JP2535185Y2 - 感熱転写フイルム用カセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は，記録幅に対応した広幅の感熱転写フィルム
を用いて感熱転写記録を行う感熱転写プリンタに関し，
特にその感熱転写プリンタに使用する広幅の感熱転写フ
ィルムを収容した感熱転写フィルム用カセットに関す
る。

〔従来の技術〕

最近，感熱転写プリンタへの感熱転写フィルムの装填
を簡略化するため，カセットケース内に感熱転写フィル
ムを繰り出す繰出ロールと，それを巻取る巻取ロールと
を収納したカセットが使用されている。このカセットに
は，繰出ロールと巻取ロールとの間に延びた感熱転写フ
ィルムの両面を露出させるよう，カセットケース両面に
大きい窓が形成されており、このカセットをプリンタに
装着すると，巻取ロールにプリンタの駆動装置が連結さ
れ，且つ前記窓を通して感熱転写フィルムの片面にサー
マルヘッドが，反対面に記録紙が位置し，駆動装置によ
って巻取ロールが回転して繰出ロールから感熱転写フィ
ルムを引き出し，サーマルヘッドによって画像記録が行
われていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし，かかる従来のカセットは，内部に収容した繰
出ロールに巻付けている感熱転写フィルムの量を外部か
ら目視できず、残量を検査できないという問題があっ
た。

また，このカセットをプリンタに装着し，巻取ロール
及び繰出ロールにプリンタ側の駆動装置を連結した際，
巻取ロール及び繰出ロールには軸線方向の力が作用する
ので，その力を受けるためにカセットケースの端面には
各ロール端部に形成しているロールピボットを支持する
ようピボット受けを設けているが，このピボット受の強
度が小さく，プリンタの駆動中に変形してトラブルを起
こすことがあるという問題もあった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はかかる問題を解決せんとするもので，上ケー
スと下ケースからなるカセットケースと，該カセットケ
ース内に配置された広幅の感熱転写フィルムの繰出ロー
ル及び巻取ロールとを有する感熱転写フィルム用カセッ
トにおいて，前記カセットケースが，繰出ロール収納部
及び巻取ロール収納部と，両者の間の両面に設けられ，
繰出ロールと巻取ロールとの間に延びた感熱転写フィル
ムの両面を露出させる大きい窓を有しており、更に，前
記カセットケースの下ケースが，前記繰出ロール収納部
及び巻取ロール収納部の端面にそれぞれ，前記繰出ロー
ル及び巻取ロールの一端のロールピボットを回転可能に
保持するピボット受であって，前記上ケースに面する側
を開口させ且つその開口の周囲にフランジを有するピボ
ット受を有し，前記上ケースが，前記ピボット受のフラ
ンジに接合され，前記ピボット受の開口を閉じる蓋部を
有しており，前記フランジと前記蓋部が接合されること
により、前記ピボット受の強度が増大されており，更
に，前記ピボット受を設けた側の前記繰出ロール収納部
端面に，内部の繰出ロール端面を視認しうるのぞき窓を
形成していることを特徴とする感熱転写フィルム用カセ
ットを要旨とする。

〔実施例〕

以下，図面に示す本考案の実施例を説明する。第１図
は本考案の一実施例になる感熱転写フィルム用カセット
を示す概略斜視図，第２図はそのII−II矢視断面図であ
る。同図において,1はカセットケースであり，中央部に
大きい窓２を備え，且つ，内部に記録幅に応じた広幅の
感熱転写フィルム３を繰り出す繰出ロール４とそれを巻
取る巻取ロール（図示せず）を収納している。このカセ
ットケース１は，上ケース1Aと下ケース1Bとからなり，
両者の突き合わせ面を接合することにより，組み立てら
れている。このカセットケース１の繰出ロール収納部端
面には，のぞき窓５が形成されており，こののぞき窓５
から内部の繰出ロール４の端面を見ることができ，繰出
ロール４に巻付けている感熱転写フィルムの残量を確認
することができる。

６は繰出ロール4,巻取ロールのロールピボット７を回
転可能に保持するピボット受であり，下ケース1Bに一体
に形成されている。このピボット受６は，第３図に示す
ように，その上面即ち上ケース1Aに面する側を開口させ
且つその開口の周囲にフランジ6Aを有している。ピボッ
ト受６のフランジ6Aには上ケース1Aに一体に形成した蓋
部８が超音波シール等により接合され，ピボット受６の
開口を閉じている。ピボット受６にこのフランジ6Aを設
けることによって，蓋部８に対する接合面が大きくな
り，両者を確実に接合させて，ピボット受６の強度を増
すことができる。従って，第２図に示すように，繰出ロ
ール（又は巻取ロール）４がプリンタの駆動軸によって
矢印Ａ方向に押された時に，ロールピボット７によって
ピボット受６の端壁が二点鎖線で示すように変形するこ
とが防止される。前記したのぞき窓５はピボット受６を
設けた側の端面に形成している。

９はカセットケース１の側面に形成された突起,10は
この突起９によって形成された位置決め用溝である。ま
た,11は位置決めピン穴である。

上記構成になるカセットをプリンタの所定位置に挿入
すると，位置決めピン穴11にプリンタ側のピン（図示せ
ず）が挿入し，且つ位置決め用溝10にプリンタ側のピン
（図示せず）が係合して，カセットを所定位置に位置決
めする。この時，カセットケース１の窓２を通して，感
熱転写フィルム３の片面にはサーマルヘッド（図示せ
ず）が接触し，反対面には記録紙が接触する。また，同
時に繰出ロール4,巻取ロールにプリンタ側の駆動軸が連
結される。この状態で，巻取ロールが駆動されて感熱転
写フィルム３が矢印Ｂ方向に走行し，サーマルヘッドに
よる記録が行われる。記録継続につれて感熱転写フィル
ム３の残量が減少するが，この残量は，のぞき窓５を見
ることにより容易に知ることができる。すなむち，のぞ
き窓５はピボット受６を設けた側に形成しており，プリ
ンタの駆動軸を連結する側とは反対側であるので，カセ
ットをプリンタにセットした状態で目視でき，カセット
を取り外すことなく，感熱転写フィルムの残量を容易に
知ることができる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のカセットは，繰出ロ
ールの端面を見ることができる位置に，のぞき窓を設け
ているので，該のぞき窓から内部の繰出ロールを見て，
感熱転写フィルムの残量を確認することができるという
効果を有している。また，繰出ロール及び巻取ロールの
ロールピボットを回転可能に支持するよう下ケースに設
けたピボット受の上面の開口の周囲にフランジを設け，
そのフランジに上ケースに設けた蓋部を接合して前記ピ
ボット受を閉じる構成としているので，ピボット受の強
度が大きく，そのピボット受の端壁にロールピボットが
押し付けられても，その端壁が変形してトラブルを起こ
すということがなく，安定してプリンタが駆動できると
いう効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による感熱転写フィルム用カ
セットの斜視図，第２図はそのII−II矢視断面図，第３
図はピボット受６近傍の概略斜視図である。 １……カセットケース、1A……上ケース、1B……下ケー
ス、２……窓 ３……感熱転写フィルム、４……繰出ロール、５……の
ぞき窓、６……ピボット受 6A……フランジ部、８……蓋部、10……位置決め用溝、
11……位置決めピン穴

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上ケース（1A）と下ケース（1B）からなる
   カセットケースと，該カセットケース内に配置された広
   幅の感熱転写フィルムの繰出ロール及び巻取ロールとを
   有する感熱転写フィルム用カセットにおいて，前記カセ
   ットケース（１）が，繰出ロール収納部及び巻取ロール
   収納部と，両者の間の両面に設けられ，繰出ロールと巻
   取ロールとの間に延びた感熱転写フィルム（３）の両面
   を露出させる大きい窓（２）を有しており，更に，前記
   カセットケース（１）の下ケース（1B）が，前記繰出ロ
   ール収納部及び巻取ロール収納部の端面にそれぞれ，前
   記繰出ロール及び巻取ロールの一端のロールピボット
   （７）を回転可能に保持するピボット受（６）であっ
   て，前記上ケースに面する側を開口させ且つその開口の
   周囲にフランジ（6A）を有するピボット受（６）を有
   し，前記上ケース（1A）が，前記ピボット受（６）のフ
   ランジ（6A）に接合され，前記ピボット受（６）の開口
   を閉じる蓋部（８）を有しており，前記フランジ（6A）
   と前記蓋部（８）が接合されることにより、前記ピボッ
   ト受（６）の強度が増大されており，更に，前記ピボッ
   ト受（６）を設けた側の前記繰出ロール収納部端面に，
   内部の繰出ロール端面を視認しうるのぞき窓（５）を形
   成していることを特徴とする感熱転写フィルム用カセッ
   ト。