JP2534074B2 - 複合積層体 - Google Patents

複合積層体

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JP2534074B2
JP2534074B2 JP62229413A JP22941387A JP2534074B2 JP 2534074 B2 JP2534074 B2 JP 2534074B2 JP 62229413 A JP62229413 A JP 62229413A JP 22941387 A JP22941387 A JP 22941387A JP 2534074 B2 JP2534074 B2 JP 2534074B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、a)エポキシ樹脂、b)グリコール型ジ
(メタ)アクリレート、c)含窒素複素環式化合物及び
d)第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より
選ばれるアミノ基を2個以上有するポリアミンを含有す
る極めて低粘度の硬化性樹脂組成物を、強化材としての
ガラス繊維及び/又は炭素繊維と積層し硬化せしめるこ
とにより得られる、優れた剛性を有しかつ共振周波数に
関係なく優れた制振性を有する複合積層体に関するもの
である。
(従来の技術) 近年自動車、船舶などの交通機関の著しい発達或は産
業機械、電気装置、モータ類などの工場、土木建設など
から発生する騒音や振動が人体に及ぼす悪影響が問題と
なり、衛生環境、都市環境の点からもこの対策が強く望
まれているところである。
この騒音対策、振動防止対策として吸音或は振動防止
のために粘弾性を有する樹脂の開発が進められ、これら
の樹脂を制振材として制振用金属板などの基板に積層し
た複合制振積層体などが開発され実用化されつつある。
この様な制振材としての粘弾性を有する樹脂として
は、ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、或は酢酸ビニルと
エチレンの共重合体などの熱可塑性樹脂が知られてい
る。例えば、特開昭57−34994号或は特開昭61−1044号
などに酢酸ビニルとエチレン共重合体を制振層として金
属板と積層した複合制振積層体が報告されている。しか
しこれらの樹脂を制振層として金属板に積層する複合制
振積層体の場合には樹脂の耐熱性や弾性率、強度などの
物性が問題となり使用される用途が限定される。更に金
属板と樹脂との界面の接着が長時間の振動に対して剥離
が生ずるなどの耐久性の点で問題がある。
これの欠点を克服するためにエポキシ樹脂を主とした
樹脂に弾性率を高めるために無機充填物を配合してシー
ト状に加工したパネル制振材が特開昭61−181886号に報
告されている。又特開昭59−191713号、特開昭60−2150
13号、或は特開昭60−215014号などにはエポキシ樹脂に
粒子状鉄酸化物を配合した組成物に繊維状物を添加した
制振材が報告されている。一般のエポキシ樹脂は機械的
特性、電気的特性は他の樹脂に比べて優れているが、一
般的に硬くて脆いという問題がある上に硬化前のエポキ
シ樹脂は粘度が非常に高く作業性が非常に悪いという問
題もある。更に特開昭61−181886号の場合には耐熱性や
耐久性は改善されるが、一般のエポキシ樹脂を使用する
ために制振性が低くかつエポキシ樹脂に弾性率を向上さ
せるために固形状の無機充填材を配合する必要があり、
エポキシ樹脂が高粘度のために制振性シートに加工する
際に均一性の問題である。更に特開昭59−191713号など
の場合にはエポキシ樹脂に粒子状鉄酸化物を配合した固
液状の組成物を繊物上に積層するために更に制振材料の
均一性が問題となる。この様に種々工夫された制振材料
が提案されているが、従来の技術では十分満足出来る制
振材料はなく今後の研究開発が要望されている。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、a)エポキシ樹脂、b)グリコール型ジ
(メタ)アクリレート、c)含窒素複素環式化合物及び
d)第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より
選ばれるアミノ基を2個以上有するポリアミンを含有す
る硬化性樹脂組成物の硬化物とガラス繊維及び炭素繊維
より選ばれる強化材とからなることを特徴とする複合積
層体に関するものである。
本発明の特徴は、極めて低粘度で常温硬化性でありか
つ硬化した際に極めて優れた可撓性を有しかつ接着性を
有する硬化性樹脂組成物の硬化物とガラス繊維や炭素繊
維などの強化材との複合積層体からなり、剛性に優れ、
かつ共振周波数に関係なく優れた制振性を有する剛性と
制振性がバランスした複合積層体を提供することにあ
る。
本発明を詳しく説明する。
本発明の複合積層体を製造するに際に使用する硬化性
樹脂組成物は、エポキシ樹脂とグリコール型ジ(メタ)
アクリレートの混合液に含窒素複素環式化合物と第1級
アミノ基及び第2級アミノ基の群から選ばれるアミノ基
を2個以上有するポリアミン(以下、ポリアミンとい
う)との混合液を常温で配合し攪拌することにより簡単
に得ることが出来る。
本発明の極めて低粘度でかつ硬化した際に優れた可撓
性を有する硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、グリコ
ール型ジ(メタ)グリコール、含窒素複素環式化合物及
びポリアミンの4つの組成を適量配合することによりエ
ポキシ樹脂の特性を失うことなくエポキシ樹脂の欠点を
克服すると共に、更に一般のエポキシ樹脂より強靭な接
着性を有することを見出し、かつ該樹脂組成物をガラス
繊維及び/又は炭素繊維に積層し硬化せしめることによ
り優れた制振性と剛性がバランスした複合積層体が得ら
れることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の複合積層体を製造するに際し、エポキシ樹脂
とグリコール型ジ(メタ)アクリレートは常温で混合し
て使用することが好ましい。エポキシ樹脂とグリコール
型ジ(メタ)アクリレートの配合の割合はエポキシ樹脂
100重量部に対し、グリコール型ジ(メタ)アクリレー
ト10乃至230重量部好ましくは15乃至150重量部の割合で
配合して使用することが望ましい。配合の方法は単に常
温で混合すればよく何ら規制されるものではない。樹脂
組成物の他の成分である含窒素複素環式化合物とポリア
ミンは混合して使用することが望ましい。その際の含窒
素複素環式化合物とポリアミンの配合の割合は、ポリア
ミン100重量部に対して含窒素複素環化合物5乃至150重
量部好ましくは10乃至100重量部の割合で配合すること
が望ましい。配合の方法は単に常温で混合すればよく何
ら規制されるものではない。
この様にして得たエポキシ樹脂とグリコール型ジ(メ
タ)アクリレートの混合液及び含窒素複素環式化合物と
ポリアミンの混合液の配合の割合は、エポキシ基当量と
(メタ)アクリロイル基当量の合計量に対して60乃至13
0当量%好ましくは70乃至100当量%の割合で配合するこ
とが望ましい。
本発明で使用する硬化性樹脂組成物は常温で十分硬化
することが出来目的を達成でき得るが、例えば50乃至15
0℃に温度を上げて硬化させても差支えない。硬化時間
は、使用するエポキシ樹脂及びグリコール型ジ(メタ)
アクリレートの種類或は、含窒素複素環化合物、ポリア
ミンの種類によって変るが、硬化温度が常温の場合には
1時間乃至24時間と任意に調整することが出来る。勿論
硬化させる温度を高くして硬化させる場合には硬化時間
は常温の時より短くなり数分乃至3時間である。又複合
積層体を製造する際し樹脂の粘度は常温で一般に数百セ
ンチポイズと非常に低粘度であるので非常に作業性が良
い。
次に本発明においてエポキシ樹脂としては一分子内に
2個以上のエポキシ基を有するものであれば使用するこ
とが出来る。通常エポキシ当量が100乃至1000のエポキ
シ樹脂を容易に使用することが出来る。具体的にはビス
フェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノール
F型、ビスフェノールS型、水添ビスフェノールA型、
グリコール変性ビスフェノール、レゾール型、レゾール
シノール型、ノボラック型などの各エポキシ樹脂、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトールの多価アルコール型のエポ
キシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジエポキシなどの脂環
式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂があげら
れ、これらを単独又は2種以上併用して使用することが
出来る。
又グリコール型ジ(メタ)アクリレートとしては、一
般式[I]: [式中、R、R1及びR2は水素原子又はメチル基を示す。
n=1〜70] 又は一般式[II]: [式中、R及びR1は水素原子又はメチル基を示す。m=
2〜7、n=1〜70]で表わされ平均分子量170〜3000
のものを使用することが出来る。具体的にはエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレートなどを単独
又は併用して使用することが出来る。
次に含窒素複素環化合物としては、 一般式[III]: [式中、Rはそれぞれ独立して炭素数9以下のアルキル
基、フェニル基、シアノ基、ハロゲン原子又はカルバモ
イル基を示す。XはCH又は窒素原子を示す。Yは水素原
子、アミノ基又はアミノメチル基を示す。n=0〜4]
で表わされる含窒素不飽和複素環式化合物 又は一般式[IV]: [式中、XはCH又は窒素原子を示す。Yは水素原子、ア
ミノ基又はアミノメチル基を示す。Rはそれぞれ独立し
て炭素数9以下のアルキル基、フェニル基、シアノ基、
ハロゲン原子又はカルバモイル基を示す。R1は水素原子
(ただし、Yがアミノ基又はアミノメチル基のときは除
く)炭素数16以下のアルキル基、フェニル基又はアミノ
アルキル(炭素数1〜3)基を示す。R2は、XがCHのと
き水素原子、炭素数9以下のアルキル基、フェニル基、
シアノ基、ハロゲン原子又はカルバモイル基を示し、X
が窒素原子のとき水素原子、炭素数9以下のアルキル基
又はフェニル基を示す。ただし、XがCHでかつR1がアミ
ノ基又はアミノアルキル(炭素数1〜3)基の場合Yは
水素原子であり、Xが窒素原子でかつR1がアミノ基又は
アミノアルキル(炭素数1〜3)基の場合Yは水素原子
であってR2は炭素数9以下のアルキル基又はフェニル基
である。また、Xが窒素原子のときR1とR2が同時に水素
原子になることはない。n=0〜8]で表わされる含窒
素飽和複素環式化合物を単独又は併用して使用すること
ができる。この含窒素複素環式化合物としてはピリジン
化合物、ピラジン化合物、ピペリジン化合物、ピペラジ
ン化合物などが挙げられる。より具体的にはピリジン化
合物としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、2,
5−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2−プ
ロピルピリジン、4−プロピルピリジン、2−エチルピ
リジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2
−メチル−5−エチルピリジン、2−メチル−4−エチ
ルピリジン、2−メチル−3−エチルピリジン、4−メ
チル−3−エチルピリジン、4−ブチルピリジン、4−
イソブチルピリジン、2,4,6−コリジン、2,3,5−コリジ
ン、2,6−ジプロピルピリジン、2−フェニルピリジ
ン、4−フェニルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジ
ン、4−(3−フェニルプロピル)ピリジンなどのピリ
ジン塩基類、2−シアノピリジン、3−シアノピリジ
ン、4−シアノピリジン、2,6−ジシアノピリジン、2
−シアノ−4−メチルピリジン、2−シアノ−5−メチ
ルピリジン、2−シアノ−6−メチルピリジンなどのシ
アノピリジン類、2−アミノメチルピリジン、3−アミ
ノメチルピリジン、4−アミノメチルピリジンなどのア
ミノメチルピリジン類、2−アミノピリジン、3−アミ
ノピリジン、4−アミノピリジン、2−アミノ−6−メ
チルピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−
アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチル
ピリジン、2−アミノ−4−エチルピリジン、2−アミ
ノ−5−エチルピリジン、2−アミノ−4−プロピルピ
リジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリジンなどのア
ミノピリジン類、ピコリン酸アミド、イソニコチン酸ア
ミド、ニコチン酸アミドなどの酸アミド類、2−クロル
ピリジン、2,6−ジクロルピリジンなどのクロルピリジ
ン類が挙げられる。ピラジン化合物としては、ピラジ
ン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6
−ジメチルピラジン、2,3,5−トリメチルピラジン、な
どのアルキルピラジン類、2−シアノピラジン、2−シ
アノ−5−メチルピラジンなどのシアノピラジン類、2
−ピラジナマイド、5−メチルピラジナマイドなどの酸
アミド類、2−アミノピラジン、2−アミノメチルピラ
ジンなどのアミノ(アルキル)ピラジン類が挙げられ
る。又、ピペリジン化合物としては、ピペリジン、2−
ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリンなどのピ
ペコリン類、2,6−ルペチジン、2,4−ルペチジン、3,5
−ルペチジン、2,3−ルペチジン、2,5−ルペチジン、3,
4−ルペチジンなどのルペチジン類、N−アミノピペリ
ジン、N−アミノ−4−ピペコリン、N−アミノプロピ
ルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、
N−アミノプロピル−3−ピペコリン、N−アミノプロ
ピル−4−ピペコリンなどのアミノメチルピペリジン
類、ピペコリン酸アミド、イソニペコチン酸アミドなど
の酸アミド類、N−メチルピペリジン、N−エチルピペ
リジン、N−プロピルピペリジン、H−(2−エチルヘ
キシル)ピペリジン、N−メチル−2−ピペコリン、N
−エチル−2−ピペコリン、N−プロピル−2−ピペコ
リン、N−(2−エチルヘキシル)−2−ピペコリン、
N−メチル−3−ピペコリン、N−エチル−3−ピペコ
リン、N−プロピル−3−ピペコリン、N−(2−エチ
ルヘキシル)−3−ピペコリン、N−メチル−4−ピペ
コリン、N−エチル−4−ピペコリン、N−プロピル−
4−ピペコリン、N−(2−エチルヘキシル)−4−ピ
ペコリンなどのN−アルキルピペリジン類が挙げられ
る。さらに、ピペラジン化合物としては、N−エチルピ
ペラジン、N−メチルピペラジン、N−メチル−2−メ
チルピペラジン、N−メチル−2,5−ジメチルピペラジ
ン、N−アミノ−N′−メチルピペラジン、N−アミノ
プロピル−N′−メチルピペラジンなどが挙げられる。
次にポリアミンとしては、エチレンジアミン、テトラ
エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジア
ミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピル
アミン、メチルイミノビスプロピルアミン、2,2′,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロ
ピルアミン、ヒドロキシルエチルアミノプロピルアミ
ン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス
(3−アミノプロポキシ)エタンなどの脂肪族ポリアミ
ン類、1,3−ジピペリジルプロパン、1,4−ビスアミノプ
ロピルピペラジン、イソホロンジアミン、エポメート
(油化シェル製脂環式ポリアミン)などの脂環式ポリア
ミン類、m−キシリレンジアミン、フェニレンジアミ
ン、ジアミノベンゼン、ジアミノジフェニルメタンなど
の芳香族ポリアミンなどがあげられ、これを単独又は併
用して使用することができる。
次に本発明の硬化性樹脂組成物とガラス繊維或は炭素
繊維を単独又は2種類とを積層する方法としては、一般
の積層法例えばハンドレイアップ法、プレス成型法が採
用出来る。このようにして得られた積層物は、強化材と
して用いるガラス繊維、炭素繊維が繊維状であり多数の
微細孔を有するので、硬化性樹脂組成物と強化材との積
層が同時に硬化性樹脂組成物が該微細孔に分散してなる
ものである。
かかる積層物を本発明の硬化性樹脂組成物の前記硬化
条件に付せば、本発明の複合積層体が製造できる。
ガラス繊維と炭素繊維の2種類を用いた複合積層体に
おけるこの両者の積層構成を第1〜3図により説明す
る。すなわち第1図に示すように炭素繊維1の間にガラ
ス繊維2を1枚乃至複数枚配置した構成、第2図のよう
にガラス繊維2と炭素繊維1を相互に配置した構成、又
第3図のようにガラス繊維2の間に炭素繊維1を1枚乃
至複数枚配置した構成の何れでもとることが出来る。し
かし剛性と制振性のバランス及び経済性の点からみて、
第1図に示されるような積層構造が最も好ましい。
又ガラス繊維及び炭素繊維はそれらの種類に関係なく
いかなるものでも使用出来る。例えば、ビニルシラン、
エポキシシラン、アミノシラン或はアクリル系化合物で
表面処理したガラス繊維の何れのものも使用出来るし、
炭素繊維をそのまま或はエポキシ樹脂などで予めプリプ
レグした炭素繊維も使用することが出来る。
次に複合積層体を製造する温度としては特に限定する
ものではないが、剛性及び制振性の両面からみて常温で
積層、硬化するのが望ましい。
(発明の効果) このようにして得られた複合積層体は高制振性と高い
剛性を有する。例えば、共振周波数が10Hzから10,000Hz
までにおいて一定の損失係数を示しかつ損失係数0.1〜
0.2という高い制振性、又曲げ弾性率2,000〜2,400Kgf/m
m2、引張り弾性率1,400〜1,700Kgf/mm2という非常に高
い剛性を達成することが出来る。
又本発明の複合積層体は高い熱変形温度例えば230℃
以上を得ることが出来、耐熱性を要望する用途及び分野
にも適用出来る。
本発明の複合積層体は、硬化性樹脂組成物の組成比或
は積層構成を変えることにより広範囲にわたる曲げ弾性
率、引張り弾性率と損失係数(制振性)を選択出来得る
特徴を有している。
次に本発明を実施例で具体的に説明する。
実施例1 エポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル製ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂)186g、ポリエチレング
リコールジメタアクリレート200g、2−メチルピペラジ
ン42g及び1,2−ジアミノプロパン33gを十分攪拌混合し
て硬化性樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物の粘度
は20℃で300cpsであった。この樹脂組成物とガラス繊維
マットREW−450−G5(日本板硝子製)4枚とを常温でハ
ンドレイアップ法で積層して400mm×250mm厚さ3mmの厚
板に成形し、12時間放置後更に100℃で3時間アフター
キュアを行って、複合積層体を製造した。この複合積層
体を幅10mmに切り出して試験片をつくり、振動試験及び
引張り試験を行い、並びに熱変形温度を測定した。
複合積層体の損失係数と共振周波数の関係を第4図に
示す。
又、引張り弾性率は500Kgf/mm2、曲げ弾性率は750Kgf
/mm2であった。熱変形温度は220℃以上であった。
<試験方法> 振動試験はBruel & Kjaer型の複素弾性率測定装置を
使用した。片持はりとした試験片の共振曲線を測定し、
共振周波数から動的曲げ弾性率を、共振ピークの半値幅
から損失係数(d)を算出した。
引張り試験はインストロン万能試験機(4206型)を用
いゲージ長70mm、クロスヘッド速度1mm/minの条件で行
った。
熱変形温度はJIS K−6911 5.34により測定した。
実施例2 エポキシ樹脂としてエピコート828 250g、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート250g、2−アミノ−6−メ
チルピリジン51g及び1,3−ジアミノプロパン36gを十分
攪拌混合して硬化性樹脂組成物を調合した。この樹脂組
成物の粘度は20℃で280cpsであった。この樹脂組成物と
ガラス繊維マットREW−450−G5(日本板硝子製)4枚と
を常温でハンドレイアップ法で積層して400mm×250mm厚
さ3mmの厚板に成形し、7日間放置して、複合積層体を
製造した。この複合積層体を幅10mmに切り出して試験片
をつくり、実施例1と同様にして、振動試験及び引張り
試験を行い並びに熱変形温度を測定した。
複合積層体の損失係数と共振周波数の関係を第4図に
示す。
又、引張り弾性率は1,000Kgf/mm2、曲げ弾性率は550K
gf/mm2であった。熱変形温度は230℃以上であった。
実施例3 エポキシ樹脂としてエピコート828 250g、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート250g、2,6−ジメチルピリ
ジン26g及び1,2−ジアミノプロパン50gを十分攪拌混合
して硬化性樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物の粘
度は20℃で280cpsであった。この樹脂組成物とガラス繊
維マットREW−450−G5(日本板硝子製)4枚及び炭素繊
維トレカC06343(東レ製)2枚の2種類の強化材を使用
して放置時間を10時間とした以外は実施例1と同様にし
て、第1〜3図に示す積層構成を有する3個の複合積層
体を製造した。各複合積層体を幅10mmに切り出して試験
片をつくり、実施例1と同様にして、振動試験及び引張
り試験を行い並びに熱変形温度を測定した。
各複合積層体の損失係数と共振周波数の関係を第5図
に示す。又、引張り弾性率、曲げ弾性率及び熱変形温度
は表−1に示す。
なお、第1〜3図に示す積層構成を有する3個の複合
積層体をそれぞれHYBRID−A、HYBRID−B及びHYBRID−
Cという。
実施例4 エポキシ樹脂としてエピコート828 300g、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート200g、2,6−ジメチルピリ
ジン25g及び1,2−ジアミノプロパン51gを十分攪拌混合
して硬化性樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物とガ
ラス繊維マットREW−450−G5(日本板硝子製)4枚及び
炭素繊維トレカC06343(東レ製)2枚の2種類の強化材
を使用して、実施例3と同様にして、第1〜3図に示す
積層構成を有する3個の複合積層体を製造した。各複合
積層体を幅10mmに切り出して試験片をつくり、実施例1
と同様にして、振動試験及び引張り試験を行い並びに熱
変形温度を測定した。
各複合積層体の損失係数と共振周波数の関係を第5図
に示す。又、引張り弾性率、曲げ弾性率及び熱変形温度
は表−1に示す。
なお、第1〜3図に示す積層構成を有する3個の複合
積層体をそれぞれHYBRID−D、HYBRID−E及びHYBRID−
Fという。
実施例5 エポキシ樹脂としてエピコート828 350g、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート150g、2,6−ジメチルピリ
ジン24g及び1,2−ジアミノプロパン50gを十分攪拌混合
して硬化性樹脂組成物を調合した。この樹脂組成物とガ
ラス繊維マットREW−450−G5(日本板硝子製)4枚及び
炭素繊維トレカC06343(東レ製)2枚の2種類の強化材
を使用して、実施例3と同様にして、第1〜3図に示す
積層構成を有する3個の複合積層体を製造した。各複合
積層体を幅10mmに切り出して試験片をつくり、実施例1
と同様にして、振動試験及び引張り試験を行い並びに熱
変形温度を測定した。
各複合積層体の損失係数と共振周波数の関係を第5図
に示す。又、引張り弾性率、曲げ弾性率及び熱変形温度
は表−1に示す。
なお、第1〜3図に示す積層構成を有する3個の複合
積層体をそれぞれHYBRID−G、HYBRID−H及びHYBRID−
Iという。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図はそれぞれガラス繊維と炭素繊維との積層構
成の説明図である。 第4図及び第5図は複合積層体の損失係数と共振周波数
の関係を示すグラフである。 1:炭素繊維 2:ガラス繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 9138−3J F16F 15/02 Q

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)エポキシ樹脂、b)グリコール型ジ
    (メタ)アクリレート、c)含窒素複素環式化合物及び
    d)第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より
    選ばれるアミノ基を2個以上有するポリアミンを含有す
    る硬化性樹脂組成物の硬化物とガラス繊維及び炭素繊維
    より選ばれる強化材とからなることを特徴とする複合積
    層体。
  2. 【請求項2】硬化性樹脂組成物を強化材と積層、硬化し
    て得ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複
    合積層体。
  3. 【請求項3】グリコール型ジ(メタ)アクリレートが 一般式[I]: [式中、R、R1およびR2は水素原子又はメチル基を示
    す。n=1〜70] 又は一般式[II]: [式中、RおよびR1は水素原子又はメチル基を示す。m
    =2〜7、n=1〜70]で表わされ、平均分子量を170
    〜3000とする化合物である特許請求の範囲第1又は2項
    記載の複合積層体。
  4. 【請求項4】含窒素複素環式化合物が 一般式[III]: [式中、Rはそれぞれ独立して炭素数9以下のアルキル
    基、フェニル基、シアノ基、ハロゲン原子又はカルバモ
    イル基を示す。XはCH又は窒素原子を示す。Yは水素原
    子、アミノ基又はアミノメチル基を示す。n=0〜4]
    で表わされる含窒素不飽和複素環式化合物 又は一般式[IV]: [式中、XはCH又は窒素原子を示す。Yは水素原子、ア
    ミノ基又はアミノメチル基を示す。Rはそれぞれ独立し
    て炭素数9以下のアルキル基、フェニル基、シアノ基、
    ハロゲン原子又はカルバモイル基を示す。R1は水素原子
    (ただし、Yがアミノ基又はアミノメチル基のときは除
    く)炭素数16以下のアルキル基、フェニル基又はアミノ
    アルキル(炭素数1〜3)基を示す。R2は、XがCHのと
    き水素原子、炭素数9以下のアルキル基、フェニル基、
    シアノ基、ハロゲン原子又はカルバモイル基を示し、X
    が窒素原子のとき水素原子、炭素数9以下のアルキル基
    又はフェニル基を示す。ただし、XがCHでかつR1がアミ
    ノ基又はアミノアルキル(炭素数1〜3)基の場合Yは
    水素原子であり、Xが窒素原子でかつR1がアミノ基又は
    アミノアルキル(炭素数1〜3)基の場合Yは水素原子
    であってR2は炭素数9以下のアルキル基又はフェニル基
    である。また、Xが窒素原子のときR1とR2が同時に水素
    原子になることはない。n=0〜8] で表わされる含窒素飽和複素環式化合物である特許請求
    の範囲第1又は2項記載の複合積層体。
  5. 【請求項5】エポキシ樹脂とグリコール型ジ(メタ)ア
    クリレートの配合比がエポキシ樹脂100重量部に対して
    グリコール型ジ(メタ)アクリレート25乃至233重量部
    である特許請求の範囲第1又は2項記載の複合積層体。
  6. 【請求項6】ポリアミンと含窒素複素環式化合物の配合
    比がポリアミン100重量部に対して含窒素複素環式化合
    物10〜100重量部である特許請求の範囲第1又は2項記
    載の複合積層体。
  7. 【請求項7】エポキシ樹脂及びグリコール型ジ(メタ)
    アクリレートの混合溶液に対するポリアミンと含窒素複
    素環式化合物の混合溶液の配合比がエポキシ基及び(メ
    タ)アクロイル基合計に対して60当量%乃至130当量%
    である特許請求の範囲第1又は2項記載の複合積層体。
  8. 【請求項8】強化材としてのガラス繊維と炭素繊維とを
    混合積層することからなる特許請求の範囲第1又は2項
    記載の複合積層体。
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