JP2565140B2 - ホタテ貝の耳吊り機 - Google Patents

ホタテ貝の耳吊り機

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JP2565140B2 JP6198817A JP19881794A JP2565140B2 JP 2565140 B2 JP2565140 B2 JP 2565140B2 JP 6198817 A JP6198817 A JP 6198817A JP 19881794 A JP19881794 A JP 19881794A JP 2565140 B2 JP2565140 B2 JP 2565140B2
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rope
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホタテ貝の耳吊り機に係
わり、特に、ホタテ貝の稚貝を養殖ロープに抜け止め固
定する際に好適に用いられるホタテ貝の耳吊り機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のホタテ貝の耳吊り機が種
々提案されている。例えば特開昭63−123326号
公報等に開示されているホタテ貝の耳吊り機において
は、養殖ロープおよびホタテ貝にドリルを用いて同軸に
貫通孔を穿設するとともに、この貫通孔に挿通した糸の
端部を糸とじすることによりホタテ貝を養殖ロープにぬ
け止めし、もってホタテ貝を養殖ロープに耳吊りするよ
うにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホタテ貝
は、海中で潮の流れにより揺り動かされて隣り合うホタ
テ貝同士が互いにぶつかり合うと、その衝撃により口を
閉じる習性がある。したがって、ホタテ貝が潮の流れに
より容易に揺り動かされて互いにぶつかりあうように耳
吊りしたのでは、口を閉じている時間が長くなって海水
に含まれている養分や酸素を体内に取り込む量が少なく
なり、ホタテ貝の成長が遅くなってしまう。また、ホタ
テ貝は吸い込んだ水を吹き出すことによって海中を泳ぎ
回る習性がある。したがって、ホタテ貝の養殖において
ホタテ貝を充分に大きく成長させるためには、ホタテ貝
が動き回って無駄なエネルギーを消費しないように、ホ
タテ貝を容易に動くことができないように養殖ロープに
固定することが望ましい。
【0004】しかしながら、従来のホタテ貝の耳吊り機
においては、養殖ロープに貫通させた長めの糸によりホ
タテ貝を吊り下げた状態で耳吊りするようにされてお
り、また、耳吊りに用いられる糸は容易に屈曲できる柔
軟性を有している。これにより、従来のホタテ貝の耳吊
り機により耳吊りされるホタテ貝は、長めでかつ柔軟性
を有する糸により養殖ロープに吊り下げらた状態に耳吊
りされるので、海中で潮の流れにより容易に揺り動かさ
れて互いにぶつかったりあるいは自ら動き回ったりし
て、その成長が遅くなるという問題点がある。そこで、
耳吊りに用いる糸の長さを短くすることが考えられる
が、従来のホタテ貝の耳吊り機においては、ホタテ貝を
養殖ロープに対して位置決めする機構上の問題や、耳吊
り用の糸の両端を糸とじする機構上の問題から、耳吊り
に用いる糸の長さを短くすることができない
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ホタテ貝を、互いにぶつ
かったり容易に動き回ったりすることがないように養殖
ロープにぬけ止め固定することができるホタテ貝の耳吊
り機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載のホタテ貝の耳吊り機は、
ホタテ貝の耳に通した線材を養殖ロープに抜け止め固定
するホタテ貝の耳吊り機であって、前記ホタテ貝の一対
の耳の内、一方の側の耳の平坦部が前記養殖ロープに密
着するように前記ホタテ貝を前記養殖ロープに対して位
置決めすることを特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項2に記載のホタテ貝
の耳吊り機は、請求項1に記載のホタテ貝の耳吊り機
おいて、前記ホタテ貝を、その耳と胴体との境界部分が
前記養殖ロープと略平行に延びるように位置決めする
とを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項3に記載のホタテ貝
の耳吊り機は、請求項1または2記載のホタテ貝の耳吊
り機において、前記ホタテ貝の心臓から遠い側にある耳
の平坦部を前記養殖ロープに密着させるように位置決め
することを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項4に記載のホタテ貝
の耳吊り機は、ホタテ貝の耳に通した線材を養殖ロープ
に抜け止め固定するホタテ貝の耳吊り機であって、前記
養殖ロープに貫設された前記線材を挿通する貫通孔の軸
線方向から見て、一対の前記ホタテ貝のそれぞれの胴体
部分を前記養殖ロープに対して左右に振り分けるように
位置決めすることを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項5に記載のホタテ貝
の耳吊り機は、請求項4記載のホタテ貝の耳吊り機にお
いて、一対の前記ホタテ貝を前記養殖ロープに対して位
置決めする位置決め手段が、左右いずれか一方のホタテ
貝を載置する第1の載置面と、左右いずれか他方のホタ
テ貝を載置する第2の載置面とを備え、かつ前記第1の
載置面と前記第2の載置面との間には段差が設けられ
て、前記第1の載置面に載置されるホタテ貝の耳が前記
養殖ロープの上方に位置するように位置決めされ、前記
第2の載置面に載置されるホタテ貝の耳が前記養殖ロー
プの下方に位置するように位置決めされることを特徴と
する。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】 請求項に記載のホタテ貝の耳吊り機は、ホタ
テ貝の一対の耳の内、一方の側の耳の平坦部が養殖ロー
プに密着するようにホタテ貝を養殖ロープに対して位置
決めするので、ホタテ貝の耳および養殖ロープに、耳吊
り用の糸を挿通する貫通孔を芯ずれすることなく確実に
穿設することができるばかりでなく、ホタテ貝を養殖ロ
ープに耳吊りする線材の長さを短くすることができる。
【0016】請求項に記載のホタテ貝の耳吊り機は、
ホタテ貝を、その耳と胴体との境界部分が養殖ロープと
略平行に延びるように位置決めするので、胴体の膨らみ
が養殖ロープに接することが無く、もってホタテ貝の耳
を養殖ロープに確実に密着させることができる。
【0017】請求項に記載のホタテ貝の耳吊り機は、
ホタテ貝の心臓から遠い側にある耳を養殖ロープに密着
させるように位置決めするので、ホタテ貝の一対の耳の
内、心臓から遠い側にある耳に耳吊り用の糸を挿通する
貫通孔を穿設することとなって、ホタテ貝の心臓に悪影
響を及ぼすことを防止することができる。
【0018】請求項に記載のホタテ貝の耳吊り機は、
一対のホタテ貝を養殖ロープに対して左右に振り分ける
ように位置決めするので、その胴体部分が互いに干渉す
ることが無く、もってホタテ貝の耳を養殖ロープに密着
させることができる。
【0019】請求項に記載のホタテ貝の耳吊り機にお
いては、そのホタテ貝を養殖ロープに対して位置決めす
る位置決め部材のホタテ貝を載置する載置面に高低差が
設けられているので、一対のホタテ貝の内、一方のホタ
テ貝をその耳が養殖ロープの上方に位置するように位置
決めし、他方のホタテ貝をその耳が養殖ロープの下方に
位置するように位置決めする位置決め作業を、容易に行
うことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図23を
参照して説明する。
【0021】まず、本発明の第1実施例の全体装置につ
いて図1ないし図3に基づき説明する。これらの図にお
いて、符号1は本第1実施例のホタテ貝の耳吊り機を示
し、基台2と、この基台2に略水平方向に沿って配設さ
れ、ホタテ貝Aを水平状態で搬送するとともに、このホ
タテ貝Aの耳に対応して養殖ロープPが載置される搬送
機構3と、この搬送機構3の近傍に配設されるとともに
上下方向に移動可能に配設され、上記搬送機構3によっ
て搬送されるホタテ貝Aの耳および養殖ロープPに貫通
孔を穿設する穿孔機構4と、この穿孔機構4によって穿
孔されたホタテ貝Aおよび養殖ロープPに係止用糸Sを
挿通する糸通し機構5と、この糸通し機構5に並設され
て、上記係止用糸Sを所定長さに切断する切断機構6
と、この切断された係止用糸Sの両端部を圧搾変形させ
ることにより、上記ホタテ貝Aの係止用糸Sからの離脱
を阻止する糸潰し機構7と、これらの各機構3、4、
5、6、7を作動させる駆動機構8とによって概略構成
されている。
【0022】次いで、これらの各機構3〜7の詳細につ
いて個々に説明する。上記搬送機構3は、上記基台2に
水平方向に所定間隔をおいて配設された回動自在な一対
のプーリー9・10と、上記ホタテ貝Aが水平状態で載
置されるリンクプレート11を無端状に連結することに
よって構成され、上記プーリー9・10に巻回された搬
送コンベアー12と、上記各リンクプレート11の外周
側の搬送方向前方部に上下方向に回動自在に取り付けら
れ、このリンクプレート11上に載置されるホタテ貝A
をリンクプレート11との間で挾持する押えレバー13
と、この押えレバー13の上記リンクプレート11との
対向面側に取り付けられた弾性体(例えば、6ナイロ
ン)からなるブラシ14とを備えている。
【0023】さらに詳述すれば、上記各プーリー9・1
0には、図1および図4に示すように、係合ピン15
が、上記リンクプレート11のピッチと同等のピッチで
設けられており、リンクプレート11が巻回された際
に、図4に示すように、このリンクプレート11の長さ
方向(搬送方向)の両端部内側に形成された切欠11a
に係合させられるようになっている。上記各リンクプレ
ート11は、その長さ方向の端部において、連結ピン1
6を介して回動自在に連結されており、かつ、この連結
ピン16を介して上記押えレバー13が回動自在に連結
されている。
【0024】また、上記リンクプレート11の外側面に
は、ホタテ貝Aが位置決め載置される収容凹部11b
が、図3に示すように幅方向に振り分けて形成され、さ
らに、これらの収容凹部11bには、図4に示すよう
に、側面視(プーリー9・10の軸線方向から見て)搬
送コンベアー12の内外面方向の高低差が付けられてい
る。かつ、これらの収容凹部11bは、リンクプレート
11の幅方向の中間部で連続させられているとともに、
上記ホタテ貝Aの挿入・載置が搬送コンベアー12の幅
方向側部から行い得るようにそれぞれの側部が開口され
ている。そして、これらの収容凹部11bに載置される
ホタテ貝Aは、それぞれの一対の耳の内の一方の側の耳
が上記両収容凹部11bの連続部分に位置するように挿
入されるとともに、この連続部分を中心にして、図3に
示すように、平面視において(上から見て)点対称な位
置に載置される。
【0025】さらに、上記リンクプレート11の幅方向
中間部には、図2および図3に示すように、上記両収容
凹部11の連続部分をとおり、かつ、搬送方向に沿うガ
イド溝11cが形成されており、このガイド溝11cに
上記養殖ロープPが挿通されることにより、この養殖ロ
ープPが上記収容凹部11bに載置されるホタテ貝Aの
耳の部分の間に挿通させられるようになっている。
【0026】一方、リンクプレート11の、上述のよう
に両ホタテ貝Aの耳の部分と養殖ロープPとが重畳させ
られる連続部分には、図3に示すように、上下方向に貫
通孔11dが形成されており、後述する係止用糸Sおよ
び穿孔機構4のドリル19が挿通されるようになってい
る。
【0027】また、上記押えレバー13および連結ピン
16は、上記収容凹部11bと同様に、リンクプレート
11の幅方向に振り分けて配設されており、それぞれ各
収容凹部11bに載置されるホタテ貝Aを、その内側に
設けられた上記ブラシ14の弾性力を利用してリンクプ
レート11へ押し付けて、このリンクプレート11との
間で挾持するようになっている。そして、このように構
成された搬送機構3は、図4に示すように、両プーリー
9・10に巻回された状態において、上部の直線部が搬
送部3aとなされ、搬送方向上方のプーリー9・10に
巻き込まれる部分がホタテ貝Aの挾持を解除する放出部
3bとなされ、残余の部分が空送部3cとなされてい
る。上記搬送部3aの内外周面は、上記基台2に略水平
にかつ上下に所定間隔をおいて装着されている一対のガ
イドプレート17・18によって案内されている。した
がって、上記搬送機構3は、駆動機構8によって間欠駆
動させられるプーリー9・10の回転により、一方向に
リンクプレート11のピッチで間欠移動させられるとと
もに、順次搬送部3aに送り込まれる押えレバー13
が、上方のガイドプレート18によってリンクプレート
11側へ向けて回動させられるとともに、両者間に介装
されているホタテ貝Aを挾持する位置に保持され、ま
た、放出部3bにおいては、押えレバー13がその自重
によりリンクプレート11から離れるように回動してホ
タテ貝Aが解放される。
【0028】次に、上記穿孔機構4について説明する。
この穿孔機構4は、図1ないし図3に示すように、上記
搬送機構3の搬送部3aの上方に配設されており、上記
ホタテ貝Aと養殖ロープPとに穿孔するドリル19と、
このドリル19と上記搬送機構3との間に配設されて、
上記ホタテ貝Aの上面に当接させられるとともに、上記
ドリル19が挿通させられるドリルガイド20とによっ
て構成されている。
【0029】上記ドリル19は、図1および図2に示す
ように、上記基台2に上下方向に移動自在に取り付けら
れた電動モーター21に装着されており、この電動モー
ター21に装着された状態において、上記搬送機構3の
各リンクプレート11に形成されている貫通孔11dの
移動軌跡の真上に位置させられ、かつ、間欠移動させら
れるリンクプレート11が停止させられた時に、上記貫
通孔11dと同軸となるように位置させられている。上
記電動モーター21と基台2との間には、電動モーター
21およびドリル19の上下動をなす昇降機構22が設
けられている。この昇降機構22は、図5および図6に
示すように、上記電動モーター21が取り付けられたモ
ーターステー24と、このモーターステー24が摺動自
在に係合させられ、上記基台2に上下に沿って固着され
たガイドレール25と、上記モーターステー24に一体
に取り付けられたカムフォローア26と、このカムフォ
ローア26に回転自在に取り付けられたカムローラー2
7と、このカムローラー27が転動自在に摺接させられ
るカム28とによって構成されている。
【0030】上記カムフォローア26は、上記基台2に
上記ガイドレール25と平行に設けられているサブガイ
ドレール29に摺動自在に係合させられて、その移動方
向が規制されている。また、上記カム28は、上記駆動
機構8によって回転させられて、上記カムローラー27
を上下動させることにより、上記電動モーター21をモ
ーターステー24およびカムフォローア26とともに、
上下方向に所定のストロークで往復移動させるようにな
っている。そして、このストロークは、上記ドリル19
が、その下方に位置させられた一対のホタテ貝Aおよび
その間に介装された養殖ロープPを完全に貫通する最下
降位置(図5参照)と、ドリル19の先端(最下端)
が、これらのホタテ貝Aおよび養殖ロープPから上方へ
完全に離間する最上昇位置とを取り得る長さに設定され
ている。
【0031】上記ドリルガイド20は、図5および図6
に示すように、上記ドリル19の上下動により、このド
リル19が挿通されるガイド筒30と、このガイド筒3
0が固着されるとともに、上記ガイドレール25に摺動
自在に係合させられたドリルガイドステー31とによっ
て構成されており、上記ドリル19と同様にガイドレー
ル25に沿って上下に移動自在となされている。そし
て、このドリルガイド20の移動ストロークは、その最
下降位置において、その下方に位置させられているホタ
テ貝Aの上面に当接し、最上昇位置において、ホタテ貝
Aの上面との間に、後述する糸潰し機構7の一部が入り
込める間隔を形成する長さに設定されている。さらに、
このドリルガイド20は、上記ドリル19との間に設け
られた差動機構32を介して連動可能に連結されてい
る。
【0032】この差動機構32は、図5および図6に示
すように、上記モーターステー24に突設されたブラケ
ット33と、このブラケット33から下方へ向けて突設
され、上記ドリルガイドステー31の側部まで延設され
たガイドロッド34と、上記ドリルガイドステー31に
突設され、上記ガイドロッド34が摺動自在に嵌合させ
られたブラケット35と、このブラケット35と上記モ
ーターステー24に突設されたブラケット33との間に
介装された圧縮スプリング36と、上記ガイドロッド3
4に固着され、上記ドリルガイドステー31に突設され
たブラケット33の抜け止めをなすストップリング37
とによって構成されている。そして、上記ガイドロッド
34は、その一端部においてナット38により上記ブラ
ケット33へ固着され、また、他端部に同様のナット3
9により上記ストップリング37が固着されている。し
たがって、これらのドリル19とドリルガイド20と
は、ドリルガイド20がホタテ貝Aに当接するまでは一
定間隔を保持した状態で一体的に移動させられ、ドリル
ガイド20がホタテ貝Aに当接したのちにおいては、ド
リル19のみが圧縮スプリング36の弾発力に抗して下
降し、上昇時においては、ドリル19がホタテ貝Aから
離間したのちに、ドリルガイド20がホタテ貝Aから離
間するような相対移動がなされるようになっている。
【0033】次いで、上記糸通し機構5について、糸切
断機構6とともに説明する。この糸通し機構5および糸
切断機構6は、図1に示すように、上記搬送コンベアー
12の内側に、上記穿孔機構4と略同軸となるように、
上記糸切断機構6を上方にして配設されている。まず、
糸通し機構5について詳述すれば、この糸通し機構5
は、上記駆動機構8によって上下方向に往復移動させら
れる送りヘッド40と、この送りヘッド40に取り付け
られて、上記糸Sが挿通されるガイドパイプ41とを備
えており、このガイドパイプ41は、上記送りヘッド4
0の内部において、略水平方向から鉛直方向に湾曲形成
されており、その水平部分は、図2および図3に示すよ
うに、上記基台2にブラケット42を介して回転自在に
装着され、上記糸Sが巻回されたドラム43の近傍まで
延設されており、このドラム43から引き出された糸S
を、基台2の外部へ導くとともに、図7に示すように、
上記鉛直部分によって上記切断機構6へ導くようになっ
ている。なお、本実施例においては、上記糸Sはナイロ
ン製のテグスとすることによりその曲げ剛性が高めら
れ、上記穿孔機構4によってホタテ貝Aおよび養殖ロー
プPに穿設された貫通孔内に容易に挿通させることがで
きるようにされているが、糸Sの曲げ剛性を高くするこ
とができるならば、例えばポリエステル等の他の材料製
のテグスを用いることとしても良い。
【0034】そして、上記送りヘッド40が切断機構6
へ向けて移動させられることにより、上記ガイドパイプ
41の鉛直部分が切断機構6の内部にその下方から挿入
され、その移動量に相当する長さの糸Sを切断機構6に
対して送り込むようになっている。そして、このような
糸Sの送り込み操作は、上記ガイドパイプ41の湾曲部
におけるガイドパイプ41と曲げ剛性が高くされている
糸Sとの摩擦抵抗によって行われる。
【0035】一方、上記切断機構6は、上記糸通し機構
5とは別個に、上記駆動機構8によって上下に所定のス
トロークで往復移動させられるヘッドケーシング44
と、このヘッドケーシング44の内部に、軸線が上下方
向に沿うようにして配設され、かつ、この軸線を中心に
回転可能に支持されたカッター45と、このカッター4
5を所定角度の範囲内で往復回動させる揺動手段46と
から構成されている。さらに詳述すれば、上記ヘッドケ
ーシング44は、図7ないし図9に示すように、その上
端部に蓋体47を有し、この蓋体47には、上記ドリル
19と同軸となるように、貫通孔47aが形成されてい
るとともに、内面には、図7に示すように、上記貫通孔
47aに連続した漏斗状の内面を有する凹部47bが形
成されている。そして、上記凹部47bの頂点に対して
上記貫通孔47aが、図7に示すように、半径方向に偏
倚して形成されている。
【0036】上記カッター45は、円柱状に形成されて
おり、その回転軸線が上記凹部47bの頂点を通るよう
に上記ヘッドケーシング44内に装着されている。ま
た、カッター45は、図7に示すように、その上端部が
上記蓋体47の凹部47bの内面に摺接させられる円錐
状の外面を有する凸部45aが形成されているととも
に、回転軸線から半径方向に偏倚した位置に、その回転
によって上記蓋体47に形成されている貫通孔47aへ
連通させられるガイド孔45bが形成され、ヘッドケー
シング44の底面との間に介装された皿ばねKの弾発力
により、常時蓋体47へ向けて押圧されている。そし
て、上記カッター45の凸部45aと上記蓋体47の凹
部47bとの接触面で、上記貫通孔47aとガイド孔4
5bの周縁近傍部分が、ガイド孔45bと貫通孔47a
内に挿通される上記糸Sを、その切り口が糸Sの軸線に
対して斜めになるように切断するようにされている。
(図7参照)。これにより、上記切断機構6により切断
される上記糸Sはその切り口が長さ方向に鋭利な形状と
されるので、上記穿孔機構4によりホタテ貝Aおよび養
殖ロープPに穿設された貫通孔に、上記糸Sを容易に挿
通させることができる。
【0037】一方、上記カッター45に連結される揺動
手段46は上記ヘッドケーシング44から基台2の内部
へ延設され、上記駆動機構8へ連絡された中空状の昇降
ア−ム48内に配設されており、図10に示すように、
上記カッター45の下端部に半径方向に向かって突設さ
れたリンク49の揺動端部に、球面継手50を介して連
結されたプルロッド51と、このプルロッド51を常時
押圧して、上記カッター45のガイド孔45bと上記ヘ
ッドケーシング44の貫通孔47aとを合致させるべ
く、このカッター45を回動させるリターンスプリング
52と、上記駆動機構8によって駆動されて、上記カッ
ター45を上述した方向と逆方向へ回動させることによ
り、上記貫通孔47aとガイド孔45bとをずらして糸
Sを切断する図示せぬリンク機構とによって構成されて
いる。
【0038】また、上記ヘッドケーシング44の側壁に
は、図8ないし図10に示すように、ボルト53が螺着
されているとともに、ヘッドケーシング44の外壁面に
接触させられるナット54によって移動が拘束されてい
る。そして、上記ボルト53は、図10に示すように、
上記ヘッドケーシング44の内部に突出させられて、上
記プルロッド51の一端部にその長さ方向上方から当接
させられている。このボルト53は、ヘッドケーシング
44に対して前後に移動させることにより、上記リター
ンスプリング52の弾発力に抗して上記プルロッド51
の停止位置を変更することにより、カッター45の初期
位置の調整、すなわち、そのガイド孔45bと上記貫通
孔47aとの位置合わせを行うために設けられたもので
ある。
【0039】さらに、上記切断機構6は、上記駆動機構
8により上下方向に所定のストロークで往復移動させら
れるようになっており、このストロークは、図7に示す
ように、切断機構6の上端部が、上記搬送機構3のリン
クプレート11に形成されている貫通孔11dに挿入さ
れる最上昇位置と、切断機構6の上端部に後述する糸潰
し機構7が侵入できる隙間を形成する最下降位置との間
隔で設定されている。
【0040】さらにまた、上記糸潰し機構7について説
明する。この糸潰し機構7は、図5に示すように、上記
基台2から搬送機構3へ向けて突設されており、かつ、
この搬送機構3の上方と下方とに設けられている。これ
ら一対の糸潰し機構7は、ほぼ同様な構成となされてい
ることから、下方の糸潰し機構7について詳述する。下
方に配設された糸潰し機構7は、図5および図7に示す
ように、基台2から搬送機構3へ向けて突設させられた
駆動シャフト55と、この駆動シャフト55によって開
閉される一対の圧搾爪56とを備えている(図11およ
び図12参照)。
【0041】上記駆動シャフト55は、図7、図11、
および図12に示すように、中空状のアウターシャフト
57と、このアウターシャフト57内に相対回動自在に
嵌合された中実のインナーシャフト58ととによって構
成されており、これらのアウターシャフト57とインナ
ーシャフト58のそれぞれの一端部に、上記圧搾爪56
が各シャフト57・58の略外周面近傍から接線方向に
沿って個々に一体に設けられている。
【0042】また、上記各シャフト57・58の他端部
は、上記基台2の内部において、上記駆動機構8によっ
て作動させられる図示せぬリンク機構にそれぞれ連結さ
れており、このリンク機構によって軸線回りに逆方向に
相対回動させられることにより、上記圧搾爪56を、図
12に鎖線で示すように揺動させて、その先端部どうし
を圧接させるようになっているとともに、これらの圧搾
爪56間に位置する糸Sをその半径方向から圧搾し平坦
化するようになっている。さらに、上記圧搾爪56を相
互に離間させて、両者間に、図11に示すように、上記
切断機構6の上昇移動を許容する空間部を形成するよう
になっている。
【0043】一方、上方の糸潰し機構7は、その圧搾爪
56の先端部どうしを離間させた状態において、両者間
に、図5に示すように、上記穿孔機構4のドリル19お
よびガイド筒30の下降移動を許容する空間部を形成す
るようになっている。したがって、これらの各糸潰し機
構7は、それぞれ、穿孔機構4が上昇させられたのち
に、また、切断機構6が下降させられたのちに、上記圧
搾爪56を当接させて糸Sを圧搾するよう、その作動タ
イミングが設定されている。
【0044】次いで、このように構成された本実施例の
ホタテ貝の耳吊り機の作動について説明する。
【0045】まず、搬送機構3の搬送部3aに位置する
リンクプレート11のガイド溝11cに、図3に示すよ
うに、養殖ロープPを挿通させておく。次いで、搬送機
構3の搬送コンベアー12を、リンクプレート11の連
結ピッチ分づつ間欠的に移動させるとともに、搬送部3
aの上流側の端部に位置するリンクプレート11に、そ
の両側部から一対のホタテ貝Aをそれぞれ挿入し、図1
5に示すように、各ホタテ貝Aの一対の耳の内一方の耳
が上記養殖ロープPの上方もしくは下方に密着するよう
に位置決めするとともに、図3に示すように、これらの
重畳部をリンクプレート11の貫通孔11cの上方に位
置合わせする。このとき、上記搬送機構3の搬送コンベ
アー12は、その下部を構成するリンクプレート11が
下方のガイドプレート17によって支持され、また、上
部を構成する押えレバー13が、上方のガイドプレート
18によって案内されて上方への回動が拘束されている
ことから、ホタテ貝Aは上述の挿入操作により、押えレ
バー13に取り付けられているブラシ14を弾性変形さ
せつつリンクプレート11の収容凹部11b内に挿入さ
れる。これにより、上記ホタテ貝Aがブラシ14の弾性
力によってリンクプレート11の収容凹部11bに圧接
させられて、上述したような位置に位置決め保持され
る。このようなホタテ貝Aの挿入作業を、上述した搬送
コンベアー12の間欠移動によって順次搬送部3aの上
流側へ送り込まれるリンクプレート11に対して順次行
い、ホタテ貝Aを搬送機構3へ連続して装着する。な
お、本実施例においてはリンクプレート11の左右の収
容凹部11bに、高低差が設けられているので、一対の
ホタテ貝Aの内、一方のホタテ貝の耳が養殖ロープPの
上方に位置するように位置決めし、他方のホタテ貝の耳
が養殖ロープの下方に位置するように位置決めする作業
を容易に行うことができるようにされている。
【0046】ところで、一般的に、ホタテ貝には表裏が
あり、一方が黒っぽい色の外観を呈するのに対して、他
方が白っぽい色の外観を呈する。そして、上述のように
ホタテ貝をリンクプレート11上に位置決めする際に、
この性質を利用し、リンクプレート11の上側の載置面
に載置されるホタテ貝Aをその黒っぽい色の方が表側と
なるようにし、反対にリンクプレート11の下側の載置
面に載置されるホタテ貝Aをその白っぽい色の方が表側
となるようにする。すると、ホタテ貝Aの一対の耳の
内、ホタテ貝の心臓から遠い方にある耳同士が養殖ロー
プPと重畳させられることとなる。したがって、穿孔機
構4により穿設される貫通孔は、ホタテ貝の心臓から遠
い方にある耳に穿設されることとなるので、貫通孔を穿
設することの悪影響がホタテ貝の心臓におよぶことを防
止することができ、もって耳吊り作業を行った後のホタ
テ貝の生存率を大幅に高めることができる。
【0047】前述のようにリンクプレート11に対して
位置決め載置されたホタテ貝Aおよび養殖ロープPは、
搬送コンベアー12の間欠移動に伴って、順次穿孔機構
4、糸通し機構5、あるいは、糸切断機構6に対向させ
られるとともに、その位置に停止させられる。そして、
搬送コンベアー12の移動が停止させられている間に、
上記穿孔機構4、糸通し機構5、切断機構6、および糸
潰し機構7が作動させられる。
【0048】これらの個々の作動について以下に詳述す
る。上記穿孔機構4は、ホタテ貝Aおよび養殖ロープP
が位置決めされた搬送コンベアー12が搬送されてくる
間、図13に示すように、カム28の作用によって最上
昇位置に位置させられているとともに、上下の糸潰し機
構7は、その圧搾爪56を開放した状態に保持されてい
る。これより、上記カム28が作動させられて、穿孔機
構4のドリルガイド20およびドリル19が下降を開始
するとともに、上記ドリル19が電動モータ21によっ
て回転駆動させられる。
【0049】そして、上記ドリルガイド20は、その先
端のガイド筒30が下方に位置させられている上方のホ
タテ貝Aの上面に当接してその下降が阻止されるが(図
14参照)、上記ドリル19は、上記ドリルガイドステ
ー31とモーターステー24との間に設けられた差動機
構32の圧縮スプリング36が圧縮されることにより、
上記ドリルガイド20との相対移動が行われてさらに下
降させられる。これによって、上記ドリル19は、上記
ガイド筒30を貫通させられたのちに、その下方に位置
する上方のホタテ貝A、養殖ロープP、および、下方の
ホタテ貝Aとに順次加工を施し、図5に示すように、こ
れらに連続した貫通孔を穿設する。この穿孔作業が終了
した後において、上記穿孔機構4は、再度最上昇位置へ
上昇させられて待機状態となされる。
【0050】このようにして穿孔作業が完了すると、図
15に示すようにリンクプレート11の下方に位置させ
られている切断機構6および糸通し機構5が上昇させら
れて、切断機構6の蓋体47に形成されている貫通孔4
7aが、上記ホタテ貝Aや養殖ロープPに形成された貫
通孔に同軸上でかつ近接した位置に位置させられる。
【0051】ここで、上記切断機構6の上昇は停止させ
られるが、これに続いて上記糸通し機構5が上昇させら
れて、図16に示すように、そのガイドパイプ41がカ
ッター45のガイド孔45b内にその下方から所定長さ
挿入される。この作動により、上記カッター45内に残
存していた糸Sが上方へ向けて押し上げられることによ
り、図16に示すように、上記糸Sが両ホタテ貝Aおよ
び養殖ロープPを貫通してその上方へ突出させられる。
このようにして糸Sが上方へ押し上げられるのは、上記
ガイドパイプ41の湾曲部において上記糸Sに摩擦抵抗
が与えられて、この摩擦抵抗により上記糸Sのガイドパ
イプ41内への滑り込みが阻止されるからである。
【0052】上述のようにして糸Sが上方のホタテ貝A
の上方まで突出させられると、まず、上方の糸潰し機構
7が作動させられて、その圧搾爪56によって上記突出
させられた糸Sの先端が把持され、さらなる上方の糸潰
し機構7の作動により、上記糸Sの先端が図17に破線
で示すように偏平状に圧搾される。
【0053】次いで、図17に示すように、糸通し機構
5が下降させられる。この糸通し機構5の下降に伴い、
上記糸Sは、その先端が上記上方の糸潰し機構7によっ
て把持されていることから、糸通し機構5の下降分だけ
上記ガイドパイプ41から引き出される。この後に、切
断機構6および糸通し機構5とを同期して若干量下降さ
せたのちに、揺動手段46によって上記カッター45
を、図17に矢印で示すように回転させられることによ
り、上記糸Sがカッター45とヘッドケーシング44の
蓋体47との傾斜した接触面において鋭利に切断され
る。
【0054】これよりさらに上記切断機構6および糸通
し機構5が若干量下降させられることにより、図18に
示すように、両ホタテ貝Aおよび養殖ロープPに貫通さ
せられた糸Sの下端部が、切断機構6から露出させられ
る。次いで、下方の糸潰し機構7が作動させられること
により、上記糸Sの下端部が、図18に破線で示すよう
に、偏平状に圧搾変形させられる。これによって、糸S
の両端部が偏平状に圧搾変形させられて、この糸Sから
の両ホタテ貝Aの離脱が防止され、この結果、両ホタテ
貝Aが養殖ロープPに固定される。この後に、上下の糸
潰し機構7による糸Sの把持が開放されるとともに、搬
送機構3が1ピッチ分作動させられることにより、後段
のリンクプレート11が穿孔機構4や切断機構6間に送
り込まれて位置決めされ、以降同様の作用により、ホタ
テ貝Aが養殖ロープPへ順次固定される。
【0055】一方、上述のように養殖ロープPへの固定
が完了したホタテ貝Aが載置されたリンクプレート1
1、および、上記ホタテ貝Aを押圧する押えレバー13
は、上記両ガイドプレート17・18から離脱させられ
るが、そのリンクプレート11は図4に示すように、上
記リンクプレート11が搬送方向前方のプーリ9に巻き
込まれ、また、上記押えレバー13は、上方への回動が
自由な状態であることから、プーリ9への巻き込みの初
期の段階において、弾性変形させられていた上記ブラシ
14の弾性力により上方へ若干量回動させられ、リンク
プレート11がさらにプーリ9へ巻き込まれるにつれ
て、上記押えレバー13が自らの自重によりリンクプレ
ート11から離れる方向に回動する。これによって、リ
ンクプレート11と押えレバー13とによる上記ホタテ
貝Aの把持が自然に解放されて、ホタテ貝Aおよび養殖
ロープPは搬送コンベア12から円滑に切り離される。
【0056】上述のようにホタテ貝Aが耳吊りされた養
殖ロープPを上下方向に伸ばすと、ホタテ貝Aは、図2
3に示すように、養殖ロープPに貫通させられた糸Sの
両端部にそれぞれ一つずつ係止された状態で吊り下げら
れる。このとき、本実施例においては、ホタテ貝および
養殖ロープPに穿設された貫通孔に糸Sを容易に挿通さ
せることができるように、糸Sの曲げ剛性を高めている
ので、養殖ロープPに貫通させられている糸Sは、図2
3に示すようにほぼ水平にかつ棒状に延びる状態とな
る。これにより、糸Sの両端部にそれぞれ耳吊りされて
いるホタテ貝は、海水中において潮の流れによって揺り
動かされても養殖ロープPを回り込むように動くことが
できないから、お互いにぶつかりあうことが無い。ま
た、養殖ロープPがクッションの役目を果たすので、ホ
タテ貝が養殖ロープPにぶつかる衝撃はごく小さいもの
となる。したがって、本実施例のホタテ貝の耳吊り機に
よって養殖ロープPに耳吊りされたホタテ貝Aは、お互
いにぶつかりあう衝撃により口を閉じることが無いの
で、海水中の酸素や栄養分を充分に吸収することができ
て成長が早まることとなる。なお、ホタテ貝Aを養殖ロ
ープPに耳吊りする糸Sの長さをさらに短くすれば、例
えば図15に示すように、一対のホタテ貝Aをその耳に
より養殖ロープPを挟持した状態で養殖ロープPに耳吊
りすることができる。これにより、一対のホタテ貝A
を、図4に示すようにその胴体部分を養殖ロープPに密
着させることができるから、ホタテ貝Aの動きをさらに
小さいものとすることができ、もってホタテ貝の無駄な
エネルギーの消費を押さえてその成長をより一層早める
ことができる。
【0057】しかしてこのように構成された本実施例の
ホタテ貝の耳吊り機によれば、搬送機構3を複数のリン
クプレート11とこれらのリンクプレート11に回動自
在に装着された押えレバー13とによって構成し、これ
らのリンクプレート11を無端状に連結して一対のプー
リー9・10間に巻回した構成とし、ホタテ貝Aをリン
クプレート11と押えレバー13との間で水平状態で挾
持して搬送するものであるから、ホタテ貝Aを搬送機構
3に装着する場合にその位置決めが簡便であり、かつ、
搬送時においてもその位置ずれが抑制される。したがっ
て、作業性が大きく改善される。また、後段の穿孔作業
時における穿孔の位置精度が高められるとともに、重畳
する2つのホタテ貝Aと養殖ロープPとに確実に連続し
た貫通孔を穿設することが可能となって、ホタテ貝Aの
養殖ロープPへの固定が確実に行われる。
【0058】さらに、上記搬送機構3に対して、穿孔機
構4、糸通し機構5、切断機構6、および、糸潰し機構
7等を鉛直方向に沿って配設することが可能となって、
装置の水平方向への寸法拡大が抑制され、この結果、装
置を設置するに際し、省スペース化が図られる。一方、
設置スペースが充分に確保できる場合においては、搬送
機構3の搬送部3aを長くすることにより、搬送コンベ
アー12へのホタテ貝Aの装着領域を長く設定すること
ができ、これによって、搬送機構3の搬送速度が高めら
れて、作業効率の向上が図られる。
【0059】さらにまた、養殖ロープPへの固定作業を
終えたホタテ貝Aを搬送機構3から切り離す場合におい
ても、リンクプレート11がプーリー9に巻き込まれた
のちにおいて、ホタテ貝Aを挾持する押えレバー13が
その自重によって回動してホタテ貝Aの挾持を解除する
ものであるから、円滑な切り離しが行われる。
【0060】しかも、本実施例においては、切断機構6
により糸Sを切断する際に、その切口を斜めにして鋭利
な形状とするものであるから、ホタテ貝Aや養殖ロープ
Pへの挿入に際し、円滑かつ確実な挿入が可能となり、
この点からも、作業の確実性が確保される。
【0061】なお、上記実施例において示した各構成部
材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づ
き種々変更可能である。例えば、上記実施例において
は、搬送機構3を間欠的に移動させて、その停止時にお
いてホタテ貝Aや養殖ロープPへの穿孔作業ならびに糸
通しや固定作業を行う例について示したが、これに代え
て、次のような構成とすることも可能である。すなわ
ち、搬送機構3を一定速度で移動させておき、穿孔機構
4や糸通し機構5等の諸機器を上記搬送機構3の移動方
向に追従して移動させながら上記諸作業を行わせる構成
である。このような構成とする場合においても、上記諸
機器が鉛直方向に沿って配設することが可能であるか
ら、これらの諸機器の移動スペースは、ほぼ搬送機構3
の上方のみに限られ、水平方向への設置面積の拡大が極
力抑えられる。
【0062】また、図19および図20は、本発明の第
2実施例を示すもので、本実施例においては、6ナイロ
ン製の0.34mm径のテグス糸を20本まとめたもの
が多数カ所に植設されてなるブラシ14を、所定角度
(例えば15度)鉛直面から内方に(リンクプレート1
1のガイド溝11c側に)傾斜して設けている。このよ
うに構成したことにより、リンクプレート11上のホタ
テ貝Aを押えレバー13によって挟持した場合に、上記
ブラシ14の傾斜が、ホタテ貝Aをリンクプレート11
のガイド溝11c側に(図19において中心部側に)付
勢するように働くから、ホタテ貝Aがリンクプレート1
1の側方に離脱することをより一層防止する。
【0063】さらに、図21および図22は、本発明の
第3実施例を示すもので、上記実施例の押えレバー13
がリンクプレート11の搬送方向前方端において連結ピ
ン16によって上下方向に回動自在に連結されているの
に対して、本実施例の押えレバー60は、図示しない支
持アームを介してリンクプレート11に、リンクプレー
ト11の搬送方向に直交する面内において上下方向に所
定角度の範囲内で(水平位置および60度上方に傾斜し
た位置の範囲内で)回動自在に取り付けられている。ま
た、図22に示すように、本実施例にあっては、左右一
対のホタテ貝Aは、平面視において(上から見て)リン
クプレート11の中心線m(養殖ロープP)に対して線
対称の位置に載置されている。すなわち、一対のホタテ
貝Aは、養殖ロープPに穿設する糸Sを挿通する貫通孔
の軸線方向から見て、それぞれの胴体部分が養殖ロープ
Pに対して左右に振り分けとなるように位置決めされ
る。このように構成されたことにより、上記実施例と同
様にして、リンクプレート11と押えレバー60との間
にブラシ14を介してホタテ貝Aを確実に挟持して、所
定の姿勢および位置で円滑に保持することができる。
【0064】なお、一対のホタテ貝Aを位置決めする際
に、図22に示すように、ホタテ貝Aの耳と胴体との境
界部分が養殖ロープPと略平行に延びるように位置決め
することとすれば、ホタテ貝Aの胴体の膨らみを養殖ロ
ープPに接触させないようにすることができる。これに
より、ホタテ貝Aの耳を養殖ロープPに確実に密着させ
ることができ、もってホタテ貝Aを養殖ロープPに耳吊
りする糸Sの長さを短くすることができる。
【0065】
【0066】
【0067】
【発明の効果】本発明に係るホタテ貝の耳吊り機は、上
述のように構成したので、次のような優れた効果を得る
ことができた。 すなわち、 本発明の請求項に記載のホ
タテ貝の耳吊り機においては、ホタテ貝の一対の耳の
内、一方の側の耳の平坦部が養殖ロープに密着するよう
にホタテ貝を養殖ロープに対して位置決めするので、ホ
タテ貝の耳および養殖ロープに、耳吊り用の糸を挿通す
る貫通孔を芯ずれすることなく確実に穿設することがで
き、もって耳吊り作業を失敗して手作業で耳吊りをやり
なおすといった非効率的な作業を無くすことができて、
ホタテ貝の耳吊り作業の効率を向上させることができる
という効果を奏する。さらに、ホタテ貝を養殖ロープに
耳吊りする線材の長さを短くすることができるから、養
殖ロープに耳吊りされたホタテ貝の動きを減らすことが
でき、もってホタテ貝が動き回って無駄にエネルギーを
消費することが無いとともに、ホタテ貝が互いにぶつか
り難くなって、ホタテ貝が互いにぶつかる際の衝撃に驚
いて口を閉じることが少なくなるから、海水中の養分や
酸素を充分に体内に取り込むこととなり、もってその成
長が早めることができるという効果を奏する。
【0068】また、本発明の請求項に記載のホタテ貝
の耳吊り機においては、ホタテ貝を、その耳と胴体との
境界部分が養殖ロープと略平行に延びるように位置決め
するので、胴体の膨らみが養殖ロープに接することが無
く、もってホタテ貝の耳を養殖ロープに確実に密着させ
た状態に位置決めすることができる。これにより、ホタ
テ貝を養殖ロープに耳吊りする線材の長さを短くするこ
とができ、もって養殖ロープに耳吊りされたホタテ貝の
動きを減らすことができるという効果を奏する。
【0069】また、本発明の請求項に記載のホタテ貝
の耳吊り機においては、ホタテ貝の心臓から遠い側にあ
る耳を養殖ロープに密着させるように位置決めするの
で、ホタテ貝の一対の耳の内、心臓から遠い側にある耳
に耳吊り用の糸を挿通する貫通孔を穿設することとなっ
て、ホタテ貝の心臓に悪影響を及ぼすことを防止するこ
とができる。これにより、養殖ロープに耳吊りされたホ
タテ貝の生存率を大幅に高めることができるという効果
を奏する。
【0070】また、本発明の請求項に記載のホタテ貝
の耳吊り機においては、一対のホタテ貝を養殖ロープに
対して左右に振り分けるように位置決めするので、その
胴体部分が互いに干渉することが無く、もってホタテ貝
の耳を養殖ロープに確実に密着させることができるとい
う効果を奏する。
【0071】また、本発明の請求項に記載のホタテ貝
の耳吊り機においては、そのホタテ貝を養殖ロープに対
して位置決めする位置決め部材のホタテ貝を載置する載
置面に高低差が設けられているので、一対のホタテ貝の
内、一方のホタテ貝をその耳が養殖ロープの上方に位置
するように位置決めし、他方のホタテ貝をその耳が養殖
ロープの下方に位置するように位置決めする位置決め作
業を容易に行うことができ、もってホタテ貝の耳吊り作
業の効率を大きく向上させることができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1の一部を省略した平面図である。
【図4】搬送コンベアーの拡大正面図である。
【図5】穿孔機構の拡大側面図である。
【図6】図5のVI矢視図である。
【図7】糸通し機構と切断機構とを示す縦断面側面図で
ある。
【図8】図7のVIII矢視図である。
【図9】図7のIX−IX線に沿う矢視断面図である。
【図10】図7のX−X線に沿う矢視断面図である。
【図11】図7のXI−XI線に沿う矢視断面図であ
る。
【図12】糸の下端を圧搾し平坦化する状態を示す断面
図である。
【図13】穿孔機構が最上昇位置にある状態を示す側面
図である。
【図14】穿孔機構が下降中の状態を示す側面図であ
る。
【図15】切断機構及び糸通し機構の上昇を示す断面図
である。
【図16】糸通し機構の上昇を示す断面図である。
【図17】糸の上端の圧搾及び糸通し機構の下降,さら
に糸の切断を示す断面図である。
【図18】糸の下端の圧搾を示す断面図である。
【図19】本発明の第2実施例を示す説明図である。
【図20】図19のブラシの一例を示す説明図である。
【図21】本発明の第3実施例を示す説明図である。
【図22】図21を上から見た場合の説明図である。
【図23】本発明のホタテ貝の耳吊り機によって耳吊り
されたホタテ貝を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 耳吊り機 2 基台 3 搬送機構 4 穿孔機構 5 糸通し機構 6 切断機構 7 糸潰し機構 8 駆動機構 9 プーリ 10 プーリ 11 リンクプレート 12 搬送コンベアー 13 押えレバー 14 ブラシ(弾性体) 60 押えレバー A ホタテ貝 P 養殖ロープ S (係止用)糸

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホタテ貝の耳に通した線材を養殖ロープに
    抜け止め固定するホタテ貝の耳吊り機であって、前記ホ
    タテ貝の一対の耳の内、一方の側の耳の平坦部が前記養
    殖ロープに密着するように前記ホタテ貝を前記養殖ロー
    プに対して位置決めすることを特徴とするホタテ貝の耳
    吊り機。
  2. 【請求項2】前記ホタテ貝を、その耳と胴体との境界部
    分が前記養殖ロープと略平行に延びるように位置決めす
    ることを特徴とする請求項1に記載のホタテ貝の耳吊り
    機。
  3. 【請求項3】前記ホタテ貝の心臓から遠い側にある耳の
    平坦部を前記養殖ロープに密着させるように位置決めす
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のホタテ貝
    の耳吊り機。
  4. 【請求項4】ホタテ貝の耳に通した線材を養殖ロープに
    抜け止め固定するホタテ貝の耳吊り機であって、前記養
    殖ロープに貫設された前記線材を挿通する貫通孔の軸線
    方向から見て、一対の前記ホタテ貝のそれぞれの胴体部
    分を前記養殖ロープに対して左右に振り分けるように位
    置決めすることを特徴とするホタテ貝の耳吊り機。
  5. 【請求項5】一対の前記ホタテ貝を前記養殖ロープに対
    して位置決めする位置決め手段が、左右いずれか一方の
    ホタテ貝を載置する第1の載置面と、左右いずれか他方
    のホタテ貝を載置する第2の載置面とを備え、かつ前記
    第1の載置面と前記第2の載置面との間には段差が設け
    られて、前記第1の載置面に載置されるホタテ貝の耳が
    前記養殖ロープの上方に位置するように位置決めされ、
    前記第2の載置面に載置されるホタテ貝の耳が前記養殖
    ロープの下方に位置するように位置決めされることを特
    徴とする請求項4に記載のホタテ貝の耳吊り機。
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