JP2535100B2 - シャッタ羽根機構応答時間の変動補償装置および方法 - Google Patents

シャッタ羽根機構応答時間の変動補償装置および方法

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JP2535100B2
JP2535100B2 JP2325086A JP32508690A JP2535100B2 JP 2535100 B2 JP2535100 B2 JP 2535100B2 JP 2325086 A JP2325086 A JP 2325086A JP 32508690 A JP32508690 A JP 32508690A JP 2535100 B2 JP2535100 B2 JP 2535100B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般的には写真装置の露出制御装置に関
し、特に、写真装置のシャッタ羽根要素の応答時間の変
動に対し露出の補償を行うための方法および装置に関す
る。
〔従来の技術〕
写真カメラに対する公知の露出制御機構の1つは、い
わゆる走査羽根シャッタであり、相互に逆向きの往復運
動を行なうように連結された、協働的に運動する2つの
シャッタ羽根要素を含む。これらのシャッタ羽根要素に
は、選択された形状の開口が形成されており、これらの
開口は、羽根の位置により、カメラハウジング内の光入
射露出孔上に対称的に重なるようになっている。これら
の羽根要素は、カメラハウジングに対し回転自在に取付
けられたいわゆる「遊動ビーム」に連結されることによ
り、カメラ内の孔入射孔上において次第に変化する開口
を画定すべく連結されている。「遊動ビーム」が、それ
に連結されたばねと電気ソレノイドとの組合せによって
作動せしめられると、シャッタ羽根要素は同時に、かつ
互いに対応して連動し、カメラの光入射露出孔上におい
て、対称的形態を有する可変開口を画定する。
これらのシャッタ羽根要素を自動制御して時間を生じ
せしめるような手段が備えられる。それらの手段には、
シャッタ羽根要素を作動せしめるための上述の電気ソレ
ノイドとばねとの組合せと、特に、開放位置と閉鎖位置
との間でそこに形成される開口と、が含まれる。さら
に、露出時間中に羽根要素の開口からフィルム面へ入射
する被写界光量に対応する被写界光量を検出し積分する
ための手段も備えられる。
上述の形式の走査羽根露出制御装置においては、ばね
から生じる力がシャッタ羽根要素を作動せしめて、時と
して、上述の被写界光量検出および積分手段により決定
される、特定の被写界光入射開口寸法を生ぜしめる。必
要な被写界光量が検出され積分されると、これに応答す
る信号により、それぞれのシャッタ羽根要素に連結され
た電気ソレノイドがシャッタ羽根の運動を逆転せしめ、
上述の特定の光入射開口をゼロまで縮小する。正しい露
出を生ぜしめるためには、光入射開口は、それぞれ指令
された時、その特定の開口を論理上直ちにゼロまで縮小
すべきである。しかし、いくつかの理由により、このよ
うな応答は、ある制御を追加しないと行なわれない。
特定の開口が露出制御装置に指令されたよりも大きく
なりがちな1つの理由は、シャッタ羽根要素の開放位置
と閉鎖位置との間で作動させる電気ソレノイドおよび/
またはばねが生じる力が予測不可能な変動を生ずること
による。製造公差があるために、1対のシャッタ羽根要
素に対し同じ開放力を及ぼすばねを常に変らず生産する
ことは困難である。あるばねが生じる力は、他のばねが
生じる力より実質的に大または小でありうるので、ある
シャッタ羽根要素は、同様に作動せしめられる他のシャ
ッタ羽根要素の組よりも速い、または遅い速度で開かれ
ることになる。シャッタ羽根要素の運動速度のこの変動
は、実質的に露出過度または不足の写真像を生ぜしめう
る。
同種のシャッタ羽根要素速度の変動は、1対のシャッ
タ羽根要素を完全閉鎖位置へ作動させるのに用いられ
る、相異なる電気ソレノイド間の製造公差からも生じう
る。その製造工程においては、同じ力発生特性を有する
多数のソレノイドコイルを変えることなく巻回すること
は困難である。さらに、これらのソレノイドコイルは、
通常は電池から電力を供給されるが、電池の出力電力は
使用寿命中に次第に低下する。この電力低下のために、
シャッタ羽根要素に加わる力も減少し、その結果、シャ
ッタ羽根要素の速度に、露出に影響を与える変化を生じ
る。
隣接するシャッタ羽根要素間およびこれらに連結され
た他の可動部材間の摩擦などの因子も、シャッタ羽根要
素の速度を変化させる。シャッタ羽根要素に測光器用の
開口を備え、測光器がこれを通して被写界光を検出する
ことによりシャッタ羽根要素の運動を制御するようにす
る予防手段など、これらの因子を補償するためのいくつ
かの形式の手段がこれまでに開示されている。この解決
法および他の多くの解決法における問題は、これらの解
決法の全てが、シャッタ羽根要素の速度は、ある露出時
間においても次の露出時間においても一定で変化しない
という誤った仮定に基づいていることである。この仮定
は、実際には、上述のシャッタ要素の製造公差と、通常
の一連の写真撮影操作中におけるカメラ操作者によるカ
メラの向きの変化による摩擦の変動とにより、成立しな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、露出時間毎に起こるシャッタ機構
の応答時間の変動を補償しうる、写真カメラ用露出制御
装置を提供することを主たる目的とする。
本発明のもう1つの目的は、機械的摩擦の変化によっ
て起こる、露出制御装置の一部をなすシャッタ羽根要素
の速度の変動を補償しうる、写真カメラ用露出制御装置
を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的は、通常の電池から露
出制御装置へ供給される電力の大きさが、電池の長期使
用期間中に徐々に低下することにより、露出制御装置の
一部をなすシャッタ羽根要素に生じる速度変化を補償し
うる、写真カメラ用露出制御装置を提供することであ
る。
本発明のその他の諸目的、諸特徴、および/または諸
利点は、添付図面を参照しつつ行なわれる本発明の実施
例に関する以下の詳細な説明によって明らかにされる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の実施例における、1対の協働するシャッタ羽
根要素を含む走査形シャッタを用いた写真カメラ用の露
出制御装置は、露出時間毎に起こりうるシャッタ羽根機
構の応答時間の、露出を変化させる変動を補償する手段
を備えている。この補償手段は、露出サイクル中に羽根
要素が運動せしめられる時、羽根要素の相対位置を表わ
す一連のパルスを発生する羽根位置エンコーダを含む。
これらのパルス間の時間は測定されて、シャッタ羽根相
対速度を表わす信号に直接変換される。このシャッタ羽
根相対速度信号は、次に、後の露出時間の長さを変える
ことによって、シャッタ羽根機構の応答時間の変動を補
償するために使用される。
〔実施例〕
第1図には、それぞれの露出サイクル中の、露出を変
化させるシャッタ羽根速度の変動を補償する、露出制御
装置の実施例を組込んだ、自動現像形の一眼レフ(SL
R)写真カメラ10が示されている。カメラ10は、固定焦
点形の対物すなわち撮影レンズ12を含み、このレンズ
は、シャッタ羽根機構または組立部品18に形成された開
口を経て、フィルム面16上に例えば被写体14からの写像
光線を集束させる1つまたはそれ以上の要素(1つのみ
図示されている)を含む。
さらに、第2図、第3A図、第3B図に示すように、レン
ズ12とフィルム面16との中間に配置されたシャッタ羽根
機構18は、1対の重なり合った「走査」形のシャッタ羽
根要素20Aおよび20Bを含む。被写界光入射1次開口22A
および22Bはそれぞれ羽根要素20Aおよび20Bに備えら
れ、権利者を共通にするWhitesideによる米国特許第3,9
42,183号にさらに完全に説明されているように、1羽根
要素が他方の羽根要素に対して縦方向および横方向に同
時変位することにより、両者が協働して、有効開口を徐
々にかつ予測できる変化を行なわせる。羽根要素の開口
22Aおよび22Bは、レンズ12の中心光軸24Aに重なること
により、羽根機構18の羽根要素20Aおよび20Bの位置の関
数として大きさが少しずつ変化する有効開口を画定する
ように、形状を選択される。羽根機構18の羽根要素20A
および20Bを上述のように変化せしめるための、シャッ
タ駆動装置26が備えられている。シャッタ駆動装置26
は、上述のシャッタ羽根要素を変位させるための、プラ
ンジャ形ソレノイド28の形式の電磁牽引装置と、これに
対する制御装置とを含む。ソレノイド28と、関連の制御
装置の詳細については後述される。
羽根機構18の羽根要素20Aおよび20Bはそれぞれ、2つ
の2次開口30A、32Aおよび30B、32Bを有する。羽根20A
の開口30Aは、羽根20Bの開口30Bと協働して穴34を形成
し、羽根20Aの開口32Aは、羽根20Bの開口32Bと協働して
穴36を形成し、これらの穴はシャッタ組立部品18を貫通
する。協働するこれらの2次開口は、被写界光入射1次
開口22Aおよび22Bに対し所定の対応関係をもって追随す
るように配置される。1次および2次開口は同じ羽根要
素に形成されていて、互いに機械的に連結されているの
で、羽根要素20Aおよび20Bが前述のように互いに対して
変位せしめられる時、2次開口が1次開口と同様に連動
しうることは明らかである。1次開口を経てフィルム面
16へ入射する人工光量は、穴34を通った対応する赤外被
写界光量を検出し積分する赤外光センサ40内の赤外光感
光素子30と積分器(図示されていない)との組合せから
発生する信号により制御される。これら1次開口を経て
フィルム面16へ入射する可視光量は、穴36を通った対応
する自然光量を検出し積分する、可視光センサ46内の可
視光ホトダイオード42と積分器44との組合せから発生す
る信号により制御される。フィルム面へ入射する被写界
光量を制御するために協働する1次および2次開口を有
する走査羽根要素の側は、前期の米国特許第3,942,183
号に示されている。
カメラ10には、羽根位置センサ/エンコーダ48が備え
られている。センサ/エンコーダ48は、羽根要素20Aお
よび20B相互間の位置を検出し、羽根要素の相対位置を
表わす信号を発生する。第3A図および第3B図に示されて
いるように、センサ/エンコーダ48は、ひとつの組立部
品54(第2図)として形成された発光ダイオード50とこ
れから間隔を置いた光センサ52、およびこれに接続され
たエンコーダ駆動・検出回路56と、羽根要素20Aおよび2
0Bのそれぞれに形成された複数のスロットすなわち穴58
および60と、を含む。スロット58および60は長方形をな
し、一様な寸法を有し、それぞれの羽根要素の長さ方向
において等しい間隔を有する。スロット58および60は全
体的に、発光ダイオード50と光センサ52との間に介在せ
しめられることにより、これら2成分間の光の伝達を交
互に素子、開通し、それによってエンコーダ駆動および
検出回路56をして、羽根要素20Aおよび20Bの相対位置を
表わす1つまたはそれ以上のパルス62を発生せしめる。
羽根要素20Bに対する羽根要素20Aの位置は、羽根機構18
の1次開口22Aおよび22Bにより形成される有効すなわち
撮影開口の寸法を画定する。従って、パルスまたは諸パ
ルス62によって表わされる羽根要素20Aおよび20Bの相対
位置もまた、1次開口22Aおよび22Bにより形成される有
効すなわち撮影開口寸法の測度をなす。それぞれの羽根
要素20Aおよび20Bにおける羽根エンコーダスロット58お
よび60の、羽根要素の運動方向における寸法は最小化さ
れて、それらの実際の位置とその位置を表わす信号すな
わちパルス62との間の、シャッタ羽根位置誤差を最小化
する。
第2図には、遊動ビーム66を介して羽根要素20Aおよ
び20Bと機械的に連結された可動プランジャ64を有す
る、プランジャ形ソレノイド28が示されている。1次開
口22Aおよび22Bが形成する穴から横方向へ離れた位置に
おいて、カメラの支持部材のまたは鋳造物(図示されて
いない)からピボットピンまたはスタッド68が突出して
おり、これは、シャッタ羽根要素20Aおよび20Bのそれぞ
れに形成された細長いみぞ穴70および72に旋回自在かつ
並進自在に係合している。遊動ビーム66は、これも1次
開口22Aおよび22Bが形成する穴から横方向へ変位した位
置において、カメラの支持部材(図示されていない)に
より支持された、ピボットピンまたはスタッド74の回り
に回転しうるように配置されている。遊動ビーム66は、
これから突出するピン部材76および78のそれぞれによっ
て、遊動ビーム66の末端部においてシャッタ羽根要素20
Aおよび20Bに旋回自在に連結されている。ピン部材76お
よび78は好ましくは円形断面を有し、それぞれの羽根部
材20Aおよび20Bの対応する円形孔80および82を貫通して
延長し、ハウジングの支持部材(図示されていない)に
形成された弓形のみぞ穴またはトラック84および86にそ
れぞれ滑動自在に係合する。これらの弓形トラックは、
羽根部材20Aおよび20Bが、露出サイクル中にそれぞれの
ピン部材76および78から外れないようにする。
ソレノイド28の形式の電磁牽引装置は、シャッタ羽根
要素20Aおよび20Bを互いに変位させて露出時間を生ぜし
めるために使用される。ソレノイド28は通常の設計のも
ので、付勢された時ソレノイドのボデー内へ引込まれ
る、内部に配置された円柱状のプランジャ64を有する。
ソレノイドプランジャ64は、ピボットピンまたはスタッ
ド88により遊動ビーム66に取付けられ、プランジャ64の
縦方向変位が遊動ビーム66をピボットピン74の回りに回
動させて、羽根要素20Aおよび20Bを適切に変位せしめる
ようになっている。
ソレノイド28は、引張り付勢ばね90の上方の固定位置
に支持されており、このばねは、羽根要素20Aおよび20B
を、これらが全体としてレンズ12の中心光軸24上に重な
る最大有効開口を画定する位置へ連続的に押圧する。ば
ね90の可動端は、遊動ビーム66から突出したピン92に取
付けられ、一方その固定端は、カメラハウジングの支持
部材(図示されていない)から突出したピン94に取付け
られている。この特定のばね連結により、羽根部材20A
および20Bと、これらのそれぞれに形成された1次開口2
2Aおよび22Bとは、それらの常態である開放の方向へ付
勢されている。羽根要素20Aおよび20Bは、ソレノイドが
付勢された時のみ、閉鎖位置へ向けて作動せしめられ
る。従って、ソレノイド28を付勢すると、シャッタ羽根
要素20Aおよび20Bは、付勢ばね90の力による最大開口状
態へ向けての運動を妨げられる。
前述のように、本発明の露出制御装置は、露出時間毎
に起こりうるシャッタ羽根要素の速度の、露出を変化さ
せる変動を補償する手段を備えている。次に、この補償
手段について詳述する。引き続き第1図および第2図に
おいて、前述のようにカメラ10は、羽根要素20Aおよび2
0Bの相互間の位置を検出し、羽根要素の相対位置を表わ
す信号62を発生する、羽根位置センサ/エンコーダ48を
備えている。この信号62は、一連のパルスの形式を有
し、経路98を経てマイクロコントローラおよびメモリ96
へ送られる。パルス列中の隣接パルス間の時間は、羽根
要素の速度または運動量の測度となる。この時間は、好
ましくはこれら隣接パルスの立上り端縁同士間において
測定される。
シャッタ羽根要素の速度と、シャッタ羽根要素20Aお
よび20Bのそれぞれに形成された重なり合う1次開口22A
および22Bの協働によって形成される撮影開口の大きさ
が時間と共にどのように変化するかと、がわかれば、露
出時間中の任意の時刻における撮影開口の大きさは容易
に決定されうる。さらに、前述のように、プランジャ形
ソレノイドは付勢された時、シャッタ羽根要素20Aおよ
び20Bと、これらによって形成される撮影開口とを、ば
ね90による付勢に抗し、完全閉鎖位置へ作動せしめる。
露出が完了すると、露出制御装置は、信号、すなわちシ
ャッタ羽根閉鎖指令、をソレノイド28へ送る。しかし、
装置の通常の慣性のために、露出の終了時に、ソレノイ
ド28およびこれに連結されたシャッタ羽根要素が応答す
る時刻と、撮影開口の閉鎖を実際に開始する時刻との間
には、固有の遅延が存在する。この現像は、時に、羽根
要素の行過ぎと呼ばれる。さらに、閉鎖が指令されてか
ら閉鎖が開始されるまでに要する時間はまた、シャッタ
羽根の速度にもよる。ソレノイドとシャッタ羽根機構と
の組合せの応答時間が遅いほど、かつ/または、羽根速
度が速いほど、羽根要素の行過ぎの程度は大きくなる。
もし、この羽根要素の行過ぎが十分に補償されなけれ
ば、露出過度の写真像を生じる。
マイクロコントローラおよびメモリ76は、径路100を
経て、経験的に構成されたルックアップテーブル99に結
合しており、ルックアップテーブル99は、シャッタ羽根
相対位置信号62によりマイクロコントローラおよびメモ
リ96内の通常のタイミング回路から発生せしめられるシ
ャッタ羽根速度信号に応答する。シャッタ羽根の運動速
度は、このタイミング回路が、隣接する羽根要素位置パ
ルス62の立上り端縁間の時間を測定することにより決定
する。ルックアップテーブル99は、適正露出の写真像を
得るために必要な露出開口すなわち撮像開口の全寸法の
百分率を表わす、シャッタ羽根速度が依存する基準出力
信号を発生するルックアップテーブル99から発生するこ
の全開口寸法の百分率信号の大きさは、予め実験的に求
められた評価結果または決定に基づくものであって、部
分的には、閉鎖指令が発せられた時、シャッタ羽根要素
の任意の特定の運動速度において露出制御装置がシャッ
タ羽根要素20Aおよび20Bにより形成される撮影開口を閉
鎖し始めるのに要する時間に基づいている。
例えば、もし露出制御装置が撮影開口を閉鎖する指令
を出した後の露出時間中に露出の20%が発生するものと
すれば、シャッタ羽根速度依存ルックアップテーブル99
は、必要な露出の80%に等しいシャッタ羽根閉鎖指令基
準信号を発生することになる。必要な露出の残余の20%
は、上述のシャッタ羽根要素の運動の初期遅延と、閉鎖
位置へ駆動される時におけるシャッタ羽根の速度とから
発生する。
露出百分率基準信号はデジタル形式を有するので、デ
ィジタル−アナログ変換器101に印加され、その出力は
比較器102の一方の入力に印加される。露出時間中にお
いて、可視光ホトダイオード42は2次開口32Aおよび32B
を通った自然被写界光を検出して、被写界光強度を表わ
す電気信号を発生する。この被写界光強度信号は、次に
積分器44に印加され、時間の関数として積分される。積
分器44の出力は、径路104を経て比較器102の他方の入力
に印加される。積分された自然被写界光信号の振幅が、
ディジタル−アナログ変換器101から比較器102へ印加さ
れている露出百分率基準信号に等しくなると、比較器10
2は露出終了信号を、シャッタ駆動装置26内にソレノイ
ド駆動回路105へ送り、それによってソレノイド28をし
てシャッタ羽根要素20Aおよび20Bを完全閉鎖位置へ駆動
せしめる。露出時間の終了は、この露出百分率基準信号
と、前述のシャッタ羽根運動の初期遅延と、閉鎖位置へ
駆動された時のシャッタ羽根要素の運動速度と、の組合
せによって制御される。
カメラ10はまた、電子フラッシュ装置106と、その付
勢を制御して被写体の反射率を決定し、被写界を証明す
るに要する露光値の一部を与えるための装置と、を合せ
有する。電子フラッシュ装置106は、主蓄電キャパシタ1
08を含み、このキャパシタは、DC−DC電圧変換器110内
に含まれる任意の通常の電圧変換回路(図示されていな
い)により、動作電圧まで充填されうる。DC−DC電圧変
換器110は通常のように動作して、6ボルト程度であり
うる電池112からのDC電圧を、例えば280ボルトといった
適切な動作電圧に変換する。フラッシュ放電管114およ
びサイリスタ116は直列に接続され、さらにこれらは全
体として主蓄電キャパシタ108に対し並列に接続されて
いる。フラッシュ管114は、露出制御電子モジュール120
内の通常のトリが回路(図示されていない)から径路11
8を経て供給される適切なトリが信号により付勢され
る。フラッシュ管114は付勢されると、被写界およびそ
こに含まれる被写体を、可視光および赤外光の双方によ
り照明する。
ルックアップテーブル99もまた別の、経験に基づいた
露出制御信号を発生する。これらの信号の主たる目的
は、1次開口22Aおよび22Bが形成する羽根機構18の有効
すなわち撮影開口を通りレンズ12によってフィルム面16
上に集束せしめられる写像被写界光線の量を、背景から
の自然被写界光量と被写体反射率との関数として制御す
ることである。
前述のように、フィルム面16へ入射する人工および自
然被写界光量は、羽根機構18の穴34および36を通った人
工および自然すなわち可視被写界光量の一部を、赤外光
センサ40および可視光センサ46内にある光センサ38およ
び42と、これらに関連する積分器と、によりそれぞれ検
出することにより、間接的に測定される。赤外光センサ
40と、これに関連する積分器とから発生する信号は、反
射された赤外被写界光量を表わし、径路124を経てルッ
クアップテーブル99へ送られる。可視光センサ46と、こ
れに関連する積分器44とから発生する信号は、自然被写
界光量を表わし、径路126を経てルックアップテーブル9
9へ送られる。ルックアップテーブル99は、これら2つ
の信号に応答して、また前述の露出開口寸法百分率基準
信号に応答して、羽根機構18の1次開口を経てフィルム
面16へ入射する写像光線の量を制御する、複数の相異な
る信号を発生する。これらの複数の相異なる信号は、そ
れぞれの露出サイクルにおいて、露出時間の前に発生せ
しめられる。あるいは、これらの信号を、露出時間の初
期段階において発生せしめることもできる。
ルックアップテーブル99から得られる信号は、1)フ
ラッシュ管114が点弧される時の、1次開口22Aおよび22
Bにより形成される撮影開口の寸法を制御するための、
出力路128上の開口寸法信号と、2)フラッシュ管114か
ら被写界へ追加されるべき人工光量を制御するための、
出力路130上の人工光量百分率信号と、3)羽根機構18
の1次開口22Aおよび22Bを通ってフィルム面16へ入射せ
しめられる写像光量を制御するための、出力路132上の
露出開口寸法百分率基準信号と、4)露光時間が速やか
に終了しなかった場合に、ルックアップテーブル99の入
力路124および126のそれぞれに現われる人工および自然
光量信号の振幅による時刻において露出時間を終了せし
めるための、出力路134上の信号と、である。
上述のルックアップテーブルの出力信号が、径路12
8、130、132、134上に発生する前に、可視光センサ46か
ら発生する自然光量信号は、ルックアップテーブル99お
よび径路136を経てマイクロコントローラ96へ送られ、
一時的に記憶される。この自然光量信号のマイクロコン
トローラ96内へ記憶の後、かつ露出時間の開始の前に、
フラッシュ管114からのウィンク、すなわち短い持続時
間のフラッシュ光、により前に照明された被写界内の被
写体からの反射人工光量が赤外光センサ40によって検出
されて、これを表わす信号が径路124を経てルックアッ
プテーブル99へ送られる。次に、マイクロコントローラ
96内に記憶された自然光量信号が、径路100を経てルッ
クアップテーブル99へ送られる。記憶された自然光量信
号と、センサ40から発生した赤外光量信号と、露出開口
法寸法百分率信号とは、全体としてルックアップテーブ
ル99内において、ルックアップテーブル99の出力路12
8、130、132、134上へ現われる前述の諸信号を発生する
ために用いられる。
センサ40および46のそれぞれから発生する人工および
自然被写界光量信号と、露出開口寸法百分率基準信号と
に応答して、ルックアップテーブル99の出力路128、13
0、132、134上に現われる信号は、経験的に決定された
ものである。ルックアップテーブル99は、部分的には、
これらの室号を発生するために広範囲の人工および自然
被写界照明条件下において形成された、さまざまな距離
にあり、ある範囲の反射率を有する被写体の多数の写真
像についての被写体解析によって構成される。
一般に、カメラ10のフィルム面へ写真像を形成する
時、1次開口22Aおよび2Bが形成する撮影開口が小さい
ほど、レンズ12の被写界深度は大きくなり、撮影開口が
小さいために写像被写界光量が減少するので自然被写界
光露光レベルは暗くなる。ルックアップテーブル99は、
被写界内の被写体像の鮮鋭性と、全体的な被写界露光と
の間の妥協を行なうように構成されている。この妥協を
行なうに当り、ルックアップテーブル99はフラッシュ管
114を、可能な最小の撮影開口、従って最大の被写界深
度のときに点弧するので、最適の被写界内被写体像の鮮
鋭性および全体的被写界露光が得られる。ルックアップ
テーブル99はさらに、センサ40および46から発生する人
工および自然被写界光量レベル信号に応答して、被写界
照明フラッシュ管114から発生する人工光量を制御し、
かつ1次開口22Aおよび22Bが形成する撮影開口の最大寸
法を制御することにより、全体的な被写界露光を改善す
る。
前述のように、カメラ10はSLR形のものであるから、
通常の反射鏡140に含み、この鏡は、露光制御電子モジ
ュール120により、径路142を経て作動せしめられる。鏡
140は、フィルム面16への被写界光の通過を阻止してカ
メラ操作者をしてレンズ12を通して被写界を観察しうる
ようにする観察位置と、鏡140が撮影時間中に被写界光
をフィルム面16へ反射する、第1図に示された撮影また
は非阻止位置と、の間で通常のように作動せしめられ
る。
カメラ10は、好ましくは、本出願と権利者を共通にす
る、Landによる米国特許第3,415,644号に説明されてい
るものと同様の自動現像形フィルムユニット(図示され
ていない)を用いるように設計される。この自動現像形
フィルムユニットは、カメラ10内へ完全に挿入された後
の状態で図示された、遮光性フィルムカセット144内に
装填されている。カセット144は、DC 6Vの電池112を内
含しうる。
カメラ10内には、Landによる米国特許第3,753,392号
に説明されているものと同様のフィルム前進装置146が
取付けられており、このフィルム前進装置146は、露出
済みフィルムユニットを、カメラ10内の露出位置からカ
メラ外へ向けて連続的に運動させうるように、フィルム
前進装置146に連結された歯車列を動作せしめるモータ
(いずれも図示されていない)を含む。フィルム前進装
置146はさらに、上述のモータおよび歯車列によって駆
動される、フィルム係合アーム部材(図示されていな
い)を含む。このアーム部材は、上述のLandによる第3,
753,392号の特許に示されているように、カセット144の
みぞ穴内に挿入されて、その内部に配置された最上部フ
ィルムユニットの後端縁またはその付近に係合した後、
それをカセット144から送り出し、さらに上述の最上部
フィルムユニットの全端縁に隣接して取付けられた1対
の通常の処理ローラ(図示されていない)のかみ合いの
中へ送り込む。前述のモータおよび歯車列によって回転
せしめられるこれらの処理ローラは、露出済みフィルム
ユニットをカメラ10外へ向けて中断なく移動させ続ける
と同時に、露出済みフィルムユニットの前端部の処理液
容器を裂断する。処理ローラは、露出済みフィルムユニ
ットの前端部の裂断された処理液容器の内容液を広げ
る。処理ローラは、裂断された容器の内容液を、フィル
ムユニットの要素間に広げ、本技術分野において公知の
ように、フィルムユニット内の可視像の形成を開始す
る。
次に、操作につき典型的な露出サイクルに関し詳細に
説明する。この説明のために、次のことを仮定する。す
なわち、羽根機構18の撮影開口が完全な開放位置にある
ことと、羽根機構18の2次開口により形成される穴34お
よび36も完全に開放されていることと、鏡140が観察位
置すなわち光阻止位置にあることと、フラッシュ装置10
6が、電池112を露光制御電子モジュール120と径路150と
を経てDC−DC電圧変換器110へ結合せしめるスイッチ148
の事前閉成により付勢されることと、主蓄電キャパシタ
108が完全に充電されて露光サイクル開始の準備が完了
していることと、である。第1図、第2図、第3A図、第
3B図、第4図において、カメラ操作者がスイッチ152を
閉位置へ作動せしめると、露光サイクルが開始される。
スイッチ152が閉成されると、電池112は経路154を経て
露出制御電子モジュール120に結合せしめられる。可視
光センサ46に隣接した、2次開口32Aおよび32Bが形成す
る羽根機構の穴36が完全な開放位置にある時に、スイッ
チ152を閉成すると、可視光センサ46内の積分器44は自
然被写界光量を固定された長さの時間の間積分し、この
積分値を経路126を経てルックアップテーブル99へ送
り、また次に経路136を経てマイクロコントロール96へ
送って、一時的に記憶せしめる。
露出制御電子モジュール120はその後シャッタ駆動装
置26を付勢して羽根機構18を、従って撮影開口と、2次
開口30Aおよび30Bが形成する穴34と、2次開口32Aおよ
び32Bが形成する穴36と、をも、完全閉鎖位置へ作動せ
しめる。シャッタ機構18のシャッタ羽根要素20Aおよび2
0Bがこのようにして完全閉鎖位置へ作動せしめられると
き、位置センサ/エンコーダは羽根位置を検出して、こ
れを表わす信号をマイクロコントローラおよびメモリ96
へ送る。前述のように、この羽根位置信号は羽根速度信
号に変換され、この信号は次に前述の露出開口寸法百分
率基準信号に変換される。この露出開口寸法百分率基準
信号は次に、ディジタル−アナログ変換器101を経て、
露出制御電子モジュール120内の比較器102の1入力に印
加される。穴34の閉鎖の後、かつ露出時間の開始の前
に、シャッタ駆動装置26は穴34をして完全開放位置へ向
かってその寸法を増大せしめる。後34が完全開放位置へ
向けて作動せしめられているとき、露出制御電子モジュ
ール120は、鏡140を、写像光線のフィルム面16への通過
を阻止する観察または光阻止位置から、露光時間中に写
像光線をフィルム面へ送る光非阻止位置(第1図に示さ
れている)へ移動せしめる手段(図示されていない)を
作動せしめる。赤外光センサ40に隣接する穴34が完全開
放位置にある時、露光制御電子モジュール120は径路118
を経てフラッシュ管114をトリガし、それによって露出
時間の開始前に被写界を可視光および赤外光により照明
する。露出制御電子モジュール120は、次に、フラッシ
ュ管114のトリガの35マイクロ秒後に、径路156を経てサ
イリスタ116をトリガすることにより、フラッシュ管114
の光出力を消滅せしめる。フラッシュ管114のこの35マ
イクロ秒間の被写界を照明するための作動により、被写
界へ向けて送られる最初の光パルスが形成される。
露出時間開始前に被写界を証明するための、35マイク
ロ秒間のフラッシュ管114の作動を行なうほかに、露出
制御電子モジュール120は、この同じ時間内に経路158を
経て赤外光センサ40内の積分器を有効化し、次に被写体
の反射率の測度である積分値を、径路124を経てルック
アップテーブル99へ送らしめる。ルックアップテーブル
99は、この被写体反射率信号を受けると、これをマイク
ロコントローラ96内に前に記憶された自然光量すなわち
被写界輝度信号と組合わせる。これらの組合せ信号と、
露出開口寸法百分率基準信号とは、後にルックアップテ
ーブルの出力路128、130、132、134上にそれぞれ現われ
る、開口寸法フラッシュ点弧信号、人工光量百分率信
号、露出開口寸法百分率基準信号、および/または露出
終了信号を発生せしめるために使用され、これらは次に
露出制御電子モジュール120に印加される。露出制御電
子モジュール120は、これらのルックアップテーブルか
ら発生した信号を受けると、シャッタ駆動装置26と、こ
れに連結された羽根機構18とを作動せしめて、2次開口
30Aおよび30BBが形成する穴34を完全閉鎖位置に置き、
さらにシャッタ駆動装置26と羽根機構18とを作動させて
露出時間を開始せしめる。
露出制御電子モジュール120は、ルックアップテーブ
ルの出力路128、130、132、134上の出力信号によって表
わされ、露出時間の発生に用いられる4条件が達成され
た時点を決定するための4つの比較器(図示されていな
い)を含む。露出時間とは、ここでは、シャッタ機構18
がレンズ12によって進められた写像光線をフィルム面16
に達しうるようにしている時間として定義される。
上述の比較器の第1のものは、ルックンアップテーブ
ルの出力路128上の基準または所望開口寸法フラッシュ
点弧信号と、羽根位置センサ/エンコーダ48からのパル
ス62によって表わされる実際の羽根位置信号、従って開
口寸法と、を比較する。この第1比較器が、これら2つ
の信号が等しいことを決定した時、露出制御電子モジュ
ール120は径路118を経てもう1度フラッシュ管114をト
リガし、それによて、被写界を露出時間中に可視光およ
び赤外光の双方を含む光によって照明する。
前述の比較器の第2のものは、ルックアップテーブル
の出力路130上の規準すなわち所望人工光量百分率信号
と、露出時間中に赤外光センサ40によって検出され、径
路158を経て露出制御電子モジュール120へ送られた、被
写界を照明する実際の人工光量レベルと、を比較する。
この第2比較器が、これら2つの信号が等しいことを決
定した時、露出制御電子モジュール120は、径路150を経
てサイリスタ116をトリガすることによって、フラッシ
ュ管114から発生している人工光を削減せしめる。人工
光による被写界のこの照明は、被写界に向けて送られる
第2光パルスを形成する。
第3比較器は、これも露出制御電子モジュール120内
にある比較器102である。この比較器は、ルックアップ
テーブルの出力路132上の、前述のシャッタ羽根要素の
速度による露出開口寸法百分率規準信号と、可視光セン
サ46内のホトダイオード42によって検出され、これに結
合している積分器44によって積分されて、径路160を経
て露出制御電子モジュール120へ送られる。可視被写界
光量を表わす信号と、を比較する。比較器102が、これ
ら2つの信号が等しいことを決定すると、露出制御電子
モジュール120は、シャッタ駆動装置26およびこれに含
まれるソレノイド28を作動せしめて、羽根機構18の撮影
開口を閉鎖し、それによって露出時間を終了せしめる。
ある被写界照明と被写体反射率との条件下において
は、露出制御電子モジュール120をして適度の時間内に
露出時間を終了せしめうる信号を、赤外光センサ40およ
びまたは可視光センサ46が発生するのに十分な、被写界
から反射された自然および/または人工被写界光が存在
しないことがありうる。第4比較器は、この問題を克服
するために配設されている。この第4比較器は、ルック
アップテーブルの出力路134上の、被写界から反射され
た自然および/または人工光レベルを表わす信号と、露
出制御電子モジュール120内に記憶されている所定の規
準信号と、を比較する。もし、径路134上の信号が、こ
の規準信号よりも大きければ、露出時間は40ミリ秒とい
うような比較的短い時間に限定され、またもし基準信号
よりも小さければ、高レベルの自然および/または人工
被写界光の存在により露光時間がもっと早く終了してい
ない限り、露出時間は400ミリ秒というような比較的長
い時間に限定される。
露出時間が完了すると、露出制御電子モジュール120
は、鏡140を光阻止位置へ向けて作動せしめ、また径路1
62を経てフィルム前進装置146およびこれに含まれる駆
動モータ(図示されていない)を作動せしめて、露出済
み自動現像形フィルムユニットの搬送および処理を開始
する。これにより、フィルム前進装置146は、径路164を
経てカセット144内にある露出済みフィルムユニットを
前述のようにして、隣接する1対の処理ローラ(図示さ
れていない)のかみ合いの中へ送り込み、あるフィルム
層間に処理液を広げ、露出済みフィルムユニットを自動
現像形カメラ10のハウジング166の排出みぞ穴(図示さ
れていない)内へ送り込む。鏡140を、フィルム面16へ
の光の通路を阻止する光阻止位置へ作動せしめた後、露
出制御電子モジュール120は、ジャッタ駆動装置26およ
びこれに連結されたシャッタ機構18を作動せしめて、1
次すなわち撮影開口を完全開放位置へ作動せしめる。フ
ィルム前進装置146は露光済みフィルムユニットを前述
のローラ対を経て送り終ると、フィルム移動完了信号
を、径路168と、径路170とのそれぞれを経て、露光制御
電子モジュール120と、これに結合したマイクロコント
ローラ96と、へ送る。露出制御電子モジュール120は、
このフィルム移動完了信号を受けると、径路150を経て
電子フラッシュ装置106の充電を開始する。電子フラッ
シュ装置106の主蓄電キャパシタ108が完全に充電される
ことが径路150を経て検出されると、露出制御電子モジ
ュール120は、カメラ10の露出制御装置を次の露出サイ
クルの開始可能な状態にする。
上述の露出制御装置においては、フラッシュ管114に
よって構成される人工光源は、可視光および赤外光の双
方で被写界を照明するのに使用された。フラッシュ管11
4は、露出時間の前に1回、露出時間中に1回、結局露
出サイクル中に2回被写界を照明する。露出時間中にお
いては、可視光および赤外光の双方が露出制御のために
用いられた。しかし、露出時間の前、または露出時間の
初期段階においては、フラッシュ管114からの赤外光の
みが露出制御のために用いられた。フラッシュ管114を
2回点弧し、それによって発生した照明の赤外光部分を
露出時間前に被写体反射率の決定のために使用すること
により、必要な照明源は1つのみになる。しかし、2つ
の別個の光源によって露出時間中および露出時間前の照
明を与えることもできる。一方の光源は、可視光および
赤外光の双方を発生するフラッシュ管114とすることが
でき、露出時間中に使用される。他方の光源は、露出時
間前に赤外光を発射する必要があるのみなので、この目
的には、例えば赤外発光ダイオードが使用されうる。
本発明の実施例についての以上の説明から、本技術分
野に精通した者ならば、本発明の真の範囲から逸脱する
ことなく、これに対してさまざまな改変を施しうること
がわかるはずである。ここに説明した実施例は、単に例
示的なものであり、本発明を包括する唯一の実施例とし
て解釈されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、シャッタ羽根機構の応答時間の変動を補償す
る本発明の露出制御装置の実施例を組込んだ写真カメラ
の概略図、第2図は、本発明のシャッタ羽根要素速度の
検出および補償手段を詳細に示す、第1図の露出制御装
置の一部の概略図、第3A図は、第2図に示された走査形
シャッタ機構の分解斜視図、第3B図は、第3A図のシャッ
タ羽根機構の部分断面、非分解平面図、第4図は、露出
サイクル中における1次および2次羽根開口の大きさの
変化を時間の関数として示すグラフ図である。 符号の説明 10……単レンズレフレックス写真カメラ、12……撮影レ
ンズ、16……フィルム面、18……シャッタ羽根機構、20
A、20B……シャッタ羽根要素、22A、22B……被写界光入
射1次開口、26……シャッタ駆動装置、42……可視光ホ
トダイオード、44……積分器、48……羽根位置センサ/
エンコーダ、50……発光ダイオード、52……光センサ、
58、60……羽根エンコーダスロット、62……パルス、96
……マイクロコントローラおよびメモリ、99……ルック
アップテーブル、102……比較器、106……電子フラッシ
ュ装置、144……フィルムカセット。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1対の重なり合うシャッタ羽根要素を備え
    たシャッタ羽根機構であって、それぞれのシャッタ羽根
    要素が協働して露出開口を画定する開口を有しており、
    該羽根機構が光路に対し該光路に沿ってフィルム面へ入
    射する被写界光を阻止する光阻止関係にある阻止配置
    と、前記羽根機構が前記光路に対し前記フィルム面への
    被写界光の前記露出開口を経ての通過を可能ならしめる
    光非阻止関係にある非阻止配置との間で移動しうるよう
    に前記羽根機構が取付けられており、それによって該羽
    根機構が前記阻止配置と前記非阻止配置との間で作動せ
    しめられる時露出時間を生じるようになっている、シャ
    ッタ羽根機構と、 前記シャッタ羽根要素相互間の相対速度(相対速度の変
    化を含む)を検出しこれを表わす信号を発生するための
    手段と、 前記シャッタ羽根要素相対速度信号に応答して特定の写
    真露出を生じるのに必要な露出開口の所定百分率を表わ
    す露出開口寸法百分率基準信号を形成する手段と、 露出時間中に自然被写界光量を検出しこれを表わす信号
    を発生するための手段と、 前記自然被写界光量信号を積分して前記露出時間内の任
    意の特定時刻までに検出された自然被写界光量の大きさ
    を表わす信号を発生する手段と、 前記露出開口寸法百分率基準信号と、前記自然被写界光
    量信号の積分された大きさとを比較して、該露出開口寸
    法百分率基準信号と該積分された自然被写界光量信号の
    瞬間的大きさとが等しくなった時露出終了信号を発生す
    るための手段と、 前記羽根機構に連結され該羽根機構を起動して露出時間
    を開始せしめ、また前記露出終了信号に応答して該露出
    時間を終了せしめるための駆動手段と、 を備えた写真カメラのシャッタ羽根機構応答時間の変動
    補償装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記シャッタ羽根要素
    の相対速度を表わす信号を発生するための前記手段が、 前記シャッタ羽根要素の相対位置を表わす一連の時間関
    連パルスを発生するためのエンコーダと、 前記時間関連パルス間の時間間隔の大きさに応答して前
    記シャッタ羽根要素の相対速度を表わす信号を発生する
    ための手段と、 を備えている、シャッタ羽根機構応答時間の変動補償装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記時間関連パルス間
    の前記時間間隔の大きさが隣接するパルスの立上り端縁
    間において測定される、シャッタ羽根機構応答時間の変
    動補償装置。
  4. 【請求項4】フィルム面を画定するための装置と、 被写界からの光路に沿って該フィルタ面内にある感光材
    料上に写像光線を送るための光学装置と、 羽根機構であって、該羽根機構が前記光路に対し該光路
    に沿って前記フィルム面へ入射する被写界光を阻止する
    光阻止関係にある阻止配置と、前記羽根機構が前記光路
    に対し前記フィルム面への被写界光の露出開口を経ての
    通過を可能ならしめる光非阻止関係にある非阻止配置
    と、の間で移動しうるように取付けられており、前記羽
    根機構が1対の重なり合ったシャッタ羽根要素を含んで
    いて、それぞれの該シャッタ羽根要素が、該羽根機構が
    前記阻止配置と前記非阻止配置との間で作動せしめられ
    た時、露出時間を生じるための露出開口を協働して画定
    する開口を有している、前記羽根機構と、 前記シャッタ羽根要素相互間の相対速度(相対速度の変
    化を含む)を検出しこれを表わす信号を発生するための
    手段と、 前記シャッタ羽根要素相対速度信号に応答して特定の写
    真露出を生じるのに必要な露出開口の所定百分率を表わ
    す露出開口寸法百分率基準信号を形成する手段と、 露出時間中に自然被写界光量を検出しこれを表わす信号
    を発生するための手段と、 前記自然被写界光量信号を積分して前記露出時間内の任
    意の特定時刻までに検出された自然被写界光量の大きさ
    を表わす信号を発生する手段と、 前記露出開口寸法百分率基準信号と、前記自然被写界光
    量信号の積分された大きさとを比較して、該露出開口寸
    法百分率基準信号と該積分された自然被写界光量信号の
    瞬間的大きさとが等しくなった時露出終了信号を発生す
    るための手段と、 前記羽根機構を起動して露出時間を開始せしめ、また前
    記露出終了信号に応答して該露出信号を終了せしめるた
    めの駆動手段と、 を備えた一眼レフカメラ。
  5. 【請求項5】1対の重なり合ったシャッタ羽根要素を備
    えた羽根機構であって、それぞれのシャッタ羽根要素が
    協働して露出開口を画定する開口を有しており、前記羽
    根機構が光路に対し該光路に沿ってフィルム面へ入射す
    る被写界光を阻止する光阻止関係にある阻止配置と、前
    記羽根機構が前記光路に対し前記フィルム面への被写界
    光の前記露出開口を経ての通過を可能ならしめる光非阻
    止関係にある非阻止配置との間で移動しうるように前記
    羽根機構が取付けられており、それによって該羽根機構
    が前記阻止配置と前記非阻止配置との間で作動せしめら
    れる時露出時間を生じるようになっている前記シャッタ
    羽根機構を配設する段階と、 前記シャッタ羽根要素相互間の相対速度(相対速度の変
    化を含む)を検出しこれを表わす信号を発生する段階
    と、 前記シャッタ羽根要素装置速度信号を用いて特定の所望
    露出を生じるのに必要な露光開口の所定百分率を表わす
    露出開口寸法百分率基準信号を形成する段階と、 露出時間中に自然被写界光量を検出しこれを表わす信号
    を発生する段階と、 前記自然被写界光量信号を積分して前記露出時間内の任
    意の特定時刻における該積分値の大きさを表わす信号を
    発生する段階と、 前記露出開口寸法百分率基準信号と、前記自然被写界光
    量信号の積分値の大きさとを比較して、該露出開口寸法
    百分率基準信号と該自然被写界光量信号積分値の瞬間的
    大きさとが等しくなった時露出終了信号を発生する段階
    と、 前記羽根機構を起動して露出時間を開始せしめ、その後
    前記露出終了信号に応答して該露出時間を終了せしめる
    段階と、 を含む写真カメラのシャッタ羽根機構応答時間の変動補
    償方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記シャッタ羽根要素
    の相対速度を検出する段階が、前記シャッタ羽根要素の
    相対位置を表わす一連の時間関連パルスを発生するため
    のエンコーダを配設する段階と、 前記一連の時間関連パルスのパルス間の時間間隔の大き
    さに応答して前記シャッタ羽根要素の相対速度を表わす
    信号を発生する段階と、 を含む写真カメラのシャッタ羽根機構応答時間の変動補
    償方法。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記シャッタ羽根要素
    の相対速度を表わす信号を発生する段階が、隣接する前
    記時間関連パルス間の時間間隔の大きさに応答してシャ
    ッタ羽根要素相対速度信号を発生する段階を含む、写真
    カメラのシャッタ羽根機構応答時間の変動補償方法。
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