JP2536341B2 - 繊維強化樹脂成形品の鍍金方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形品の鍍金方法

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JP2536341B2
JP2536341B2 JP3211332A JP21133291A JP2536341B2 JP 2536341 B2 JP2536341 B2 JP 2536341B2 JP 3211332 A JP3211332 A JP 3211332A JP 21133291 A JP21133291 A JP 21133291A JP 2536341 B2 JP2536341 B2 JP 2536341B2
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宗侯 長谷川
信雄 八木
昌幸 宗村
良房 楢崎
尚孝 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP成形品等の繊維
強化樹脂成形品の鍍金方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ABS樹脂成形品の鍍金は、通
常図7に示すように、鍍金の前処理工程で化学エッチン
グ工程を施してから行なわれている。ところが、熱可塑
性樹脂の中でもポリカ−ボネ−トやポリマ−アロイ(変
性PPE/PA)等は、鍍金がし難いため、樹脂材料に
予めエッチングされ易いゴム系の材料をブレンドして成
形するか、図8に示すように、鍍金の前処理工程の途中
に特殊エッチング処理工程を追加して処理するようにし
ている。しかし、鍍金がし難い樹脂成形材料は、樹脂の
成分によって特殊エッチング処理剤が異なるため、工程
が繁雑となり量産ラインにおいては別ラインを設けてい
るのが現状である。
【0003】近時、自動車の外板として実用されるよう
になったFRP(ガラス繊維強化熱硬化性樹脂)の代表
的な成形品である、シ−トモ−ルデイングコンパウント
゛(以下SMCという)を圧縮成形して得られる成形品
は、マトリックス樹脂を不飽和ポリエステル樹脂として
いるので、鍍金がし難いとともに、SMC成形品の表面
には、ピンホ−ルと呼ばれる微細な孔が発生するので、
この表面に鍍金を施しても外観不良となってしまい、従
来、SMC成形品の表面への鍍金はその実用化が困難で
あった。
【0004】SMC成形品の表面に発生するピンホ−ル
対策の一つとしてインモ−ルドコ−ティング法(以下I
MCという)がある。このIMCは、プラスチックの成
形と同時に塗装する方法である。本出願人は、先にプラ
スチックのインモ−ルドコ−ティング法の発明について
特許出願(特願平1−81047号、特開平2−258
319号)している。これは図4に示すように、分割式
の金型6,7でワ−クWを成形する際に、下型6にタブ
成形部3を設け、上型7に塗料の注入孔8と真空ポンプ
に接続される排気孔9とを設け、SMC材料を下型6に
セットし、所定の圧力で所定時間保持してSMC材料を
硬化させ、排気孔9から金型内の空気を真空脱気し、次
に注入孔8から塗料を高圧で注入してSMCの表面にI
MC塗膜を形成するものである。 図5は、金型から取
出したフロントパネルのワ−クを示すもので、タブ3が
付いたままである。
【0005】図3は、ワ−クWの斜視図で、図2A,B
は、それぞれ図3のA−A線、B−B線の断面図であ
る。金型から取出したワ−クのWは、図2Aに示すよう
に、ワ−クWの端縁にバリ1cが出るので、破線4で示
すように、このバリを切断して端縁の仕上げをする。ま
た、図2Bに示すように、タブ3も破線4で示す部分を
切断する。仕上げ切断したワ−クの表面に鍍金する。図
6は、塗金後の製品の一部の断面を示す。
【0006】従来のFRP製品への鍍金方法は、大別す
ると次の2通りである。 上記従来方法と同様に、FRPの表面をエッチング
させる薬品を使用して前処理してから鍍金する。 FPR表面に、通常の鍍金前処理工程でエッチング
され易い塗料を予め吹き付け塗装し、図7に示す通常の
鍍金工程に流す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、金型で
成形したFRP成形品は、鍍金する前に端縁を切断加工
する必要がある。図1は切断仕上げしたFRP成形品の
端縁を示すもので、図1Aに示すバリ切断部1aや、図
1Bに示すタブの切断部1bでは、切断部の表面が荒
れ、ガラス繊維等の強化用繊維が露出し、これらの部分
では、水分を吸収し易い状態となっている。したがっ
て、このままの成形品を鍍金処理工程に流すと、処理液
が表面の荒れた部分から成形品内に吸収され、このしみ
込んだ処理液が後工程でしみ出してくることがある。特
に、エッチング液がしみ込んだ成形品が、後工程の感応
性賦与工程において、感応性賦与液中にエッチング液が
しみ出してくると、鍍金が全く付かない状態となる。
【0008】本発明は前記の課題を解決し、FRP成形
品等の鍍金工程における障害の発生を防止し、成形品の
表面に鍍金層が充分な強度で付着するようにした繊維強
化樹脂成形品の鍍金方法を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維強化樹脂
成形品の成形後、該成形品の端縁の不要部を切断加工に
より除去し、強化繊維の露出部を有する樹脂成形品に鍍
金するに当たり、該成形品に含水処理を施した後に鍍金
工程における化学エッチング工程に移行する繊維強化樹
脂成形品の鍍金方法である。
【0010】
【作用】成形後切断仕上げ加工を施した繊維強化樹脂成
形品の表面には、強化用繊維が露出して吸水し易い面が
部分的にあるので、予め成形品に浸水処理を施してから
鍍金工程に移行すると、鍍金工程の化学エッチング工程
などで処理液を吸収することがなく、後の鍍金工程の処
理液と混合するおそれがなくなる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は切断仕上げしたFRP成形品の端縁を示すもの
で、図1Aに示すバリ切断部1aや、図1Bに示すタブ
の切断部1bでは、切断部の表面が荒れ、ガラス繊維等
の強化用繊維が露出し、これらの部分は水分を吸収し易
い状態となっている。そこで、この部分から成形品に予
め水を飽和状態となるまで含水させ、鍍金工程で各種処
理液に成形品を浸したときに、成形品の強化用繊維の吸
収部は水で満たされ、処理液の侵入を防止するようにす
る。
【0012】切断仕上げしたFRP成形品の含水処理
は、次の、含水処理方法が採用できる。 鍍金工程の
最初の水洗工程において、成形品を通常の水洗時間より
長く水槽 に沈めて置く。 密閉式浸水槽を設け、成形品をこの浸水槽に入れ水
圧をかけて浸水させる。 前記の浸水槽に温水を入れ、浸水し易くする。 成形後の成形品のバリやタブの切断仕上げをウォ−
タ−ジェットで行い、その際に成形品に浸水させる。 浸水槽に成形品を入れ、浸水層内に超音波を出して
浸水させる。
【0013】含水処理した成形品を通常の鍍金処理工程
に流すと、鍍金処理工程では、処理液が成形品内に吸収
される余地がなく、鍍金工程における各種処理液が混合
するおそれがなくなる。鍍金後の成形品は、その後の乾
燥工程で水分を除去する。
【0014】
【発明の効果】本発明は、予め成形品に浸水処理を施し
てから鍍金工程に移行するようにしたので、鍍金工程の
化学エッチング工程などで処理液を吸収することがな
く、後の鍍金工程の処理液と混合するおそれがなくな
り、成形品の表面に鍍金層が十分な強度で付着する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する成形品の一部拡大断面
図。
【図2】成形後の成形品の一部拡大断面図。
【図3】成形後の成形品の斜視図。
【図4】成形金型の断面図。
【図5】成形後の成形品の平面図。
【図6】鍍金後の成形品の断面図。
【図7】通常の鍍金工程図。
【図8】特殊工程を含む鍍金工程図。
【符号の説明】
1 成形品のSMC成形体 2 IMC塗膜 3 タブ 4 切断加工線 5 鍍金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楢崎 良房 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 山本 尚孝 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−80438(JP,A) 特開 昭56−110734(JP,A) 特開 昭62−83488(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂成形品の成形後、該成形品
    の端縁の不要部を切断加工により除去し、強化繊維の露
    出部を有する樹脂成形品に鍍金するに当たり、該成形品
    含水処理を施した後に鍍金工程における化学エッチン
    グ工程に移行することを特徴とする繊維強化樹脂成形品
    の鍍金方法。
JP3211332A 1991-07-30 1991-07-30 繊維強化樹脂成形品の鍍金方法 Expired - Lifetime JP2536341B2 (ja)

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JPH0533190A JPH0533190A (ja) 1993-02-09
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