JP2536569B2 - 溶接用ワイヤ - Google Patents
溶接用ワイヤInfo
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- JP2536569B2 JP2536569B2 JP62323314A JP32331487A JP2536569B2 JP 2536569 B2 JP2536569 B2 JP 2536569B2 JP 62323314 A JP62323314 A JP 62323314A JP 32331487 A JP32331487 A JP 32331487A JP 2536569 B2 JP2536569 B2 JP 2536569B2
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- JP
- Japan
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- wire
- higher fatty
- fatty acid
- lubricant
- welding
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Description
発明の目的
本発明は、鋼の自動溶接に使用するワイヤの改良に関
する。
する。
ガスシールドアーク溶接のような鋼の自動溶接に使用
するワイヤは、通常、軟鋼の線材を荒引伸線して適宜の
径にしたのちCuメッキを行ない、さらに仕上伸線してか
ら表面に潤滑剤を塗布して、リールに巻き取るという工
程に従って製造されている。 ワイヤの潤滑剤は、自動溶接装置におけるワイヤ送給
性を左右するほど重要なものであるから、その種類、使
用量、塗布の手段などに、さまざまな試みがなされてい
る。たとえば、ワイヤ表面に若干の凹凸を与えておき、
潤滑剤を保持するための拠点としてそれを利用すること
により、平滑な表面をもったワイヤよりも均一な潤滑剤
の分布を確保する、といった手法である。 潤滑剤の塗布やその保持手段はちがっても、従来使用
されてきた潤滑剤は、ほとんどが動植物のような天然の
油脂である。 ところで、ワイヤ表面に塗布されていた油脂は、溶接
に際して熱分解し、水素を発生するので、その量を多く
することは好ましくない。この観点からの上限は、代表
的な1.2mm径のワイヤについていえば、約1.4g/10kgワイ
ヤとされている。これ以下で、なるべく少量の潤滑剤の
使用で、十分な潤滑性能を発揮させることが望ましい。
するワイヤは、通常、軟鋼の線材を荒引伸線して適宜の
径にしたのちCuメッキを行ない、さらに仕上伸線してか
ら表面に潤滑剤を塗布して、リールに巻き取るという工
程に従って製造されている。 ワイヤの潤滑剤は、自動溶接装置におけるワイヤ送給
性を左右するほど重要なものであるから、その種類、使
用量、塗布の手段などに、さまざまな試みがなされてい
る。たとえば、ワイヤ表面に若干の凹凸を与えておき、
潤滑剤を保持するための拠点としてそれを利用すること
により、平滑な表面をもったワイヤよりも均一な潤滑剤
の分布を確保する、といった手法である。 潤滑剤の塗布やその保持手段はちがっても、従来使用
されてきた潤滑剤は、ほとんどが動植物のような天然の
油脂である。 ところで、ワイヤ表面に塗布されていた油脂は、溶接
に際して熱分解し、水素を発生するので、その量を多く
することは好ましくない。この観点からの上限は、代表
的な1.2mm径のワイヤについていえば、約1.4g/10kgワイ
ヤとされている。これ以下で、なるべく少量の潤滑剤の
使用で、十分な潤滑性能を発揮させることが望ましい。
本発明の目的は、少量の潤滑剤がワイヤ表面に均一に
付着し、それによって十分な潤滑性能を発揮することに
よりワイヤ送給を円滑にし、従って安定なアーク溶接が
可能になる溶接用ワイヤを提供することにある。 発明の構成
付着し、それによって十分な潤滑性能を発揮することに
よりワイヤ送給を円滑にし、従って安定なアーク溶接が
可能になる溶接用ワイヤを提供することにある。 発明の構成
上記の目的を達成する本発明の溶接用ワイヤは、鋼の
溶接に用いるワイヤの表面に、高級脂肪酸金属塩または
高級脂肪酸金属塩と高級脂肪酸との混合物を鉱物油中に
分散してなる潤滑剤を適量塗布したことを特徴とする。 高級脂肪酸の代表は、オレイン酸やリノール酸のよう
なC18のモノ不飽和脂肪酸であり、ステアリン酸のよう
な飽和脂肪酸であっても、またリノレン酸のようなジ不
飽和脂肪酸であってもよい。これらの脂肪酸と塩を形成
する金属は、Si,Ca,Fe,Ni,Cu,Zn,CdおよびSnのように、
微量存在してもアーク溶接に悪い影響を及ぼさず、かつ
溶接金属の物性を低下させないものからえらぶ。塩は、
2種以上の混合物であってもよいことはもちろんであ
る。 鉱物油は、C16-30を主成分とする炭化水素を使用すれ
ばよい。石油留分中「ミネラルオイル」として市販され
ているものが、好適に使用できる。 潤滑剤は、高級脂肪酸金属塩または高級脂肪酸金属塩
と高級脂肪酸との混合物0.1〜10重量%を鉱物油99.9〜9
0重量%中に分散させて用意する。好ましい比率は、1
〜5:99〜95である。高級脂肪酸金属塩のうち、約80%ま
でを遊離酸で置きかえることができる。50:50の配合が
好成績を示した。 ワイヤ表面への潤滑剤の塗布は、均一に行なうことが
好ましく、過剰の潤滑剤は、これも常用の手段であるフ
ェルトを用いたふき取りによって除去する。 適切な塗布量は、ワイヤ径によって当然異なるが、1.
2mm径のものでは0.2〜1.4g/10kgワイヤの範囲にある。
溶接に用いるワイヤの表面に、高級脂肪酸金属塩または
高級脂肪酸金属塩と高級脂肪酸との混合物を鉱物油中に
分散してなる潤滑剤を適量塗布したことを特徴とする。 高級脂肪酸の代表は、オレイン酸やリノール酸のよう
なC18のモノ不飽和脂肪酸であり、ステアリン酸のよう
な飽和脂肪酸であっても、またリノレン酸のようなジ不
飽和脂肪酸であってもよい。これらの脂肪酸と塩を形成
する金属は、Si,Ca,Fe,Ni,Cu,Zn,CdおよびSnのように、
微量存在してもアーク溶接に悪い影響を及ぼさず、かつ
溶接金属の物性を低下させないものからえらぶ。塩は、
2種以上の混合物であってもよいことはもちろんであ
る。 鉱物油は、C16-30を主成分とする炭化水素を使用すれ
ばよい。石油留分中「ミネラルオイル」として市販され
ているものが、好適に使用できる。 潤滑剤は、高級脂肪酸金属塩または高級脂肪酸金属塩
と高級脂肪酸との混合物0.1〜10重量%を鉱物油99.9〜9
0重量%中に分散させて用意する。好ましい比率は、1
〜5:99〜95である。高級脂肪酸金属塩のうち、約80%ま
でを遊離酸で置きかえることができる。50:50の配合が
好成績を示した。 ワイヤ表面への潤滑剤の塗布は、均一に行なうことが
好ましく、過剰の潤滑剤は、これも常用の手段であるフ
ェルトを用いたふき取りによって除去する。 適切な塗布量は、ワイヤ径によって当然異なるが、1.
2mm径のものでは0.2〜1.4g/10kgワイヤの範囲にある。
本発明の溶接ワイヤにおいては、潤滑剤に含まれてい
る高級脂肪酸金属塩が(遊離酸をも含む場合は塩との混
合物が)界面活性剤のようにはたらいて、ワイヤを構成
する軟鋼(表面にメッキを施した場合はメッキされたC
u)の表面に集中する。その模様は、カルボン酸または
塩の部分がワイヤ表面の金属に接し、鎖状の炭化水素基
の部分が鉱物油中にあるものと推定される。このため鉱
物油は、間接的にワイヤ表面の金属に保持され、均一な
薄い膜を形成し、その膜は安定に維持される。 このようにして、ワイヤ表面が平滑にすぎると潤滑油
の均一な保持が困難であるという従来のワイヤにおける
問題が解消する。
る高級脂肪酸金属塩が(遊離酸をも含む場合は塩との混
合物が)界面活性剤のようにはたらいて、ワイヤを構成
する軟鋼(表面にメッキを施した場合はメッキされたC
u)の表面に集中する。その模様は、カルボン酸または
塩の部分がワイヤ表面の金属に接し、鎖状の炭化水素基
の部分が鉱物油中にあるものと推定される。このため鉱
物油は、間接的にワイヤ表面の金属に保持され、均一な
薄い膜を形成し、その膜は安定に維持される。 このようにして、ワイヤ表面が平滑にすぎると潤滑油
の均一な保持が困難であるという従来のワイヤにおける
問題が解消する。
石油系ミネラルオイル 97重量% 高級脂肪酸(主成分はオレイン酸とステアリン酸) 1.5
重量% 高級脂肪酸(上記)Zn塩 1.5重量% を配合して潤滑剤を用意した。 軟鋼の線材をCuメッキし、伸線して径1.2mmとしたも
のに、上記の潤滑剤を0.5g/10kgワイヤの量、塗布し
て、本発明の溶接用ワイヤを製造した。 比較のため、同じワイヤ素材上になたね油を同量塗布
して、従来の溶接用ワイヤとした。 上記2種の溶接用ワイヤを自動溶接機に供給し、軟鋼
板上へのオンビード溶接を行なった。溶接条件はつぎの
とおりである。 電 流 280A 電 圧 29V シールドガス CO2 アークの安定性と、スパッタの多少を比較して下に示
す。 アーク安定性 スパッタ量 本発明 良 好 2.8g/min 比較例 やや不安定 3.5g/min 発明の効果 本発明の溶接用ワイヤを使用すれば、その表面に潤滑
剤が薄く均一な被膜を形成しているので、自動溶接機に
おけるワイヤ送給が円滑に行なわれ、従ってアークが安
定した溶接作業性の良好な状態でアーク溶接が行なえ、
スパッタ発生量も少ない。 潤滑剤は従来より少量で足りるから、その熱分解によ
り生じた水素により溶接金属が脆化する心配はない。 ワイヤ表面に形成された潤滑剤の被膜は安定で、長期
間貯蔵してもワイヤ表面での分布が不均一になるおそれ
はない。
重量% 高級脂肪酸(上記)Zn塩 1.5重量% を配合して潤滑剤を用意した。 軟鋼の線材をCuメッキし、伸線して径1.2mmとしたも
のに、上記の潤滑剤を0.5g/10kgワイヤの量、塗布し
て、本発明の溶接用ワイヤを製造した。 比較のため、同じワイヤ素材上になたね油を同量塗布
して、従来の溶接用ワイヤとした。 上記2種の溶接用ワイヤを自動溶接機に供給し、軟鋼
板上へのオンビード溶接を行なった。溶接条件はつぎの
とおりである。 電 流 280A 電 圧 29V シールドガス CO2 アークの安定性と、スパッタの多少を比較して下に示
す。 アーク安定性 スパッタ量 本発明 良 好 2.8g/min 比較例 やや不安定 3.5g/min 発明の効果 本発明の溶接用ワイヤを使用すれば、その表面に潤滑
剤が薄く均一な被膜を形成しているので、自動溶接機に
おけるワイヤ送給が円滑に行なわれ、従ってアークが安
定した溶接作業性の良好な状態でアーク溶接が行なえ、
スパッタ発生量も少ない。 潤滑剤は従来より少量で足りるから、その熱分解によ
り生じた水素により溶接金属が脆化する心配はない。 ワイヤ表面に形成された潤滑剤の被膜は安定で、長期
間貯蔵してもワイヤ表面での分布が不均一になるおそれ
はない。
Claims (3)
- 【請求項1】鋼の溶接に用いるワイヤの表面に、高級脂
肪酸金属塩または高級脂肪酸金属塩と高級脂肪酸との混
合物を鉱物油中に分散してなる潤滑剤を適量塗布したこ
とを特徴とする溶接用ワイヤ。 - 【請求項2】潤滑剤が高級脂肪酸金属塩または高級脂肪
酸金属塩と高級脂肪酸との混合物0.1〜10重量%と鉱物
油99.9〜90重量%とからなり、高級脂肪酸はオレイン
酸、ステアリン酸またはリノール酸であって、高級脂肪
酸金属塩は上記の酸のSi,Ca,Fe,Ni,Cu,Zn,CdまたはSnの
塩からえらんだ1種または2種以上の塩であり、鉱物油
はC16-30を主成分とする炭化水素である特許請求の範囲
第1項の溶接用ワイヤ。 - 【請求項3】潤滑剤を0.2〜0.8g/10kgワイヤの割合で塗
布した特許請求の範囲第1項の溶接用ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62323314A JP2536569B2 (ja) | 1987-12-21 | 1987-12-21 | 溶接用ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62323314A JP2536569B2 (ja) | 1987-12-21 | 1987-12-21 | 溶接用ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01166899A JPH01166899A (ja) | 1989-06-30 |
JP2536569B2 true JP2536569B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=18153404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62323314A Expired - Lifetime JP2536569B2 (ja) | 1987-12-21 | 1987-12-21 | 溶接用ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2536569B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1991003542A1 (en) * | 1989-09-11 | 1991-03-21 | Kao Corporation | Bleaching composition |
JP2004098157A (ja) | 2002-09-12 | 2004-04-02 | Kiswel Ltd | アーク溶接用ソリッドワイヤ |
KR100650669B1 (ko) * | 2005-05-25 | 2006-11-29 | 고려용접봉 주식회사 | 가스실드 아크 용접용 솔리드 와이어 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5064136A (ja) * | 1973-10-09 | 1975-05-31 | ||
JPS5159044A (ja) * | 1974-11-19 | 1976-05-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Yosetsuyowaiya |
JPS5846398B2 (ja) * | 1975-04-28 | 1983-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶接用ワイヤ |
-
1987
- 1987-12-21 JP JP62323314A patent/JP2536569B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01166899A (ja) | 1989-06-30 |
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