JP2535907B2 - ロ−ルの表面加工方法 - Google Patents

ロ−ルの表面加工方法

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JP2535907B2 JP62124389A JP12438987A JP2535907B2 JP 2535907 B2 JP2535907 B2 JP 2535907B2 JP 62124389 A JP62124389 A JP 62124389A JP 12438987 A JP12438987 A JP 12438987A JP 2535907 B2 JP2535907 B2 JP 2535907B2
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直哉 宇都宮
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ロールの表面加工方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 各種の圧延装置では圧延用にロールが使用されている
が、例えばこのロールの使用温度が常温と異なる場合、
熱膨張又は収縮の偏差、即ち歪によりロールの真円度、
円筒度が狂い、該ロールに弾性変形内で軸方向に曲りが
発生し、この曲りがロールを回転させた際に振れとして
現れる。例えばカレンダにおいて、カレンダロールに上
記の振れが発生した状態で圧延作業を行うと、第6図に
示す如く、目標板厚tで圧延された圧延材pの長手方向
に凹凸が発生し、厚み精度が悪くなると共に歩留りが低
下する。更にこのような厚み精度の他、模様、色柄等の
均一性精度も損われてしまう。
そこで従来、前記の歪を防止する方法として、ローラ
の材質を全く均一に作るとか、使用温度状態にてローラ
を加工するとかの方法が考えられた。
ところが、例えば使用温度が高温(ポリ塩化ビニルの
カレンダにおいては約180〜220℃)の場合は、ローラへ
の与熱方法、温度保持、均一性(温度ムラ)、取扱い
性、安全性及び加工機械への熱影響度等の問題で実用化
が困難であり、一般的には、常温時での加工精度のまま
使用しているか、又は一定の精度基準を設けてその基準
を越えたものを他の用途に転用している例もあり、依然
として製品品質及び歩留りの低下が問題となっていた。
そこで本願発明者等は、上述の問題を解決するため
に、例えば所要の軸体を使用時と同様な温度に加熱若し
くは冷却してそのときの軸体の歪を計測し、次いで該軸
体を使用時とは異なる温度にしてそのときの軸体の歪を
計測し、使用時と同様な温度下及び使用時と異なる温度
下における歪の差を求め、使用時の温度下で歪が零とな
るよう、使用時とは異なる温度下で軸体に前記歪の差を
与えるよう軸体を加工する方法を別出願により提案し
た。
而して、上記軸体が例えば圧延機のロールの場合は、
圧延機よりロールと軸箱を一緒に引出し、ロールと軸箱
を切離して後第7図に示すように支持金物aによりロー
ルネックbを支承してロールを研削装置に装着し、ロー
ルバレルcを砥石dにて、使用温度下で真円になるよう
非使用温度下で非真円研削する方法が考えられる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、以上の研削方法は、ロール単体での研
削精度の向上を図ることはできるが、軸受等の軸支持部
材の仕上り精度に誤差があるため、圧延機に装着して使
用するときは、ロール自体は使用温度下で真円になって
も第8図に示すように、ロールネックbと軸箱eとの間
に設けたベアリングfの偏心の影響によりロールcの回
転中心o′とロールの軸中心oとが一致せず、ロール振
れを起してしまい、圧延材に大きな悪影響を与える。
又前記方法は、ロール研削時にロールと軸箱とを分離
するので面倒であり、又ロールと軸箱の着脱時の取扱い
ミスによって軸受部が損傷する危険もある。
本発明は上述の実情に鑑み、ロールを使用温度下に加
熱若しくは冷却した際にベアリングにより定まるロール
の回転中心o′とロールの軸中心oを一致させることを
目的としてなしたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、ロールの両端を支持した両ロール軸箱を夫
々研削台に支持せしめ、前記軸箱の軸支持面に圧延時と
略同一方向のローディングゾーンが生じるよう、前記ロ
ールと平行なローラにより前記ロールを押し、ロールを
使用状態に加熱若しくは冷却したまま前記ロールの軸線
方向複数位置において、ロール円周方向複数位置におけ
るロール外周までの間隔をロール外周側に位置させた非
接触式検出器により検出し、該非接触式検出器からの値
をもとに前記ロールの仮想真円に対する歪を求め、次い
でロールを非使用状態の温度に戻したうえ使用温度下で
得られた歪量をもとに前記ロールを非真円加工するもの
である。
[作用] 本発明では、使用温度下でロールの軸中心と回転中心
とが合致する結果、精度の良い圧延材を提供することが
可能となる。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明す
る。
第1図及び第2図は本発明のロールの表面加工方法に
使用するロール研削装置であり、圧延工場の床上に延設
した2本のレール1上には、圧延機のハウジングより抜
き出したロール2の作業側の軸箱3を支持する研削台4
及びロール2の駆動側の軸箱5を支持する研削台6が滑
動可能に積載してある。2台の研削台4,6は第2図に示
す如くL型に形成して壁部7の内側に調整スクリュー8
によりY軸方向(ロール2の軸と直角に交叉して水平に
延びる方向)に押出し可能な指示金物9が、又基底部10
には調整スクリュー11によりX軸方向(上下方向)に押
出し可能な支持金物12が夫々設けてある。
駆動側並びに作業側の軸箱3,5は、使用時における通
常の位置より90゜回転した姿勢にし軸箱頂部を壁部7に
設けた支持金物9に当接して前記研削台4,6上に載置し
てある。従って軸箱3,5によって支承したロール2に対
しロール研削作業に必要なX軸方向、Y軸方向並びにZ
軸方向(上バックアップロールの軸方向)への移動を与
えることができるようにしてある。
研削台の壁部7の反対側には、ロール2の軸線方向へ
移動し得ると共にロール2に対し近接、離反し得る砥石
13並びに押えローラ装置14が設けてある。
押えローラ装置14は、複数の押えローラ15、該押えロ
ーラ15を枢支する軸16、油圧シリンダ17より構成され、
軸箱3,5の軸支持面に使用時(圧延時)と略同一方向に
ローディングゾーン(ロール軸よりの荷重を受ける部
分)18が生じるようロール2を斜め上方及び斜め下方よ
り研削台の壁部7側に押付けることができるようになっ
ている。
以上のようにして軸箱3,5を介して研削台4,6上に支承
せしめたロール2は、接手19及び接手19に具備したチャ
ック21を介して駆動装置20の出力軸に連結してある。
ロール2の上方にはロール2との間の間隔Sを検出す
るため非接触検出器22がロール2軸線方向へ移動し得る
よう配設され、非接触検出器22で計測した信号は図示し
てない制御装置へ送り得るようになっている。又図示し
てないが、ロール2を使用温度に加熱するための加熱装
置が配設されている。該加熱装置は例えばロール2が中
空ロールの場合は、熱媒供給手段やロータリージョイン
トを備えている。
ロール研削時には、研削台4,6上に横臥せしめた軸箱
3,5を支持金物9,12により昇降並に横移動させてロール
2の位置を調整し、押えローラ装置14によりロール2を
やや斜め上方及び斜め下方より夫々適当な力で研削台の
壁部7側に押付け、加熱装置によりロール2を使用温度
に加熱する。使用温度か否かは温度検出器により計測す
る。
ロール2が使用温度になったらロール2の使用温度下
における歪を非接触検出器22により検出する。すなわ
ち、非接触検出器22を第4図のロール2のX1の位置に停
止させると共にロール2を駆動装置20により、或いは接
手19を取外して手動により回転させ、第5図に示すよう
に円周方向へ所要の間隔θで非接触検出器22からロール
2までの間隔Sを計測する。X1での円周方向所定位置の
計測が終了したら、非接触検出器22をロール2のX2の位
置へ移動させ、前述と同様にして円周方向へ所要の間隔
θでロール2まで間隔Sを計測する。以下同様にしてXn
までの間隔Sの計測を行う。
非接触検出器22で計測された値は制御装置へ送られ、
該制御装置で予め設定された、非接触検出器22から仮想
真円までの距離との差から各位置でのロール2の歪を求
める。
使用温度下でのロール2の歪が検出されたら、ロール
2を非使用温度例えば常温に戻し、ロール2を研削台4,
6に横臥せしめた軸箱3,5を介して支持金物9,12に支持さ
せたまま、砥石13のロール2に対する位置を調整し、駆
動装置20を駆動し、砥石13を回転させてロール研削を行
う。このロール研削の際にも、押えローラ装置14により
ロール2を斜め上方及び斜め下方により夫々適当な力で
研削台の壁部7側に押付け、作業を行う。非使用温度で
の研削量は使用温度下でロール歪がなくなり、ロール2
が真円となる量であり、これは前述の使用温度下で求め
た歪量から予め制御装置において求められ、砥石13の駆
動装置に指令信号として与えられる。非使用温度でのロ
ール2の歪量が所定量か否かの計測は、上述と同様ロー
ル2の軸線方向へ所定の位置X1、X2…Xnごとに、円周方
向へ所定の間隔θで行われる。
上述のようにロール2を軸箱3,5を介して支承し、該
軸箱3,5の軸支持面に圧延時と略同一方向にローディン
グゾーン18が生じるよう押えローラ装置14によりロール
2の表面を押圧するようにしており、押えローラ装置14
の押圧力を大きくすればロール2を圧延時と同じ状態に
支持しつつ回転研削することができる。このため、圧延
時のロール軸箱の変形及びベアリングの遊隙による影響
を受ける条件が減少し、使用時におけるロール振れの問
題を解決できる。具体的には第3図に示すように、ロー
ル2の胴部は、使用温度下においてベアリング23の仕上
り精度と関係なく実際の回転中心o′を中心とする真円
になるよう非使用温度下で所定の非真円状態に精度良く
研削されるから、所定の温度での圧延中にロール振れが
起きることがない。従って、精度の良い圧延を行なうこ
とができる。oはロール軸心を示している。
なお、本発明の実施例においては、ロールを一方向に
押圧して研削する場合について説明したが、ロール軸受
部回転中心とロール軸心が一致しているときは押圧しな
くともよいこと、研磨や切削を行う場合にも適用できる
こと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
変更を加え得ること、等は勿論である。
[発明の効果] 以上のごとく構成した本発明によれば、 (i) 押えローラ装置により、被加工ロール表面に対
する各方向の押圧力を適宜調整することでローディング
ゾーンの方向を自由に選択できるから、押えローラ装置
の押圧力を大きくすれば、被加工ロールを圧延時と同じ
状態で支持しつつ回転し表面加工できる。
(ii) 被加工ロールを圧延時と同じ状態で支持しつつ
回転させ使用温度下で真円となるよう加工できるので、
使用温度下では被加工ロールは圧延機に組込まれたとき
の回転中心を中心とする精度の良い真円になるよう加工
でき、従って使用温度下においては、ベアリングにより
定まるロールの回転中心とロールの軸中心とが一致する
結果、ロール振れをなくすことができて、精度の良い圧
延材を提供できる。
(iii) ロール加工時にロールと軸箱とを分離する必
要がないので加工に要する作業工数の減少が図れる。
(iv) ロールと軸箱の着脱時の取扱いミスによる軸受
部の損傷の虞れがなくなる。
等の効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のロール加工方法に使用するロール研削
装置の説明用平面図、第2図は第1図のII−II方向矢視
図、第3図は本発明の方法により研削したロールの軸心
と回転中心の関係を示す説明図、第4図は本発明の方法
を行う際のロール長手方向計測位置の説明図、第5図は
同ロール周方向計測位置の説明図、第6図は歪が発生し
たロールにて圧延された材料の形状を示す説明図、第7
図は従来のロール研削方法の説明図、第8図は従来方法
により研削したロールの軸心と回転中心の関係を示す説
明図である。 図中2はロール、3,5は軸箱、4,6は研削台、9,12は支持
金物、8,11は調整スクリュー、13は砥石、14は押えロー
ラ装置、18はローディングゾーン、19は接手、20は駆動
装置、22は非接触検出器である。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 博光 横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播 磨重工業株式会社横浜第二工場内 (56)参考文献 特開 昭55−10315(JP,A) 特開 昭58−181549(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールの両端を支持した両ロール軸箱を夫
    々研削台に支持せしめ、前記軸箱の軸支持面に圧延時と
    略同一方向のローディングゾーンが生じるよう、前記ロ
    ールと平行なローラにより前記ロールを押し、ロールを
    使用状態に加熱若しくは冷却したまま前記ロールの軸線
    方向複数位置において、ロール円周方向複数位置におけ
    るロール外周までの間隔をロール外周側に位置させた非
    接触式検出器により検出し、該非接触式検出器からの値
    をもとに前記ロールの仮想真円に対する歪を求め、次い
    でロールを非使用状態の温度に戻したうえ使用温度下で
    得られた歪量をもとに前記ロールを非真円加工すること
    を特徴とするロールの表面加工方法。
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