JP2533717B2 - 骨塩量測定装置 - Google Patents

骨塩量測定装置

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JP2533717B2
JP2533717B2 JP4162961A JP16296192A JP2533717B2 JP 2533717 B2 JP2533717 B2 JP 2533717B2 JP 4162961 A JP4162961 A JP 4162961A JP 16296192 A JP16296192 A JP 16296192A JP 2533717 B2 JP2533717 B2 JP 2533717B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線の照射により被検
体(主に人体)中の骨塩量を測定する骨塩量測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】骨中におけるカルシウムなどのミネラル
成分(骨塩)の量を測定する骨塩量測定装置が知られて
おり、骨粗鬆症診断などに用いられている。
【0003】従来の一般的な骨塩量測定装置は、X線を
発生するX線発生装置と、生体を透過したX線を検出す
るX線検出装置と、その検出データを解析して骨塩量を
求める演算部と、で構成される。
【0004】ここで、生体は大別して、それぞれX線吸
収率の異なる「骨」と「軟組織」とで構成されており、
計測されたデータには、骨に関するデータと軟組織に関
するデータとが含まれている。このため、周知のよう
に、従来の骨塩量測定装置においては、エネルギーが異
なる2つのX線を順次あるいは同時に照射して、得られ
た2種類のデータから、骨塩量が解析されている(例え
ば特開平2−278974、又はUSP5,020,0
85参照)。なお、生体のX線照射部位を、軟組織と同
等のX線吸収率をもつ水の袋により一定の厚みで包ん
で、強エネルギー照射及び弱エネルギー照射の2つの照
射を行わず、1つのエネルギーでX線照射を行う骨塩量
測定方法も知られている。
【0005】従来の骨塩量測定装置において、X線検出
装置は単一のX線検出器で構成されていた。しかし検査
時間を著しく短縮するためには一次元又は二次元に配列
された複数(例えば90個)のX線検出器(例えば、半
導体検出器)で構成されたX線検出装置を使用する必要
が生じる。しかしながら、これを実現するためには、各
X線検出器の感度(計数率)が、製造上の問題、経時変
化、温湿度変化等の諸要因により、変動することを配慮
しなければならない。このことが今まで複数のX線検出
器で構成されたX線検出装置の骨塩量測定装置への導入
を阻む大きな要因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に、
パルス検出方式のX線検出器は、有効に検出できるX線
強度に一定の制約があり、X線の強度が一定値以上大き
くなると、パルス分離ができなくなり、カウントの数え
落としという検出誤差が生じる。つまり、ある一定値
(“数え落とししきい強度”)以上、X線の強度が大き
くなると、次第に、真の計数率から実際の計数率がず
れ、計数限界付近では、計数率が大幅に低下する特性を
有する。
【0007】ちなみに、照射X線強度を“数え落としし
きい値強度”以下に低くすることも考えられるが、その
場合は、測定精度が低くなるという結果を招く。要する
に、生体に必要以上の影響を与えることがない限りにお
いて、できるだけX線の強度は高めておく必要がある。
【0008】一方、各X線検出器は、厳密な意味におい
て検出感度は均一でない。ゆえに、上述した高い強度の
X線を検出する際の誤差(数え落とし誤差)も、均一で
はなく、各X線検出器間でばらつきがある。そこで、高
精度の骨塩量測定を行うにあたっては、各X線検出器に
ついて検出誤差の補正を個別に行う必要がある。
【0009】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、X線検出器における数え落とし
誤差の問題を解消でき、しかも各X線検出器間の特性の
相違に起因する問題を解消できる骨塩量測定装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の骨塩量測定装置は、X線検出装置で
の計数率に対する補正係数を予め求める準備工程と、被
検体にX線を照射して実測計数率を得る実測照射工程
と、計数率補正が必要な場合に前記補正係数を用いて前
記実測計数率を補正する補正工程と、前記実測計数率に
基づいて骨塩量を演算する骨塩量演算工程と、が実行さ
れる骨塩量測定装置であって、X線発生装置とX線検出
装置との間に、数え落とししきい強度以下にX線を減弱
する減弱フィルタを挿入してX線照射を行い、減弱エア
計数率を得る減弱照射手段と、前記X線発生装置と前記
X線検出装置との間に何も介在させないでX線の照射を
行って実測エア計数率を得るエア照射手段と、前記減弱
エア計数率を基礎として算出される推定エア計数率と、
前記実測エア計数率との比であるエア最適補正係数に基
づいて、各計数率に対する最適補正係数を算出する補正
係数算出手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】また、請求項4記載の骨塩量測定装置は、
X線を発生するX線発生装置と、X線を検出するX線検
出装置と、前記X線検出装置で得られる実測計数率から
骨塩量を演算する演算装置と、前記X線発生装置と前記
X線検出装置との間に挿入されるX線フィルタであっ
て、前記X線発生装置からのX線を前記X線検出装置に
ついての数え落とししきい強度以下に減弱する減弱フィ
ルタと、被検体へのX線実測照射の前に行われる減弱照
射の際に、前記X線発生装置と前記X線検出装置との間
のX線ビーム経路に、前記X線減弱フィルタを挿入する
フィルタ移動装置と、前記減弱照射で得られた減弱計数
率を基礎として、補正係数を演算する補正係数演算演算
装置と、を含むことを特徴とする。
【0012】
【作用】上記構成によれば、減弱照射手段によって、減
弱フィルタを介在させて減弱エア計数率が求められる。
この減弱エア計数率は、理論上、数え落とし誤差を含有
しないものである。すなわち、減弱フィルタは、X線発
生装置からのX線を、X線検出装置での数え落とししき
い強度以下に減弱するものであり、減弱エア計数率は、
そのときのX線強度での真の計数率を示すものである。
【0013】そして、エア照射工程では、実測エア計数
率が求められる。このエア計数率は、数え落とし誤差を
含有すると推測されるものである。
【0014】ゆえに、前記減弱エア計数率を基礎として
算出される推定エア計数率は、減弱のないエア照射での
真の計数率に近いものとなり、その推定エア計数率と実
測エア計数率との比であるエア最適補正係数は、数え落
とし誤差の大きさを示す。よって、エア最適補正係数に
よって、誤差の程度がわかるので、それから実際の最適
な補正係数が算出される。
【0015】なお、その最適補正係数を各X線検出器毎
に求めれば、検出器間のばらつきを排除できる。その際
に、数え落とし標準補正曲線を予め用意しておけば、そ
の補正曲線を各検出器のエア最適補正係数に基づき修正
して、各検出器について各計数率での最適補正係数を簡
単に求めることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0017】まず、図1を用いて、本発明に係る骨塩量
測定方法について説明する。
【0018】図1において、(A)には、減弱照射工程
が示されている。X線発生装置10で発生したX線は、
コリメータ14にてビーム集束がなされた後、減弱フィ
ルタ16を透過して、X線ビーム18となってX線検出
装置12にて検出される。
【0019】ここで、減弱フィルタ16は、その減弱率
が既知のものであり、X線検出装置12における数え落
とししきい強度以下にX線を減弱するものである。この
減弱フィルタ16は、例えば1cmの厚みをもったアルミ
ニウム板などで構成される。X線検出装置12は、この
例において、例えば90個のX線検出器12aを一次元
的にあるいは二次元的に配列したものである。X線検出
器12aとしては、例えば半導体検出器が用いられる。
【0020】図示されるように、本実施例では、コリメ
ータ14によってファンビーム形状のX線ビーム18が
得られている。
【0021】このように、減弱フィルタ16を介在させ
て、減弱照射を行うことによって、数え落とし誤差を含
有しない「減弱エア計数率」CABSiを得ることができ
る。ここで、添字iは、X線検出器12aの番号i番目
を示している。
【0022】次に、(B)に示すエア照射工程では、
(A)に示した減弱照射工程で挿入された減弱フィルタ
16が引き出され、何も介在させないで、X線の照射が
行われる。すなわち、空気層を透過したX線の強度が
「実測エア計数率」CAIRiとして計数される。
【0023】一方、前記減弱エア計数率CABSiを基礎と
して後に詳述するように、「推定エア計数率」CTRUEi
が算出される。
【0024】以上の後に、図1(C)に示す実測照射工
程が実行される。すなわち、X線発生装置10とX線検
出装置12との間に被検体20が入れられ、X線の照射
により実測計数率Ci が求められる。この実測計数率C
i に対して、最適補正係数γi が乗算され、数え落とし
誤差が補正排除された後、実際に被検体20の骨塩量が
演算される。なお、実測照射工程(C)では、原則とし
て、高エネルギーX線の照射及び低エネルギーX線の照
射が行われ、それらの2つの照射により得られた2種類
の計数率から、生体中の軟組織に関するデータを分離し
つつ骨塩量が演算される。もちろん、高エネルギーX線
及び低エネルギーX線を同時に照射する場合もある。
【0025】以上概説した本発明に係る骨塩量測定方法
の原理について更に詳述する。
【0026】図2には、各検出器iについての計数率C
がグラフとして示されている。
【0027】図1(A)に示した減弱照射工程で実際に
得られた減弱エア弱計数率CABSiは、図示されるよう
に、減弱フィルタ16の作用により数え落とし誤差が発
生すると予想されるしきい値CK 以下にされている。こ
こで、各検出器12aの感度には、ばらつきがあるた
め、各減弱計数率CABSiは均一ではない。
【0028】図2に示される実測エア計数率CAIRiは、
図1(B)に示したエア照射工程で実際に得られたもの
であり、これは数え落とし誤差を含んでいるものと予想
される。
【0029】一方、図2に示される推定エア計数率C
TRUEi は、減弱計数率CABSiに対して所定の推定演算用
の定数αを乗算したものである。具体的には、次の第1
式の計算により推定エア計数率CTRUEi が算出される。
【0030】 CTRUEi =CABSi×α …(1) したがって、推定エア計数率CTRUEi は、数え落とし誤
差のない計数率CABSiを基礎として算出された、真の計
数率に近いものと推定される。
【0031】そして、この推定エア計数率CTRUEi と実
測エア計数率CAIRiとの差分100は、数え落とし誤差
に相当する計数率の大きさを示すものと考えられる。
【0032】したがって、概念的には、これらの推定エ
ア計数率CTRUEi と実測エア計数率CAIRiとの比γBi
よって「エア最適補正係数」が得られることが理解され
る。なお、図2から理解されるように、各X線検出器1
2a毎にエア最適補正係数γBiが算出される。
【0033】上述した推定演算定数αは、X線発生装置
10で発生されるX線の強度、及び減弱フィルタ16の
減弱率、から算出されるX線検出装置12上でのX線強
度に基づき、予め実験などにより求められるものであっ
て、このαの求め方については後に詳述する。
【0034】図3には、各計数率に対する補正係数γの
値を表した標準補正曲線F(C)が示されている。この
標準補正曲線F(C)は、予め実験などにより本実施例
では1つのみ求められており、各検出器についての個別
補正曲線F´i (C)は、標準補正曲線F(c)を修正
することにより求められる。これを具体的に説明する。
【0035】まず、実測エア計数率CAIRiでのエア標準
補正係数γAiは、次の第2式により算出される。
【0036】 γAi=F(CAIRi) …(2) つまり、標準補正曲線F(C)に実測エア計数率CAIRi
を代入することによってエア標準補正係数γAiが求ま
る。しかし、長期的な使用によりあるいは温湿度変動な
どにより、X線検出器の感度は変化するものであり、必
ずしも数え落とし誤差を排除するための真の補正曲線
は、標準補正曲線と合致しない。そこで、次のように個
別補正曲線F´i (C)が求められる。
【0037】すなわち、実測エア計数率CAIRiでのエア
最適補正係数γBiは、具体的には次の第3式で算出され
る。
【0038】 γBi=CTRUEi /CAIRi …(3) このように、実測エア計数率CAIRiでの、予め想定され
た標準的なエア標準補正係数γAiと、エア最適補正係数
γBiと、を求めて、曲線最適化係数δi を次のように定
義する。
【0039】 δi =(γBi−1)/(γAi−1) …(4) この比例係数δi が示す比で、しきい値CK 以上につい
て標準補正曲線F(C)を上方あるいは下方に移動させ
れば、個別補正曲線F´i (C)が求まる。
【0040】以上のように、個別補正曲線F´i (C)
が求まれば、実測照射を行って得られた実測計数率Ci
をその曲線に対応させれば、最適補正係数γi を瞬時に
読み取ることが可能となる。
【0041】もちろん、予め各X線検出器について個別
の補正曲線を用意することもできるが、その補正曲線を
すべて格納する記憶領域が必要となると共に、演算が煩
雑になるというデメリットがある。
【0042】次に、本発明に係る骨塩量測定装置につい
て説明する。図4には、本発明に係る骨塩量測定装置の
全体構成がブロック図で示されている。各演算器は、基
本的に、上述した各演算に対応するものであり、以下に
詳述する。
【0043】第1演算器22では、減弱照射工程で得ら
れる減弱エア計数率CABSiが入力され、上記第1式の計
算が実行されて推定エア計数率CTRUEi が算出される。
なお、 そして、その推定エア計数率CTRUEi は、第1
メモリ24に一旦格納された後、読み出されて第2演算
器26及び第4演算器28に送られている。なお、第2
メモリ23には、推定演算用の定数αが格納されてい
る。
【0044】第2演算器26には、エア照射工程で得ら
れた実測エア計数率CAIRiが入力され、上述した標準補
正曲線F(C)を修正するための曲線最適化係数δiが
算出されている。具体的には、以下の第5式が計算され
ている。
【0045】 δi =(CTRUEi /CAIRi−1)/F(CAIRi)−1 …(5) すなわち、この第5式により、エア最適補正係数γBi
基礎として、それとエア標準補正係数γAiとの比から、
曲線最適化係数δi が算出されている。そして、その曲
線最適化係数は、第4メモリ30に一旦格納された後、
第3演算器32に送出されている。なお、第3メモリ3
4には、標準補正曲線F(C)が1つのみ格納され、第
2演算器26及び第3演算器32によって読み出されて
いる。
【0046】第3演算器32は、補正の必要性を判断し
て、補正が必要と判断される場合には、修正された個別
補正曲線F´i (C)を求めると同時に、実測計数率C
i に対しその個別補正曲線から特定される最適補正係数
γi を乗算している。
【0047】すなわち、第3演算器において、実測計数
率Ci がしきい値CK より小さい場合、すなわち数え落
とし誤差が含まれないと判断される場合には、新たな実
測計数率C´i として、入力されたCi がそのまま出力
される。
【0048】一方、実測計数率Ci がしきい値CK 以上
の場合には、次の第6式が計算される。
【0049】 C´i ={(F(Ci )−1)×δi +1}×Ci …(6) ここで第6式を、図3に従い説明する。
【0050】実測計数率Ci の時の標準補正曲線F
(C)上の点P1での補正係数γ(P1)を読取ったとき、
これがF(Ci)である。
【0051】一方、個別補正曲線F´i(C)上のP2での
補正係数γ(P2)を求めると、図3のグラフ上で、γ=
1.0より上ではγ(P1)とγ(P2)との比は、ほぼγAi
γBiとの比に等しい。
【0052】よって次の式が導かれる。
【0053】 (γ(P2)−1)/(γ(P1)−1)=(γ(P2)−1)/(F(Ci)−1)=δ1 これを変形すると γ(P2)−1=δi (F(Ci)−1) 更に変形すると γ(P2)=δi (F(Ci)−1)+1 となり、これを最適補正係数γi と呼ぶ。そして実測計
数率Ci に乗ずると補正後の実測計数率C´i を算出す
る第6式となる。
【0054】 C´i =γi ×Ci ={(F(Ci)−1)γi +1}×Ci 以上のように、この第3演算器32で、補正係数が乗算
された新たな実測計数率C´i が求められ、第4演算器
28に送出されている。
【0055】コントローラ34は、各演算器22,2
6,32の制御を行うと共に、各メモリの書込み読出し
制御を行っている。また、コントローラ34は、X線発
生装置10とX線検出装置12との間に減弱フィルタ1
6を挿入し又は引き出すフィルタ移動装置36を制御し
ている。
【0056】第4演算器28は、補正が行われた実測計
数率C´i に基づき、従来同様の演算手法によって、骨
塩量の演算を行うものである。
【0057】次に、本実施例の骨塩量測定方法により減
弱照射を行ってから実際に骨塩量の表示を行うまでの一
連の工程について、更に詳述する。
【0058】図5において、S101では、フィルタ移
動装置36によって、X線発生装置10とX線検出装置
12との間に減弱フィルタ16が挿入される。S102
では、減弱照射が実行され、減弱計数率CABSiが求ま
る。S103では、挿入された減弱フィルタが引き出さ
れる。そして、S104では、減弱計数率CABSiから真
の計数率CTRUEが推定される。その後、S105で、エ
ア照射が実行され、実測エア計数率CAIRiが求まる。
【0059】S106では、標準補正曲線F(C)に基
づき、標準エア補正係数γAiが算出され、S107で
は、エア最適補正係数γBiが算出される。
【0060】そして、S108では、曲線最適化係数δ
i が算出され、この結果に基づいて、S109では、最
適補正係数γi が演算されることになる。
【0061】なお、S106〜S108の演算は、第2
演算器26の演算に対応する。そして、S109の演算
と、後述するS112の演算は、第3演算器32の演算
に相当する。ちなみに、S101〜S109までの各工
程が準備工程と定義付けられる。
【0062】S110では、被検体を介在させて実測照
射が実行される。
【0063】そして、S111では、実測計数率Ci
しきい値CK より大きいか、すなわち数え落とし誤差の
発生可能性があるか否かが判断され、Yesの場合に
は、S112において、実測計数率Ci の補正が実行さ
れる。
【0064】もちろんS101からS112の各工程に
おいて、必要に応じて高低二種のエネルギーのX線照
射、計数率及び演算が実行される。これは軟組織と骨の
弁別のためであり、従来と同様である。
【0065】S113では、新たに求められた実測計数
率C´i に基づいて、従来同様の演算手法により、骨塩
量が解析される。そして、S114において、その結果
が表示される。
【0066】次に、定数αの求め方について説明する。
【0067】図6には、αを求めるための各工程が示さ
れ、実際には、装置が工場から出荷される前に図6に示
される一連の工程が実行され、装置の中にαが記憶され
る。S201では、図7に示すように、人体の軟組織に
相当するX線減弱率をもった階段状ファントム38への
X線の照射が行われ、S202では、その照射結果であ
る計数率が、図示されていないメモリに格納される。S
203では、ファントム38の各ステップについてX線
照射が実行されたか否かが判断され、終了されていなけ
れば再びS201が、終了されていればS204が実行
される。S204では、図8に示すようなグラフが作成
される。すなわち、横軸にX線の強度がとられ、縦軸に
計数率がとられたグラフが作成される。ここで、ファン
トム38の各ステップの厚み及びそのX線減弱率は既知
であるので、X線発生装置にて設定されたX線の強度か
らX線検出器におけるX線の強度は容易に算出される。
図8に示されるように、一定のしきい強度を超えると、
上記数え落とし誤差の発生により計数率が低下する傾向
がある。したがって、その特性曲線200の変曲点によ
りしきい強度は判定される。これと共に、ファントム3
8を介在させないときのいわゆるエア強度での計数率
は、特性曲線200を外挿(図において破線で示され
る)することにより読み取ることができる。それがS2
05及びS206で行われている。
【0068】この後、S207で、ファントム38を引
き出しその代わりに減弱フィルタ16を挿入して、減弱
照射が実行される。このときの計数率(減弱計数率)C
2 に対する外挿により求められた計数率CTRUEi の比が
定数αであり、S208でそれが算出されている。な
お、上述した標準補正曲線も、図6に示した理論により
上記同様に求められる。
【0069】なお、本発明は、X線検出器が1つの場合
あるいは複数の場合いずれにおいても適用することがで
きる。X線検出器が複数の場合には前記補正工程を全検
出器に対して統一的に適用することにより検出器間のバ
ラツキを排除することができる。また、本発明は、パル
ス検出方式の測定に限らず、積算検出式の測定において
も、同様の問題が生じれば適用することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る骨塩
量測定装置によれば、減弱フィルタを介在させて減弱照
射し、数え落とし誤差が含有されない減弱計数率を求
め、それから推定される推定エア計数率と実測エア計数
率との比に基づいて、数え落とし誤差の含有割合を認定
し、正確な補正係数を算出することができる。したがっ
て本発明によれば、数え落とし誤差を排除できると共に
各X線検出器間のばらつきをも排除して、精度のよい骨
塩量測定を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る骨塩量測定方法における減弱照射
工程、エア照射工程、及び実測照射工程を示す概念図で
ある。
【図2】減弱計数率、実測エア計数率、推定エア計数率
の相互関係を示すグラフである。
【図3】数え落とし標準補正曲線を示す特性図である。
【図4】本発明に係る骨塩量測定装置の全体構成を示す
ブロック図である。
【図5】本発明に係る骨塩量測定測定方法の具体的な工
程を示すフローチャートである。
【図6】定数αを求めるための各工程を示すフローチャ
ートである。
【図7】ファントム38への照射を示す概念図である。
【図8】定数αを求めるためのグラフを示す特性図であ
る。
【符号の説明】
10 X線発生装置 12 X線検出装置 16 減弱フィルタ 18 X線ビーム 20 被検体 F(C) 数え落とし標準補正曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 幸一 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロ カ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−196551(JP,A) 特開 昭63−68139(JP,A) 実公 平2−44730(JP,Y2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線検出装置での計数率に対する補正係
    数を予め求める準備工程と、被検体にX線を照射して実
    測計数率を得る実測照射工程と、計数率補正が必要な場
    合に、前記補正係数を用いて前記実測計数率を補正する
    補正工程と、前記実測計数率に基づいて骨塩量を演算す
    る骨塩量演算工程と、が実行される骨塩量測定装置であ
    って 線発生装置とX線検出装置との間に、数え落とししき
    い強度以下にX線を減弱する減弱フィルタを挿入してX
    線照射を行い、減弱エア計数率を得る減弱照射手段と、 前記X線発生装置と前記X線検出装置との間に何も介在
    させないでX線の照射を行って実測エア計数率を得るエ
    ア照射手段と、 前記減弱エア計数率を基礎として算出される推定エア計
    数率と、前記実測エア計数率との比であるエア最適補正
    係数に基づいて、各計数率に対する最適補正係数を算出
    する最適補正係数算出手段と、 を含むことを特徴とする骨塩量測定装置
  2. 【請求項2】 請求項1記載の骨塩量測定装置におい
    て、 前記X線検出装置が複数のX線検出器で構成され、各X
    線検出器毎に前記エア最適補正係数を求めて各計数率に
    対する前記最適補正係数を算出することを特徴とする骨
    塩量測定装置
  3. 【請求項3】 請求項2記載の骨塩量測定装置におい
    て、 数え落とし標準補正曲線を予め用意し、前記エア最適補
    正係数に基づき前記数え落とし標準補正曲線を修正し、
    各X線検出器毎に曲線最適化係数を算出することを特徴
    とする骨塩量測定装置
  4. 【請求項4】 X線を発生するX線発生装置と、 X線を検出するX線検出装置と、 前記X線検出装置で得られる実測計数率から骨塩量を演
    算する演算装置と、 前記X線発生装置と前記X線検出装置との間に挿入され
    るX線フィルタであって、前記X線発生装置からのX線
    を前記X線検出装置についての数え落とししきい強度以
    下に減弱する減弱フィルタと、 被検体へのX線実測照射の前に行われる減弱照射の際
    に、前記X線発生装置と前記X線検出装置との間のX線
    ビーム経路に、前記X線減弱フィルタを挿入するフィル
    タ移動装置と、 前記減弱照射で得られた減弱計数率を基礎として、補正
    係数を演算する補正係数演算装置と、 を含むことを特徴とする骨塩量測定装置。
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