JP2537108Y2 - ホタテ貝の耳吊り機 - Google Patents

ホタテ貝の耳吊り機

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JP2537108Y2
JP2537108Y2 JP1991064819U JP6481991U JP2537108Y2 JP 2537108 Y2 JP2537108 Y2 JP 2537108Y2 JP 1991064819 U JP1991064819 U JP 1991064819U JP 6481991 U JP6481991 U JP 6481991U JP 2537108 Y2 JP2537108 Y2 JP 2537108Y2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ホタテ貝の耳吊り機に
係わり、特に、ホタテ貝の稚貝を養殖ロープに抜け止め
固定する際に好適に用いられるホタテ貝の耳吊り機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のホタテ貝の耳吊り機の一
構造例が、例えば、特開昭63−123326号公報に
おいて既に提案されている。
【0003】この技術は、ホタテの稚貝を縦置き姿勢、
すなわち、稚貝の耳の部分を下側にした姿勢にして位置
決めするとともに、この耳の側部に養殖ロープを配置
し、水平に配設された穿孔機構により、前記耳と養殖ロ
ープとに連続した貫通孔を穿設し、しかるのちにこれら
の貫通孔内に線状係止部材を挿通して、この線状係止部
を前記養殖ロープに抜け止めするようにしたもので、
前記稚貝の位置決めは人手によって行われる。
【0004】そして、前記線状係止部材をホタテ貝の耳
に穿設された孔に挿通する場合、その挿通作業をやり易
くするために、例えば、線状係止部材を金属製のパイプ
に挿通しておき、このパイプとともに線状係止部材を前
記孔に挿入したのちに、パイプのみを引き抜くことによ
って行っている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前述の従来
の技術においては次のような不具合を有している。すな
わち、線状係止部材をホタテ貝に穿設された孔へ挿通す
る場合、パイプを前記孔へ挿通させなければならないか
ら、その分、前記孔の内径が大きくなり、線状係止部材
との間の隙間が大きくなって抜け易くなるといった問題
点である。
【0006】また、線状係止部材をパイプとともに前記
孔へ挿通する際に、この線状係止部材とパイプとの間に
ずれが生じ、線状係止部材の先端が前記パイプ内に没入
してしまうおそれがあり、パイプのみを引き抜く操作に
支障をきたすことが想定される。
【0007】したがって従来においては、前述の不具合
への対処が望まれており、本考案はこのような従来にお
いて残されている課題を解決せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、前述した課題
を有効に解決し得るホタテ貝の耳吊り機を提供せんとす
るもので、請求項1記載のホタテ貝の耳吊り機は、所定
の作業位置にてホタテ貝の耳に線状係止部材を通し、そ
の線状係止部材を養殖ロープに抜け止め固定するように
したホタテ貝の耳吊り機において、前記線状係止部材を
挿通位置へ案内する案内手段が設けられているととも
に、この案内手段を前記挿通位置に対して接近離間させ
ることにより、前記線状係止部材を間欠的に送り出す線
状係止部材通し機構を備え、この線状係止部材通し機構
には、前記線状係止部材の送り出し方向への移動を許容
し、かつ、引き込み方向への線状係止部材の移動を拘束
する逆止機構が設けられてなり、前記逆止機構が、線状
係止部材の案内手段の近傍に揺動可能に設けられるとと
もに、その揺動端部が揺動中心よりも前記線状係止部材
の送り出し方向前方において前記線状係止部材に接触さ
せられる係止部材を備えていることを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載のホタテ貝の耳吊り機
は、請求項1において、前記逆止機構が、前記係止部材
を前記線状係止部材へ向けて付勢する弾性部材を備えて
いることを特徴とする。 さらに、請求項3記載のホタテ
貝の耳吊り機は、請求項1または2において、前記線状
係止部材通し機構により送り出された前記線状係止部材
の先端部を挟持して圧搾する線状係止部材潰し機構を備
え、前記線状係止部材通し機構は、前記線状係止部材潰
し機構によって前記線状係止部材の先端部が挟持された
状態で、前記案内手段を前記挿通位置から離間させるよ
うに設定されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】本考案の請求項1記載のホタテ貝の耳吊り機に
よれば、線状係止部材をホタテ貝や養殖ロープの孔内に
挿通する際に、逆止機構によって線状係止部材の移動が
拘束されて、この線状係止部材が案内手段の内側への引
き込みが防止される。したがって、線状係止部材の挿通
操作に際して、案内手段と線状係止部材とのずれが防止
されて、円滑な線状係止部材通し作業が可能となる。
【0011】また線状係止部材が案内手段の内側へ移
動せんとすると、この線状係止部材に接触させられてい
る係止部材が揺動させられるとともに、その揺動端部が
前記線状係止部材に押しつけられて、線状係止部材の移
動が拘束される。そして、請求項2記載のホタテ貝の耳
吊り機では、このような係止部材の揺動動作は弾性部材
によって補助されて、確実な係止が行なわれる。さら
に、請求項3記載のホタテ貝の耳吊り機では、前記案内
手段を前記挿通位置に対して接近させて送り出した線状
係止部材の先端部を、線状係止部材潰し機構で挟持し、
その後、案内手段を前記挿通位置から離間させることに
より、線状係止部材を一定量確実に送り出すことができ
る。すなわち、係止部材が、案内手段を挿通位置に接近
させる場合には線状係止部材の戻りを防ぐとともに、案
内手段を挿通位置から離間させる場合には案内手段から
引き出される線状係止部材の妨げとならない。また、こ
の離間させる際において、線状係止部材潰し機構が線状
係止部材の先端部を挟持しているので、線状係止部材の
引き込みが生じない。
【0012】
【実施例】まず最初に、本実施例の全体装置について図
1ないし図3に基づき説明すれば、これらの図におい
て、符号1は本実施例のホタテ貝の耳吊り機を示し、基
台2と、この基台2に略水平方向に沿って配設され、ホ
タテ貝Aを水平状態で搬送するとともに、このホタテ貝
Aの耳に対応して養殖ロープPが載置される搬送機構3
と、この搬送機構3の近傍に配設されるとともに上下方
向に移動可能に配設され、前記搬送機構3によって搬送
されるホタテ貝Aの耳および養殖ロープPに貫通孔を穿
設する穿孔機構4と、この穿孔機構4によって穿孔され
たホタテ貝Aおよび養殖ロープPに線状係止部材Sを挿
通する線状係止部材通し機構5と、この線状係止部材
し機構5に並設されて、前記線状係止部材Sを所定長さ
に切断する切断機構6と、この切断された線状係止部材
Sの両端部を圧搾変形させることにより、前記ホタテ貝
Aの線状係止部材Sからの離脱を阻止する線状係止部材
潰し機構7と、これらの各機構3、4、5、6、7を作
動させる駆動機構8とによって概略構成されている。
【0013】次いで、これらの各機構3〜7の詳細につ
いて個々に説明する。
【0014】前記搬送機構3は、前記基台2に水平方向
に所定間隔をおいて配設された回動自在な一対のプーリ
ー9・10と、前記ホタテ貝Aが水平状態で載置される
リンクプレート11を無端状に連結することによって構
成され、前記プーリー9・10に巻回された搬送コンベ
アー12と、前記各リンクプレート11の外周側に、こ
のリンクプレート11上に載置されるホタテ貝Aをリン
クプレート11との間で挾持する押えレバー13と、こ
の押えレバー13の前記リンクプレート11との対向面
側に取り付けられた弾性体からなるブラシ14とを備え
ている。
【0015】さらに詳述すれば、前記各プーリー9・1
0には、図1および図4に示すように、係合ピン15
が、前記リンクプレート11のピッチと同等のピッチで
設けられており、リンクプレート11が巻回された際
に、図4に示すように、このリンクプレート11の長さ
方向(搬送方向)の両端部内側に形成された切欠11a
に係合させられるようになっている。 前記各リンクプ
レート11は、その長さ方向の端部において、連結ピン
16を介して回動自在に連結されており、かつ、この連
結ピン16を介して前記押えレバー13が回動自在に連
結されている。
【0016】また、前記リンクプレート11の外側面に
は、ホタテ貝Aが位置決め載置される収容凹部11b
が、図3に示すように幅方向に振り分けて形成され、さ
らに、これらの収容凹部11bには、図4に示すよう
に、側面視(プーリー9・10の軸線方向から見て)搬
送コンベアー12の内外面方向の高低差が付けられてい
る。
【0017】かつ、これらの収容凹部11bは、リンク
プレート11の幅方向の中間部で連続させられていると
ともに、前記ホタテ貝Aの挿入・載置が搬送コンベアー
12の幅方向側部から行い得るようにそれぞれの側部が
開口され、これらの収容凹部11bに載置されるホタテ
貝Aは、それぞれの耳の部分が前記両収容凹部11bの
連続部分に位置するように挿入される。
【0018】さらに、前記リンクプレート11の幅方向
中間部には、図2および図3に示すように、前記両収容
凹部11の連続部分をとおり、かつ、搬送方向に沿うガ
イド溝11cが形成されており、このガイド溝11cに
前記養殖ロープPが挿通されることにより、この養殖ロ
ープPが前記収容凹部11bに載置されるホタテ貝Aの
耳の部分の間に挿通させられるようになっている。
【0019】一方、リンクプレート11の、前述のよう
に両ホタテ貝Aの耳の部分と養殖ロープPとが重畳させ
られる連続部分には、図3に示すように、上下方向に貫
通孔11dが形成されており、後述する線状係止部材
および穿孔機構4のドリル19が挿通されるようになっ
ている。
【0020】また、前記押えレバー13および連結ピン
16は、前記収容凹部11bと同様に、リンクプレート
11の幅方向に振り分けて配設されており、それぞれ各
収容凹部11bに載置されるホタテ貝Aを、その内側に
設けられた前記ブラシ14の弾性力を利用してリンクプ
レート11へ押し付けて、このリンクプレート11との
間で挾持するようになっている。
【0021】そして、このように構成された搬送機構3
は、図1に示すように、両プーリー9・10に巻回され
た状態において、上部の直線部が搬送部3aとなされ、
搬送方向前方のプーリー9・10に巻き込まれる部分が
ホタテ貝Aの挾持を解除する放出部3bとなされ、残余
の部分が空送部3cとなされている。
【0022】前記搬送部3aの内外周面は、前記基台2
に略水平にかつ上下に所定間隔をおいて装着されている
一対のガイドプレート17・18によって案内されてい
る。
【0023】したがって、前記搬送機構3は、駆動機構
8によって間欠駆動させられるプーリー9・10の回転
により、一方向にリンクプレート11のピッチで間欠移
動させられるとともに、順次搬送部3aに送り込まれる
押えレバー13が、上方のガイドプレート18によって
リンクプレート11側へ向けて回動させられるととも
に、両者間に介装されているホタテ貝Aを挾持する位置
に保持され、また、放出部3bにおいては、押えレバー
13がその自重によりリンクプレート11から離れるよ
うに回動してホタテ貝Aが解放される。
【0024】次に、前記穿孔機構4について説明すれ
ば、この穿孔機構4は、図1ないし図3に示すように、
前記搬送機構3の搬送部3aの上方に配設されており、
前記ホタテ貝Aと養殖ロープPとに穿孔するドリル19
と、このドリル19と前記搬送機構3との間に配設され
て、前記ホタテ貝Aの上面に当接させられるとともに、
前記ドリル19が挿通させられるドリルガイド20とに
よって構成されている。
【0025】前記ドリル19は、図1および図2に示す
ように、前記基台2に上下方向に移動自在に取り付けら
れた電動モーター21に装着されており、この電動モー
ター21に装着された状態において、前記搬送機構3の
各リンクプレート11に形成されている貫通孔11dの
移動軌跡の真上に位置させられ、かつ、間欠移動させら
れるリンクプレート11が停止させられた時に、前記貫
通孔11dと同軸となるように位置させられている。
【0026】前記電動モーター21と基台2との間に
は、電動モーター21およびドリル19の上下動をなす
昇降機構22が設けられている。
【0027】この昇降機構22は、図5および図6に示
すように、前記電動モーター21が取り付けられたモー
ターステー24と、このモーターステー24が摺動自在
に係合させられ、前記基台2に上下に沿って固着された
ガイドレール25と、前記モーターステー24に一体に
取り付けられたカムフォローア26と、このカムフォロ
ーア26に回転自在に取り付けられたカムローラー27
と、このカムローラー27が転動自在に摺接させられる
カム28とによって構成されている。
【0028】前記カムフォローア26は、前記基台2に
前記ガイドレール25と平行に設けられているサブガイ
ドレール29に摺動自在に係合させられて、その移動方
向が規制されている。
【0029】また、前記カム28は、前記駆動機構8に
よって回転させられて、前記カムローラー27を上下動
させることにより、前記電動モーター21をモータース
テー24およびカムフォローア26とともに、上下方向
に所定のストロークで往復移動させるようになってい
る。
【0030】そして、このストロークは、前記ドリル1
9が、その下方に位置させられた一対のホタテ貝Aおよ
びその間に介装された養殖ロープPを完全に貫通する最
下降位置(図5参照)と、ドリル19の先端(最下端)
が、これらのホタテ貝Aおよび養殖ロープPから上方へ
完全に離間する最上昇位置とを取り得る長さに設定され
ている。
【0031】前記ドリルガイド20は、図5および図6
に示すように、前記ドリル19の上下動により、このド
リル19が挿通されるガイド筒30と、このガイド筒3
0が固着されるとともに、前記ガイドレール25に摺動
自在に係合させられたドリルガイドステー31とによっ
て構成されており、前記ドリル19と同様にガイドレー
ル25に沿って上下に移動自在となされている。
【0032】そして、このドリルガイド20の移動スト
ロークは、その最下降位置において、その下方に位置さ
せられているホタテ貝Aの上面に当接し、最上昇位置に
おいて、ホタテ貝Aの上面との間に、後述する線状係止
部材潰し機構7の一部が入り込める間隔を形成する長さ
に設定されている。
【0033】さらに、このドリルガイド20は、前記ド
リル19との間に設けられた差動機構32を介して連動
可能に連結されている。
【0034】この差動機構32は、図5および図6に示
すように、前記モーターステー24に突設されたブラケ
ット33と、このブラケット33から下方へ向けて突設
され、前記ドリルガイドステー31の側部まで延設され
たガイドロッド34と、前記ドリルガイドステー31に
突設され、前記ガイドロッド34が摺動自在に嵌合させ
られたブラケット35と、このブラケット35と前記モ
ーターステー24に突設されたブラケット33との間に
介装された圧縮スプリング36と、前記ガイドロッド3
4に固着され、前記ドリルガイドステー31に突設され
たブラケット33の抜け止めをなすストップリング37
とによって構成されている。
【0035】そして、前記ガイドロッド34は、その一
端部においてナット38により前記ブラケット33へ固
着され、また、他端部に同様のナット39により前記ス
トップリング37が固着されている。
【0036】したがって、これらのドリル19とドリル
ガイド20とは、ドリルガイド20がホタテ貝Aに当接
するまでは一定間隔を保持した状態で一体的に移動させ
られ、ドリルガイド20がホタテ貝Aに当接したのちに
おいては、ドリル19のみが圧縮スプリング36の弾発
力に抗して下降し、上昇時においては、ドリル19がホ
タテ貝Aから離間したのちに、ドリルガイド20がホタ
テ貝Aから離間するような相対移動がなされるようにな
っている。
【0037】次いで、前記線状係止部材通し機構5につ
いて、線状係止部材切断機構6とともに説明すれば、こ
線状係止部材通し機構5および線状係止部材切断機構
6は、図1に示すように、前記搬送コンベアー12の内
側に、前記穿孔機構4と略同軸となるように、前記線状
係止部材切断機構6を上方にして配設されている。
【0038】まず、線状係止部材通し機構5について詳
述すれば、この線状係止部材通し機構5は、前記駆動機
構8によって上下方向に往復移動させられる送りヘッド
40と、この送りヘッド40に取り付けられて、前記
状係止部材Sが挿通される案内手段としてのガイドパイ
プ41とを備えており、このガイドパイプ41は、前記
送りヘッド40の内部において、略水平方向から鉛直方
向に湾曲形成されており、その水平部分は、図2および
図3に示すように、前記基台2にブラケット42を介し
て回転自在に装着され、前記線状係止部材Sが巻回され
たドラム43の近傍まで延設されており、このドラム4
3から引き出された線状係止部材Sを、基台2の外部へ
導くとともに、図7に示すように、前記鉛直部分によっ
て前記切断機構6へ導くようになっている。
【0039】そして、前記送りヘッド40が切断機構6
へ向けて移動させられることにより、前記ガイドパイプ
41の鉛直部分が切断機構6の内部にその下方から挿入
され、その移動量に相当する長さの線状係止部材Sを切
断機構6に対して送り込むようになっている。
【0040】そして、このような線状係止部材Sの送り
込み操作は、前記送りヘッド40の内部に設けられた逆
止機構Cによって行なわれる。
【0041】次いで、この逆止機構Cについて図19を
参照して説明すれば、前記ガイドパイプ41の水平部分
で前記送りヘッド40内に位置する部分には、周壁の約
半周に亘って切り欠き41aが形成されており、この切
り欠き41aを介して、前記ガイドパイプ41内を案内
される線状係止部材Sの表面が露出させられるようにな
されている。
【0042】前記送りヘッド40の前記ガイドパイプ4
1の切り欠き41aに対向する部分には、この切り欠き
41aに連続した凹部40aが形成されており、この凹
部40a内に本実施例に係わる逆止機構Cが設けられて
いる。
【0043】この逆止機構Cは、前記凹部40a内に配
設された揺動軸70と、この揺動軸70に一体に取り付
けられるとともに、前記揺動軸70よりも前記線状係止
部材Sの送り出し方向(図19において左側)前方に突
出して設けられ、その突出端部、すなわち、揺動端部が
前記切り欠き41aから露出させられている線状係止部
Sに接触させられることにより、前記ガイドパイプ4
1との間で前記線状係止部材Sを挟持する係止部材71
と、この係止部材71を前記線状係止部材Sへ向けて付
勢するスプリング72とによって構成されている。
【0044】そして、この逆止機構Cによると、前記ガ
イドパイプ41から引き出された線状係止部材Sを挿通
するために、前記送りヘッド40が図19に矢印(イ)
で示すように、上方へ向けて移動させられた場合、前記
線状係止部材Sは挿通される孔の内壁等との摩擦により
抵抗を受けてガイドパイプ41内へ戻されるように移動
せんとするが、このような線状係止部材Sの動きに対
し、スプリング72の弾性力も手伝って、前記係止部材
71が図中の矢印(ニ)方向に揺動して、その揺動端部
とガイドパイプ41との間で前記線状係止部材Sが挟持
されて、前述した線状係止部材Sの移動が拘束されるよ
うになっている。また、送りヘッド40が図19に矢印
(ロ)方向に移動させられて線状係止部材Sが引き出し
方向に相対移動せんとした場合においては、この線状係
止部材Sの動きに応じて前記係止部材71が前記スプリ
ング72の弾性力に抗する方向(図19中に矢印(ハ)
で示す方向)に揺動させられて、前記線状係止部材Sの
挟持を緩めることにより、前記線状係止部材Sの引き出
しを容易なものとするようになっている。
【0045】一方、前記切断機構6は、前記線状係止部
通し機構5とは別個に、前記駆動機構8によって上下
に所定のストロークで往復移動させられるヘッドケーシ
ング44と、このヘッドケーシング44の内部に、軸線
が上下方向に沿うようにして配設され、かつ、この軸線
を中心に回転可能に支持されたカッター45と、このカ
ッター45を所定角度の範囲内で往復回動させる揺動手
段46とから構成されている。
【0046】さらに詳述すれば、前記ヘッドケーシング
44は、図7ないし図9に示すように、その上端部に蓋
体47を有し、この蓋体47には、前記ドリル19と同
軸となるように、貫通孔47aが形成されているととも
に、内面には、図7に示すように、前記貫通孔47aに
連続した漏斗状の内面を有する凹部47bが形成されて
いる。
【0047】そして、前記凹部47bの頂点に対して前
記貫通孔47aが、図7に示すように、半径方向に偏倚
して形成されている。
【0048】前記カッター45は、円柱状に形成されて
おり、その回転軸線が前記凹部47bの頂点を通るよう
に前記ヘッドケーシング44内に装着されている。
【0049】また、カッター45は、図7に示すよう
に、その上端部が前記蓋体47の凹部47bの内面に摺
接させられる円錐状の外面を有する凸部45aが形成さ
れているとともに、回転軸線から半径方向に偏倚した位
置に、その回転によって前記蓋体47に形成されている
貫通孔47aへ連通させられるガイド孔45bが形成さ
れ、ヘッドケーシング44の底面との間に介装された皿
ばねKの弾発力により、常時蓋体47へ向けて押圧され
ている。
【0050】そして、前記カッター45の凸部45aと
前記蓋体47の凹部47bとの接触面で、前記貫通孔4
7aとガイド孔45bの周縁近傍が、これらのガイド孔
45bと貫通孔47a内に挿通される前記線状係止部材
Sの切断面となされ、切断される線状係止部材Sの切口
は長さ方向に傾斜した鋭利な形状となる(図7参照)。
【0051】そして、本実施例においては、線状係止部
Sの供給方向が図7において矢印(ホ)で示すよう
に、線状係止部材Sの巻癖方向に沿って前記カッター4
5へ供給されていることから、線状係止部材Sの傾斜し
た切断面が、線状係止部材Sの巻癖方向の内側へ向くよ
うに切断するために、前述した貫通孔47aとガイド孔
45bの偏倚方向が、回転軸線よりも前記巻癖方向の内
側となされている。
【0052】一方、前記カッター45に連結される揺動
手段46は、前記ヘッドケーシング44から基台2の内
部へ延設され、前記駆動機構8へ連絡された中空状の昇
降ア−ム48内に配設されており、図10に示すよう
に、前記カッター45の下端部に半径方向に向かって突
設されたリンク49の揺動端部に、球面継手50を介し
て連結されたプルロッド51と、このプルロッド51を
常時押圧して、前記カッター45のガイド孔45bとヘ
ッドケーシング44の貫通孔47aとを合致させるべ
く、このカッター45を回動させるリターンスプリング
52と、前記駆動機構8によって駆動されて、前記カッ
ター45を前述した方向と逆方向へ回動させることによ
り、前記貫通孔47aとガイド孔45bとをずらして
状係止部材Sを切断する図示せぬリンク機構とによって
構成されている。
【0053】また、前記ヘッドケーシング44の側壁に
は、図8ないし図10に示すように、ボルト53が螺着
されているとともに、ヘッドケーシング44の外壁面に
接触させられるナット54によって移動が拘束されてい
る。
【0054】そして、前記ボルト53は、図10に示す
ように、前記ヘッドケーシング44の内部に突出させら
れて、前記プルロッド51の一端部にその長さ方向前方
から当接させられている。
【0055】このボルト53は、ヘッドケーシング44
に対して前後に移動させることにより、前記リターンス
プリング52の弾発力に抗して前記プルロッド51の停
止位置を変更することにより、カッター45の初期位置
の調整、すなわち、そのガイド孔45bと前記貫通孔4
7aとの位置合わせを行うために設けられたものであ
る。
【0056】さらに、前記切断機構6は、前記駆動機構
8により上下方向に所定のストロークで往復移動させら
れるようになっており、このストロークは、図7に示す
ように、切断機構6の上端部が、前記搬送機構3のリン
クプレート11に形成されている貫通孔11dに挿入さ
れる最上昇位置と、切断機構6の上端部に後述する線状
係止部材潰し機構7が侵入できる隙間を形成する最下降
位置との間隔で設定されている。
【0057】さらに、前記線状係止部材潰し機構7につ
いて説明する。 この線状係止部材潰し機構7は、図5
に示すように、前記基台2から搬送機構3へ向けて突設
されており、かつ、この搬送機構3の上方と下方とに設
けられている。
【0058】これら一対の線状係止部材潰し機構7は、
ほぼ同様な構成となされていることから、下方の線状係
止部材潰し機構7について詳述する。
【0059】下方に配設された線状係止部材潰し機構7
は、図5および図7に示すように、基台2から搬送機構
3へ向けて突設させられた駆動シャフト55と、この駆
動シャフト55によって開閉される一対の圧搾爪56と
を備えている(図11および図12参照)。
【0060】前記駆動シャフト55は、図7、図11、
および、図12に示すように、中空状のアウターシャフ
ト57と、このアウターシャフト57内に相対回動自在
に嵌合された中実のインナーシャフト58によって構
成されており、これらのアウターシャフト57とインナ
ーシャフト58のそれぞれの一端部に、前記圧搾爪56
が各シャフト57・58の略外周面近傍から接線方向に
沿って個々に一体に設けられている。
【0061】また、前記各シャフト57・58の他端部
は、前記基台2の内部において、前記駆動機構8によっ
て作動させられる図示せぬリンク機構にそれぞれ連結さ
れており、このリンク機構によって軸線回りに逆方向に
相対回動させられることにより、前記圧搾爪56を、図
12に鎖線で示すように揺動させて、その先端部どうし
を圧接させるようになっているとともに、これらの圧搾
爪56間に位置する線状係止部材Sをその半径方向から
圧搾し平坦化するようになっている。
【0062】さらに、前記圧搾爪56を相互に離間させ
て、両者間に、図11に示すように、前記切断機構6の
上昇移動を許容する空間部を形成するようになってい
る。
【0063】一方、上方の線状係止部材潰し機構7は、
その圧搾爪56の先端部どうしを離間させた状態におい
て、両者間に、図5に示すように、前記穿孔機構4のド
リル19およびガイド筒30の下降移動を許容する空間
部を形成するようになっている。
【0064】したがって、これらの各線状係止部材潰し
機構7は、それぞれ、穿孔機構4が上昇させられたのち
に、また、切断機構6が下降させられたのちに、前記圧
搾爪56を当接させて線状係止部材Sを圧搾するよう、
その作動タイミングが設定されている。
【0065】次いで、このように構成された本実施例の
作用について説明すれば、まず、搬送機構3の搬送部3
aに位置するリンクプレート11のガイド溝11cに、
図3に示すように、養殖ロープPを挿通させておく。
【0066】次いで、搬送機構3の搬送コンベアー12
を、リンクプレート11の連結ピッチ分づつ間欠的に移
動させるとともに、搬送部3aの上流側の端部に位置す
るリンクプレート11に、その両側部からホタテ貝Aを
挿入して、各ホタテ貝Aの耳の部分を前記養殖ロープP
の上部および下部のそれぞれに位置させるとともに、図
3に示すように、これらの重畳部をリンクプレート11
の貫通孔11cの上方に位置合わせする。
【0067】このとき、前記搬送機構3の搬送コンベア
ー12は、その下部を構成するリンクプレート11が下
方のガイドプレート17によって支持され、また、上部
を構成する押えレバー13が、上方のガイドプレート1
8によって案内されて上方への回動が拘束されているこ
とから、ホタテ貝Aは前述の挿入操作により、押えレバ
ー13に取り付けられているブラシ14を弾性変形させ
つつリンクプレート11の収容凹部11b内に挿入され
る。
【0068】これにより、前記ホタテ貝Aがブラシ14
の弾性力によってリンクプレート11の収容凹部11b
に圧接させられて、前述したような位置に位置決め保持
される。
【0069】このようなホタテ貝Aの挿入作業を、前述
した搬送コンベアー12の間欠移動によって順次搬送部
3aの上流側へ送り込まれるリンクプレート11に対し
て順次行い、ホタテ貝Aを搬送機構3へ連続して装着す
る。
【0070】このようにしてリンクプレート11に対し
て位置決め載置されたホタテ貝Aおよび養殖ロープP
は、搬送コンベアー12の間欠移動に伴って、順次穿孔
機構4、線状係止部材通し機構5、あるいは、線状係止
部材切断機構6に対向させられるとともに、その位置に
停止させられる。
【0071】そして、搬送コンベアー12の移動が停止
させられている間に、前記穿孔機構4、線状係止部材
し機構5、切断機構6、および、線状係止部材潰し機構
7が作動させられる。
【0072】これらの個々の作動について以下に詳述す
る。前記穿孔機構4は、ホタテ貝Aおよび養殖ロープP
が位置決めされた搬送コンベアー12が搬送されてくる
間、図13に示すように、カム28の作用によって最上
昇位置に位置させられているとともに、上下の線状係止
部材潰し機構7は、その圧搾爪56を開放した状態に保
持されている。
【0073】これより、前記カム28が作動させられ
て、穿孔機構4のドリルガイド20およびドリル19が
下降を開始するとともに、前記ドリル19が電動モータ
21によって回転駆動させられる。
【0074】そして、前記ドリルガイド20は、その先
端のガイド筒30が下方に位置させられている上方のホ
タテ貝Aの上面に当接してその下降が阻止されるが(図
14参照)、前記ドリル19は、前記ドリルガイドステ
ー31とモーターステー24との間に設けられた差動機
構32の圧縮スプリング36が圧縮されることにより、
前記ドリルガイド20との相対移動が行われてさらに下
降させられる。
【0075】これによって、前記ドリル19は、前記ガ
イド筒30を貫通させられたのちに、その下方に位置す
る上方のホタテ貝A、養殖ロープP、および、下方のホ
タテ貝Aとに順次加工を施し、図5に示すように、これ
らに連続した貫通孔を穿設する。
【0076】この穿孔作業が終了したのちにおいて、前
記穿孔機構4は、再度最上昇位置へ上昇させられて待機
状態となされる。
【0077】このようにして穿孔作業が完了すると、図
15に示すようにリンクプレート11の下方に位置させ
られている切断機構6および線状係止部材通し機構5が
上昇させられて、切断機構6の蓋体47に形成されてい
る貫通孔47aが、前記ホタテ貝Aや養殖ロープPに形
成された貫通孔に同軸上でかつ近接した位置に位置させ
られる。
【0078】ここで、前記切断機構6の上昇は停止させ
られるが、これに続いて前記線状係止部材通し機構5が
上昇させられて、図16に示すように、そのガイドパイ
プ41がカッター45のガイド孔45b内にその下方か
ら所定長さ挿入される。
【0079】このような線状係止部材Sの挿通操作に際
して、送りヘッド40に内装されている逆止機構Cの作
用により、線状係止部材Sがガイドパイプ41内に戻さ
れることはなく、このガイドパイプ41から突出させら
れた長さが維持された状態で前述の挿通操作が行なわれ
る。
【0080】この作動により、前記カッター45内に残
存していた線状係止部材Sが上方へ向けて押し上げられ
ることにより、図16に示すように、前記線状係止部材
Sが両ホタテ貝Aおよび養殖ロープPを貫通してその上
方へ突出させられ、前述したように、ガイドパイプ41
からの線状係止部材Sの突出長が一定に保持されている
から、前記ホタテ貝Aおよび養殖ロープPへの挿通が確
実に行なわれるとともに長さも均一なものとなる。
【0081】前述のようにして線状係止部材Sが上方の
ホタテ貝Aの上方まで突出させられると、まず、上方の
線状係止部材潰し機構7が作動させられて、その圧搾爪
56によって前記突出させられた線状係止部材Sの先端
が把持され、さらなる上方の線状係止部材潰し機構7の
作動により、前記線状係止部材Sの先端が、図17に破
線で示すように偏平状に圧搾される。
【0082】次いで、図17に示すように、線状係止部
通し機構5が下降させられる。
【0083】この線状係止部材通し機構5の下降に伴
い、前記線状係止部材Sは、その先端が前記上方の線状
係止部材潰し機構7によって把持されていることから、
線状係止部材通し機構5の下降分だけ前記ガイドパイプ
41から引き出される。
【0084】このような線状係止部材Sの引き出し操作
に際して、送りヘッド40に内装されている逆止機構C
の係止部材71が、前記線状係止部材Sの把持を緩める
ように揺動させられるから、円滑な引き出し操作が行な
われる。
【0085】こののちに、切断機構6および線状係止部
通し機構5とを同期して若干量下降させたのちに、揺
動手段46によって前記カッター45を、図17に矢印
で示すように回転させられることにより、前記線状係止
部材Sがカッター45とヘッドケーシング44の蓋体4
7との傾斜した接触面において鋭利に切断され、かつ、
その傾斜した切断面が線状係止部材Sの巻癖方向の内側
へ向けられている。
【0086】したがって、前述した線状係止部材Sの挿
通の際に、線状係止部材Sの巻癖と前記切断面の向きと
により、前記貫通孔47a、および、前記ホタテ貝Aや
養殖ロープPに形成された貫通孔の内壁面に対して、鋭
利な先端が離れるように付勢され、これらとの引っ掛か
りが防止されて、一層円滑な挿通操作が得られる。
【0087】これよりさらに前記切断機構6および線状
係止部材通し機構5が若干量下降させられることによ
り、図18に示すように、両ホタテ貝Aおよび養殖ロー
プPに貫通させられた線状係止部材Sの下端部が、切断
機構6から露出させられる。
【0088】次いで、下方の線状係止部材潰し機構7が
作動させられることにより、前記線状係止部材Sの下端
部が、図18に破線で示すように、偏平状に圧搾変形さ
せられる。
【0089】これによって、線状係止部材Sの両端部が
偏平状に圧搾変形させられて、この線状係止部材Sから
の両ホタテ貝Aの離脱が防止され、この結果、両ホタテ
貝Aが養殖ロープPに固定される。
【0090】こののちに、上下の線状係止部材潰し機構
7による線状係止部材Sの把持が開放されるとともに、
搬送機構3が1ピッチ分作動させられることにより、後
段のリンクプレート11が穿孔機構4や切断機構6間に
送り込まれて位置決めされ、以降同様の作用により、ホ
タテ貝Aが養殖ロープPへ順次固定される。
【0091】一方、前述のように養殖ロープPへの固定
が完了したホタテ貝Aが載置されたリンクプレート1
1、および、前記ホタテ貝Aを押圧する押えレバー13
は、前記両ガイドプレート17・18から離脱させられ
るが、そのリンクプレート11は図4に示すように、前
記リンクプレート11が搬送方向前方のプーリ9に巻き
込まれ、また、前記押えレバー13は、上方への回動が
自由な状態であることから、プーリ9への巻き込みの初
期の段階において、弾性変形させられていた前記ブラシ
14の弾性力により上方へ若干量回動させられ、リンク
プレート11がさらにプーリ9へ巻き込まれるにつれ
て、前記押えレバー13が自らの自重によりリンクプレ
ート11から離れる方向に回動する。
【0092】これによって、リンクプレート11と押え
レバー13とによる前記ホタテ貝Aの把持が自然に開放
されて、ホタテ貝Aや養殖ロープPが搬送コンベア12
から円滑に切り離される。
【0093】しかしてこのように構成された本実施例の
ホタテ貝の耳吊り機によれば、線状係止部材Sの挿入に
際し、送りヘッド40に内装された逆止機構Cによって
線状係止部材Sの戻りが確実に防止され、所定長さの
状係止部材Sがホタテ貝Aや養殖ロープPに挿通させら
れ、これによって、ホタテ貝Aの養殖ロープPへの固定
が確実に行なわれる。
【0094】また、送りヘッド40から線状係止部材
を引き出す際においても、逆止機構Cによる線状係止部
Sの挟持を緩めて円滑な引き出しを可能とし、この点
からも線状係止部材Sの挿通操作を確実なものとする。
【0095】なお、前記実施例において示した各構成部
材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づ
き種々変更可能である。
【0096】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の請求項1
記載のホタテ貝の耳吊り機は、所定の作業位置にてホタ
テ貝の耳に線状係止部材を通し、その線状係止部材を養
殖ロープに抜け止め固定するようにしたホタテ貝の耳吊
り機において、前記線状係止部材を挿通位置へ案内する
案内手段が設けられているとともに、この案内手段を前
記挿通位置に対して接近離間させることにより、前記線
状係止部材を間欠的に送り出す線状係止部材通し機構を
備え、この線状係止部材通し機構には、前記線状係止部
材の送り出し方向への移動を許容し、かつ、引き込み方
向への線状係止部材の移動を拘束する逆止機構が設けら
れてなり、前記逆止機構が、線状係止部材の案内手段の
近傍に揺動可能に設けられるとともに、その揺動端部が
揺動中心よりも前記線状係止部材の送り出し方向前方に
おいて前記線状係止部材に接触させられる係止部材を備
えていることを特徴とするもので、次のような優れた効
果を奏する。
【0097】線状係止部材の挿入に際し、逆止機構によ
って線状係止部材の戻りを確実に防止し、所定長さの
状係止部材をホタテ貝や養殖ロープに挿通することがで
き、これによって、ホタテ貝の養殖ロープへの固定を確
実に行なうことができる。
【0098】また、線状係止部材を引き出す際において
も、逆止機構による線状係止部材の挟持を緩めて円滑な
引き出しを可能とし、この点からも、線状係止部材の挿
通操作を確実なものとすることができる。
【0099】しかも、線状係止部材を直接前記ホタテ貝
や養殖ロープに挿通するものであるから、これらに穿設
する孔の内径を、前記線状係止部材の外径と同等かある
いは若干大きな寸法にすることができ、これによって、
線状係止部材とホタテ貝との隙間を小さくすることがで
き、したがって、ホタテ貝の抜け止めを確実に防止する
ことができる。
【0100】また逆止機構が、線状係止部材の案内手
段の近傍に揺動可能に設けられるとともに、その揺動端
部が揺動中心よりも前記線状係止部材の送り出し方向前
方において前記線状係止部材に接触させられる係止部材
を備えていることを特徴とするもので、次のような優れ
た効果を奏する。線状係止部材が案内手段の内側へ移動
せんとすると、この線状係止部材に接触させられている
係止部材が揺動させられるとともに、その揺動端部が前
記線状係止部材に押しつけられて、線状係止部材の移動
が拘束されることから、簡易な構造で確実な戻り防止効
果が得られる。
【0101】また、請求項2記載のホタテ貝の耳吊り機
では、前記逆止機構が、前記係止部材を前記線状係止部
材へ向けて付勢する弾性部材を備えていることを特徴と
するもので、次のような優れた効果を奏する。弾性部材
により係止部材を線状係止部材に押圧して、線状係止部
材の戻り防止を確実にするとともに、引き出し操作に際
し、線状係止部材への押圧力を即座に緩めて引き出し操
作を円滑なものとすることができ、請求項1記載によっ
て奏される作用効果を一層確実なものとすることができ
る。さらに、請求項3記載のホタテ貝の耳吊り機では、
前記線状係止部材通し機構により送り出された前記線状
係止部材の先端部を挟持して圧搾する線状係止部材潰し
機構を備え、前記線状係止部材通し機構は、前記線状係
止部材潰し機構によって前記線状係止部材の先端部が挟
持された状態で、前記案内手段を前記挿通位置から離間
させるように設定されていることを特徴とするもので、
次のような優れた効果を奏する。 案内手段を前記挿通位
置に接近させる際には、係止部材が線状係止部材の戻り
を防止することができるとともに、案内手段を前記挿通
位置から離間させる際には、線状係止部材の先端部が線
状係止部材潰し機構により支持されているので、線状係
止部材を確実に所定量送り出すこと、すなわち案内手段
から引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体装置を示す正面図であ
る。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】本発明の一実施例の全体装置の一部を省略した
平面図である。
【図4】本発明の一実施例の搬送コンベアーの拡大正面
図である。
【図5】本発明の一実施例の穿孔機構の拡大側面図であ
る。
【図6】図5のVI矢視図である。
【図7】本発明の一実施例の線状係止部材通し機構と切
断機構とを示す縦断面側面図である。
【図8】図7のVIII矢視図である。
【図9】図7のIX−IX線に沿う矢視断面図である。
【図10】図7のX−X線に沿う矢視断面図である。
【図11】図7のXI−XI線に沿う矢視断面図であ
る。
【図12】図7のXI−XI線に沿う矢視断面図であ
る。
【図13】本発明の一実施例の穿孔機構の作動を説明す
るための図5と同様の図である。
【図14】本発明の一実施例の穿孔機構の作動を説明す
るための図5と同様の図である。
【図15】本発明の一実施例の線状係止部材通し機構と
切断機構および線状係止部材潰し機構の作動を説明する
ための図7と同様の図である。
【図16】本発明の一実施例の線状係止部材通し機構と
切断機構および線状係止部材潰し機構の作動を説明する
ための図7と同様の図である。
【図17】本発明の一実施例の線状係止部材通し機構と
切断機構および線状係止部材潰し機構の作動を説明する
ための図7と同様の図である。
【図18】本発明の一実施例の線状係止部材通し機構と
切断機構および線状係止部材潰し機構の作動を説明する
ための図7と同様の図である。
【図19】本発明の一実施例の逆止機構を示す一部を省
略した側面図である。
【符号の説明】
1 耳吊り機 2 基台 3 搬送機構 3a 搬送部 3b 放出部 3c 空送部 4 穿孔機構 5 線状係止部材通し機構 6 切断機構 7 線状係止部材潰し機構 8 駆動機構 11 リンクプレート 12 搬送コンベアー 13 押えレバー 19 ドリル 22 昇降機構 40 送りヘッド 41 ガイドパイプ(案内手段) 71 係止部材 72 弾性部材 A ホタテ貝 C 逆止機構 P 養殖ロープ S 線状係止部材

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の作業位置にてホタテ貝(A)の耳
    に線状係止部材(S)を通し、その線状係止部材(S)
    を養殖ロープ(P)に抜け止め固定するようにしたホタ
    テ貝の耳吊り機において、前記線状係止部材(S)を挿
    通位置へ案内する案内手段(41)が設けられていると
    ともに、この案内手段(41)を前記挿通位置に対して
    接近離間させることにより、前記線状係止部材(S)を
    間欠的に送り出す線状係止部材通し機構(5)を備え、
    この線状係止部材通し機構(5)には、前記線状係止部
    材(S)の送り出し方向への移動を許容し、かつ、引き
    込み方向への線状係止部材(S)の移動を拘束する逆止
    機構(C)が設けられてなり、 前記逆止機構(C)が、線状係止部材(S)の案内手段
    (41)の近傍に揺動可能に設けられるとともに、その
    揺動端部が揺動中心よりも前記線状係止部材(S)の送
    り出し方向前方において前記線状係止部材(S)に接触
    させられる係止部材(71)を備えている ことを特徴と
    するホタテ貝の耳吊り機。
  2. 【請求項2】 前記逆止機構(C)は、前記係止部材
    (71)を前記線状係止部材(S)へ向けて付勢する弾
    性部材(72)を備えていることを特徴とする請求項1
    記載のホタテ貝の耳吊り機。
  3. 【請求項3】 前記線状係止部材通し機構(5)により
    送り出された前記線状係止部材(S)の先端部を挟持し
    て圧搾する線状係止部材潰し機構(7)を備え、 前記線状係止部材通し機構(5)は、前記線状係止部材
    潰し機構(7)によって前記線状係止部材(S)の先端
    部が挟持された状態で、前記案内手段(41)を前記挿
    通位置から離間させるように設定されていることを特徴
    とする請求項1または2記載のホタテ貝の耳吊り機。
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