JP2534869Y2 - 便 器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、猫，犬等のペットが使用可能な便器に関す
るものである。

（従来の技術） 室内において猫，犬等を飼うペット愛好家にとって、
ペットが排出する糞，尿の処理が大きな問題となってい
る。通常は、偏平容器内に砂や砂利等を敷設したものを
適当な場所に設置してペット用便器として使用してい
る。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、庭等がないマンションやアパート等に
在住する人にとっては、上記便器の設置場所の確保が難
しく、設置場所が居室に近くなって排出物の臭いが室内
に充満し居住性を著しく悪化させる欠点がある。

また、ペットは清潔を好むことから、毎回ペットが
糞，尿を行なう度に排出物の廃棄処理が必要となり、飼
主に対する負担が大きく外出も容易でない欠点がある。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、ペットが心地好く糞，尿を行なう場
所を容易に、しかも臭いに対する心配もなく確保でき、
ま排出物の処理を自動的に行なって飼主を廃棄処理に係
わる負担から解放できる便器を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、請求項（１）では、人間が
使用可能な水洗便器と、水洗便器と一体に形成されたペ
ット用便器と、ペット用便器内のペットの排出物を洗い
流す水洗機構と、ペット用便器内を乾燥する乾燥機構と
を備えた便器を構成している。

また、請求項（２）では、請求項（１）記載の便器に
おいて、前記ペット用便器内に所定量の水溶性粒状物を
散布する粒状物供給機構を備えている。

また、請求項（３）では、請求項（１）または（２）
記載の便器において、前記ペット用便器内におけるペッ
トの存在を検知する検知手段と、検知手段の検知信号に
基づいてペット用便器内からペットが離れた後に前記水
洗機構を作動させる制御手段とを備えている。

また、請求項（４）では、請求項（１）または（２）
記載の便器において、前記ペット用便器内におけるペッ
トの存在を検知する検知手段と、検知手段の検知信号に
基づいてペット用便器内からペットが離れた後に前記水
洗機構を所定時間だけ作動させ、この後に前記乾燥機構
を所定時間だけ作動させる制御手段とを備えている。

また、請求項（５）では、請求項（２）記載の便器に
おいて、前記ペット用便器内におけるペットの存在を検
知する検知手段と、検知手段の検知信号に基づいてペッ
ト用便器内からペットが離れた後に前記水洗機構を所定
時間だけ作動させ、この後に前記乾燥機構を所定時間だ
け作動させ、しかる後に前記粒状物供給機構を作動させ
る制御手段とを備えている。

（作用） 請求項（１）記載の便器では、人間が使用する水洗便
器にペット用便器が一体に形成されていることから、人
間用のトイレ内にペット用便器が配置され、ペットの排
出物の臭いが室内に漏れることがない。また、ペット用
便器内の排出物は水洗機構によって衛生的に洗い流され
るとともに、使用後のペット用便器は乾燥機構によって
速やかに乾燥される。

また、請求項（２）記載の便器では、請求項（１）の
作用に加え、粒状物供給機構によってペット用便器内に
水洗時に水で溶解可能な粒状物が散布される。

また、請求項（３）記載の便器では、請求項（１）ま
たは（２）の作用に加え、ペット用便器からペットが離
れた後に水洗機構が作動することから、水洗による排出
物の廃棄が自動的に行われる。

また、請求項（４）記載の便器では、請求項（１）ま
たは（２）の作用に加え、ペット用便器からペットが離
れた後に水洗機構が所定時間だけ作動し、この後に乾燥
機構が所定時間だけ作動することから、水洗による排出
物の廃棄及びペット用便器内の乾燥が自動的に行われ
る。

また、請求項（５）記載の便器では、請求項（２）の
作用に加え、ペット用便器からペットが離れた後に水洗
機構が所定時間だけ作動し、この後に乾燥機構が所定時
間だけ作動し、しかる後に粒状物供給機構が所定時間だ
け作動することから、水洗による排出物の廃棄、ペット
用便器内の乾燥及び粒状物の散布が自動的に行われる。

（実施例） 第１図乃至第10図は本考案の一実施例を示すもので、
第１図は便器の斜視図、第２図は第１図の要部断面図、
第３図はペット用便器の斜視図、第４図はサンド供給機
の内部機構図、第５図は制御系のブロック図、第６図は
動作制御のフローチャート、第７図乃至第10図は動作説
明図である。

まず、第１図乃至第４図を参照して、便器の全体構成
について説明する。

図において、１は人間が使用可能な着座式の水洗便器
で、既知のものと同様の構成を有している。つまり、開
口部分に着座1a及び蓋板1bを開閉自在に有し、また後方
部分に貯水タンク1cと水洗操作用のレバー1dを有してお
り、使用後にレバー1dを操作することで、貯水タンク1c
から流出される所定量の水で排出物を排水管1eに洗い流
せるようになっている。

２は偏平角形の容器状をなすペット用便器で、上記水
洗便器１の下部に互いの底面を一致して一体に形成され
ている。

このペット用便器２は、水洗便器１側にやや傾斜した
平坦なパレット2aをその内部に有しており、また水洗便
器１側の内壁面下部に横長の排水口2cを、内壁面上部に
横長の排気口2cを夫々有している。排水口2bは屈曲管2d
を介して上記配水管1eに接続されている。一方、排気口
2cは上記水洗便器１の下部に貫通形成された排気通路1f
に連通しており、該排気通路1fには排気口2cから空気を
吸引するための吸臭用ファンモータ1gと、吸引空気から
臭いを除去する脱臭フィルタ1hが設けられている。

また、ペット用便器２には、他の３つの内壁面上部に
温風吹出し用の横長の吹出し口2eを、内壁面下部に洗浄
水流出用の多数の流出孔2fを夫々有している。各吹出し
口2eはペット用便器２の下部空間2gに連通しており、外
気と連通する該下部空間2gには各吹出し口2eから空気を
吹出すための温風用ファンモータ2hと吹出し空気を加温
する電熱ヒータ2iが設けられている。一方、各流出孔2f
はペット用便器２の内部に形成された給水通路2hに連通
しており、該給水通路2jには電磁弁13（第５図参照）を
介して図示省略の水道管が接続されている。

更に、ペット用便器２には、該便器２の開口を閉塞す
るための蓋2kが開閉可能に設けられている。

３はパレット2a上におけるペットの存在を検知する熱
型の赤外線センサで、水洗便器１のペット用便器２側の
側面に設けられている。

４はペット用便器２のパレット2a上に所定量の水溶性
のペーパーサンドＳを供給するサンド供給機である。こ
のサンド供給機４は、本体4aの上部に開閉蓋4bを、下部
に供給ノズル4cを夫々有しており、またサンド容器4dと
定量シリンダ4eとシリンダ回動用の間欠モータ4fを内蔵
している。また、定量シリンダ4eはサンド容器4dの排出
孔4d1に合致可能な計４個の貫通孔4e1を等角度間隔で有
している。このサンド供給機４では、モータ4fによる定
量シリンダ4eの45°の間欠回転で、サンド容器4dから空
状態にある貫通孔4e1内にペーパーサンドを供給でき、
また受容されたペーパーサンドＳを貫通孔4e1から供給
ノズル4cに落下できるようになっている。

次に、第５図を参照して、上記ペット用便器２に係る
制御系の構成について説明する。

図において、３は上記赤外線センサ、11はマイクロコ
ンピュータ構成の制御回路、12は制御信号に基づいて上
記給水通路2jに接続された電磁弁13に電力を供給する駆
動回路、14は制御信号に基づいて上記電熱ヒータ2iに電
力を供給する駆動回路、15は制御信号に基づいて上記各
ファンモータ1g,2hに電力を供給する駆動回路、16は制
御信号に基づいて上記間欠モータ4fに電力を供給する駆
動回路である。

制御回路11は水洗等に係わる一連の動作プログラムを
メモリに格納しており、赤外線センサ３の検知信号に基
づいて各駆動回路12,14,15,16に制御信号を送出する。

以下に、第６図と第７図乃至第10図を参照して、上記
ペット用便器２の動作について説明する。

まず、蓋2kを開けペット用便器２を開放した状態にお
いて、赤外線センサ３の検知信号に基づいてペット用便
器２のパレット2a上におけるペットの存在を判別する。
第７図に示すようにペットＰがペット用便器２のパレッ
ト2a上に来ると赤外線センサ３はオンとなり、該ペット
Ｐがパレット2a上から離れると赤外線センサ３はオフと
なる（ステップ1,2）。

ペットＰがパレット2a上から離れ赤外線センサ３がオ
フになったところで、オン時間ｔを設定時間ts、例えば
10秒と比較し、該オン時間ｔからパレット2a上における
ペットの存在が糞，尿のためであるか、それとも単なる
通過であるかを判別する（ステップ３）。

パレット2a上におけるペットの存在が糞，尿のためで
あると判別された場合には、赤外線センサ３がオフにな
ってから数秒後に給水通路2jに接続された電磁弁13を開
放する（ステップ４）。これにより、第８図に示すよう
に各流出孔2fから洗浄水（水）が流出して、パレット2a
上の排出物Ｈが該水と共に排水口2bに送り込まれ、屈曲
管2dを通じて排水管1eに排出される。電磁弁13は所定時
間、例えば15秒程度経過した後に再び閉鎖される（ステ
ップ5,6）。

水洗工程が終了した後は、次いで電熱ヒータ2iに通電
し各ファンモータ1g,2hを作動させる（ステップ7,8）。
これにより、第９図に示すように各吹出し口2eからパレ
ット2aに向かって温風が吹出され、洗浄水で濡れた状態
にあったパレット2aが乾燥される。また、各吹出し口2e
からパレット2a向かって吹出された温風は、排気口2cか
ら排気通路1fに取入れられ、脱臭フィルタ1hによってそ
の臭いを除去された後に放出される。電熱ホータ2iへの
通電と各ファンモータ1g,2hの作動は所定時間、例えば3
0秒程度経過した後に停止する（ステップ9,10,11）。

乾燥工程が終了した後は、次いでサンド供給機４の間
欠モータ4fを作動させ、定量シリンダ4eを45°間欠回転
させる（ステップ12）。これにより、定量シリンダ4eの
一貫通孔4e1からペーパーサンドが供給ノズル4cに落下
し、該供給ノズル4cから第10図に示すようにパレット2a
上に所定量のペーパーサンドＳが散布される。

このように本実施例の便器では、人間が使用する水洗
便器１にペット用便器２が一体に形成されているので、
下水配管の追加工事が不要であり、一般トイレに設置さ
れている水洗便器を該便器に交換することで、トイレ内
にペット用便器２を簡単に設置できる利点がある。ま
た、ペット用便器２がトイレ内に設置されるので、排出
物の臭いが室内に漏れることもなく、室内の居住性が悪
化することを防止できる。

また、蓋2kによってペット用便器２を適宜開閉できる
ので、人間が用を足す際にはペット用便器を閉塞するこ
とで該便器の汚れや臭いを隔離することができ、衣類に
汚れが付着することもない。

更に、ペットが排出した糞，尿を水洗機構によって洗
い流すことができるので、排出物の廃棄処理を手を汚さ
ずに簡単に行なうことができる。

更にまた、水洗後に水で濡れたパレット2aを乾燥機構
によって乾燥することができるので、水洗後にパレット
2aを拭く手間がいらず、また濡れたままの状態を嫌がる
ペットに対して生理的に糞，尿を行ない易い環境を作っ
て習慣性を持たせることができる。また、この乾燥時に
はパレット2aに向かって吹出された温風を排気口2cに取
入れて脱臭フィルタ1hによってその臭いを除去するよう
にしたので、乾燥時における加温で臭気が強くなった場
合でも該臭気でトイレ内が臭くなることもない。

更にまた、乾燥後にサンド供給機４によってパレット
2a上に所定量のペーパーサンドＳを散布することができ
るので、不慣れなペットに対しても今まで通りの排出環
境を提供できる利点がある。また、水溶性のペーパーサ
ンドＳを用いているので、次の水洗時に該ペーパーサン
ドＳを水で完全に溶解することができ、排水経路に目詰
りを生じることもない。

更にまた、赤外線センサ３の検知信号に基づき、ペッ
ト用便器２内からペットが離れた際に水洗機構，乾燥機
構及びサンド供給機を順に作動させることができるの
で、水洗，乾燥及びサンド供給に係る一連の動作を人手
を頼らずに自動的に行なうことができる。

尚、上記実施例では水洗機構，乾燥機構及びサンド供
給機を設けたものを示したが、ペットによってはパレッ
ト上にペーパーサンドがなくとも用を足せるものもいる
のでサンド供給機は必ずしも必要なものではなく、また
パレットに排水を効果的に行なえる溝，穴等を設けるこ
とで乾燥機構を排除することも可能である。

また、上記実施例では水洗機構，乾燥機構及びサンド
供給機を赤外線センサの検知信号に基づいて自動的に作
動させるようにしたものを示したが、各機構は手動操作
で行なうものであってもよい。

更に、ペットの存在を検知する赤外線センサは光電ス
イッチ等の他の検知手段で代用してもよく、またサンド
供給機から供給されるペーパーサンドは、水溶性を有す
る他の粒状物であってもよい。

（考案の効果） 以上詳述したように、請求項（１）記載の便器によれ
ば、人間が使用する水洗便器にペット用便器が一体に形
成されているので、下水配管を人間用便器と共用させる
ことが可能であり、一般トイレに設置されている水洗便
器を該便器に交換することで、トイレ内にペット用便器
を簡単に設置できる利点がある。また、ペット用便器が
トイレ内に設置されるので、排出物の臭いが室内に漏れ
ることもなく、室内の居住性の悪化を防止することがで
きる。更に、ペットの排出物を水洗機構によって洗い流
すことができるので、排出物の廃棄処理を手を汚さずに
簡単に行うことができる。また、水洗後に水で濡れたペ
ット用便器内を乾燥機構によって乾燥することができる
ので、水洗後に該便器を拭く手間がいらず、また濡れた
ままの状態を嫌がるペットに対して生理的に糞，尿を行
ない易い環境を作って習慣性を持たせることができる。

請求項（２）記載の便器によれば、請求項（１）の効
果に加え、乾燥後にサンド供給機によってペット用便器
内に所定量の粒状物を散布することができるので、不慣
れなペットに対しても今まで通りの排出環境を提供でき
る利点がある。また、水溶性の粒状物を用いているの
で、次の水洗時に該粒状物を水で完全に溶解することが
でき、排水経路に目詰りを生じることもない。

請求項（３）記載の便器によれば、請求項（１）また
は（２）の効果に加え、検知手段の検知信号に基づき、
ペット用便器内からペットが離れた後に水洗機構を作動
させて、水洗に係る動作を人手を頼らずに自動的に行な
える利点がある。

請求項（４）記載の便器によれば、請求項（１）また
は（２）の効果に加え、検知手段の検知信号に基づき、
ペット用便器内からペットが離れた後に水洗機構及び乾
燥機構を順に作動させて、水洗，乾燥に係る動作を人手
を頼らずに自動的に行なうことができる。

請求項（５）記載の便器によれば、請求項（１）の効
果に加え、検知手段の検知信号に基づき、ペット用便器
内からペットが離れた後に水洗機構，乾燥機構及び粒状
物供給機構を順に作動させて、水洗，乾燥及び粒状物供
給に係る一連の動作を人手を頼らずに自動的に行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第10図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は便器の斜視図、第２図は第１図の要部断面図、第
３図はペット用便器の斜視図、第４図はサンド供給機の
内部機構図、第５図は制御系のブロック図、第６図は動
作制御のフローチャート、第７図乃至第10図は動作説明
図である。 図中、１……水洗便器、２……ペット用便器、2a……パ
レット、2b……排水口、2c……排気口、2e……吹出し
口、2f……流出孔、2h……ファンモータ、2i……電熱ヒ
ータ、2k……蓋、３……赤外線センサ、４……供給機
構、4c……供給ノズル、4e……定量シリンダ、4f……間
欠モータ、Ｓ……ペーパーサンド、11……制御回路、13
……電磁弁、Ｐ……ペット、Ｈ……ペットの排出物。

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】人間が使用可能な水洗便器と、 水洗便器と一体に形成されたペット用便器と、 ペット用便器内のペットの排出物を洗い流す水洗機構
   と、 ペット用便器内を乾燥する乾燥機構とを備えた ことを特徴とする便器。
2. 【請求項２】前記ペット用便器内に所定量の水溶性粒状
   物を散布する粒状物供給機構を備えた ことを特徴とする請求項（１）記載の便器。
3. 【請求項３】前記ペット用便器内におけるペットの存在
   を検知する検知手段と、 検知手段の検知信号に基づいてペット用便器内からペッ
   トが離れた後に前記水洗機構を作動させる制御手段とを
   備えた ことを特徴とする請求項（１）または（２）記載の便
   器。
4. 【請求項４】前記ペット用便器内におけるペットの存在
   を検知する検知手段と、 検知手段の検知信号に基づいてペット用便器内からペッ
   トが離れた後に前記水洗機構を所定時間だけ作動させ、
   この後に前記乾燥機構を所定時間だけ作動させる制御手
   段とを備えた ことを特徴とする請求項（１）または（２）記載の便
   器。
5. 【請求項５】前記ペット用便器内におけるペットの存在
   を検知する検知手段と、 検知手段の検知信号に基づいてペット用便器内からペッ
   トが離れた後に前記水洗機構を所定時間だけ作動させ、
   この後に前記乾燥機構を所定時間だけ作動させ、しかる
   後に前記粒状物供給機構を作動させる制御手段とを備え
   た ことを特徴とする請求項（２）記載の便器。