JP2535732B2 - ホログラム素子を用いた光学機器収差測定方法 - Google Patents

ホログラム素子を用いた光学機器収差測定方法

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JP2535732B2 JP59108069A JP10806984A JP2535732B2 JP 2535732 B2 JP2535732 B2 JP 2535732B2 JP 59108069 A JP59108069 A JP 59108069A JP 10806984 A JP10806984 A JP 10806984A JP 2535732 B2 JP2535732 B2 JP 2535732B2
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    • G01M11/00Testing of optical apparatus; Testing structures by optical methods not otherwise provided for
    • G01M11/02Testing optical properties
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 [産業上の利用分野] この発明はホログラムシアリング干渉法を利用してレ
ンズの横収差を測定するレンズ横収差測定方法に関する
ものである。
[従来の技術] 本発明者は先に2枚の3光束ホログラムを使用してレ
ンズの横収差を測定するホログラムシアリング干渉計を
開発した。このホログラムシアリング干渉計は、第6図
(b)に示されている。この第6図(b)に示すホログ
ラムシアリング干渉計1では、まず、ホログラムH1、H2
を準備する必要がある。第6図(a)はホログラムを作
成するための光学系で、図中のホログラムH1は平行光f
H2、fH(2+Δ)を物体光として参照光fH1で二重露
光記録したものである。ホログラムH2はホログラムH1
fH1を照明して再生される平行光fH2、fH(2+Δ)
参照光として用い、平行光の物体光fH3を二重露光記録
して作製したものである。このようにして作製したホロ
グラムH1、H2に第6図(b)に示すような光学系を加え
てホログラムシアリング干渉計1が出来あがる。
この様な構成のホログラムシアリング干渉計1におい
て被検レンズTLを検査する場合には、第6図(b)に示
すように、被検レンズTLでほぼ平行光(収差の分だけ平
行光からずれる)にしてホログラムH1を照明する。ホロ
グラムH1からは二つの光が再生され、これらの再生光が
ホログラムH2に達する。再生光は、fH2、f
H(2+Δ)が被検レンズTLの収差の分だけゆがんだ光
である。さらにこれらの光はホログラムH2を照明して再
生光を得る。これらの再生光はfH3が被検レンズTLの収
差の分だけゆがんだものであり、互いに横方向にずれて
いる。このホログラムH2の再生光によるシアリング干渉
縞をスクリーンSC上で観察して被検レンズTLのシアリン
グ干渉縞を得るものである。
しかるに、この様なシアリング干渉縞からレンズの横
収差量を求めるのは、光路差がシア量dを階差とする波
面収差の差分となるため、順次数値を代入して波面収差
を求めなければならず、被検レンズが変わるたびに干渉
縞の読取り、計算、プロット等極めて手間及び時間がか
かる。
そこでさらに、本発明の発明者は2枚の2光束ホログ
ラムを使用してレンズの横収差を測定するホログラムを
開発した(昭和58年特許出願第175713号参照)。この新
たに開発されたレンズ横収差測定用ホログラムシアリン
グ干渉計は干渉する2つの波面にシアとティルトの両方
を与えて、ティルトにより生ずる干渉縞の横ずれを利用
してシアリング干渉縞が直接収差曲線になるようにした
から、レンズの横収差を求めるための複雑な操作や計算
についての問題は完全に解決した。
すなわち第6図(C)において、ホログラムH1はこれ
までと同様にFH1を参照光にして2平行光fH2、f
H(2+Δ)を2重露光記録する。ホログラムH1を再生
するとfH2、fH(2+Δ)が再生される。次にホログラ
ムH2はfH2とfH3、fH(2+Δ)とfH(3+Δ)の平
行光同士の干渉縞を2重露光記録したものである。f
H(3+Δ)はfH3に対して紙面に垂直方向(X軸方向
にシアするとすると、fH(3+Δ)はfH3がX軸の回
りに僅かに回転したもの)に僅かに角度が傾いている。
ホログラムH1とH2のペアで干渉計が完成する。
レンズテストの場合には、fH1の平行光を作る時のコ
リメーターレンズの代りに、テストレンズTLを置き、ホ
ログラムH1を照明する。そしてホログラムH1からfH2
H(2+Δ)を再生し、これらの光がさらにH2に到達
するとfH3、fH(3+Δ)の光を再生する。ただし、f
H2、fH(2+Δ)、fH3、fH(3+Δ)はこの時平
行光とはテストレンズTLの収差の分だけ異なっている。
fH3とfH(3+Δ)の光で形成される干渉縞をスクリ
ーン上で観察すると、通常のシアとティルトされた波面
の間の干渉縞が観測される。これはシアによる位相差を
ティルトの干渉縞の横ずれで観測することに相当し、中
心を通る干渉縞が横収差曲線になる。
[発明の解決しようとする問題点] しかるに、ここで得られる測定感度は約10μm程度の
極めて高感度なのであるが、さらに測定感度を上げるた
めには干渉縞の間隔を広げることが必要であるが、単に
干渉縞の間隔を広げただけでは干渉縞自体がぼけてフリ
ンジ(fringe)が不明瞭となり、スキャンによる読取り
が困難になる。そこで、干渉縞の間隔を広げた場合で
も、干渉縞の輪郭を明瞭に表現する技術の開発が望まれ
る。
この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであ
って、レンズの収差曲線を求めるのに、シアリング干渉
縞それ自体がそのまま収差曲線を与えることとなり、し
たがって、複雑な処理や計算を必要とせずに直ちにレン
ズ横収差を求めることができ、かつ特に重要な点として
干渉縞の間隔を広げた場合にも、干渉縞が細くフリンジ
が明瞭に表現されて、読取りが容易であり、測定感度を
向上させることができるホログラム素子を用いた光学機
器収差測定方法を提供することを目的とするものであ
る。
(ロ)発明の構成 [問題を解決するための手段] この目的に対応して、この発明のホログラム素子を用
いた光学機器収差測定方法は、シア量差Δのn個の平行
光fH2、fH(2+Δ)…f
H(2+(i−1)Δ)…、〔i=1,2,3…n,nは整数で
3≦n〕とコリメーターレンズを通して照明される参照
光fH1との干渉縞を多重露光記録した第1のホログラムH
1を作り、前記第1のホログラムH1に対する前記参照光f
H1の方向からの照明光により再生される前記n個の平行
光と対応する前記シアする方向に平行な軸の回りに回転
させてなるティルト量差Δのn個の物体光fH3、f
H(3+Δ)…fH(3+(i−1)Δ)…、〔i=1,
2,3…n,nは整数で3≦n〕との干渉縞を多重露光記録し
た第2のホログラムH2を作り、次に被測定物であるテス
トレンズを前記コリメーターレンズの位置に置いて前記
テストレンズを通して前記ホログラムH1を照明し、前記
ホログラムH1の再生光で形成される干渉縞を観察するこ
とを特徴としている。
以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面について
説明する。
第1図において、11はこの発明の方法において使用す
るホログラム素子を用いた光学機器収差測定装置であ
り、ホログラム素子を用いた光学機器収差測定装置11は
ホログラムH1とホログラムH2とを備えている。そこでま
ず、この二つのホログラムH1、H2の作製について説明す
る。
第2図において、12はホログラムH1、H2を作製するた
めの光学系である。光学系12はHe−Heレーザー光源Ls、
ミラーM1〜M6、ビームスプリッターBS1、BS2、顕微鏡対
物レンズMO1〜MO3、コリメーターレンズL1、L2、L5
L7、空間周波数フィルタSTP1を備えている。
ホログラムH1を作製する場合は、n個の物体光fH2
H(2+Δ)…fH(2+(i−1)Δ)…、〔i=
1,2,3…n,nは整数で3≦n〕のそれぞれを参照光fH1
ホログラムH1に露光記録し、かつ、現像処理して作製す
る。それぞれの物体光fH2、fH(2+Δ)…f
H(2+(i−1)Δ)…はミラーM3をそれぞれの物体
光が互いにシア量差Δだけシアするように僅かに回転さ
せることによってホログラムH1の入射角度を僅かに違え
たものである。
物体光fH2、fH(2+Δ)…f
H(2+(i−1)Δ)…はHe−Neレーザー光源LSから
のレーザー光をビームスプリッタBS1で分割し、顕微鏡
対物レンズMO1、コリメーターレンズL5で平行光にし、
かつミラーM4、回転するミラーM3で反射させたものであ
る。一方、参照光fH1はHe−Neレーザー光源LSからのレ
ーザー光を顕微鏡対物レンズMO2、ミラーM2、コリメー
ターレンズL6で平行光にしたものである。
ホログラムH2を作製する場合は、ホログラムH1を参照
光fH1で照明すると、物体光fH2、fH(2+Δ)…f
H(2+(i−1)Δ)…が再生されるから、再生光f
H2を参照光として用い物体光fH3をホログラムH2に露光
記録し、かつ、再生光fH(2+Δ)を参照光として用
い物体光fH(3+Δ)をホログラムH2に二重露光記録
し同様にして再生光fH(2+(i−1)Δ)…を参照
光として物体光fH(3+(i−1)Δ)…をホログラ
ムH2に多重露光記録する。再生光fH2、fH(2+Δ)
…fH(2+(i−1)Δ)…はコリメーターレンズ
L1、L2を含む光学系を通るように構成されており、空間
周波数フィルタ(ピンホール)STP1はコリメーターレン
ズL1の焦点位置に置かれているので、これを横移動させ
て再生光fH2だけを通したり、再生光fH(2+Δ)
けを通すことができるようになっている。このようにす
れば、ホログラムH2を多重露光記録して作製する場合に
便利になる。
一方、n個の物体光fH3、fH(3+Δ)…f
H(3+(i−1)Δ)…はHe−Neレーザー光源LSから
のレーザー光をビームスプリッタBS2で分割した後、顕
微鏡対物レンズMO3、コリメーターレンズL7で平行光に
され、ミラーM6、ミラーM5で反射した後、ホログラムH2
を照明するものである。n個の物体光fH3、f
H(3+Δ)…fH(3+(i−1)Δ)…のそれぞれ
は互いにティルト量差Δだけ傾くように回転するミラー
M5を僅かにシアする方向に平行な軸の回りに回転させる
ことによってホログラムH2の入射角度を僅かに違えたも
のである。したがって、ホログラムH2に記録される物体
光fH3…fH(3+(i−1)Δ)はシアとティルトの
両方が与えられている。
この様にして作製されたホログラムH1、H2を第1図に
示すように配置して装置11が完成する。すなわち、ホロ
グラムH1、H2を作製する場合の第2図に示す光学系にお
けると同じ構成及び位置をなすHe−Neレーザー光源LS
ミラーM1、顕微鏡対物レンズMO2、ミラーM2、ホログラ
ムH1、コリメーターレンズL1、空間周波数フィルタST
P1、コリメーターレンズL2及びホログラムH2を備え、か
つ、ホログラムH2の後方にコリメーターレンズL3空間周
波数フィルタSTP2、コリメーターレンズL4及びスクリー
ンSCを備えている。
この様な構成のホログラム素子を用いた光学機器収差
測定装置11において、被検レンズTLの横収差を測定しよ
うとする場合には、参照光fH1の平行光を作る時のコリ
メーターレンズL6の代りに、被検レンズTLを置き、ホロ
グラムH1を照明する。これによってホログラムH1から物
体光fH2、fH(2+Δ)…fH(2+(i−1)Δ)
…を再生し、これらの光がさらにホログラムH2に到達す
ると、fH3、fH(3+Δ)…f
H(3+(i−1)Δ)…の光を再生する。ただし、f
H2、fH(2+Δ)…fH(2+(i−1)Δ)…、f
H3、fH(3+Δ)…fH(3+(i−1)Δ)…はこ
の時、平行光とは被検レンズTLの収差分だけ異なってい
る。fH3、fH(3+Δ)…fH(3+(i−1)Δ)
…の光で形成される干渉縞をスクリーンSC上で観察する
と第3図に示すように通常のシアとミラーM5の回転によ
るティルトされた波面の間の干渉縞が観測される。これ
はシアによる位相差をティルトの干渉縞の横ずれで測定
することに相当し、視野の中心を通る干渉縞が第4図に
示す横収差曲線になる。この場合の座標のスケールは収
差曲線と合せるために計算から求められる。
この発明で、レンズ横収差曲線が得られる理由は次の
通りである。
基本原理はテストレンズからの波面を第7図に示すよ
うに水平軸方向にシアをし、かつ第8図に示すように水
平軸の回りに僅かに回転させてティルトさせる。このよ
うにすると、ティルトにより生ずる干渉縞の横ずれ量が
シアによって得られる位相差を表す。一方レンズの横収
差は、レンズに平行光を入射させた時、理想レンズの場
合焦点位置に結像するが、レンズ収差があると第9図に
示すように焦点位置からずれた位置に結像する。縦軸に
レンズの高さを横軸にこのずれ量を描いた曲線が横収差
曲線である。そこで、波面の微分値に焦点距離を乗じた
ものが焦点位置でのずれ量となっている。したがってシ
アリング干渉によって波面の微分値が得られ、その量が
ティルトの干渉縞の横ずれ量となっているため、レンズ
の中心を通るティルトの干渉縞が収差曲線に比例し、横
軸のスケールを決めることによって横収差曲線が得られ
ることがわかる。
干渉縞はfH3、fH(3+Δ)、fH(3+2Δ)
H(3+(i−1)Δ)の3光束以上の光束による干
渉縞が重なるので、この場合の干渉縞は多重干渉におけ
る光の重ね合わせにより、第5図(b)に示す如く、縞
の幅は狭くなり、第5図(a)に示す従来の干渉縞より
もフリンジが明確であり、スキャンにより読取りが容易
である。
したがってスクリーン上における干渉縞間隔を大きく
しても干渉縞の読取りが可能となり、測定感度を少なく
とも1μmまで高めることができる。
以上の説明から明らかな通り、この発明のホログラム
素子を用いた光学機器収差測定方法では、ティルトによ
り生ずる干渉縞の横ずれを利用してシアリング干渉縞が
直接収差曲線になるようにしたため、従来のシアリング
干渉縞からレンズの横収差を求めるための複雑な操作や
計算を必要としない。またホログラムを2枚使用するた
め、干渉計で用いるレンズ、ミラー等の光学系の収差補
正をすることができる。さらにホログラムを使用するこ
とによってFナンバの小さなレンズの収差補正が可能で
ある。また干渉縞の観測が可能であり、視野が大きく、
ホログラムの位置を移動してシア量を変え、精度を調整
することができるとともに、もう1組のシアリング干渉
を実現するようにホログラムに多重露光することにより
互いに直交する2方向のシアを同時に観測する干渉計を
作製することもできる。
以上の効果は第6図(c)に示した先行の特許出願に
係る発明のホログラム素子を用いた光学機器収差測定装
置においても知られているものであるが、これに加え
て、この発明に特有の重要なこととして、スクリーンSC
上に形成される干渉縞はfH3、fH(3+Δ)、f
(3+2Δ)…fH(3+(i−1)Δ)の3光束以上
の光束による干渉縞が重なるので、この場合の干渉縞は
多重干渉における光の重ね合わせにより、縞の幅は狭く
なり、従来の干渉縞よりもフリンジが明確であり、スキ
ャンによる読取りが容易である。したがって、干渉縞の
間隔を広げた場合にも、干渉縞が細くフリンジが明確に
表現され、読取りが容易で、測定感度の高い光学機器収
差測定方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法の実施に使用するレンズ横収差
測定用ホログラムシアリング干渉系を示す構成図、第2
図はホログラム作製用光学系の構成図、第3図は干渉縞
を示す説明図、第4図は横収差曲線を示すグラフ、第5
図は干渉縞の明るさを示すグラフ、第6図は従来のレン
ズ横収差を測定するためのホログラムシアリング干渉計
を示す構成図、第7図は横ずれした2波面を示す説明
図、第8図は横ずれし、かつティルトされた2波面を示
す説明図、及び第9図はレンズの横収差を示す線図であ
る。 11……ホログラム素子を用いた光学機器収差測定装置、
12……光学系、H1、H2……ホログラム、LS……He−Ne
ーザー光源、M1〜M6……ミラー、BS1、BS2……ビームス
プリッター、MO1〜MO3……顕微鏡対物レンズ、L1〜L7
…コリメーターレンズ、STP1〜STP2……空間周波数フィ
ルタ、SC……スクリーン、TL……被検レンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シア量差Δのn個の平行光fH2、f
    H(2+Δ)…fH(2+(i−1)Δ)…、〔i=1,
    2,3…n.nは整数で3≦n〕とコリメーターレンズを通し
    て照明される参照光fH1との干渉縞を多重露光記録した
    第1のホログラムH1を作り、前記第1のホログラムH1
    対する前記参照光fH1の方向から照明光により再生され
    る前記n個の平行光と対応する前記シアする方向に平行
    な軸の回りに回転させてなるティルト量差Δのn個の物
    体光fH3、fH(3+Δ)…fH(3+(i−1)Δ)
    …、〔i=1,2,3…n.nは整数で3≦n〕との干渉縞を多
    重露光記録した第2のホログラムH2を作り、次に、被測
    定物であるテストレンズを前記コリメーターレンズの位
    置に置いて前記テストレンズを通して前記ホログラムH1
    を照明し、前記ホログラムH1の再生光で前記ホログラム
    H2を照明し、前記ホログラムH2の再生光で形成される干
    渉縞を観察することを特徴とするホログラム素子を用い
    た光学機器収差測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6067834A (ja) * 1983-09-22 1985-04-18 Agency Of Ind Science & Technol レンズ横収差測定用ホログラムシアリング干渉計

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