JP2534526B2 - 携帯型電子計算機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は携帯型電子計算機に関し、詳しくはそのメモ
リのバックアップ方式の改良に関する。

［従来の技術］ 所謂ハンディターミナル（手持型の高機能端末装置）
やハンドヘルドコンピュータ（携帯可能な電子計算機）
では、主電池としてニッケルカドミウム等の充電式電池
を用いる。そして通常この主電池の充電不足、寿命等に
よりその電圧が低下してもメモリに格納されたプログラ
ムやデータが消滅しないようリチウム電池等のバックア
ップ電池を備える。

このバックアップ電池は、主電池と異なり常時着脱す
るものでなく、また簡単に取外しができるようでは、振
動等でメモリへの電圧供給が瞬間的に断続しメモリの内
容を破壊してしまう虞れがあるため、一般には出荷時に
ケース内に収納されネジ止め、半田付等でしっかり固定
され、交換は製造者側の手で行なうようにされている。

［発明が解決しようとする問題点］ このため、従来の方式では例えば製造されてから使用
者の手元へ届き実際に使用される迄の期間、あるいは使
用者に於てハンディターミナル等を一時的に使用せずバ
ックアップを必要としない期間でもバックアップ電池が
消耗し、その分該電池の交換時期が早まり手間がかかる
ことになる。

［問題点を解決するための手段］ そこで本発明では、機器不使用時バックアップ電池か
らメモリへの電力供給を遮断するためのスイッチを設け
ると共に、中央処理装置は、主電源投入時該スイッチが
入っていない場合、前記メモリに格納されているプログ
ラムの実行あるいはそこに格納されているデータを利用
するプログラムの実行をしないようにした。

［作 用］ このようにすれば、前述のようなバックアップを要し
ない期間は前記スイッチを開放してバックアップ電池の
消耗を自己放電のみにさせることができ、しかも誤って
このスイッチを開放したまま主電源を投入しても、内容
が壊れたプログラムを実行して暴走したり、内容が壊れ
たデータを使用して誤ったデータを生成したりすること
がない。

［実施例］ 以下本発明の詳細を図示実施例に基づいて説明する。
第１図に於て、１はプリンタで、中央処理装置２から供
給されるデータを印字出力する。３は液晶表示素子で、
中央処理装置２から供給されるデータを表示する。４は
入出力ポートで中央処理装置２と不図示ホストコンピュ
ータ等、外部機器との間のデータの授受を行なう。５は
リードオンリーメモリで所謂モニタープログラムやオペ
レーティングシステムを記憶している。６はランダムア
クセスメモリで所謂アプリケーションプログラムやトラ
ンザクションデータを記憶している。

７は主電池で、ニッケルカドミウム等の充電式電池が
用いられる。８は主電源スイッチで、該スイッチ８を介
し主電池７の電力が前述の各ブロック及び電圧センサー
９へ供給されると共に、更にダイオード10を介しランダ
ムアクセスメモリ６へ供給される。なお電圧センサー９
の出力は中央処理装置２へ供給されており、中央処理装
置２は該出力により主電池７の電圧が規定値より下った
ことを検知すると、液晶表示素子３に「電圧低下。充電
して下さい。」というような警告を出しプログラム実行
を停止する。

11はバックアップ用電池でリチウム電池等自己放電の
少ないものが用いられる。12は電圧センサーでバックア
ップ用電池11の電圧が規定値以上あるか否かの情報を中
央処理装置２へ供給する。

13はバックアップ電池断続スイッチで、固定接点14は
バックアップ用電池11に接続され、固定接点15は接地さ
れ、可動接点16はアナログスイッチ17に接続されると共
に、ダイオード18を介してランダムアクセスメモリ６に
接続されている。なおこのスイッチ13は誤って切断した
りしないよう電池収納部の中などに設置する。

而して主電源スイッチ８が投入されると、リードオン
リーメモリ５に格納されたモニタープログラムに従い、
中央処理装置２はアナログスイッチ17に対しスイッチの
接続を指示し、そのときのスイッチ13の状態をチェック
する。

このとき、例えば当該機器が購入後最初の使用である
かあるいは暫く使用していなかった後の使用であって、
バックアップ電池断続スイッチ13が固定接点15側に投入
されたままであった場合、アナログスイッチ17の出力は
低レベルのままとなる。このため中央処理装置２は予定
されていたランダムアクセスメモリ６のプログラムの実
行あるいは該ランダムアクセスメモリ６のデータを利用
するプログラム（リードオンリーメモリ５に格納）の実
行を中止し、「バックアップ電池断続スイッチを投入し
て下さい」というようなメッセージを液晶表示素子３に
表示して停止する。

このメッセージに従いバックアップ電池断続スイッチ
13を固定接点14側に投入し、あるいは注意書きに従って
当初から該スイッチ13を固定接点14側に投入しておいて
主電源スイッチ８を投入した場合、中央処理装置２は予
定通りランダムアクセスメモリ６のプログラム（アプリ
ケーションプログラム）あるいは該メモリ６に格納され
ているデータを利用するプログラムを実行する。なおこ
れらプログラムの実行開始にあたり、あるいは実行の最
中に、電圧センサー12あるいは、９がバックアップ電池
12あるいは主電池７の電圧低下を検出した場合は中央処
理装置２に対し割込みがかかり、該装置２は前述の「電
池を充電して下さい」等のメッセージ表示その他定めら
れた処理を実行して停止する。

なお主電池スイッチ８を無接点スイッチとし、キーボ
ード19等に設けたキースイッチの操作に応動して中央処
理装置２により該無接点スイッチ（８）を開閉するよう
に構成しても良い。この場合は該無接点スイッチ（８）
を開放する時点で中央処理装置２が前記バックアップ電
池断続スイッチ13の開閉を確認し、該スイッチ13が開放
されていた場合には前述と同様該スイッチ13を投入せよ
等の警告表示をし、使用者が該スイッチ13を投入するの
を挨って前記無接点スイッチ（８）を切断するようにす
ることもできる。

［効 果］ 以上説明したように本発明によればメモリバックアッ
プをする必要がない期間メモリバックアップ電池とメモ
リを切離すことができ、その分バックアップ電池の寿命
を伸ばすことができる。しかも主電源投入時メモリがバ
ックアップされているか否かを確認するようにしたの
で、暴走したり誤ったデータを生成したりする虞がな
い。

なお実施例のようにアナログスイッチ17を用いると、
スイッチ13の開閉を確認する時以外は該スイッチ17を開
放しておくことができその分バックアップ電池11のリー
クを少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図である。 ２……中央処理装置、６……メモリ、７……主電源、11
……バックアップ電池、13……バックアップ電池断続ス
イッチ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】メモリのプログラム又はデータを保持する
   ためのバックアップ電池と、該電池から前記メモリへの
   電力を断続するスイッチと、主電源投入時該スイッチが
   接続されていることを条件に前記メモリのプログラムの
   実行又は前記メモリのデータを利用するプログラムの実
   行をする中央処理装置を備えたことを特徴とする携帯型
   電子計算機。