JP2537112B2 - 差動フロ―ト手段およびそれを有するセンサ手段 - Google Patents

差動フロ―ト手段およびそれを有するセンサ手段

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、差動フロート手段およびそれを有するセン
サ手段に関する。差動フロート手段は、限定されない
が、特に、液体中におけるガスの混入を検知するための
用途に用いられることが予想される。センサ手段は、限
定されないが、特に、冷却システムにおける冷媒液体中
に含まれる過度の冷媒蒸気の混入を検出する用途に用い
られることが予想される。
本発明は、以下の説明においては、冷却システムにお
ける用途を参照として、特に説明されるが、本発明は、
一般的な適応性を有している。たとえば、本発明は、あ
る特定の比重を持つ液体の混入を、それと異なる比重を
有する他の液体中において、検出するために用いること
もできる。
従来技術の説明 冷却システムからの冷媒の損失がある場合には、冷媒
蒸気が、冷却システムにおける低圧側ラインおよび高圧
側ラインの双方において、冷媒液体中に混入するように
なる。このことは、冷却システムにおける冷却の効率お
よび効果を減じることになる。
冷却システムに対し、サイトグラスS(図1参照)を
高圧液体供給ライン(以下、高圧ラインと称する)側に
提供し、冷媒膨張装置から直ちに流れてくる冷媒液体中
における冷媒蒸気の混入の発生を専門家が観察できるよ
うにすることが知られている。サイトグラスSを用いる
ことによる欠点は、混入された蒸気は、検査時に検出さ
れるのみであるということである。専門家によるサイト
グラスSを通しての冷媒の検査によって、冷媒の混入が
観察される以前に、一定量の冷媒は損失することになる
に違いない。また、検査と検査との間の時間により、か
なりの量の冷媒は、専門家が冷媒中に蒸気の泡を観察す
る以前に、冷却システムから漏れるであろう(そのた
め、液体冷媒と共に、蒸気が循環することになる)。
また、冷却システムの正常な動作をモニタするため
に、冷却システムの貯蔵リザーバR内に、液体レベル検
出器を設置することも知られている。その検出器は、液
体の液面が所定のレベル以下になった場合に、アラーム
をトリガー出力するようにセットされている。この検出
器は、所定のレベル付近まで液体の液面が変化したこと
を検出するためのフロートスイッチを有する。その従来
技術に係るフロートスイッチは、貯蔵リザーバR内に存
在する比較的高圧状態下で作動するように設計されてい
る。
高圧ラインにおいて、従来のフロートスイッチを設置
することおよび操作することには、いくつかの困難性が
ある。これは、従来のフロートスイッチでは、液面が検
出されるべき液体中で浮くことができ、さらに比較的高
圧力に耐えることができる要素で構成される必要がある
ことに起因する。それ故に、フロートスイッチの比重
は、液体冷媒の比重よりも依然として小さくなければな
らないと共に、周囲の液体の圧力下で潰されないために
十分な強度を有していなければならない。この目的のた
めに、フロートは、一般に、高圧ラインにおいて経験さ
れる圧力、たとえば2MPaに耐えることができる程度に比
較的厚い肉厚を有し、液体冷媒中で浮くことができる程
度に比較的大きい直径を有する。
このような装置の欠点は、比較的大きいフロートスイ
ッチを正常に動作させるために貯蔵リザーバに対してさ
らに冷媒を加える必要があることである。さらに冷媒を
加えることによるコストの増大は顕著であり、水平に配
置された貯蔵リザーバの場合には、しばしば実用的でな
い。その他の欠点としては、このようなフロートスイッ
チは、高圧ラインにおいて液体冷媒の低いレベルを検知
することができず、そのため、高圧ラインでの液体冷媒
中に含まれる蒸気を検出することはできない。
リザーバにおけるフロートスイッチの位置は、液体冷
媒が渦巻き状に回転する(それは稀ではない)領域にお
いて、フロートスイッチの誤レベル検出が生じ易いとい
う付加的な欠点を有する。そのような場合、フロートス
イッチは、そのフロートスイッチが置かれている渦巻中
の位置に依存して、液体冷媒の実際の量を示すことはで
きない。また、いくつかの冷却システムは、リザーバを
有しない。さらに、フロートスイッチのサイズによって
は、高圧ラインにこれらスイッチを設置することは実用
的ではない。
このように、従来技術によるシステムでは、いずれの
システムでも、冷媒の漏れが検出される以前に、顕著な
冷媒の漏れが生じてしまう可能性がある。
上述した欠点は、高圧ラインにおいて存在する蒸気の
泡を検出することができる装置を設置することによって
解決することができる。本発明においては、実質的に昇
圧された圧力下、たとえばこれまでの冷却システムにお
いては2MPaの圧力下で、作動することが可能な差動フロ
ート手段を内蔵するセンサによって達成される。
本発明の一つの観点によれば、第2の流体が第1の流
体よりも大きな比重を有しており、第2の流体中におけ
る第1の流体の混入を検出することができる差動フロー
ト手段であって、その差動フロート手段が、 チャンバー内に移動可能に位置することができる形状
を持ち、前記第1流体および第2流体の比重よりも大き
い比重を持つフロート部材を有し、 使用に際しては、前記フロート部材が、第2流体中に
おける第1流体の混入を検知するために存在する両流体
の比較量により作用する浮力に基づき、流体の影響下で
二つの位置間を移動することができるように構成される
差動フロート手段を提供する。
本発明のその他の観点によれば、第2の流体が第1の
流体よりも大きな比重を有しており、第2の流体中にお
ける第1の流体の混入を検出することができるセンサ手
段であって、そのセンサ手段が、 前記両流体を接続可能なように上向きに配置されたチ
ャンバーと、 このチャンバー内に移動可能に位置することができる
形状を持ち、前記第1流体および第2流体の比重よりも
大きい比重を持つフロート部材を有する差動フロート手
段とを有し、 使用に際しては、前記フロート部材の浮き上がりを阻
害するように、前記第1流体が第2流体をチャンバー内
から排出することができ、その結果、前記フロート部材
が、第2流体中における第1流体の混入を検知するため
に存在する両流体の比較量により作用する浮力に基づ
き、流体の影響下で二つの位置間を移動することができ
るように構成されるセンサ手段を提供する。
典型的には、アラーム手段が、前記チャンバー内にお
ける二つの位置間の移動に基づく差動フロート手段によ
り作動するように位置する。
好ましくは、フロート部材は、大気圧力を超える圧力
に耐えることができ、しかも比較的小さい剛体あるいは
実質的に剛体である。フロート部材の実際の比重が流体
の比重よりも大きいにもかかわらず、フロート部材を流
体液面フロートとして機能させることを許容すること
は、フロート部材の長さ方向間に介在される軸止の位置
である。しかしながら、軸止のそれぞれの側でフロート
部材に作用する軸止回動力に起因するフロート部材の正
味の比重は、両流体のいずれか一方の比重よりも小さ
く、他方の流体の比重よりも大きい。そのため、フロー
ト手段は、両流体のいずれか一方の存在により浮き上が
り位置に軸止回動し、その他の流体の所定量以上の導入
により非浮き上がり位置に軸止回動する。
典型的には、第2流体は、たとえば液体のように、比
較的高い比重を有し、そして、第1流体は、たとえばガ
スのように比較的低い比重を有しているが、双方の流体
共に液体でも良い。所定量とは、流体中に混入されても
良いガスの最大許容量を示す。
典型的には、フロート部材は、アラーム手段のリード
スイッチを駆動するために、その端部の一方に位置する
磁石を有する。
好ましくは、チャンバーは、いくつかの流体を流体ラ
インからチャンバーへ流れさせることを許容するため
に、流体ラインに接続される入り口を有する。
典型的には、チャンバーは、また、ブリードチューブ
を有し、チャンバーから流体ラインへ戻る流体の比較的
遅い流れを許容している。このブリードチューブにおけ
る流体の流速は、液体中に混入されるガス許容最大量で
チャンバー内のガスの典型的な収集速度に比較して遅く
なるべきである。このことは、チャンバーから流出する
流れが、チャンバー内流体の温度上昇を避ける効果を有
することから、少しの温度上昇により液体中に溶解し易
いガスの場合には、重要である。
好ましくは、アラーム手段は、遅延手段を有し、短い
時間の間における過度の量のガスの発生によりアラーム
をトリガーさせることを防止させる。
図面の簡単な説明 本発明の一実施例となる一実施態様を、添付図面を参照
として以下に説明する。なお、 図1は高圧ラインに設置された差動フロート手段が内
蔵されたセンサ手段を有する冷却システムの概略説明
図、図2は図1のセンサ手段の概略平面図、図3は図1
のセンサ手段を上方側から見た斜視図、図4は図1のセ
ンサ手段のアラーム手段の回路ダイヤグラム図、図5a,5
b,5cは、それぞれセンサ手段の絞り機の平面図、部分断
面図、および部分拡大断面図である。
好ましい実施例の説明 図2,3においては、チャンバー14を画するハウジング12
を有するセンサ10と、前記チャンバー内に位置する差動
フロート16と、差動フロートにより作動されるアラーム
18とが示してある。
ハウジング12は、たとえばアルミニウムのような非鉄
金属材料で構成される。ハウジング12は、また、導管22
により結合される二つのポート20を有している。各ポー
ト20には、図1に示す冷却システムの流体ライン24に接
続するためのネジ部が形成してある。冷却システム26
は、サイトグラスSと、その下流側に位置し、冷却庫か
ら熱を吸収するエバポレータEに対して接続された冷媒
膨張装置Xとを有する。コンプレッサCは、エバポレー
タEからの冷却ガスを受取り、高圧ガスを作り出し、高
圧ガスは、コンデンサCDにより液化され、フィルター乾
燥機Fを通して高圧ライン24へ供給し、センサ10を通し
てサイトグラスS方向へ戻すために、貯蔵リザーバR内
に貯蔵される。
ハウジング12は、また、チャンバー14へ通じる導管22
に対して接続する導管28を有する。この導管28は、チャ
ンバー14への入口として作用する。このチャンバー14
は、後述するように、チャンバー14内に集められるガス
に対して連通するように配置された二つの出口30を有す
る。特に図3に示すように、ハウジング12は、チャンバ
ー14を密封するためのボルト34により固定されたカバー
32を有する。カバー32には、溝がチャンバー14の周囲に
対して連続して伸びるように配置してある。この溝には
Oリングが収容される。
従来からのサイトグラスSは、カバー32に位置する穴
内にネジ結合され、チャンバー14の内部の視覚的検査を
許容するようになっている。このサイトグラス40には、
典型的には、従来からの湿気インジケータが装着され
る。図2に示すように、ハウジングはアラーム18を受け
るような寸法の凹部42も有している。その他のカバー44
(図3参照)が前記凹部42を密封するように装着してあ
る。そのカバー44には、アラーム18の状態表示LED45a,4
5b,45cを受ける三つの穴が装着してある。凹部42は、チ
ャンバー14に伸びる空洞46を有する。その空洞46は、ア
ラーム18のリードスイッチを収容するような寸法で構成
される。ハウジング12は、また、後述するように、アラ
ーム18と外部アラームまたは監視システム相互間の電気
ケーブルを収容するために、それぞれグランドパッキン
押え(図示せず)が装着された二つのアクセスポート50
を有する。
図2に示すように、差動フロート16は、延長フロート
部材54を有し、本実施例では、延長フロート部材54は、
実質的にクリケットのバット形状を有し、それが動作す
るように置かれた液体中ではそれ自身では浮くことがで
きないようになっている。そのフロート16は、また、フ
ロート部材54の長さ方向間位置に軸止56を有する。その
軸支56は、フロート部材54の厚肉端部60よりも薄肉端部
58に対して近くに位置する。リード磁石62が、前記薄肉
端部58の位置でフロート部材54に対して作り込まれてい
る。軸止56は、空気中では、フロート部材54が重力の作
用下で回動し、厚肉端部60が最下限に位置するように配
置される。そのリード磁石62および薄肉端部58の作用
は、チャンバー14への液体冷媒の導入が、実線で示す実
質的水平位置までフロート部材54を回動させようとする
厚肉端部60に対する上方回動力を生成させることであ
る。その上方浮力は、リード磁石62およびフロート部材
54の薄肉端部58の重力によって生成される釣合バランス
力により補助される。これらの二つの力は、フロート部
材54の厚肉端部60の重力により生成される逆軸止回動力
によって反作用される。その結果、軸止56の位置を適切
にすることにより、液体がチャンバー14内に存在する際
に、フロート部材54が、最初の実質的水平位置まで回動
することができ、しかも、チャンバー14がガスで満たさ
れた際、あるいは所定量を超える量のガスがチャンバー
内に含まれた際に、仮想線で示す第2の下方配置位置ま
で回動するように構成してある。
好ましくは、薄肉端部58は、液体中へのガスの混入を
検出するために、薄肉端部60よりも実質的に大きな比重
を有する。たとえば薄肉端部58は、約7の比重を有する
ことができ、厚肉端部60は約1.2の比重を有することが
できる。
フロート部材54は、たとえば2MPaあるいはそれ以上の
実際の圧力に耐えることができるように構成される。こ
のことは、剛性材料片からフロート部材を成形すること
によって達成される。本実施例では、そのフロート部材
54は、ナイロン11から作られ、実際の圧力に耐えること
ができ、しかも冷媒により腐食されることも比較的な
い。したがって、センサー10が作動することができる圧
力は、ハウジング12の強度により制限され、フロート部
材54がもし仮に従来からのフロート部材であれば、それ
が破壊されるであろう圧力には制限されない。フロート
部材54は、その長さにおいて、たとえば約100mm程度に
比較的小さくすることができる。したがって、そのフロ
ート部材54は、それ自身では、液体冷媒により、浮き上
げられることはできない。しかしながら、フロート部材
54の厚肉端部60の浮き上がりは、前述したリード磁石62
および薄肉端部58の釣合バランス効果により達成され
る。
チャンバー14は、前記第1位置と第2位置との間でフ
ロート部材54の好ましい回動動作を実質的に許容する形
状を有することに留意すべきである。そのチャンバー14
は、第1位置および第2位置で、チャンバー14内の側壁
のそれぞれの上方および下方領域に対して、フロート部
材54を押し付けることを許容する形状である。このこと
は、第1位置および第2位置に位置する際に、フロート
部材54を比較的安定状態にするという効果を有する。し
たがって、チャンバー14内における流体の存在あるいは
不存在を検出するためのフロート部材54の能力は、全く
正確になる。
従来からの絞りチューブが、出口30の内の一つとポー
ト20へ案内する二つの戻りライン64の内の一つとの間を
連結し、センサ10の下流側の流体ライン24へ向い、チャ
ンバー14の内部の比較的穏やかな排液を許容するように
なっている。絞りチューブは、600mmの長さの1.8mmキャ
ピラリー冷却チューブで形成されて良い。絞りチューブ
の直径および長さは、それを通しての流体の流速が、チ
ャンバー14内に対して流れ込む流体の流速に比較して非
常に小さくなるように選択される。逆止弁66が、下流側
ポート20内に位置され、流体ライン24の上流部分と流体
ライン24の下流部分との間で、比較的小さな圧力降下を
生じさせるようになっている。このことは、絞りチュー
ブを通して流体ライン24の下流部分へ至るチャンバー14
からの流体の流れを可能にするブリードチューブとして
動作する効果を有する。このような流れは、冷媒ガスが
集められた後で、低速でチャンバー14から冷媒ガスを取
り除くことを可能にする必要がある。そうでなければ、
いくつかの状態下では、チャンバー内の冷媒ガスが残留
することなく、これが、高圧ラインにおいて冷媒ガスが
数分間通常存在する冷却システム26のスタートアップ時
に、アラーム18の誤トリガー検出を引き起こさせる。図
4に示すように、アラーム18は、電力供給部68、電圧調
節器70、時間遅延回路72、しきい値検出器74およびリレ
ー76を有する。電力供給部68は、主電源供給に対して接
続された変圧器80を有している。全波整流ブリッジ整流
器82が変圧器80の二次側に接続してある。DC(直流)電
圧平準化キャパシタ84がブリッジ整流器82の出力側に接
続され、約15ボルトのDC電力を供給するようになってい
る。電圧調節器70は、12ボルトに減圧された電圧の出力
を有する直列調節器86を有する。二つのAC(交流)リプ
ル阻止キャパシタ88および89が、直列調節器86に対して
供給されている。直列調節器86の出力は、時間遅延回路
72に対してリードスイッチ48を介して接続してある。時
間遅延回路72は、典型的にはそれぞれ、100kΩ、1MΩ、
470μFの値を有する抵抗92および94およびキャパシタ9
6で構成される充電回路90を有する。抵抗94は、好まし
くは、可変タイプの抵抗であり、充電回路90は、約1分
から約11分までの可変時定数を有する。時間遅延回路72
は、また、ダイオード100と抵抗102とから成る放電回路
98を有し、ダイオード100は、抵抗102に対してバイアス
となる。抵抗102は、560Ωの値を持ち、放電回路98が約
0.15秒の時定数を持つようになっている。
しきい値検出器74は、相互に連絡されたトリガーピン
2およびしきい値ピン6と、制御電圧ピン5と、フロー
ティングの放電ピン7とを有する555タイマー内に都合
良く埋め込まれている。トリガーピン2およびしきい値
ピン6は、充電回路90と放電回路98との間の接続104に
接続してある。しきい値検出器74は、ピン2および6の
電圧が、調節器86からの電圧の2/3を超える時に、555タ
イマーの出力ピン3が低能動にセットされるように構成
してある。リレー76は、出力ピン3によって駆動され、
ピン2および6での電圧が供給電圧の2/3を超える時
に、このように能動するようになっている。リレー76
は、外部アラーム(図示せず)を能動させる配線に接続
するリレーを持つ。アラーム18における三つの状態表示
LEDは、低レベル状態表示LED45a、電源オン状態表示LED
45bおよびアラーム状態表示LED45cである。低レベル状
態表示LED45aは、リードスイッチ48の閉接に基づき直ち
に能動されるように、配線してある。電源オンLED45bと
アラームLED45cは、双方共に、しきい値検出器74の出力
ピン3に対して結合され、LED45bまたはLED45cのいずれ
か一つのみあるいはその他を、いずれかの時点で、動作
するようになっている。それ故に、通常動作の間には、
電源オンLED45bが能動され、しかしながら、アラーム状
態が生じた際には、アラームLED45cが能動化される。
出口30とそれぞれの戻りライン64との間を結ぶ、改良
された形の絞り機120を図2および図3に示す。その絞
り機120は、金属ブロック状金属124上に形成された溝12
2によって構成される。本実施例では、その溝はV字形
状であり、約0.9mmの深さを有すると共に、垂直に対し
て約30度の角度で傾斜する側面を有し、側面で挟まれた
角が約120度となる。その溝122は、16の直角曲折部123
を有し、その長さが約100mmとなる。各曲折部123は、そ
の幅の約6倍に、溝122のその部分の長さを増大させる
効果を有する。それ故に、その曲折部は、約100mmの直
線状溝に相当する絞りを誘導する。また、流速が増大す
るにつれて、典型的な直角な関係で、溝122を通しての
冷媒の乱流の増大により、絞りも増大する。90°よりも
狭い曲折部を、より大きい絞り効果のために用いること
もでき、また、より多い曲折部を設けることも、より大
きな絞りを達成するために用いることができる。溝122
における三角状の横断面の鋭い曲折部126は、600mmの長
さおよび1.8mmの直径の従来の絞りチューブに相当す
る、冷媒の流れに対するドラグ抗力およびリストリクシ
ョン絞り効果を引き起こす。
各絞り機120は、ハウジング12に対して絞り機120を密
封するために、溝122の周囲を囲むように、Oリングシ
ール128を有している。絞り機120は、また、ハウジング
12に対して絞り機120を装着するためのボルト132(図1
参照)を受けるための穴130を有している。
絞り機120は、比較的短く、且つ比較的大きい横断面
面積を有しているという利点を有している。それ故に、
異物により封鎖されるおそれが少ない。また、その溝12
2は、かなり丈夫であり、微細チューブのように、振動
により損傷を受けるおそれもない。
その絞り機120は丈夫であり、高絞りを有すると共
に、比較的大きな横断面を有するので、脈動を除去しな
ければならないような所で用いられるゲージ緩衝器とし
て適切に用いられる。その絞り機120は、高絞りが要求
されるような冷媒キャピラリー制御チューブもしくはそ
れに類するものにとって代わるように用いられることが
できる。
図2に示すセンサ10の作用について次に説明する。
使用に際しては、センサ10は、冷却システム26の流体
ライン24内に対して設置される。流体ライン24は液体冷
媒を搬送する高圧流体ラインである。この流体ライン24
は、下流ポート20においてはバルブ66と共に、両ポート
20に対して従来からの結合手段で結合される。変圧器80
は、冷却システム26のリレーのコンプレッサ接続端子に
対して接続され、スイッチ112を介して主電源供給に接
続された一次巻線を有する(図4参照)。そのスイッチ
112は、コンプレッサCを起動するために冷却システム2
6に設けられた典型的な現行の低圧力スイッチである。
リレー76のリレー接続端子は、外部アラームに対して接
続してある。
冷却システム26のスタートアップ時には、電力供給68
に対して電力が供給され、アラーム18に対して電気を通
し続ける。冷却システム26のスイッチを入れ、そのスタ
ートアップ後最初の数分間には、高圧ライン24におい
て、蒸気が存在することが予想され、ほとんどの液体冷
媒がエバポレータEに対して排液され、チャンバー14内
が実質的に冷媒蒸気で満たされることから、フロート部
材54は前記第2位置となる。したがって、リード磁石62
は、リードスイッチ48を能動化させ、低レベルLED45aに
エネルギーを供給し、キャパシタ96の充電を開始させ
る。そのキャパシタ96が充電する一方、しきい値検出器
74のピン2および6に対する電圧が増大する。電圧が増
大するにつれて、冷媒液体は、流体ライン24に沿って吸
い上げられ、チャンバー14を満たし始める。その満たし
ている間に、チャンバー14内の冷媒蒸気は液体冷媒に凝
縮される。チャンバー14内の冷媒液面は、フロート部材
54の厚肉端部を持ち上げ、第1位置へ上方に回動させ、
その回動によりリードスイッチ48を非能動化させる。抵
抗94は、充電回路90の時定数が十分に大きく、冷却シス
テム26が正常動作に到達し、チャンバー14内を液体冷媒
で満たす前までに、しきい値検出器72のピン2および6
での電圧が、供給電圧の2/3にまで到達しない程度に、
時定数が大きくなるように、その値が設定される。典型
的には、この時間間隔は、約1から11分の間であり、冷
却システムの大きさに依存すると共に、その中に用いら
れている冷媒の量に依存する。
第1位置へのフロート部材54の動きにより、リードス
イッチ48が開き、低レベルLED45aは消え、キャパシタ96
はダイオード100を介して抵抗102に放電し始める。
通常動作中には、逆止弁66は、絞りチューブ64に沿っ
て、しかも流体ライン24の下流側へ、チャンバー14内か
らの流体の小規模な流れを引き起こす。この流れは、チ
ャンバー14内で流体の加熱を避けるために好ましい。流
体の加熱は、液体冷媒から蒸気冷媒への蒸気化を引き起
こし、アラーム手段18の誤ったトリガーを引き起こしか
ねない。正常動作中には、蒸気冷媒が液体冷媒中に混入
されることがあるかもしれない。このようなことが生じ
た時には、蒸気はチャンバー14内に上昇し、その内部の
液体冷媒を置き換えさせられることになる。十分な量の
液体冷媒が置き換えられた時には、フロート部材54は第
1位置から第2位置に回動し、タイミングキャパシタ96
の充電を始める。流体ライン24中の泡が比較的短時間の
みに存在し続ける状態では、しきい値検出器74をセット
させる程度に十分には充電されない。しかしながら、充
電回路90により設定された所定の時間を越える時間の
間、液体冷媒中に泡が生じる場合には、しきい値検出器
74の出力ピン3が能動状態に設定され、アラームLED45
c、リレー76および外部アラームにエネルギーを供給す
ることになる。このことは同時に、電源オンLED45bを消
すことになる。いったんトリガーされると、しきい値検
出器74はラッチ保持され、リレー76と外部アラームはそ
の状態を維持する。アラーム10はスイッチ112を開成す
ることによりリセットされることができる。
図2に示すセンサ10は、冷却システム26に使用されて
いる現行のサイトグラスSに対して接続されるように使
用することができる。
本発明のセンサ10は、液体ライン24中の液体の液面を
検出し、所定時間を超える時間の間隔で流体ライン24中
に冷媒ガスが存在する場合にアラームを提供することが
できるという利点を有する。このことは、冷却システム
26からの冷媒の漏れを早い時期で検出することを可能に
している。このことは、冷却システム26の貯蔵リザーバ
R内に残っている液体冷媒の液面を検出する従来のセン
サに対する対比をなす。このような従来のセンサでは、
素早い冷媒の漏れ警告を提供することはできなかった。
本発明は、また、フロート部材16の使用により、セン
サ10が比較的コンパクトになり、大気圧力を大きく超え
る圧力に耐え得ることを許容するという利点を有する。
驚くべきことには、そのフロート部材54は、それが入れ
られて作動する流体よりも大きな比重を有するにもかか
わらず、浮きとして作動することができる。
当業者にとって明かであるような改変と変更は、本発
明の範囲内として扱われる。たとえば、フロート部材54
は、水中の油などのように、その他の液体中におけるあ
る液体を検出することができるように構成することも可
能である。たとえば、センサ10は、たとえば自動車ある
いは乗り物用の空気調和装置などのごとき空気調和装置
内に使用されるように応用することも可能である。ま
た、リレー76の接続端子は、アラーム18によって検出さ
れるアラーム状態に対して反応して動作するするように
プログラムされたコンピュータの電気的入力ポートに接
続することもできる。このような接続は、モードおよび
その他の形の遠隔通信手段の使用により、離れていても
効果がある。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第2の流体が第1の流体よりも大きな比重
    を有しており、第2の流体中における第1の流体の混入
    を検出することができる差動フロート手段であって、そ
    の差動フロート手段が、 チャンバー内に移動可能に位置することができる形状を
    持ち、前記第1流体および第2流体の比重よりも大きい
    比重を持つ長手状のフロート部材と、 前記フロート部材の一端が前記フロート部材の他端に対
    して部分的に釣合バランスさせるように作用し、第1流
    体の存在下では前記フロート部材の一端が第1方向に回
    動し、第2流体の存在下では、前記フロート部材の一端
    が前記第1方向と反対方向に回動するように、前記フロ
    ート部材の他端よりも一端側に近い位置で前記フロート
    部材を回動自在に支持する軸止とを有し、 使用に際しては、前記第2流体中への第1流体の混入を
    検出するために、前記フロート部材が、存在する両流体
    の比較量により作用する浮力に基づき、流体の影響下で
    二つの位置間を軸止回動可能となり、しかも、そのフロ
    ート部材の軸止回動が、釣合バランス力をプラスした、
    存在する流体の浮力に基づく軸止回動力と、フロート部
    材の他端の逆軸止回動力との差に依存するように構成し
    てある差動フロート手段。
  2. 【請求項2】前記第2流体中における第1流体の混入を
    検出できるように、フロート部材の前記一端の比重が他
    端の比重よりも実質的に大きい請求項1による作動フロ
    ート手段。
  3. 【請求項3】フロート部材の前記一端の比重が近似的に
    7.0であり、他端の比重が近似的に1.2である請求項2に
    よる作動フロート手段。
  4. 【請求項4】フロート部材が、そのフロート部材が内部
    で動作する流体により実質的に影響を受けない剛性材料
    で形成される上記請求項1〜3のいずれかによるフロー
    ト手段。
  5. 【請求項5】第2の流体が第1の流体よりも大きな比重
    を有しており、第2の流体中における第1の流体の混入
    を検出することができるセンサ手段であって、そのセン
    サ手段が、 前記両流体を接続可能なように上向きに配置されたチャ
    ンバーと、 このチャンバー内に移動可能に位置することができる形
    状を持ち、前記第1流体および第2流体の比重よりも大
    きい比重を持つフロート部材を有する差動フロート手段
    であって、当該フロート部材が、長手形状であり、当該
    フロート部材の一端が前記フロート部材の他端に対して
    部分的に釣合バランスさせるように作用し、第1流体の
    存在下では前記フロート部材の一端が第1方向に回動
    し、第2流体の存在下では、前記フロート部材の一端が
    前記第1方向と反対方向に回動するように、前記フロー
    ト部材の他端よりも一端側に近い位置で前記フロート部
    材を回動自在に支持する軸止を持つフロート部材を有す
    る作動フロート手段とを有し、 使用に際しては、前記フロート部材の浮き上がりを阻害
    するように、前記第1流体が第2流体をチャンバー内か
    ら排出することができ、その結果、前記フロート部材
    が、第2流体中における第1流体の混入を検知するため
    に、釣合バランス力をプラスした、存在する両流体の比
    較量により作用する浮力と、フロート部材の他端の逆軸
    止回動力とに依存して、両流体の影響下で二つの位置間
    を移動することができるように構成されるセンサ手段。
  6. 【請求項6】前記二つの位置間における前記フロート部
    材の動きによって駆動されるように位置するアラーム手
    段をさらに有する請求項5によるセンサ手段。
  7. 【請求項7】前記チャンバーが、流体ラインからの流体
    がチャンバー内へ流れ込むことを許容するように、流体
    ラインに対して接続される入り口を有し、前記第1流体
    が第2流体の存在下でチャンバー内に流れる請求項5に
    よるセンサ手段。
  8. 【請求項8】前記チャンバーが、ブリードチューブを有
    し、流体ラインの入り口の接続部の下流側位置で、チャ
    ンバーから出て流体ラインへ戻る第1および第2の流体
    の比較的遅い流れを許容し、圧力減圧手段が、前記入り
    口の下流側で、しかも前記ブリードチューブが第1およ
    び第2流体を戻す所の流体ライン中の位置の上流側に位
    置し、その圧力減圧手段が、ブリードチューブを通して
    流体ラインへ戻るチャンバーからの流体の流れを可能に
    するように、入り口の下流側の流体の圧力を減圧する請
    求項7によるセンサ手段。
  9. 【請求項9】前記ブリードチューブが従来からの絞りチ
    ューブである請求項8によるセンサ手段。
  10. 【請求項10】前記ブリードチューブが材料片に形成さ
    れた溝を有する絞り機であり、その溝が異形断面を有す
    ると共に、多数の曲折部を有し、 使用に際しては、その断面の異形性および溝における曲
    折部の数が、生成される絞り作用を増大させる請求項8
    によるセンサ手段。
  11. 【請求項11】前記溝が横断面において矩形状を有する
    請求項10によるセンサ手段。
  12. 【請求項12】前記溝が約1mmの深さであり、底辺の長
    さが側辺の長さよりも長い二等辺三角形である横断面を
    有する請求項11によるセンサ手段。
  13. 【請求項13】異なる絞りを有する絞り機をチャンバー
    に対して装着することを許容するように、チャンバーに
    対して取り外し自在に前記絞り機が装着される請求項12
    によるセンサ手段。
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