JP2533936B2 - 超音波モ―タ駆動装置 - Google Patents

超音波モ―タ駆動装置

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JP2533936B2
JP2533936B2 JP1152095A JP15209589A JP2533936B2 JP 2533936 B2 JP2533936 B2 JP 2533936B2 JP 1152095 A JP1152095 A JP 1152095A JP 15209589 A JP15209589 A JP 15209589A JP 2533936 B2 JP2533936 B2 JP 2533936B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は超音波モータ駆動装置に関し、特に温度変化
等が生じた場合であっても、適切に超音波モータを保護
するようにした超音波モータ駆動装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 近年、超音波振動により駆動力を得る、いわゆる超音
波モータが種々開発され実用化されるに至っている。
この超音波モータは従来のモータに比べ部品数が少な
く簡易な構成であり、低速回転域で安定した高いトルク
を発生し、応答性及び保持トルクが高いなどの種々の利
点を有する。
このような超音波モータを駆動するための従来の駆動
装置としては第11図に示すようなものが知られている。
弾性体である固定子101の表面上には、圧電体として
複数に分極された区分Aと区分Bの電歪素子が接着剤に
より固着されている。これらの区分Aと区分Bとのそれ
ぞれの電歪素子は互いに位相が90゜異なるように配置さ
れている。また区分Aと区分Bのそれぞれの電歪素子上
には電極101a、101bが設けられている。この電極101a、
101bには互いに位相が90゜異なる周波電圧が与えられ
る。また、電極101cは、電歪素子上の振動波の振動状態
を検出するためのモニタ用の電極である。
VCO(電圧制御発振器)105は、デュウテイ比50%の矩
形パルスを出力するための発振器であり、この出力され
る矩形パルスの周波数はロウパルスフィルタ104からの
信号電圧若しくはマイクロコンピュータ106からのデー
タに応じて制御される。この電圧制御発振器105からの
矩形パルスは増幅器107およびコイル110を介して電極10
1aへ与えられる。また電圧制御発振器105からの矩形パ
ルスはシフトレジスタ116によって位相を90゜ずらされ
た後に増幅器108およびコイル111を介して他方の電極10
1bへ与えられる。
モニタ電極101cからの検出信号はコンパレータ102に
よってパルス信号に変換された後に位相比較器112の端
子Rへ与えられる。また電極101aに印加された周波電圧
はコンパレータ117によってパルス信号に変換される。
このパルス信号はシフトレジスタ125によって位相を90
゜遅らせた後にインバータ118を介して位相比較器112の
端子Sへ与えられる。
位相比較器112は端子Rおよび端子Sに入力した双方
の信号の位相差を検出し、検出した位相差に応じた信号
を出力する。この位相比較器112からの信号はマルチプ
レクサ126およびローパスフィルタ104を介して電圧制御
発振器105へ与えられる。電圧制御発振器105はこの入力
した信号に応じて発振周波数を制御することにより、電
極101aと電極101cへ印加される双方の周波電圧の位相差
を90゜に制御する。
次に第12図を参照して第11図に示した従来例の動作を
説明する。
ステップ201において電源スイッチがオン操作される
とマイクロコンピュータ106の出力ポートPC0からLレベ
ルの信号がマルチプレクサ126へ出力される。続いてス
テップ203では電圧制御発振器105の発信周波数を決定す
るためのバイナリコードで成るデータがマイクロコンピ
ュータ106から出力される。すなわち、マイクロコンピ
ュータ106の出力ポートPA0、PA1、PA2、PA3からそれぞ
れLレベルの信号が出力される。これにより電圧制御発
振器105はあらかじめ設定された可変範囲内の発振周波
数のうち最低の発振周波数で発振動作を行なう。またマ
ルチプレクサ126はマイクロコンピュータ106からのLレ
ベルの信号に基づいて端子126cを選択し、電圧制御発振
器105からの出力パルスをローパスフィルタ104へ出力す
る。従ってマルチプレクサ126を介してローパスフィル
タ104と電圧制御発振器105とで閉回路を形成し、このと
き電圧制御発振器105の発振周波数はマイクロコンピュ
ータ106からのデータによって決定される。
次にステップ205では、マイクロコンピュータ106内に
レジスタAを有しており、入力ポートPBOを介して入力
した駆動検知回路109からの検出信号、すなわち超音波
モータが駆動されたかどうかを示す信号を記憶する。
次にステップ207ではマイクロコンピュータ106内にレ
ジスタBを有しており、このレジスタBへ定数nを設定
する。
次にステップ209では入力ポートPBOを介して入力した
データとレジスタAに記憶されたデータとの内容が一致
しているかどうかを判別しており、双方の内容が一致し
ている場合、すなわち超音波モータが駆動されていない
場合にはステップ211へ進みレジスタBの内容から1を
減算する。
続いてステップ213ではレジスタBの内容が0である
かどうかを判別しており、0でない場合には再びステッ
プ209へ進み、入力ポートPBOを介して入力したデータと
レジスタAの内容を比較する。このような比較動作がn
回繰返し実行される。
以上に示したステップ209からステップ213までの一連
の動作は超音波モータが駆動されたかどうかを一定時間
の間検出するためのものであり、この一連の動作によっ
て超音波モータが駆動されていないことを判別したとき
にはスップ215へ進み、出力ポートPA0、PA1、PA2、PA3
から出力されるバイナリコードで成るデータの値を1だ
け増加させる。
これにより電圧制御発振器105の発振周波数が所定の
値だけ増大する。またステップ215から再びステップ207
へ進み、前述した一連の動作を繰返して実行する。
以上の如くマイクロコンピュータ106は駆動検知回路1
09からの出力状態が一定時間変化しない場合には所定時
間毎に電圧制御発振器105の発振周波数を増大させ、こ
の電圧制御発振器105からの発振周波数を超音波モータ
の共振周波数に近づけていく。
ステップ209においてレジスタAに格納されたデータ
と入力ポートPBOを介して入力した駆動検知回路109から
の検出信号とが異なる場合、すなわち電圧制御発振器10
5の発振周波数が超音波モータの共振周波数に近づいて
超音波モータが駆動した場合にはステップ217に進み、
出力ポートPCOの出力レベルをHレベルに設定する。こ
れにより出力ポートPAO、PA1、PA2、PA3からの出力デー
タの更新が禁止されると共に、マルチプレクサ126は端
子126bを選択し、位相比較器112からの信号をロウパス
フィルタ104へ出力する。従って、位相比較回路112、マ
ルチプレクサ126、ロウパスフィルタ104および電圧制御
発振器105から構成されるPLL(フェーズロックループ)
による周波数制御が実行されて電極101aと101bへ印加さ
れる双方の周波電圧の位相差が90゜に設定される。
以上の如く電極101aと101bへ印加される周波電圧の位
相差が90゜に設定されると共に、この周波電圧の駆動周
波数が超音波モータの共振周波数よりもわずかに高い値
に設定されると超音波モータは回転駆動状態を保持す
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら第11図および第12図に示した従来例は、
電極101aへ印加される周波電圧の位相と、電極101cから
の検出電圧との位相が90゜異なるように制御され、また
電極101aへ印加される周波電圧の駆動周波数が超音波モ
ータの共振周波数の近傍の値に追従するように設定され
ているため、環境温度の変化等によっては、超音波モー
タの共振周波数が変動し、この変動に追従するように駆
動周波数が変動する場合が生じる。また環境温度が70℃
以上又は超音波モータの表面温度が80℃以上に達する
と、弾性体と圧電素子を接着する熱変性接着剤が軟化
し、圧電素子の振動が弾性体へ伝わりにくくなり、結果
として、超音波モータの効率が低下してしまう。つま
り、例えば周波電圧として最大振幅と最小振幅とのあい
だの電圧、すなわち振幅電圧300Vを電極101a、101bへ印
加すると、環境温度70℃以下では電極101cから得られる
振幅電圧が100Vである場合に、環境温度が80℃に達する
と電極101cから得られる振幅電圧が60Vに低下する。更
に環境温度が上昇して84℃に達すると電極101cから得ら
れる振幅電圧が20Vに低下する。このように環境温度が
上昇すると電歪素子の電気的インピーダンスが小さくな
り、電歪素子へ過大な電流が流れ込み、この電歪素子が
焼損してしまう場合が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、環境温度
が上昇した場合であっても、確実に電歪素子の焼損を防
止し得る超音波モータ駆動装置を提供することを目的と
する。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明は、第1図に示す
ように、弾性体X1と熱変性接着剤を介して貼り合わされ
て一体に構成される圧電体X2に所定周波数の電圧を印加
して弾性体X1に超音波振動を発生させる電源供給手段X3
と、 前記圧電体の振動状態を検出しこの振動状態に係る検
出信号を出力する振動検出手段X4と、 前記圧電体X2に印加される電圧の周波数と前記検出信
号の周波数との位相差を検出する位相差検出手段X5と、 前記位相差検出手段X5で検出された位相差と所定値と
を比較する位相差比較手段X6と、 前記位相差比較手段X6の比較の結果、位相差が前記所
定値より大きい場合、前記圧電体に印加する電圧の周波
数を下げるようにし、また位相差が前記所定値より小さ
い場合、前記圧電体に印加する電圧の周波数を上げるよ
うに前記電源供給手段における印加電圧の周波数を制御
する周波数制御手段X7と、 前記位相差比較手段X6の比較の結果、位相差が前記所
定値と一致した場合であって、かつ、前記振動検出手段
から出力される検出信号の振幅値が所定振幅値より小さ
くなった場合には、前記超音波振動の発生を停止する停
止手段X8と、 を有することを特徴とする。
(作用) 本発明による超音波モータ駆動装置は、弾性体と熱変
性接着剤を介して貼り合わされて一体に構成される圧電
体に対し、電源供給手段により所定周波数の電圧の印加
がなされ、その圧電体が振動状態にあるとき、振動検出
手段により圧電体の振動状態を検出する一方、電源供給
手段から圧電体に印加される電圧の周波数と振動検出手
段の検出信号の周波数との位相差を位相検出手段により
検出する。このような各検出動作がなされているとき、
位相差比較手段において位相差が所定値に一致している
か、所定値より大きいか、もしくは小さいかを求めるた
めの比較を行う。この比較の結果、位相差が所定値より
も大きい場合、圧電体に印加する電圧の周波数を下げる
ようにし、また位相差が所定値よりも小さい場合、圧電
体に印加する電圧の周波数を上げるように、周波数制御
種によって電源供給手段における印加電圧の周波数を制
御する。
このように周波数制御がなされると、位相差比較手段
において位相差が所定値に一致しているとの比較の結果
を得ることができ、同時にその周波数制御が休止され
る。そして、位相差が所定値と一致している場合に、停
止手段は振動検出手段から出力される検出信号の振幅値
を監視し、その検出信号の振幅値が所定振幅の値より小
さくなった場合に、電源供給手段に対し圧電体への給電
を停止する旨の制御信号を加え、圧電体での超音波振動
の発生が停止されるようにする。ここで、位相差が所定
値と一致している場合とは、駆動周波数が、圧電体から
弾性体へ超音波振動を効率的に伝達する上で最適な制御
目標値に達していることを意味し、さらに言えば、超音
波モータが、周波数制御を行っている過渡状態から定常
状態へ移行したことを意味する。この定常状態のとき
に、圧電体にある程度大きい電流が流れること等によ
り、超音波モータ付近の雰囲気温度が高温になると、弾
性体と圧電素子を接着する熱変性接着剤が軟化し、圧電
素子の振動が弾性体へ伝わりにくくなり、結果として、
超音波モータの効率が低下するばかりでなく、さらに
は、電歪素子の電気的インピーダンスが小さくなり、電
歪素子へ過大な電流が流れ込み、電歪素子の焼損を引き
起こすおそれもある。そこで、本発明にあっては、この
ような電歪素子の焼損を未然に防止することを企図し
て、超音波モータが定常状態のときに、このモータ付近
の雰囲気温度が高温になると、振動検出手段よりの検出
信号の振幅値が通常温度のときに比して小さくなること
に着目し、検出信号の振幅値が所定振幅値より小さくな
った場合に、電源供給手段に対し圧電体への給電を停止
する旨の制御信号を加え、圧電体での超音波振動の発生
を停止するようにしている。なお、超音波モータが定常
状態のときに限定したのは、超音波モータが定常状態で
はない過渡状態にあるときは、圧電体の機械的振幅値は
まだ小さく、圧電体に流れる電流値も小さいものである
ため、超音波モータの雰囲気温度が高温になることはな
く、したがって、電歪素子の焼損は、超音波モータが過
渡状態のときには起こり得ず、定常状態にあるときにの
み起こり得る趣旨からである。
(実施例) 以下図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説
明する。
まず、第2図乃至第4図を参照して構成を説明する。
第4図に示す如く超音波モータ4は回転子であるロー
タ10に対して弾性体である固定子1が接触状態に配置さ
れており、弾性体に生じた進行性振動波によってロータ
10を回転させるようにしている。また弾性体である固定
子1の表面には圧電体として分極処理された複数の電歪
素子が接着剤により固着されている。これらの複数の電
歪素子は第1の区分と第2の区分とでなる2群の電歪素
子を形成し、その各区分の電歪素子は位相が互いに90゜
異なるように配置されている。
また第3図に示すように一方の区分の電歪素子には電
極1aが設けられるとともに、他方の区分の電歪素子には
電極1bが設けられている。これらの電極1aと電極1bには
互いに位相が90゜異なる駆動周波数の駆動電源周波数が
与えられるようになっている。例えば電極1aに対して正
弦波形の周波電圧が与えられるとともに、電極1bに対し
ては余弦波形の周波電圧が与えられる。また電極1cは、
前述した電極1a、1bとは絶縁された電歪素子上に配置さ
れ、この電歪素子の振動状態に応じた検出信号を出力す
る。また電極1dは電極1a、1bおよび1cに対する共通の電
極である。
次に第2図を参照するにマイクロコンピュータ3はA/
D変換器29と接続されるともに、D/A変換器5と接続され
ており、A/D変換器29からの出力データを読み取るとと
もに、この読み取った値に応じて超音波モータの駆動周
波数を決定し、駆動周波数に関するデータをD/A変換器
5へ出力する。従ってマイクロコンピュータ3からの出
力データに基づいて超音波モータの駆動周波数が決定さ
れるようになっている。
またマイクロコンピュータ3は超音波モータの起動開
始時においては予め設定された可変範囲内の駆動周波数
の値のうち、駆動周波数が上限の値となるようなデータ
を出力する。
D/A変換器5は電圧制御発振器(VCO)7と接続されて
おり、マイクロコンピュータ3から入力したディジタル
信号のデータをアナログ信号のデータへ変換して電圧制
御発振器7へ出力する。
電圧制御発振器7は入力した信号電圧に応じて発振周
波数を変化させるものであり、この変化し得る発振周波
数の値は超音波モータの最適な駆動周波数を含む所定の
範囲内の値に制限されている。また電圧制御発振器7は
超音波モータの最適な駆動状態においては、例えば1.28
MHzの発振周波数の矩形パルスを出力するようになって
いる。
分周器9は電圧制御発振器7と接続されるとともに、
増幅器11およびコイル13を介して電極1aと接続されてい
る。分周器9は電圧制御発振器7から出力される矩形パ
ルスの周波数を1/32に分周して出力する。この分周器9
によって分周されたパルス信号は増幅器11によって増幅
された後にコイル13を介して電極1aへ印加される。
シフトレジスタ15のクロック入力端子Vは電圧制御発
振器7と接続されるとともに、データ入力端子Dが分周
器9と接続されている。またシフトレジスタ15の出力端
子Q8が増幅器17およびコイル19を介して電極1bと接続さ
れている。このシフトレジスタ15はデータ入力端子Dか
ら入力したパルス信号、すなわち分周器9によって分周
されたパルス信号の位相を90゜だけ遅延させて出力端子
Q8から出力する。このシフトレジスタ15からのパルス信
号は増幅器17によって増幅された後にコイル19を介して
電極1bへ印加される。従って、電極1aへ印加される周波
電圧の位相とは90゜だけ異なる位相の周波電圧が電極1b
へ印加されるようになっている。
モニタ用の電極1cはコンパレータ21を介して位相比較
器23の端子Rと接続されており、電極1cからの検出信号
はコンパレータ21によってパルス信号に変換された後に
位相比較器23へ与えられる。また電極1aはコンパレータ
25を介して位相比較器23の端子Sと接続されており、電
極1aに印加された周波電圧はコンパレータ25によってパ
ルス信号に変換された後に位相比較器23へ与えられる。
位相比較器23は端子R及び端子Sに入力した双方の信
号の位相差を検出し、検出した位相差に応じた信号を出
力する。
ローパスフィルタ27は位相比較器23と接続され、この
位相比較器23から入力した信号を平滑して直流電圧に変
換し、アナログ量で成る電圧信号を出力する。
A/D変換回路29はローパスフィルタ27と接続され、ロ
ーパスフィルタ27からアナログ量で成る電圧信号を入力
すると、この電圧信号をディジタル信号に変換する。
整流器31は電極1cと接続されるとともに、A/D変換器3
3を介してマイクロコンピュータ3と接続されている。
整流器31は進行性振動波の大きさを検出するための検出
手段である電極1cからの検出信号を整流して直流電圧に
変換する。A/D変換器33は整流器31からのアナログ量で
なる電圧信号をディジタル信号に変換してマイクロコン
ピュータ3へ出力する。マイクロコンピュータ3は整流
器31及びA/D変換回路33を介して入力した電極1cからの
検出信号を読取って進行性振動波の大きさを判別し、こ
の値が予め設定した闘値を下回る場合は超音波モータ4
の表面温度が所定温度以上に上昇したと判断して超音波
振動の発生を停止させる為、例えば電極1a、1bに対する
駆動電源の供給停止を指令する。なお、超音波振動の発
生を停止させる為、駆動周波数を共振点近くから遠ざけ
てもよい。
ここで予め設定される闘値について説明すると、通常
の使用温度に於ける電歪素子への入力信号に対する電歪
素子の振幅値を予め測定しておき、この振幅値のうち、
温度変化に対しても、入力信号に対する電歪素子の振幅
値がある一定の値で安定しているときの値を闘値として
設定する。
第9図は閉ループ破壊試験での電極1a,1bへ印加され
る周波電圧(曲線a)と電極1cから検出された検出電圧
(曲線b)とを示した特性図であり、第9図(A)には
超音波モータの駆動直後の直性図を示し、第9図(B)
には駆動を開始してから6分経過後の超音波モータの表
面温度が84.8℃に上昇したときの特性図を示し、第9図
(C)には駆動を開始してから11分経過後の特性図を示
している。
また、第10図は閉ループ破壊試験での電極1a,1bへ印
加される周波電圧(曲線a)と電極1cから検出された検
出電圧(曲線b)とを示した特性図であり、第10図
(A)には駆動を開始してから3分経過後の特性図を示
し、第10図(B)には駆動を開始してから13分経過後の
超音波モータの表面温度が84.1℃に上昇したときの特性
図を示し、第10図(C)には駆動を開始してから26分経
過後の特性図を示している。
第9図及び第10図からも明らかなように超音波モータ
の表面温度が上昇するに応じて電極1cからの検出電圧、
すなわち弾性体に生じる振動波の振幅Hdが低下する。
従って本発明では超音波モータの表面温度が例えば80
℃に上昇したときの電極1cからの検出電圧に基づく振動
波の振幅を測定してこれを闘値Hとして設定している。
これにより、振幅Hdが低下して闘値Hを下回った場合に
は超音波モータの表面温度が所定温度以上に上昇したこ
とを判別するようにしている。
次に作用を説明する。
第5図に示すステップS1では図示しない電源スイッチ
がオン操作されるとマイクロコンピュータ3が動作を開
始して上限値の駆動周波数に関するデータをD/A変換器
5を介して電圧制御発振器7へ出力する。これにより第
6図(A)に示すように時刻t1において上限値の駆動周
波数でなる周波電圧が電極1aへ印加される。また同時に
電極1bには前述した電極1aへ印加される周波電圧の位相
とは90゜だけ異なる周波電圧が印加される。
ここで超音波モータの駆動開始時における上限値の駆
動周波数について第7図を参照して説明する。
第7図は超音波モータへ印加される周波電圧の周波数
を変化させた場合における超音波モータのインピーダン
スを示したものであり、インピーダンスの値が低くなる
第1の共振周波数f0aと、この第1の共振周波数f0aを有
する共振点の次の共振点となる第2の共振周波数f0bと
が認められる。ここに超音波モータを駆動するに際して
最適な駆動周波数f1が第1の共振周波数f0aよりもわず
かに高く且つ反共振点の周波数f3より低い値、例えば40
KHzである場合には、この最適な駆動周波数f1より高い
値で且つ第2の共振周波数f0bよりも低い値の駆動周波
数f5が起動開始時における上限値の駆動周波数として設
定される。すなわち、使用する共振点の仕様最低温度に
おける共振周波数から、前記共振点の高周波側の次の共
振点の仕様最高温度における共振周波数までのうち任意
の周波数を起動開始時における上限値の駆動周波数とし
て設定する。仕様最高温度、仕様最低温度とは、例えば
この超音波モータの温度仕様が−30℃〜100℃とする
と、100℃を仕様最高温度とし、−30℃を仕様最低温度
とする。
再び第5図を参照するに、ステップS3ではA/D変換器2
9及びローパスフィルタ27を介して得られる位相比較器2
3からの信号に基づいて電極1aへ印加される周波電圧と
電極1cからの振動状態に係る検出信号との位相差θdを
読み取る。ここで第7図に示すように起動開始時におい
て、駆動周波数f5の周波電圧が超音波モータへ与えられ
たとしても、駆動周波数f5の値が最適な駆動周波数f1
りも大きくかけ離れており、また位相差θdも90゜以上
であるので超音波モータは駆動しない。
続いてステップS5では、ステップS3において読み取っ
た位相差θdが90゜であるか否かを判断しており、時刻
tにおいては位相差θdが90゜以上であるからステップ
S7を介してステップS9へ進む。ステップS9では駆動周波
数の値を前述した上限値の駆動周波数f5より0.1KHzだけ
低い値に設定する。
続いてステップS11では前記ステップS9において設定
した新な駆動周波数に関するデータをD/A変換器5へ出
力する。これにより電圧制御発振器7は3.2KHz(0.1KHz
×32)だけ低い発振周波数の矩形パルスを出力する。こ
の電圧制御発振器7から出力される矩形パルスは分周器
9で分周された後に、増幅器11およびコイル13を介して
電極1aへ印加される。また同様に電圧制御発振器7から
出力される矩形パルスはシフトレジスタ15によって位相
を90゜だけずらした後に増幅器17およびコイル19を介し
て他方の電極1bへ印加される。
ステップS11から再びステップS3へ戻り、前述した動
作を繰返して実行し、第6図に示す期間T13のあいだ電
極1aおよび1bへ印加される周波電圧の駆動周波数の値を
順次0.1KHzずつ下げていく。
以上の如く電極1aおよび1bへ印加される周波電圧の駆
動周波数を順次下げていくと第6図(A)および(B)
に示すように、時刻t3において超音波モータが駆動を開
始する。
超音波モータが駆動を開始する時刻t3から時刻t4まで
の期間においては、位相差θdが90゜以上であるから、
再びステップS3からステップS11までの処理を実行し、
更に駆動周波数の値を0.1KHzずつ低下させていく。
このように駆動周波数を周波数fへ向けて順次下げて
いくことにより、超音波モータはその回転数とトルクが
徐々に増加し、これに応じて位相差θdも90゜に近づい
ていく。
ここで電極1aおよび1bへ印加される周波電圧の駆動周
波数の値が最適な駆動周波数f1を飛び越えて、さらに低
い値に設定された場合には位相差θdが90゜以下の値と
なってしまう。このように位相差θdが90゜以下の値に
なると、ステップS7からステップS13へ進み、駆動周波
数の値を0.1KHzだけ増加させる。
これにより電極1aおよび1bへ印加される周波電圧の駆
動周波数の値が第1の共振周波数f0aの近傍であって、
且つこの第1の共振周波数f0aよりもわずかに高い値、
例えば最適な駆動周波数f1として40KHzが設定される。
このように電極1aおよび1bへ印加される実際の駆動周
波数の値が最適な駆動周波数f1に設定されると、位相差
θdが90゜であるからステップS5からステップS15へ進
む。
ステップS15では整流器31及びA/D変換器33を介して得
られる電極1cからの検出信号を読み取り弾性体に生じる
進行性振動波の振幅Hdの大きさを解読する。
ステップS17では予め設定した闘値Hと前記振幅Hdと
を比較しており、振幅Hdが闘値Hを上回る場合には再び
ステップS3へ戻り、前述した一連の制御処理を実行し
て、位相差θdを90゜に保持する。
次に環境温度が上昇した場合の作用を説明する。
第8図は周波電圧の駆動周波数に対する電歪素子のイ
ンピーダンスを示した図であり、曲線a,b,cは超音波モ
ータの表面温度(圧電体の温度)がぞれぞれ30℃,50℃,
80℃のときの特性曲線である。第8図に示す如く超音波
モータの表面温度が上昇するに応じてインピーダンスが
低下する。また同時に超音波モータ4の回転数も低下す
る。
ここで、第6図に示す時刻t5において超音波モータの
表面温度が80℃以上に上昇したとすると、電歪素子と弾
性体とを接着している接着剤が軟化し、電歪素子からの
振動が弾性体へ伝わりにくくなる。このためステップS1
7において振幅Hdが闘値H以下に低下すると、ステップS
19へ進み電極1a及び1bに対する駆動電源の供給を停止す
る。これにより電歪素子の焼損を防止することができ
る。
尚、本実施例はいわゆる進行波方式の超音波モータに
ついて説明したが、定在波方式の超音波モータにも適用
できるものであり、これにより本願の要旨を逸脱するも
のでないことはいうまでもないことである。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、圧電体に印加す
る電圧の周波数と所定値とが不一致の場合、その一致が
得られるように周波数制御を行い、その一致が得られて
いる場合に、圧電体の振動振幅の低下を監視する状態に
移行し、その振動振幅が所定の闘値まで低下したとき
に、超音波モータ付近の雰囲気温度が高温下にあるとみ
なして、超音波振動の発生を停止させる構成としたの
で、圧電体の温度が所定温度以上に上昇した場合であっ
ても確実に圧電体の焼損を防止することができ、信頼性
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はクレーム対応図、第2図は本発明に係る一実施
例のブロック図、第3図は超音波モータの電極構成を示
した説明図、第4図は超音波モータの縦断面図、第5図
は第2図の作用を示したフローチャート、第6図は超音
波モータの駆動時における特性図、第7図は駆動電源の
周波数に対する電歪素子のインピーダンス特性を示した
特性図、第8図は電歪素子のインピーダンス特性を各温
度毎に示した特性図、第9図は閉ループ破壊試験ので周
波電圧と検出電圧を示したグラフ、第10図は開ループ破
壊試験での周波電圧と検出電圧を示したグラフ、第11図
は従来例のブロック図、第12図は第11図の作用を示した
フローチャートである。 X1……弾性体 X2……圧電体 X3……電源供給手段 X4……振動検出手段 X5……位相差検出手段 X6……位相差比較手段 X7……周波数制御手段 X8……停止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 聡 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−47281(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性体と熱変性接着剤を介して貼り合わさ
    れて一体に構成される圧電体に所定周波数の電圧を印加
    して弾性体に超音波振動を発生させる電源供給手段と、 前記圧電体の振動状態を検出しこの振動状態に係る検出
    信号を出力する振動検出手段と、 前記圧電体に印加される電圧の周波数と前記検出信号の
    周波数との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記位相差検出手段で検出された位相差と所定値とを比
    較する位相差比較手段と、 前記位相差比較手段の比較の結果、位相差が前記所定値
    より大きい場合、前記圧電体に印加する電圧の周波数を
    下げるようにし、また位相差が前記所定値より小さい場
    合、前記圧電体に印加する電圧の周波数を上げるように
    前記電源供給手段における印加電圧の周波数を制御する
    周波数制御手段と、 前記位相差比較手段の比較の結果、位相差が前記所定値
    と一致した場合であって、かつ、前記振動検出手段から
    出力される検出信号の振幅値が所定振幅値より小さくな
    った場合には、前記超音波振動の発生を停止する停止手
    段と、 を有することを特徴とする超音波モータ駆動装置。
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