JP2535424B2 - リン酸四カルシウムの製造法 - Google Patents

リン酸四カルシウムの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、リン酸四カルシウムの改善された製造法に
係り、特に、リン酸四カルシウム(TeCP):Ca4(PO42
Oを、比較的簡単に、しかも多量に製造することの出来
る方法に関するものである。
(背景技術) 近年、オルトリン酸カルシウム系化合物は、その単独
若しくは適当な組合せを用いることによって、水中また
は水溶液中で水和反応により凝結硬化し、最終的には、
より安定なアパタイトに転化するものであるところか
ら、それらを歯科用セメント材や骨結合材として用いれ
ば、組織を傷付けることなく、自己歯または自己骨に転
化する特徴があり、注目を受けている。なかでも、TeCP
をベースとするリン酸カルシウム系セメントは、TeCPと
他のリン酸カルシウム化合物とによって、pHの急激な変
化等を抑えて、組織に刺激を与えることなく、最終的に
は、骨と同じアパタイトに転化するという点において、
これまで歯科用セメントとして用いられてきたセメント
類とは本質的に異なる特徴を有している。
ところで、この有用なTeCPの合成に関しては、これま
でに、若干の文献や特許(特開昭61−270249号公報、特
開昭62−275007号公報、特開平1−96006号公報等)が
見い出されるが、基本的には、他のリン酸カルシウム化
合物とは異なり、その合成は、それ程簡単ではなく、機
械的摩砕と高温下での長時間若しくは繰返し加熱を必要
とするように思われ、従って多量生産が難しいものであ
った。
例えば、公知の合成法の一つによれば、リン酸水素カ
ルシウム:CaHPO4若しくはその二水和物:CaHPO4・2H2Oま
たはピロリン酸カルシウム:Ca2P2O7と炭酸カルシウム:C
aCO3を、Ca/P(モル)比が2となるように秤量し、ライ
カイ機等で乾式粉砕混合した後、得られた混合物を白金
るつぼを用いて1500℃で焼成せしめ、その際、2〜3個
炉から取り出して粉砕を行ない、合計24時間の焼成を行
なうことによって、目的とするTeCPを得ているのであ
る。
しかしながら、このような合成法では、ライカイ機等
での長時間粉砕や白金るつぼの使用、焼成途中での粉砕
の必要性等、非常に手間のかかる生産性の低い合成法と
なり、大量生産には向かず、また焼成途中での粉砕を行
なわなければ、単一相のTeCPが得られ難い等の問題を内
在するものであった。
(解決問題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その課題とするところは、大量に
均一なTeCPの製造を工業的に可能ならしめる手法を提供
することにあり、またヒドロキシアパタイト(HAp):Ca
5(PO43OHや酸化カルシウム:CaOの生成を抑制して、T
eCP単一相を得ることの出来る製造手法を提供すること
にある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、低結晶
性ヒドロキシアパタイトと炭酸カルシウムとを、カルシ
ウムとリンのモル比が2となるような割合において、均
一に混合して、焼成することを特徴とするリン酸四カル
シウムの製造法を、その要旨とするものである。
ここで、かかる本発明に用いられる低結晶性ヒドロキ
シアパタイト(HAp)とは、HApの結晶格子が乱れた状態
のものであり、粉末X線回折で各結晶面が明確に示され
ない状態にあるHApである。より具体的には、第1図に
示される如き通常のHAp(結晶性)のX線回折図形に対
して、本発明にて用いられる低結晶性のHApは、例えば
第2図に示される如きX線回折図形を与えるものであっ
て、それらの図の対比から明らかなように、結晶性が低
いHApは、そのX線回折図形におけるピークがブロード
となっているのである。
本発明は、このような低結晶性HApをTeCPの合成原料
として、従来からのリン酸水素カルシウム若しくはその
二水和物やピロリン酸カルシウム等に代えて用いること
により、単一相のTeCPを有利に得ることが出来る事実を
見い出したことに基づいて完成されたものである。
(具体的構成) ところで、かかる本発明に用いられる低結晶性HAp
は、湿式合成法や湿式粉砕混合法(メカノケミカル法)
等によって容易に合成され得るものである。例えば、湿
式合成法は、水性媒体中において、硝酸カルシウムとリ
ン酸水素アンモニウムを反応せしめることによって、低
結晶性HApを得るものであり、また湿式粉砕混合法によ
れば、通常の結晶性HApを水性媒体中で湿式粉砕処理せ
しめることにより、またリン酸水素カルシウム若しくは
その二水和物またはピロリン酸カルシウムと炭酸カルシ
ウムとを、HApを与えるようなCa/Pモル組成比(1.67)
において配合して、水を混合媒体として湿式粉砕混合せ
しめることにより、目的とする低結晶性HApを得ること
が出来る。
また、上記の低結晶性HApを得るに際しての湿式粉砕
混合操作は、特に、粉砕タンク内に多数の粉砕ボールを
収容し、それら粉砕ボールを適当な攪拌手段にて強制的
に機械的に攪拌せしめることにより、原料スラリーの該
粉砕ボールによる攪拌粉砕を行なうようにした湿式媒体
攪拌機を用いて、実施されることが望ましく、このよう
な湿式媒体攪拌粉砕手法の採用によって、原料のメカノ
ケミカル的な粉砕混合が実現され、低結晶性HApを有利
に得ることが出来るのである。なお、このような粉砕機
は市販されており、例えば、アトライタ(三井三池化工
機株式会社製)、アクアマイザ(ホソカワミクロン株式
会社製)等を挙げることが出来る。
そして、このような低結晶性HApに対して、炭酸カル
シウムが、カルシウム(Ca)とリン(P)のモル比が2
となるような割合において配合せしめられて、目的とす
るTeCPを与える原料混合粉末とされる。なお、この原料
混合粉末には、適当な粉砕機を用いて、乾式或いは湿式
による均一な混合操作が施される。
次いで、この均一な原料混合粉末は焼成され、以て目
的とするTeCPが合成されることとなるが、本発明では、
従来とは異なり、TeCP合成原料として低結晶性HApと炭
酸カルシウムの組合せを採用しているところから、それ
ら原料成分間の反応が効果的に進行し、単一相のTeCPが
有利に得られるのであり、また従来の如き焼成途中の粉
砕の必要がなく、それによって、焼成時間の短縮や粉砕
の手間が省略される等の特徴を発揮するのである。
なお、かかる本発明に従う原料混合粉末の焼成は、Te
CPの融点よりも低い温度下において、従来と同様にして
行なわれるものであるが、一般に、1350〜1550℃の温度
で5〜20時間行なわれることが望ましい。
(実施例) 以下、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
なお、以下の実施例中の部及び百分率は、特に断わり
のない限り、何れも、重量基準によって示されるもので
ある。
実施例 1 先ず、公知の湿式法に従って、低結晶性HApを合成し
た。即ち、濃度が1.67モル/、pHが9.5〜10.0のCa(N
O3・4H2O水性溶液に、濃度が1.0モル/、pHが9.5
〜10.0の(NH42HPO4水性溶液を加え、沈澱を生成せし
めつつ、24時間攪拌を続けた。その後、生じた沈澱(HA
p)を濾過し、更に60℃で乾燥せしめた。得られた粉末
(HAp)は100〜200Åの微結晶であった。また、この粉
末は、第2図に示される如きX線回折図形を示し、それ
がブロードで結晶性が低いことを示しているところか
ら、得られた粉末が低結晶のHApであることを認めた。
次いで、かかる湿式法で合成された低結晶性HAp粉末
の56.51部と炭酸カルシウム粉末(市販品)の11.26部
を、ライカイ機により6時間乾式粉砕混合して、均一な
混合粉末とした後、それを1500℃の温度で10時間焼成す
ることにより、目的とするTeCPを合成した。
かくして得られたTeCPについて、粉末X線回折同定
(XRD)及び生成TeCP中のCa/P組成比分析を行ない、そ
の結果を、下記第1表にまとめて示した。
実施例 2 市販のHAp(結晶性)を用いて、これを湿式媒体攪拌
機(三井三池化工機株式会社製、アトライタ)にて、3
時間湿式粉砕処理することにより、低結晶性のHApを得
た。次いで、この低結晶性HApの56.51部と炭酸カルシウ
ムの11.26部を、ライカイ機により6時間乾式粉砕混合
して、均一な混合粉末とした後、1500℃の温度で10時間
焼成することによって、目的とするTeCPを得た。この得
られたTeCPの粉末X線回折同定結果及びCa/P組成比分析
結果を、下記第1表に示す。
実施例 3 Ca/Pモル組成比が1.67となるように、リン酸水素カル
シウム二水和物粉末(市販品)の172.09部と炭酸カルシ
ウム粉末の66.73部に水を加え、12%の水性スラリーと
し、これを湿式媒体攪拌粉砕機により2時間湿式粉砕混
合して、低結晶性のHApを形成せしめた。なお、湿式媒
体攪拌粉砕機としては、市販の粉砕機(ホソカワミクロ
ン株式会社製、アクアマイザ)を用い、また粉砕ボール
としては、ジルコニアボールを用いた。
そして、かかる低結晶性HApの合成に続いて、得られ
たスラリー中に炭酸カルシウムを更に33.36部添加し、
全体としてのCa/Pモル組成比が2.0となるようにして、
更に1時間湿式粉砕混合を行なった。その後、この湿式
粉砕混合の施された水性スラリーから、濾過によって均
一な混合粉末を取り出し、80℃で乾燥した後、1350℃〜
1550℃の温度と5〜20時間の各種条件下で焼成すること
により、目的とするTeCPを合成した。
かくして得られた各種のTeCPについて、前記実施例と
同様に、粉末X線回折同定及びCa/P組成比分析を行な
い、それらの結果を、下記第1表に示した。
比較例 1 市販のHAp(結晶性)粉末の56.51部と炭酸カルシウム
粉末の11.26部を、ライカイ機により1時間乾式混合せ
しめて、均一な原料粉末とした後、これを1550℃で20時
間焼成することにより、下記第1表に示される如き特性
のTeCPを得た。
比較例 2 リン酸水素カルシウム二水和物粉末の35.12部と炭酸
カルシウム粉末の20.22部を、ライカイ機で8時間乾式
粉砕混合せしめた後、得られた混合粉末を1550℃で20時
間焼成することにより、下記第1表に示される如き特性
のTeCPを得た。
かかる第1表の結果から明らかなように、本発明に従
って、TeCP原料として、低結晶性HApと炭酸カルシウム
との組合せを用いることにより、単一相のTeCPを得るこ
とが出来たが、結晶性のHAp(比較例1)を原料とした
り、リン酸水素カルシウム二水和物(比較例2)を原料
とした場合にあっては、何れも、HApや酸化カルシウム
(CaO)の共存するTeCPとなり、単一相のTeCPを得るこ
とが出来ないのである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明手法によれ
ば、HApやCaOの生成が効果的に抑制されて、TeCP単一相
が有利に実現されるのであり、また大量に均一なTeCPの
製造が工業的に可能となったのである。
しかも、本発明によれば、混合時間が有利に短縮され
得、また焼成途中において原料粉末の粉砕の必要がな
く、それ故に、焼成時間の短縮、更には粉砕の手間を省
略することが出来る等の特徴が発揮され、かくして生体
用セメント原料等として良好なTeCPを有利に得ることが
出来ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ、結晶性HAp及び低結晶
性HApの代表的なX線回折図形を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低結晶性ヒドロキシアパタイトと炭酸カル
    シウムとを、カルシウムとリンのモル比が2となるよう
    な割合において、均一に混合して、焼成することを特徴
    とするリン酸四カルシウムの製造法。
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