JP2534292Y2 - 苗植付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、苗のせ台に載置した藺
草などの苗を、前記苗のせ台の下端部に配設したガイド
レールに形成した苗取出口より所定量づつ植付爪で取り
出して圃場に植え付けるように構成するとともに、取り
出し対象苗株を順次前記苗取出口に臨ませるように前記
苗のせ台を左右に往復移動自在に構成した苗植付装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の苗植付装置としては、例
えば特開平３−８３５０６号公報に開示されたもののよ
うに、苗のせ台の苗のせ面と苗取出口を形成した苗のせ
台ガイドレールの苗のせ面とがほぼ面一になっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来構造にあって
は、取り出し対象苗とそれに後続する苗との根絡み等に
より苗取り出しの際にその後続する苗が苗取出口より引
きずり出されることがあり、このため、引きずり出され
た苗が、苗取り出しの邪魔をしたり、苗のせ台の横送り
に連れられて苗のせ台ガイドレール上に残留して次列の
苗列の縦送りの邪魔をしたりする等の不具合があった。

【０００４】本考案は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、取り出し対象苗と後続の苗との分離を良好に
行うことのできる苗植付装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案にかかる苗植付装
置は、上記目的を達成するために、冒記構造のものにお
いて、前記苗取出口に臨む前記苗のせ台の最下端で、苗
を受け止め支持する縦壁を前記苗のせ台に所定ピッチ毎
に連設して、前記苗取出口と苗との間に空間部を形成す
るとともに、前記縦壁と前記ガイドレールの苗のせ台の
案内面との間に間隙を設けてあることを特徴構成とす
る。かかる特徴構成による作用・効果は次の通りであ
る。

【０００６】

【作用】即ち、隣接する縦壁間の空間に最前列の苗が入
り込むことになり、その入り込みの際、最前列の苗と後
続の苗との分離がなされ易いものとなって、根絡みのな
い状態で所望の取り出し対象苗のみ取り出すことができ
るとともに、縦壁とガイドレールの苗のせ台の案内面と
の間に間隙を設けてあるから、例え苗の一部が前記空間
や苗取出口に入り込んだまま苗のせ台を横移動しても、
前記の間隙を介して苗が縦壁とガイドレールの苗のせ台
の案内面との間に挟まれることもなく、かつ、次の苗取
出により植付爪で押されて苗取出口より円滑に排除され
ることになる。

【０００７】

【考案の効果】従って、取り出し対象苗と後続の苗との
分離が縦壁と縦壁による空間とによって良好になされる
ので、後続の苗等が崩れる等の不具合を解消できるとと
もに、例え苗の一部がガイドレールの苗のせ台の案内面
上に残留しても、即座に排除され易いのでその苗が他の
苗の植付の邪魔をすることがない等の利点がある。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図４に、走行機体（図外）の後端部に昇降リンク
機構１を介して取り付けた、本考案にかかる苗植付装置
の一例としての藺草用苗植付装置Ａを示している。この
苗植付装置Ａは、一定ストロークで往復横移動する苗の
せ台２と、走行機体（図外）側から動力伝達を受けるフ
ィードケース３と、このフィードケース３より後方に向
けて延出される複数個の植付ケース４と、この植付ケー
ス４の両側面に軸支されている植付アーム５と、植付ア
ーム５の先端に取り付けた植付爪６と、前記植付ケース
４の下方に配置される整地フロート７とから構成してい
る。

【０００９】苗のせ台２は、図２に示すように、苗のせ
面Ｂが植付条数分だけ複数箇所に区分され、この区分毎
に横複数列の藺草苗列を収納している。この苗列群に対
しては、縦１列毎に隣接する苗群を区画する樹脂製の仕
切壁８を複数個並設し、これら複数個の仕切壁８は、藺
草苗繰り出し方向上手側端部においてそれらの上端部と
下端部とを横向き貫通する丸棒状フレーム９によって支
持されるとともに、藺草苗繰り出し方向下手側端部にお
いてそれらの上端部だけを横向きに貫通する丸棒状フレ
ーム９によって支持されている。また、苗のせ台２に
は、図１及び図２に示すように、藺草苗ａを後述する苗
取出口１０ヘ繰り出すベルト式縦送り機構１１を設けて
いる。

【００１０】苗のせ台２の最下端部に配設されて、苗の
せ台２の下面部を支持する状態で苗のせ台２を横送り可
能にスライド案内するガイドレール１２を設けている。
そして、このガイドレール１２には、図１乃至図３に示
すように、前記苗取出口１０を形成しているとともに、
苗のせ台２の最下端の端面には、植付苗量に相当する所
定間隔ピッチおきに側面視矩形の縦壁１３を延出して設
けている。従って、隣接する縦壁１３，１３の間には、
苗ａが落ち込み得る空間Ｓが形成されることになる。
尚、図２に示すように、苗のせ台２の苗のせ面に直交す
る方向視で矩形状に形成された苗取出口１０の左右幅Ｔ
１は、縦壁１３，１３間の幅Ｔ２よりも小に設定してい
るとともに、苗のせ台２の苗のせ面に直交する方向視で
の苗取出口１０の前後幅Ｌ１は、ガイドレール１２の受
け縦壁１２ａと苗のせ台２の下端面との間隔寸法Ｌ２よ
りも小に設定しており、かつ、前記間隔寸法Ｌ２は、ガ
イドレール１２の苗のせ面より苗のせ台２の苗のせ面ま
での高さＨよりも小に形成している。そして、図１及び
図３に示すように、各縦壁１３の下辺とガイドレール１
２の苗のせ面との間には、苗の挿通を可能にさせる間隙
１４を設けている。

【００１１】上記構成により、最下端の取り出し対象と
なる苗ａが苗のせ台２の横送りでのストロークエンドで
縦送りされると、前記空間Ｓに落とし込まれガイドレー
ル１２の苗のせ面に乗った状態で姿勢保持されることに
なる。その落とし込みの際、後続の苗ａは苗のせ台２上
にあるから取り出し対象苗と後続の苗とが根絡みなく分
離された状態となる。そして、こぼれ落ち等で苗取り出
しされずに前記空間Ｓに一部の苗が残留しても、その残
留苗は、苗のせ台２の横送りに伴って、図３に示すよう
に、縦壁１３により横倒しされ、その横倒し姿勢のまま
前記間隙１４に挿通した状態になるが、その際、苗取出
口１０に根部等が臨んでいると、次の苗取出で植付爪６
によって下方に押し出されて排除されることになる。

【００１２】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗のせ台の苗取出口近傍を示す縦断側面図

【図２】苗のせ台の苗取出口近傍を示す平面図

【図３】苗のせ台の苗取出口近傍を示す縦断正面図

【図４】苗植付装置の主要部を示す側面図

【符号の説明】 ２ 苗のせ台 ６ 植付爪 １０ 苗取出口 １２ ガイドレール １３ 縦壁 １４ 間隙 １ａ 苗 Ｓ 空間部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗のせ台（２）に載置した苗（ａ）を、
   前記苗のせ台（２）の下端部に配設したガイドレール
   （１２）に形成した苗取出口（１０）より所定量づつ植
   付爪（６）で取り出して圃場に植え付けるように構成す
   るとともに、取り出し対象苗株を順次前記苗取出口（１
   ０）に臨ませるように前記苗のせ台（２）を左右に往復
   移動自在に構成した苗植付装置であって、前記苗取出口
   （１０）に臨む前記苗のせ台（２）の最下端で、苗
   （ａ）を受け止め支持する縦壁（１３）を前記苗のせ台
   （２）に所定ピッチ毎に連設して、前記苗取出口（１
   ０）と苗（ａ）との間に空間部（Ｓ）を形成するととも
   に、前記縦壁（１３）と前記ガイドレール（１２）の苗
   のせ台（２）の案内面との間に間隙（１４）を設けてあ
   る苗植付装置。