JP2533743B2 - 金属体の存在位置を検出する金属体検出装置およびそれに用いられるマトリクスセンサ - Google Patents

金属体の存在位置を検出する金属体検出装置およびそれに用いられるマトリクスセンサ

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JP2533743B2 JP5518186A JP51818693A JP2533743B2 JP 2533743 B2 JP2533743 B2 JP 2533743B2 JP 5518186 A JP5518186 A JP 5518186A JP 51818693 A JP51818693 A JP 51818693A JP 2533743 B2 JP2533743 B2 JP 2533743B2
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孝俊 武本
一成 川島
繁 半田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本考案は、センサと、これを用いて金属体の存在位置
を検出する金属体検出装置およびマトリクスセンサに係
り、特に、複数本の送信線と複数本の受信線とで検知領
域をマトリクス状に配置して構成されるマトリクスセン
サと、このセンサを用いて、金属体の有無およびその存
在位置を検知する金属体検出装置に関する。
背景技術 決められた領域、特に、平面的領域内で、金属体が存
在する位置を検出することが必要となることがある。例
えば、平面領域内を移動する金属体の移動軌跡を検出す
ることがある。また、ある領域内に、金属体が分布する
場合に、その分布パターンを検出すること等がある。前
者の例としては、具体的には、ゲーム機におけるゲーム
実行媒体の移動軌跡を検出することがある。
ゲーム機には、当該ゲーム機において設定される特定
の空間内で、金属体、例えば、金属球を移動させ、その
移動先に応じて、賞の有無を決めるものがある。その代
表的なものとして、例えば、金属球からなるパチンコ球
を、多数の障害が設けてある、平行平面に挾まれる空間
内を落下移動させて遊ぶパチンコゲーム機がある。
一般に、パチンコゲーム機は、パチンコ球を移動させ
るための空間を構成する盤面と、それを一定間隔を保っ
て覆うガラス板と、パチンコ球を、盤面とガラス板とで
仕切られる空間内に投射するための投射機構とを有す
る。パチンコゲーム機は、その盤面が、鉛直方向に実質
的に平行となるように、設置される。盤面には、パチン
コ球がそこに入って盤面から排出されると入賞となる、
複数個の入賞孔と、入賞孔に入らなかったパチンコ球が
最終的に集まって、盤面から排出される1つの排出孔と
が設けられている。
また、盤面には、盤面に沿って落下するパチンコ球が
頻繁に衝突して、その運動方向に揺らぎを生ずるよう
に、多数のピン(釘)が、パチンコ球の直径相当の長さ
分、盤面から突出した状態で、実質的に垂直に設けられ
ている。これらのピンは、衝突するパチンコ球を、その
運動方向に対して揺らぎを与えつつ、ある場合には、入
賞孔に向かうように誘導し、また、ある場合には、入賞
孔から外れるように誘導するように、その分布が決定さ
れて、盤面に配置されている。
ところで、このようなパチンコゲーム機を多数配置し
たパチンコパーラーでは、各パチンコゲーム機における
入賞状況を管理する必要がある。すなわち、パチンコ球
の軌跡に偏りがある機械、異常な軌跡となる機械を発見
して、交換、修理等を行なう必要があるからである。ま
た、ゲーム実行中においては、磁石等で、パチンコ球を
誘導するような不正行為を発見する必要があるからであ
る。
従来、このような目的のための金属体検出装置として
は、特開平2-279186号公報に記載されるものがある。
この公報には、パチンコ球の検知装置が開示されてい
る。この検知装置は、開リング状の送信単位が連続した
送信コイル列を一方向に複数並べて配列した送信コイル
行群と、前記送信単位と誘導結合する開リング状の受信
単位が連続した受信コイル列を前記送信コイル行群と交
差する方向に並べて配列した受信コイル群とで構成され
る検知マトリクスと称される金属センサを有する。そし
て、この金属センサを管理装置に接続して、これにより
駆動して、送信単位と受信単位とが重畳した各部分にお
いて、金属体が存在下するか否かを検出する。
この金属センサは、パチンコゲーム機の盤面を覆うガ
ラス板に取り付けられることにより、パチンコゲーム機
の盤面上のパチンコ球の存在位置を検出することができ
る。
ところで、この金属センサにおいて、検出精度を上げ
るためには、送信コイル列および受信コイル列を多数設
ける必要がある。しかし、これらは、開リング状にコイ
ルを構成しているため、構造が複雑であり、配線密度を
上げることができない。
これに対して、本出願人は、日本国における特許出願
(特願平2-244898号,特開平4-122375号公報,1992年4
月22日公開:本願の優先日より後の公開であり、本願に
対する公知文献とはならない。)の明細書において、コ
イル列に代えて、送信線および受信線を用いてセンサを
構成することを提案した。すなわち、複数の並列した折
り返し状の送信線を基板の片面に取付けるとともに、複
数の並列した折り返し状の受信線を、前記送信線と電磁
的に結合するようこれと交差させて前記基板の反対面に
取付けて構成される検知マトリクスが示されている。こ
の検知マトリクスは、管理装置の送信回路および樹脂回
路に、対応する送信線および受信線を接続して、各送信
線に信号電流を順次流し、各受信線について、信号電流
で誘導される誘導電流を順次とりだすことにより、受信
回路で受信した誘導電流から金属体の有無を検出すると
共に、信号電流が流れている送信線と、誘導電流を受信
している受信線との組合せを知って、金属体の位置を検
出することができる。
このような装置において、検出精度を向上するには、
送信線および受信線を多数設ける必要がある。この場
合、前記送信線は送信回路に、および、受信線は受信回
路に、それぞれ接続する必要がある。
従来、この接続は、基板の端部に、それぞれ、往路お
よび復路についての一対の端子を、送信線数分設けた送
信端子部と、同様の一対の端子を、受信線数分設けた受
信端部とを設けて行なわれる。送信線および受信線は、
それぞれの入出力端が、引き回し配線を介して、対応す
る送信端子部および受信端子部に接続される。また、送
信端子部および受信端子部には、接続される線数分のピ
ンを有するコネクタが取り付けられる。送信回路および
受信回路との間は、コネクタおよびケーブルで接続され
る。
このような構成では、送信線および受信線を多数本配
置すると、前記引き回し配線の線数および前記コネクタ
のピン数は極めて多数となる。例えば、送信線が32本設
けられる場合には、送信側の引き回し配線の線数は64本
となる。このため、これらを平面的に配線するために必
要な面積が大きくなると共に、端子部の大きさも大きく
なり、小型化の支障となるという問題がある。これに対
して、引き回し配線の線幅および端子部の端子の幅を小
さくすることが考えられる。しかし、これでは、配線抵
抗が大きくなって、信号電流の大きさが制限され、検出
精度(耐ノイズ性)向上のための送信電流増にも限界が
できて、検出精度が向上できないという問題がある。
発明の開示 本発明の目的は、送信線および受信線を、対応する送
信回路および受信回路に接続するための引き回し配線の
線数を低減して、小型化を可能とすると共に、検出精度
の向上を図ることができる、金属体位置検出のためのマ
トリクスセンサおよびこれを用いた金属体検出装置を提
供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
検出領域が面状の広がりを持つマトリクスセンサが提供
される。また、他の態様によれば、このマトリクスセン
サと、このマトリクスセンサを駆動して、金属体の存在
の検知およびその位置の検出を行なう信号処理システム
とを備える金属体検出装置が提供される。
マトリクスセンサは、複数本の送信線と、複数本の受
信線と、これらを支持する基板とを有する。各送信線
と、各受信線とは、それぞれ並行する往路と復路とを構
成する一対の導線で構成される。一対の導線は、その往
路と復路とが一端側が接続され、他端側が、信号の入出
力端となるように構成される。すなわち、電気的には、
折り返し状の構造を持つ。また、これらの送信線と受信
線とは、互いに交差するように配置される。具体的に
は、例えば、送信線が行方向に一定間隔で配列され、受
信線が列方向に一定間隔で配列される。送信線と受信線
とをこのように配置して、検知領域となる各送信線と各
受信線との交点がマトリクス状に配置される。
信号処理システムは、各送信線に、それらを順次走査
して送信信号を送る送信回路と、各受信線を順次走査し
て、各受信線の受信信号を順次取り込む受信回路と、受
信回路において受信した信号から、金属の有無を判定す
ると共に、送信回路における送信線走査位置を示す情報
および受信回路における受信線走査位置を示す情報に基
づいて、金属を検知した位置を検出する情報処理装置と
を有する。なお、情報処理装置において、パチンコ球の
存在位置を示す情報を時間的に蓄積することで、パチン
コ球の移動軌跡を求めることができる。
基板は、送信回路と接続するための送信端子部と、受
信回路と接続するための受信端子部と、送信線および受
信線が配線される領域とを有し、かつ、その領域以外の
部分に、送信線の入出力端と送信端子部とを結ぶ送信線
用引き回し配線と、受信線の入出力端と受信端子部とを
結ぶ受信線用引き回し配線とを有する構成とすることが
できる。
送信用引き回し配線および受信用引き回し配線のうち
少なくとも一方は、各一対の導線の往路用および復路用
の入出力端のいずれか一方についてのみ個別的な配線を
設け、他方は共通配線とすることができる。
本発明にかかるマトリクスセンサによれば、送信線あ
るいは受信線を送信端子部あるいは受信端子部に接続す
るための引回部における線数は、従来の半分になる。こ
のため、引回部の線幅を従来通りに維持すれば、この引
回部の配置面積を格段に小さくして、マトリクスセンサ
の小型化あるいは低コスト化を図ることができるという
効果がある。
また、引回部の配置面積は従来と同様か若干小さくす
る程度としたとしても、引回部の線幅を格段に大きくす
ることができるので、送信電流を増加させて検出感度
(耐ノイズ性)を向上させることができる。
図面の簡単な説明 図1は、送信線及びその引回部を示す正面図である。
図2は、送信側引回基板の全体正面図である。
図3は、送信側引回基板の下面側シールド層を示す正
面図である。
図4は、送信側引回基板の基板本体を示す正面図であ
る。
図5は、送信側引回基板の上面側シールド層を示す正
面図である。
図6は、パチンコゲーム機とマトリクスセンサとを概
念的に分解して示した斜視図である。
図7は、パチンコゲーム機の盤面の側断面図である。
図8は、マトリクスセンサを示す正面図である。
図9は、マトリクスセンサの概略構成図である。
図10は、送信・受信ボードの送信回路のブロック図で
ある。
図11は、チャンネル切替ロジックの主要部を示すブロ
ック図である。
図12は、送信・受信ボードの受信回路のブロック図で
ある。
図13は、コントロールボードの受信および送信回路の
ブロック図である。
図14は、マトリクスセンサのスキャンニングのフロー
チャートである。
図15は、本発明のマトリクスセンサの性能データを示
すグラフである。
図16は、本発明の特徴を有しないのマトリクスセンサ
の性能データを示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説
明する。
実施例の説明に先立ち、本発明の実施例が適用される
パチンコゲーム機について、図6を参照して説明する。
図6に示すパチンコゲーム機は、パチンコ球を移動さ
せるための空間を構成する盤面11と、それを一定間隔を
保って覆う表面ガラス体16と、パチンコ球を、盤面11と
ガラス体16とで仕切られる空間内に投射するための投射
機構とを有する。パチンコゲーム機は、その盤面11が、
鉛直方向に実質的に平行となるように、設置される。
盤面11には、案内レール12が設けられている。そし
て、盤面11は、案内レール12の内側がゲーム域をなして
いる。案内レール12は、投射機構で打ち込まれたパチン
コ球を、これに沿って案内して、ゲーム域の鉛直方向の
上方位置(上流部)に送る。
このゲーム域には、パチンコ球がそこに入って盤面11
から排出されると入賞となる、複数個の入賞孔14aと、
上流から下流の間の盤面中央部に設けられ、特別の入賞
状態を実現するための入賞役物装置14bと、これらの入
賞孔14aに入らなかったパチンコ球が最終的に集まっ
て、盤面11から排出される1つの排出孔15とが設けられ
ている。入賞役物装置14bは、パチンコ球が特定の入賞
孔14aに入るたびごとに、その状態が変動して、ある条
件が満たされると、多数のパチンコ球を賞として出す装
置である。例えば、スロットマシンのような回転ドラム
を配置して、入賞ごとにドラムを回転させ、予め定めた
図柄が揃うと、特別の入賞状態となって、多数のパチン
コ球を出す。
また、盤面11のゲーム域には、図7に示すように、盤
面11に沿って落下するパチンコ球Bが頻繁に衝突して、
その運動方向に揺らぎを生ずるように、多数のピン
(釘)13が、パチンコ球Bの直径相当の長さ分、盤面11
から突出した状態で、実質的に垂直に設けられている。
これらのピン13は、上述したような目的で、盤面11上に
分布して配置される。
また、パチンコゲーム機10の前面には、パチンコ球の
打ち出し操作をする打ち出しハンドル33と、賞として払
い出されるパチンコ球を受け取る受け皿34とが設けられ
ている。このハンドル33は、前記投射機構の一部を構成
するものである。
図7に示すように、盤面11を覆っている前面ガラス
は、パチンコゲーム機10の盤面11に沿っており、表面ガ
ラス体16と内側ガラス体17とによる2重構成となってい
る。また、内側ガラス体17は、ガラス基板17aと、この
両面に接着された表面ガラス17b,17cとで構成される。
次に、本発明の金属体検出装置の実施例について、図
面を参照して説明する。
本実施例の金属体検出装置は、図9に示すように、検
出領域が面状の広がりを持ち、金属センサとして機能す
るマトリクスセンサ20と、このマトリクスセンサ20を駆
動して、金属体の存在の検知およびその位置の検出を行
なう信号処理システム170とで構成される。
マトリクスセンサ20は、図8に示すように、複数本の
送信線22と、複数本の受信線26と、これらを支持する基
板とを有する。送信線22は、図1に示すように、並行す
る往路62aと復路62bとを構成する一対の導線62で構成さ
れ。図示していないが、受信線26も同様に、一対の導線
62で構成される。本実施例では、この導線62は、例え
ば、ポリウレタンで絶縁被覆した銅線からなるワイヤで
構成される。一対の導線62は、その往路と復路とが一端
側において接続され、他端側が、信号の入出力端となる
ように構成される。
また、これらの送信線22と受信線26とは、互いに交差
するように配置される。具体的には、例えば、送信線22
が行方向に沿って一定間隔で配列され、受信線26が列方
向に沿って一定間隔で配列される。送信線22と受信線26
とをこのように配置して、検知領域となる各送信線22と
各受信線26との交点がマトリクス状に配置される。な
お、行方向および列方向の配置は、任意であって、いず
れが行であってもよい。
信号処理システム170は、マトリクスセンサ20を駆動
するための送受信手段として機能する送信・受信ボード
171と、この送信・受信ボード171を制御して、検出信号
を受信し、これに基づいて、金属体の有無を判定すると
共に、金属体を検知した位置を検出する処理を行なう信
号処理手段として機能するコントロールボード172とを
有する。
送信・受信ボード171は、後述するように、各送信線2
2に、それらを順次走査して送信信号を送る送信回路40
(図10参照)と、各受信線26を順次走査して、各受信線
の受信信号を順次取り込む受信回路50(図12参照)とを
有する。コントロールボード172は、受信回路50におい
て受信した信号から、金属の有無を判定すると共に、送
信回路40における送信線走査位置を示す情報および受信
回路50における受信線走査位置を示す情報に基づいて、
金属を検知した位置を検出する。また、コントロールボ
ード172は、パチンコ球の存在位置を示す情報を時間的
に蓄積することで、パチンコ球の移動軌跡を求めること
ができる。そして、この移動軌跡から、そのパチンコゲ
ーム機の特性を知ることができると共に、異常な軌跡を
検出して、不正行為が行なわれたか否かを判断すること
ができる。
次に、マトリクスセンサについて、さらに詳細に説明
する。
マトリクスセンサ20は、図7に示すように、盤面11を
覆う2枚のガラス体のうち、内側、すなわち、盤面側に
ある内側ガラス体17内に面状に構成されており、従っ
て、表面ガラス体16と盤面11との間に設けられている。
図8に示すように、マトリクスセンサ20では、複数本
の送信線22が、それらが一方向に並列して内側ガラス体
17のガラス基板17aの片面(表面側の面)に配置して取
付けられている。各送信線22は、ガラス基板17aの端部
でUターンした平行の折り返し状となるようにして、ガ
ラス基板17aに配置される。
また、複数の受信線26も、同様に、これらが一方向に
並列して内側ガラス体17のガラス基板17aの反対面(盤
面11側の面)に配置して取付けられる。各受信線26は、
ガラス基板17aの端部でUターンして平行の折り返し状
となるようにして、ガラス基板17aに配置される。そし
て、これらの送信線22および受信線26の接続部として機
能する送信端子部23および受信端子部27が、パチンコゲ
ーム機に取り付けたときの上下関係で、内側ガラス体17
の下端に集中して配置されている。
各受信線26は、各送信線22と電磁的に結合するよう
に、すなわち、送信線22からの磁束が鎖交するような位
置関係で、各送信線22に対する面平行位置に直角の交差
方向で配置される。内側ガラス体17を基板とする各送信
線22と各受信線26とで、面状のマトリクスセンサ20が構
成されている。
図8に示すように、交差する各送信線22と各受信線26
とにより囲まれる正方形状の各包囲部(検出位置)は、
金属体、本実施例では、パチンコ球を感知する検知単位
20a,20a……をなしている。
内側ガラス体17は、例えば、縦の長さaが367mm±10m
m、横の長さbが367mm±10mmの大きさの四角形状を有す
るガラス基板であって、3.0〜3.5mmの厚さを有してい
る。表面ガラス17b,17cは、ガラス基板17aより縦の長さ
が短く、ガラス基板17aの下端は露出している。
内側ガラス体17は、ガラス基板17aの一面に、送信線2
2を透明接着剤層により張り合わせて配置し、その上を
覆うように表面ガラス17cを透明接着剤層により張り合
わせてある。また、内側ガラス体17は、ガラス基板17a
の他面に、受信線26を透明接着剤層により貼り合わせて
配置し、その上を覆うように表面ガラス17bを透明接着
剤層により貼り合わせて構成される。
図8に示すように、このガラス基板17aの一方の面に
は、その左端部に折返基板19aが、また、右端部には、
L字形状の送信側引回基板19bがそれぞれ設けられる。
また、他方の面には、その上端部に折返基板29aが、ま
た、下端部に引回基板29bがそれぞれ設けられる。
送信線22は、図1および8に示すように、上記折返基
板19aに形成された折返部61と、これら折返部61に半田6
3により結線されたワイヤ62a,62bとよりなる。送信線22
の入出力端は、引き回し配線を介して、送信端子部23に
接続される。送信線22の一端側、すなわち、ワイヤ62a
側は、送信側引回基板19bに形成された引回部64によ
り、送信端子部23の出力端子23aまで引き回されてい
る。また、この送信線22の他端側、すなわち、ワイヤ62
b側は、送信側引回基板19bの表面を覆うシールド層230
を介して送信端子部23のコモン端子23bに接続されてい
る。引回部64は、個別配線であり、シールド層230は、
共通配線である。これらにより、引き回し配線が構成さ
れる。
送信側引回基板19bは、図4に示す絶縁基板220を、図
5に示す表面側シールド層230と、図3に示す下面側シ
ールド層210とではさんで構成される。各層は、絶縁層
となる接着剤を介して貼付けられる。これにより、絶縁
基板220が、二つのシールド層210,230に挟まれて積層さ
れた状態に構成される。ここで、シールド層210,230
は、それぞれ導体シートで構成される。なお、シールド
層210,230は、絶縁シート上に導体層を形成する構成と
してもよい。
絶縁基板220の表面には、図4に示すように、前記引
回部64を送信端子部23とを構成する導電体パターン221
が形成される。なお、各引回部64の一端側には、前記送
信線22のワイヤ62aに対応する位置に配された接続端部6
4aが設けられる。各引回部64の他端側は、前記送信端子
部23を構成する32個の出力端子23aとなっている。ま
た、送信端子部23には、コモン端子23bが形成され、こ
のコモン端子23bは、絶縁基板220の表面に形成された導
通片222を有し、これによりシールド層230とを導通する
ようになっている。
また、上面側のシールド層230には、前記各送信線22
の他端側に対応する位置に接続部231が形成され、図2
に示すように、この接続部231に各送信線22の他端側の
ワイヤ64が半田付けされることによって、各送信線22の
他端側はシールド層230に導通され、さらに前記導通片2
22を介してコモン端子23bに一括接続されている。な
お、ここで、出力端子23aは、後述する送信回路40にお
ける32個のトーテムポールドライバ45の出力にそれぞれ
接続されるもので、コモン端子23bは、送信回路40のコ
モン側(COM)に接続されるものである(図10参照)。
一方、受信線26は、図8に示す如く、折返基板29aに
形成された各折返部61と、これら折返部61に半田付けで
接続されたワイヤ62a,62bとよりなるもので、その下端
部は、ガラス基板17aの他面の下端に接着された引回基
板29bに形成された各引回部64等により受信端子部27に
接続されている。
なお、この受信端子部27にも、後述する受信回路50の
CTトランス51に接続される入力端子と、受信回路50のコ
モン側(COM)に接続されるコモン端子とが形成されて
いる。このため、受信線26の両側をこれら端子にそれぞ
れ接続する必要があるが、これらの接続は、すべて引回
部64により行なってもよいし、あるいは、上記送信線22
のように、コモン側については引回基板29bのシールド
層を介して一括して行なうようにしてもよい。
なお、各ワイヤ62a,62bは、遊技客に目立たなくする
ため、その表面がつや消し処理を施した黒色であり、光
の反射を防ぐようにしている。
また、通常のパチンコゲーム機10に好適なマトリクス
センサ20のパターンは、送信線22が32行、受信線26が32
列で、検知単位20aの個数が合計1024個のパターンであ
り、本実施例は、この32行、受信線26が32列の場合を例
示している。なお、図8では、外側以外のパターンを省
略して図示している。
送信線22,受信線26を構成するワイヤの太さは、好適
に25μm〜20μmの値に設定される。本実施例の場合、
図8に示すように、送信端子部23および受信端子部27の
全体の幅c,dは、それぞれ126mmであり、また、送信側折
返基板19aおよび送信側引回基板19bの縦方向に伸びる部
分の幅e,fは、それぞれ10mm以下に形成される。また、
送信端子部23および受信端子部27のそれぞれ1本の幅
は、1.5mmである。
また、マトリクスセンサ20には、ガラス基板17aの下
端部に、コネクタ取付板66が設けられている。コネクタ
取付板66は、ガラス基板17aの下端を両側から挟んで、
内側ガラス体17に一体的に固定されている。コネクタ取
付板66は、プラスチックまたはステンレス製であって、
内側ガラス体17の幅でそれに沿って下方に延び、マトリ
クスセンサ20の内側ガラス体17の延長面上にある。
コネクタ取付板66には、図5に示すように、前述の送
信端子部23および受信端子部27に対応する位置に,送信
コネクタ67aと受信コネクタ67bとが固定され、これらコ
ネクタを介して、前記した送信端子部23および受信端子
部27の各端子が、対応する送信回路40および受信回路50
に接続されている。
なお、コネクタ取付板66の部分は、送信コネクタ67a
と受信コネクタ67bとを備えた位置で最も厚くなってい
る。一方、送信コネクタ67aと受信コネクタ67bは、低背
型であり、コネクタ取付板66の最も厚い部分の厚さは、
マトリクスセンサ20の内側ガラス体17と同じか、やや薄
くなっている。
そして、このコネクタ取付板66の表面ガラス体16側に
は、送信コネクタ67aおよび受信コネクタ67bにそれぞれ
接続された送信・受信ボード171(図9参照)が配置さ
れている。送信・受信ボード171は、マトリクスセンサ2
0の複数の送信線22へ送信する送信回路40(図10参照)
と、複数の受信線26から受信する受信回路50(図12参
照)と、送信コネクタ67aおよび受信コネクタ67bとそれ
ぞれ接続する接合コネクタ(図示略)とを有するもので
ある。
ここで、接合コネクタは、送信コネクタ67aおよび受
信コネクタ67bに対応して接続されることにより、送信
端子部23を送信回路40に接続し、受信端子部27を受信回
路50に接続するものである。
次に、マトリクスセンサ20の信号処理を行なう信号処
理システムを説明する。
図9に示すように、マトリクスセンサ20は、送信・受
信ボード171を介してマトリクスセンサ20と離間して配
置されるコントロールボード172の制御下にある。コン
トロールボード172は、情報処理装置30(図13に示す)
を有し、通信回線179で通信可能となっている。また、
コントロールボード172は、情報処理装置30がカード173
から監視ポイントを読込むためのインターフェース部17
6を有している。情報処理装置30は、図示していない
が、中央処理ユニット(CPU)と、そのプログラムおよ
びデータを記憶するためのメモリとを少なくとも有す
る。
カード173は、パチンコ球の監視ポイントを読出し可
能に記憶し、インターフェース部176に着脱可能な監視
メモリのメモリカードである。カード173は、パチンコ
ゲーム機10の盤面11に設けられた入賞孔14a,14a…およ
びゲーム域に投射されたパチンコ球の検出位置や排出孔
15の位置のデータや、入賞孔14a,14a…および排出孔15
に入るパチンコ球の検出アルゴリズム等が監視データと
して記録されている。なお、カードに搭載されるメモリ
としては、RAM、マスクROM、EPROM、ワンシヨットROM等
を用いることができる。
コントロールボード172に接続されている記憶装置174
は、パチンコゲーム機10の盤面11と内側ガラス体17との
間で動き回るパチンコ球の軌跡を記録するための装置で
ある。この記憶装置174は、例えば、ハードディスク型
記憶装置により構成できる。この記憶装置174に記録さ
れたデータは、パチンコ球の軌跡を解析するためのソフ
トウェアを組み込んだコンピュータ175にかけられて演
算処理され、パチンコ遊技場で必要なデータを得ること
ができる。
前記送信回路40は、各送信線22に所定の周波数の信号
を順次送信する回路である。前記受信回路50は、送信回
路40と同期して各受信線26から信号を順次受信する回路
である。送信回路40による送信線22への電圧波形として
は、周波数1〜1.3MHzの0Vを中心とした連続のサイン波
が好適である。
送信回路40は、図10に示すように、送信コネクタ41
と、送信コネクタ41に接続した増幅器42およびチャンネ
ル切替ロジック43と、増幅器42およびチャンネル切替ロ
ジック43に接続したアナログマルチプレクサ44と、アナ
ログマルチプレクサ44に接続するとともに、送信コネク
タ67aを介して前記32回路の送信線22の一端側にそれぞ
れ接続した32個のPNP+NPNのトーテムポールドライバ45
とにより構成されている。
チャンネル切替ロジック43は、図11に示すように、カ
ウンタIC43aを有し、クロック用とリセット用との2本
の制御線で動作するものである。具体的には、後述する
チャンネル切替ロジック54によるアナログマルチプレク
サ52の切り換えが一巡するタイミングで、アナログマル
チプレクサ44の接続状態を順次切り替えるもので、チャ
ンネル切替ロジック54と同期して動作するものである。
受信回路50は、図12に示すように、受信コネクタ67b
を介して前記32回路の受信線26にそれぞれ接続した32個
のCT(変流器)51と、CT51に接続したアナログマルチプ
レクサ52と、アナログマルチプレクサ52に接続した増幅
器53およびチャンネル切替ロジック54と、増幅器53およ
びチャンネル切替ロジック54に接続した受信コネクタ55
とにより構成されている。従って、受信回路50は、各CT
51を介して各受信線26から信号を受信するようになって
いる。
CT51は、各受信線26とアナログマルチプレクサ52とを
絶縁するとともに、各受信線26からの信号電流をを10倍
の大きさに変換するものである。アナログマルチプレク
サ52は、チャンネル切替ロジック54の指令に基づき、各
CT51から信号を順次受信するものである。増幅器53は、
アナログマルチプレクサ52からの信号を増幅するもので
ある。
チャンネル切替ロジック54は、送信回路40のチャンネ
ル切替ロジック43と同様の要素である。この場合、シー
ケンス制御回路47から出力されるクロック信号に基づく
スキャンニング周期毎にアナログマルチプレクサ52の入
力切替状態を変化させるものである。
図13に示すように、コントロールボード172は、情報
処理装置30を有し、その送信側には、CPUコネクタ46を
介して情報処理装置30から入力されるスタート信号に応
じて送信クロックを送るシーケンス制御回路47と、この
送信クロックを受けて送信信号を出力するバンドパスフ
ィルタ48と、送信信号を増幅して送信コネクタ41へ送る
増幅器49とを有している。
また、コントロールボード172の受信側には、受信コ
ネクタ55からの受信信号を増幅する増幅器71と、増幅信
号を受けるバンドパスフィルタ72と、バンドパスフィル
タ72からの受信信号を受ける全波整流・増幅器73と、全
波整流・増幅器73からの受信信号を受ける2段のローパ
スフィルタ74a,74bと、ローパスフィルタ74bからの受信
信号を受け、シーケンス制御回路47により制御されてこ
の受信信号をデジタルデータに変換して出力するA/Dコ
ンバータ75と、シーケンス制御回路47により制御されて
このデジタルデータを書込み、CPUコネクタ46からの読
出信号に応じてこのデータをCPUコネクタ46を介して情
報処理装置30に送る双方向RAM76とを有している。
なお、コントロールボード172は、電源ユニット77を
有している。また、双方向RAM76の容量は、例えば、204
8バイトである。
情報処理装置30は、カード173の監視領域データを読
み込むとともに、双方向RAM76の反応データZを読込
み、反応データZをパチンコ球の監視領域データと対応
させてパチンコ球を監視するようになっている。
次に、本実施例の作用について説明する。
情報処理装置30からのアドレス信号およびコントロー
ル信号は、CPUコネクタ46を経て出力される。処理フロ
ーを図14に示す。
情報処理装置30からシーケンス制御回路47にスタート
信号が送信されると、シーケンス制御回路47が、16MHz
の原振クロックを必要なクロック周波数に応じて分周し
て、送信クロックを生成して、出力する。シーケンス制
御回路47からの送信クロックは、バンドパスフィルタ48
によりデジタル信号からアナログ信号へと波形整形され
た後、増幅器49により増幅され、送信コネクタ41へと送
られる。
さらに、送信信号は、送信回路40で増幅器42により増
幅される。アナログマルチプレクサ44は、チャンネル切
替ロジック43により切替えられたチャンネルで、トーテ
ムポールドライバ45を順次動作し、それにより、トーテ
ムポールドライバ45は、増幅器42により増幅された信号
を送信線22に順次出力する(ステップ91)。
すると、信号が送信された送信線22と交差する各受信
線26には、電磁誘導作用により起電力が発生する。この
とき、金属であるパチンコ球が検知単位20aに接近する
と、パチンコ球には、送信線22による磁速を打ち消す方
向に渦電流が発生する。このため、この渦電流の影響
で、その検知単位20aでは、受信線26の起電力(誘導電
流)の大きさが変化する。
受信側では、受信回路50は、シーケンス制御回路47に
より送信回路40と同期し、各CT51を介して各受信線26か
ら信号を受信する。図12に示すように、複数の受信線26
にあらわれる誘導電流が、CT51により10倍の大きさに変
換される。CT51により変換を行なうため、それだけ受信
側の増幅器の増幅度を大きくする必要がなくなる。CT51
は、金属センサを構成するマトリクスセンサ20の各受信
線26と受信回路50のアナログマルチプレクサ52とを絶縁
させ、パチンコゲーム機10から受信回路50にノイズが入
るのを防止する。
アナログマルチプレクサ52は、CT51を経た各受信線26
からの信号を、チャンネル切替ロジック54により切替
え、順次出力する。アナログマルチプレクサ52からの信
号は、増幅器53により100倍に増幅される(ステップ9
2)。
受信信号は、受信コネクタ55、増幅器71、バンドパス
フィルタ72を経て、増幅および検波が行なわれる。バン
ドパスフィルタ72からの受信信号は、アナログ信号とな
っており、このアナログ信号は、全波整流・増幅器73で
波形整形が行なわれる。その全波整流・増幅器73からの
信号は、ローパスフィルタ74a,74bで積分処理により平
均化が行なわれる。
次に、受信信号は、A/Dコンバータ75に送られる。A/D
コンバータ75は、例えば、12ビット等の所定のビット単
位で受信線26からの信号をデジタル信号に変換し、シー
ケンス制御回路47により制御されて、変換後の信号(検
知データ)を出力し、双方向RAM76に登録する(ステッ
プ93)。
すなわち、双方向RAM76は、シーケンス制御回路47か
らの書込信号により、情報処理装置30の動作とは無関係
に検知データを記録した後、シーケンス制御回路47が出
力するクロック信号に基づくスキャンニング周期毎(例
えば、1クロック毎)に、アドレスを+1アップして
(ステップ94)、検知データを検知単位20a毎に異なる
アドレスに登録する。
そして、以上の動作は、前記スキャニング周期毎に繰
返し行なわれる。すなわち、前記スキャニング周期毎
に、受信回路50のアナログマルチプレクサ52が各受信線
26からの信号を切替え(ステップ95)、32本の受信線26
について32回の上記動作を行なう。これが完了すると
(ステップ96)、その時点で、送信回路40のアナログマ
ルチプレクサ44が送信線22を切替え(ステップ97参
照)、再び同様の処理が32回繰返されて、順次各検知単
位20aについての検知データが双方向RAM76の異なるアド
レスに検知単位20aと対応付けられて登録される。
したがって、情報処理装置30は、双方向RAM76に登録
された検知データを読出すことで、上記検出信号処理動
作とは独立して、どの時点でどの位置(検知単位20a)
にパチンコ球が存在していたかを、随時,任意の検索条
件で判断することができる。
このため、情報処理装置30は、必要に応じて読出スタ
ート信号により双方向RAM76に記録された前記検知デー
タを読込み、演算処理を行ない、検知データをカード17
3に記憶されるパチンコ球の監視データと対応させてパ
チンコ球を監視することができる。
そして、本実施例のマトリクスセンサであると、コモ
ン側に接続する送信線22の他端側が、各引回部64を挟み
込むシールド層にそれぞれ結線され、このシールド層を
介して送信端子部23のコモン端子に一括して接続されて
いる。このため、引回部64における線数は、各送信線22
の数(この場合32本)となり、従来(64本)の半分にな
る。同様に、受信線26の他端側が、各引回部64を挟み込
むシールド層にそれぞれ結線され、このシールド層を介
して受信端子部27のコモン端子に一括して接続されてい
る。このため、引回部64における線数は、受信線26の数
(この場合32本)となり、従来(64本)の半分になる。
このため、引回部64の線幅を従来通りに維持すれば、
この引回部64の配置面積(引回基板の大きさ)を格段に
小さくして、金属センサの検出部(マトリクスセンサ2
0)の小型化あるいは低コスト化を図ることができると
いう効果がある。
引回部64の配置面積は、従来と同様か若干小さくする
程度としたとしても、引回部64の線幅を格段に大きくす
ることができる。例えば、絶縁幅が半減するので、単に
2倍ではなく、最大約3倍程度大幅にすることができ
る。このため、送信電流を増加させて、検出感度(耐ノ
イズ性)を向上させることができる。
以下、この検出感度(耐ノイズ性)向上の効果を示す
実験結果を、図15および図16に示すグラフにより説明す
る。
図15,16に示すグラフは、横軸に、パチンコ球がその
検出位置に有るときと無いときの前記A/Dコンバータ75
の出力値の差をとり、縦軸に、パチンコ球とマトリクス
センサ20との距離(パチンコ球の高さ)をとったもので
ある。16番目の送信線22と、それぞれ2,9,16,23,30番目
の受信線(図においては、RX2〜30で示す)とが交差す
る検出位置についてのデータを示している。
まず、図16は、送信線の数の2倍の線数の引き回し配
線を有するマトリクスセンサ(送信線の引回部の線幅は
0.125mm)についてのデータである。この場合、パチン
コ球の高さが大きくなるにつれ、ほとんどの検出位置に
ついても、図において点線で示す判定不能領域内に入っ
てしまう。特に、2番目の受信線RX2は、パチンコ球の
高さが僅かにあるだけで判定不能領域内に入ってしまっ
ている。なお、判定不能領域とは、ノイズあるいは信号
のリップル分等により、実際にはパチンコ球が存在しな
いのに、A/Dコンバータ75の出力値の変化として表われ
る、微少な値の範囲である。
ところが、図15は、本発明を適用したマトリクスセン
サ(送信線の引回部の線幅は0.35mm)に、上記図16の場
合と同じ送信電圧を印加したものであるが、引回部の電
気抵抗が減少して、電流が増加しているために、パチン
コ球の高さが大きくなっても、ほとんどどの検出位置が
判定不能領域内に入っていない。2番目の受信線RX2に
ついても、かなりの玉の高さになるまで判定不能領域内
に入っておらず、格段に改善されている。
なお、上記実施例においては、引回基板の上面側シー
ルド層230を介してコモン側を一括接続する例を示した
が、下面側シールド層210を介して一括接続するように
してもよい。
本発明にかかるマトリクスセンサは、送信線あるいは
受信線を送信端子部あるいは受信端子部に接続するため
の引回部における線数は、従来の半分になる。このた
め、引回部の線幅を従来通りに維持すれば、この引回部
の配置面積を格段に小さくして、金属センサの小型化あ
るいは低コスト化を図ることができるという効果があ
る。
また、引回部の配置面積は、従来と同様か若干小さく
する程度としたとしても、引回部の線幅を格段に大きく
することができるので、送信電流を増加させて検出感度
(耐ノイズ性)を向上させることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出領域が面状の広がりを持つ、マトリク
    スセンサと、このマトリクスセンサを駆動して、金属体
    の存在およびその位置の検出を行なう信号処理システム
    とを備え、 マトリクスセンサは、並列される複数本の送信線と、並
    列される複数本の受信線と、これらを支持する基板とを
    有し、かつ、並列される複数本の送信線と、並列される
    複数本の受信線とは、互いに交叉して、それらの交叉部
    が、マトリクス状に配列されるように、基板上に配置さ
    れる金属体検出装置において、 信号処理システムは、各送信線に、それらを順次走査し
    て送信信号を送る送信回路と、各受信線を順次走査し
    て、各受信線の受信信号を順次取り込む受信回路と、受
    信回路において受信した信号から、金属の有無を判定す
    ると共に、送信回路における送信線走査位置を示す情報
    および受信回路における受信線走査位置を示す情報に基
    づいて、金属を検知した位置を検出する信号処理装置と
    を有し、 各送信線と、各受信線とは、それぞれ並行する往路と復
    路とを構成する一対の導線で構成され、 各一対の導線は、その往路と復路とが一端側が接続さ
    れ、他端側が、信号の入出力端となるように構成され、 基板は、送信回路と接続するための送信端子部と、受信
    回路と接続するための受信端子部と、送信線および受信
    線が配線される領域とを有し、かつ、その領域以外の部
    分に、送信線の入出力端と送信端子部とを結ぶ送信線用
    引き回し配線を行うための送信側引回基板と、受信線の
    入出力端と受信端子部とを結ぶ受信線用引き回し配線を
    行うための受信側引回基板と、上記各一対の導線の往路
    と復路の一端側を接続して、導線を折り返すための折返
    基板とを有し、 送信側引回基板および受信側引回基板のうち少なくとも
    一方の引回基板は、各一対の導線の往路用および復路用
    の入出力端のいずれか一方について設けられる個別的配
    線と、他方に付いて設けられる共通配線と、絶縁基板
    と、この両面に、それぞれ絶縁物を介して積層されるシ
    ールド層とを有し、 上記折返基板は、対をなす往路の導線と復路の導線とが
    接続されて、信号を往路から復路に伝達する折返部を有
    すること を特徴とする金属体検出装置。
  2. 【請求項2】並列される複数本の送信線と、並列される
    複数本の受信線と、これらを支持する基板とを有し、か
    つ、並列される複数本の送信線と、並列される複数本の
    受信線とは、互いに交叉して、それらの交叉部が、マト
    リクス状に配列されるように、基板上に配置され、外部
    の駆動回路から送信線に送信信号が供給されると、これ
    と交叉する受信線から誘導電流を出力する、金属体検知
    用のマトリクスセンサにおいて、 各送信線と、各受信線とは、それぞれ並行する往路と復
    路とを構成する一対の導線で構成され、 各一対の導線は、その往路と復路とが一端側が接続さ
    れ、他端側が、信号の入出力端となるように構成され、 基板は、送信回路と接続するための送信端子部と、受信
    回路と接続するための受信端子部と、送信線および受信
    線が配線される領域とを有し、かつ、その領域以外の部
    分に、送信線の入出力端と送信端子部とを結ぶ送信線用
    引き回し配線を行うための送信側引回基板と、受信線の
    入出力端と受信端子部とを結ぶ受信線用引き回し配線を
    行うための受信側引回基板と、各一対の導線の往路と復
    路の一端側を接続して、導線を折り返すための折返基板
    とを有し、 送信側引回基板および受信側引回基板のうち少なくとも
    一方の引回基板は、各一対の導線の往路用および復路用
    の入出力端のいずれか一方について設けられる個別的配
    線と、他方について設けられる共通配線と、これらの配
    線を支持する絶縁基板と、この絶縁基板の両面側に、そ
    れぞれ絶縁物を介して積層されるシールド層とを有し、 上記折返基板は、対をなす往路の導線と復路の導線とが
    接続されて、信号を往路から復路に伝達する折返部を有
    すること を特徴とするマトリクスセンサ。
  3. 【請求項3】請求項2記載のマトリクスセンサにおい
    て、 送信端部および受信端部は、基板の同一の辺に設けら
    れ、 前記少なくとも一方の引回基板は、この辺と平行に配置
    される導線の入出力端と、送信端部および受信端部のう
    ちいずれか一方とを接続するための引回基板である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6326720A (ja) * 1986-07-18 1988-02-04 Nippon Denki Shijiyou Kaihatsu Kk 周波数結合位置検出装置
JPH02279186A (ja) * 1989-04-20 1990-11-15 Ace Denken:Kk パチンコゲーム機およびパチンコ玉の検知装置

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