JP2535091Y2 - シール付き転がり軸受 - Google Patents

シール付き転がり軸受

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JP2535091Y2
JP2535091Y2 JP1991068259U JP6825991U JP2535091Y2 JP 2535091 Y2 JP2535091 Y2 JP 2535091Y2 JP 1991068259 U JP1991068259 U JP 1991068259U JP 6825991 U JP6825991 U JP 6825991U JP 2535091 Y2 JP2535091 Y2 JP 2535091Y2
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
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    • F16C33/7873Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted with a cylindrical portion to the inner surface of the outer race and having a radial portion extending inward with a single sealing ring of generally L-shaped cross-section
    • F16C33/7876Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted with a cylindrical portion to the inner surface of the outer race and having a radial portion extending inward with a single sealing ring of generally L-shaped cross-section with sealing lips
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    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
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  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、モータの支持用軸受
や、トランスミッション等に使用される密封型円筒ころ
軸受等のシール付き転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、モータの支持用軸受等において
は、塵埃の進入阻止によるグリースの耐久性向上、メン
テナンスフリー化等のために、ゴムシールを設けた密封
型円筒ころ軸受が用いられている。前記ゴムシールは、
外輪に保持されてその内周のリップ部が内輪または軸に
接触し、密封を図るものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、このようにゴ
ムシールを設けた軸受では、外輪および保持器等の組ま
れたアッセンブリ部品に内輪(または軸)を挿入すると
きに、挿入側のゴムシールのリップ部が、内輪に引きず
られて捲れを生じ、その捲れ状態のままで使用されてシ
ール性が損なわれることがある。また、捲れ時に傷が付
いてシール性が損なわれることがある。このようなシー
ル性の低下により、グリース寿命の低下や、擦過音の発
生を招来する。
【0004】特に、モータの支持用軸受や、トランスミ
ッション内の軸受では、ケーシングやギヤ類等に阻害さ
れて作業性が悪く、挿入箇所の目視も困難なことが多い
ために、挿入時に内輪が傾くことがあり、このように傾
き状態で内輪が挿入されることによって、内輪の端部が
ゴムシールのリップ部にぶつかり、リップ部の捲れを生
じることもある。このように目視の困難な使用箇所で
は、前記のようにリップ部の捲れや損傷が生じた場合
に、これを確認して修正することができないため、捲れ
の発生防止の要望が強い。
【0005】このような問題点を解消するため、ゴムシ
ールのリップ部をころに向けて傾斜させ、ころに近接さ
せたものが試みられている。この構成によれば、リップ
部がころに近接しているため、内輪の挿入時にゴムシー
ルのリップ部が内輪に引きずられたり、内輪端面で押さ
れても、リップ部がころに接して支えられ、捲れがある
程度防止される。
【0006】しかし、ころは円周上に間隔をおいて設け
られるものであるため、ゴムシールリップ部がころで支
えられるのは部分的であり、ころのない部分では支える
ことができない。そのため、確実な捲れ防止が行えな
い。
【0007】なお、上記の各例は、内輪側にシールリッ
プ部を接触させる軸受の場合につき説明したが、外輪側
にシールリップ部を接触させる形式の軸受においても、
同様な問題が生じる。
【0008】この考案の目的は、内輪あるいは外輪の組
み込み時に発生し易い弾性シール材のリップ部の捲れを
確実に防止することのできるシール付き転がり軸受を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この考案のシール付き転
がり軸受は、保持器の幅面と弾性シール材のリップ部と
の間の軸方向隙間を、リップ部の撓み状態でリップ部が
当たり可能となる微小隙間とし、かつリップ部側の軌道
輪と保持器との径方向隙間をリップ部の先端近傍の肉厚
よりも狭くしたものである。弾性シール材は円環状のも
のであり、内外いずれか一方の軌道輪の軸方向端部に支
持されてリップ部先端が他方の軌道輪の軌道側周面に接
触する。また、この軸受は、組立に際して前記一方の軌
道輪に保持器,転動体,および前記弾性シール材が組ま
れたアッセンブリ部品に他方の軌道輪を挿入する形式の
ものに適用する。
【0010】
【作用】この構成によると、保持器の幅面と弾性シール
材のリップ部との軸方向隙間が微小隙間であるため、リ
ップ部側の軌道輪の挿入時に、リップ部が軌道輪に引き
ずられても、保持器に当たることによってリップ部先端
の剛性が高められ、捲れが防止される。また、このよう
にリップ部先端の剛性が高められるために、軌道輪の端
面がリップ部に当たった場合の捲れも防止される。保持
器は軸受の全周に設けられるため、前記の捲れ防止は弾
性シール材の全周にわたり行われる。
【0011】また、リップ部側の軌道輪と保持器との径
方向隙間がリップ部の肉厚よりも狭いため、前記の引き
ずり時にリップ部先端が保持器と軌道輪との間に潜り込
むことがなく、より一層確実な捲れ防止が行える。
【0012】
【実施例】この考案の一実施例を図1および図2に基づ
いて説明する。この例は密封型円筒ころ軸受に適用した
ものである。内輪1と両鍔付きの外輪2との間に保持器
3を設け、保持器3のポケットに円筒ころ状の転動体4
が配置してある。外輪2には、内径面の軸方向両端に円
環状の弾性シール材5が取付けられている。
【0013】弾性シール材5は、外輪2に内向きフラン
ジ部で固定された金属板製の芯材5aと、この芯材5a
の内周縁に外周の取付溝で嵌合したゴムまたは樹脂製の
リップ部材5bとからなり、リップ部材5bの先端は、
外側に湾曲した断面形状に形成されて、内輪1の外径面
に接している。
【0014】弾性シール材5の芯材5aは、断面形状を
内側へく字状に屈曲させ、これによりリップ部材5bと
保持器3の幅面との径方向隙間aを、微小隙間としてあ
る。この隙間aは、動作に支障のない範囲でできるだけ
小さくすることが望ましい。また、保持器3の内径面と
内輪1の外径面との径方向隙間bを、リップ部材5bの
先端近傍部の肉厚よりも狭く設定してある。保持器3
は、樹脂製の転動体案内形式のものであるが、芯材5a
のフランジ内面、または外輪2の内径面で案内されるも
のとしても良い。
【0015】この構成の作用を説明する。図2は、外輪
2,保持器3,転動体4,および弾性シール材5のアッ
センブリ部品に内輪1を挿入する過程を示す。このよう
に内輪1を挿入するときに、挿入側の弾性シール材5の
リップ部材5bは、内輪1に引きずられて湾曲反転状態
に捲れようとするが、保持器3とリップ部材5bとの自
然状態における軸方向隙間aが微小隙間に設定してある
ため、リップ部材5bが保持器3の幅面に当たる。その
ため、リップ部材5bの先端の剛性が高められ、捲れを
生じることが防止される。
【0016】また、内輪1が斜めに挿入された場合等
に、内輪1の端面がリップ部材5bにぶつかって発生す
る捲れも、前記のようにリップ部材5bが保持器3の幅
面で支持されることにより防止される。さらに、内輪1
と保持器3との径方向隙間bがリップ部材5bの先端近
傍部の肉厚よりも狭いため、前記の引きずり時にリップ
部材5bの先端が保持器3と内輪1との間に潜り込むこ
とがなく、より一層確実に捲れが防止される。
【0017】保持器3は、軸受の全周に連続して設けら
れるため、例えば転動体4で捲れ阻止を行うものと異な
り、前記の捲れ防止は弾性シール材5の全周にわたり行
われる。これらのため、信頼性の高い捲れ防止効果が得
られる。
【0018】このように、確実な捲れ防止が行えるた
め、グリースの保持性が良く、擦過音の防止効果にも優
れ、またモータの支持用軸受等のように内輪挿入時のリ
ップ部材5bの捲れが確認し難い箇所においても、安心
して使用することができる。
【0019】図3は他の実施例を示す。この例は、弾性
シール材5を内輪1に取付け、そのリップ部材5bの先
端を外輪2の内径面に接触させたものである。この場
合、外輪2と保持器3との径方向隙間cを、リップ部材
5bの先端近傍部の肉厚よりも狭くする。その他の構成
は、前記実施例と同様である。この構成の場合において
も、外輪2を嵌め込むときの弾性シール材5の捲れを、
前記実施例と同様に確実に防止することができる。
【0020】なお、前記各実施例では保持器3を樹脂性
のものとしたが、各部の隙間a,bの確保できる鉄系や
銅系金属の削り出し保持器や、鋼板の深絞り保持器を使
用することができる。
【0021】また、前記各実施例は、弾性シール材5を
芯材5aとその内周または外周のゴム製リップ部材5b
とで構成したが、弾性シール材5の全体をゴムまたは樹
脂製とし、あるいは金属板からなる芯材をゴムまたは樹
脂材で被覆した弾性シール材を使用することもできる。
弾性シール材5は、軸受の片面のみに設けても良い。
【0022】また、前記各実施例は、独立した内輪1お
よび外輪2を有するものにつき説明したが、この考案
は、内輪1が軸からなる場合や、外輪2が軸受箱からな
る場合においても適用することができる。さらに、この
考案は、円筒ころ軸受に限らず、シール付き転がり軸受
一般に適用できる。
【0023】
【考案の効果】この考案のシール付き転がり軸受は、保
持器の幅面と弾性シール材のリップ部との軸方向隙間を
微小隙間としたため、リップ部側の軌道輪の挿入時に、
リップ部先端が軌道輪に引きずられたり、軌道輪の端面
で押されても、リップ部が保持器で支えられることよっ
て捲れが防止される。保持器は全周にわたり設けられる
ため、前記の捲れ防止が弾性シール材の全周につき確実
に行われる。しかも、リップ部側の軌道輪と保持器との
径方向隙間がリップ部の肉厚よりも狭いため、リップ部
先端が保持器と軌道輪との間に入り込むことがなく、よ
り一層確実に捲れ防止が行える。そのため、グリースの
保持性が良く、擦過音の防止効果にも優れ、また軸受組
立時の弾性シール材の捲れが確認し難い箇所においても
安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】同実施例の組立過程の説明図である。
【図3】この考案の他の実施例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…内輪、2…外輪、3…保持器、4…転動体、5…弾
性シール材、5a…芯材、5b…リップ部材、a…軸方
向隙間、b…径方向隙間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外いずれか一方の軌道輪の軸方向端部
    に支持されてリップ部が他方の軌道輪の軌道側周面に接
    触する円環状の弾性シール材を設け、軸受の組立に際し
    て前記一方の軌道輪に保持器,転動体,および前記弾性
    シール材が組まれたアッセンブリ部品に他方の軌道輪を
    挿入する形式の軸受において、両軌道輪間に配置した転
    動体の保持器の幅面と前記弾性シール材のリップ部との
    間の軸方向隙間を、リップ部の撓み状態でリップ部が当
    たり可能となる微小隙間とし、前記リップ部側の軌道輪
    と前記保持器との径方向隙間を前記リップ部の先端近傍
    の肉厚よりも狭くしたシール付き転がり軸受。
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