱1の下端部の内側部には複数個
のレベル調整ナット3がねじ孔を鉛直にして溶接するこ
とにより取り付けられ、このレベル調整ナット3には柱
1の柱頭レベルを調整するレベル調整ねじ4がそれぞれ
螺合されている。
【0013】レベル調整ねじ4は回すと上下方向に移動
し、したがって、このレベル調整ねじ4を、その下端部
4aを下側に位置する柱1の水平プレート1aに当接させて
回すと、このレベル調整ねじ4が取り付けられている柱
1が上下方向に移動するため、この柱1の柱頭レベルの
調整が可能になる。
【0014】このような構成において、次にこの発明に
係る鉄骨柱の柱頭レベルの調整方法を説明する。
【0015】柱頭レベルの調整に際しては、柱は全長を
設計図どおりに製作する。また、各柱1の下端部の外周
四面に柱頭レベル管理用基準線aを引いておく。さら
に、この柱頭レベル管理用基準線aより測定した位置に
レベル調整ねじ4を設計値どおりに工場にてあらかじめ
セットしておく。すなわち、柱頭レベル管理用基準線a
を基準に各レベル調整ねじ4の先端部を柱1の下端部よ
り突出させておく。
【0016】そして、現場において、既にレベル調整が
完了しかつ溶接固定された、下側に位置する柱1の柱頭
レベルを測定するとともにその結果を検討して、前記柱
の上側に位置する柱1のレベル調整量を決定する。
【0017】次に、調整量の決定に従い、上側に位置す
る柱1のレベル調整ねじ4を再セットし、接着剤などに
よって回転しないように固定して調整作業を完了する。
【0018】図3〜図5は、この発明に係る柱レベル調
整方法の効果を示し、図3は各柱ごとの平均柱頭レベル
の推移を示したものである。
【0019】本工法を採用したB棟では、徐々に柱頭レ
ベルが修正され、13節目では略設計どおりになっている
ことがわかる。また、図4はとなり合う柱の柱頭レベル
差を示したものであるが、本工法によれば、10節目以降
柱頭レベル差が徐々に減少していることがわかる。これ
らは、各柱ごとに柱頭レベルの調整を行ったためであ
る。
【0020】一方、在来工法で施工したA棟では、10節
以後工場において、柱長を短く調整する削り加工が工程
的にできなくなり、結果として、プラス側のレベルとな
り、他の部分の修正手直しが増えることとなった。
【0021】
【発明の効果】この発明に係る鉄骨柱の柱頭レベル調整
装置および調整方法は、以上説明した構成からなるの
で、以下に記載する効果を有する。
【0022】(1) 前節の柱の柱頭レべルのデータを次節
の柱頭レベルの調整に反映させることにより、加工誤
差、施工誤差などに伴う累積誤差が大きくならないうち
に、各鉄骨柱の柱頭レベルの調整を逐一行うことがで
き、また、柱の構築および建て方工程に支障を来すこと
なく簡単に、かつ、きわめて効率的に柱頭レベルの調整
を行うことができる。
【0023】(2) レベル調整ナットやレベル調整ねじな
どの簡単な部品を備えて構成されているので、簡単に製
作できるなどの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鉄骨柱の柱頭レベル調整装置を
示す縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】調整方法の効果を示すグラフである。
【図4】調整方法の効果を示すグラフである。
【図5】従来の鉄骨柱の柱頭レベル調整方法の一例を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1…鉄骨柱、2…開先、3…レベル調整ナット、4…レ
ベル調整ねじ、1a…水平プレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河口 喜雄 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 馬場 宏 東京都杉並区上井草3−30−17 (72)発明者 松崎 博彦 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三井建設株式会社内 (72)発明者 森 徳章 千葉県千葉市中央3丁目9番16号 三井 建設株式会社東関東支店内 (72)発明者 原田 三郎 東京都江東区新砂2丁目3番43号 石川 島播磨重工業株式会社砂町工場内 (56)参考文献 実公 昭54−21541(JP,Y2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の鉄骨柱の下端部に裏波溶接用の
    開先をそれぞれ形成し、この鉄骨柱を溶接しながら上下
    に重ねて連続する1本の鉄骨本柱を構築する際の、前記
    各鉄骨柱の柱頭レベルを調整する鉄骨柱の柱頭レベル調
    整装置において、前記鉄骨柱の上端部にそれぞれ取り付
    けられる複数枚の水平プレートと、前記鉄骨柱の下端部
    にそれぞれ取り付けられる複数個のレベル調整ナット
    と、このレベル調整ナットに螺合され、前記鉄骨柱を上
    下方向に移動させる複数個のレベル調整ねじとを備えて
    なることを特徴とする鉄骨柱の柱頭レベル調整装置。
  2. 【請求項2】 複数本の鉄骨柱の下端部に裏波溶接用の
    開先をそれぞれ形成し、この鉄骨柱を溶接しながら上下
    に重ねて連続する1本の鉄骨本柱を構築する際の、前記
    各鉄骨柱の柱頭レベルを調整する鉄骨柱の柱頭レベル調
    整方法において、前記鉄骨柱の上端部にそれぞれ取り付
    けられる複数枚の水平プレートと、前記鉄骨柱の下端部
    にそれぞれ取り付けられる複数個のレベル調整ナット
    と、このレベル調整ナットに螺合され、前記鉄骨柱を上
    下方向に移動させる複数個のレベル調整ねじとを備え、
    前記レベル調整ねじをその下端部を下側に位置する前記
    水平プレートに当接させて回して前記鉄骨柱を上下方向
    に移動することを特徴とする鉄骨柱の柱頭レベル調整方
    法。
JP3176873A 1991-07-17 1991-07-17 鉄骨柱の柱頭レベル調整装置および調整方法 Expired - Lifetime JP2537576B2 (ja)

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