JP6330567B2 - 放射線撮影用ファントム - Google Patents

放射線撮影用ファントム Download PDF

Info

Publication number
JP6330567B2
JP6330567B2 JP2014163698A JP2014163698A JP6330567B2 JP 6330567 B2 JP6330567 B2 JP 6330567B2 JP 2014163698 A JP2014163698 A JP 2014163698A JP 2014163698 A JP2014163698 A JP 2014163698A JP 6330567 B2 JP6330567 B2 JP 6330567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phantom
covering member
main body
radiographic
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014163698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016036672A (ja
Inventor
高村 祥司
祥司 高村
大介 能登原
大介 能登原
知宏 中矢
知宏 中矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2014163698A priority Critical patent/JP6330567B2/ja
Publication of JP2016036672A publication Critical patent/JP2016036672A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6330567B2 publication Critical patent/JP6330567B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、放射線を被検体に照射してイメージングを行う放射線撮影装置に用いる放射線撮影用ファントムに係り、特に、装置の経年変化を評価するのに用いられる放射線撮影用ファントムに関する。
医療機関には放射線を照射して被検体のイメージングを行う放射線撮影装置が配備されている(例えば、特許文献1参照)。このような放射線撮影装置は、図10に示すように放射線を照射する放射線源53と、放射線を検出するFPD54とを備えている。放射線源53とFPD54との間には被検体Mを載置する天板52が備えられている。
このような放射線撮影装置は、同じ条件の撮影が繰り返し実行できるように放射線源53の制御条件の設定を行うことができる。一度制御条件の設定がなされると、放射線源53は同じ強さの放射線を照射するように制御され、被検体Mの撮影が繰り返される。制御条件を一定にして被検体Mの撮影を何度も繰り返して、その結果を比較すれば、被検体Mが継時的にどのように変化していったかを知ることができる。このような被検体Mの経過の観察を目的とした撮影は、例えば4か月に1回行われる。
ところが、放射線撮影装置は、長年にわたって使用されているうちに経年劣化を引き起こす。すなわち、放射線源53は、使用を続けているとフィラメントや回転陽極などの消耗部品に傷みが生じてくる。
このような経年劣化は、撮影で得られる画像にも影響する。被検体Mの撮影を繰り返そうとして放射線源53の制御条件を前の撮影のときと同じにしても、放射線源53は、経年劣化により前の撮影の時よりも弱い放射線しか照射できない。すると被検体Mの撮影は想定よりも露光が足りない条件で実行されてしまう。このような露光が不安定な撮影環境では、被検体Mの経過観察を適切に行うことができない。同様にFPD54の経年劣化も被検体Mの経過観察の妨げとなる。
そこで、放射線撮影装置の経年劣化の状況を評価する方法が考え出されている。すなわち、被検体Mに見立てたファントムを定期的に同じ放射線撮影装置で撮影する。このときのファントムの撮影は同じ制御条件でなされるので、撮影を繰り返しても得られる画像は同じはずである。
しかし、実際にファントムの撮影を繰り返してみると、画像に変化がみられる。この画像の変化は放射線撮影装置が経年劣化していく様子を表している。術者は、ファントムの撮影を通じて消耗部品の交換などの対策を講じることができる(例えば特許文献1参照)。
特開2014−079406号公報
しかしながら、従来のファントムでは次のような問題点がある。
すなわち、従来のファントムは取扱いが難しい。
図11は、骨塩定量用の放射線撮影装置に用いられている従来のファントムを表している。従来のファントムは、透明アクリル製の本体の内部に被検体Mの骨を模した構造物が包埋された構造をしている。ファントムをアクリルで構成する理由としては、アクリルの密度が被検体Mの軟組織に似ているからという理由である。そして、被検体Mの軟組織が有する放射線の吸収特性をファントムで再現するには、ファントムにそれ相応の厚みを持たせる必要がある。このような事情から、ファントムを小型なものとすることができず、軽量化することも難しい。
この様な事情があるにも関わらず、従来のファントムは運搬者への配慮が不十分となっている。すなわち、従来のファントムは直方体をしており持ちづらい。運搬者がこのようなファントムを運ぼうとすると手を滑らせてしまい運搬者の足先に落下してしまう危険性が拭えない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、取扱いが容易な放射線撮影用ファントムを提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影用ファントムは、放射線撮影装置の被検体を載置する天板に置かれるファントムであって、天板に当接する本体と、本体に鉛直方向から積み重ねられ本体と一体化している被覆部材とを備え、鉛直方向に直交する縦方向における被覆部材の幅は、本体の縦方向の幅よりも広くなっており、被覆部材の縦方向における両端が本体から突出し、運搬者が縦方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっており、鉛直方向および縦方向に直交する横方向における被覆部材の幅は、本体の横方向の幅よりも広くなっており、被覆部材の横方向における両端が本体から突出し、運搬者が横方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっていることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、取扱いが容易な放射線撮影用ファントムが提供できる。すなわち、本発明のファントムは、本体を覆うように設けられた被覆部材を備え、被覆部材の本体から突出した部分が運搬者にとっての持ち手として機能している。被覆部材は、本体の両端から突出する構成となっているので、運搬者は両手を使ってファントムを両側からしっかりと掴むことができる。したがって、本発明の構成によれば、運搬者が誤ってファントムを落下させることがない。
また、ファントムを縦方向のみならず横方向からも両側からしっかりと掴むような構成とすれば、運搬者はファントムの方向を気にせずファントムの運搬を行うことができる。
(削除)
(削除)
また、上述の放射線撮影用ファントムにおいて、被覆部材には、天板上の位置を調整するときの目印が付せられていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影用ファントムをより具体的に示したものとなっている。被覆部材には、天板上の位置を調整するときの目印が付せられていれば、ファントムを同じ条件で撮影することができ、各種の校正を正確に行うことができる。
また、上述の放射線撮影用ファントムにおいて、被覆部材には、天板に置くときの向きを示す目印が付せられていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影用ファントムをより具体的に示したものとなっている。被覆部材には、天板上の向きを調整するときの目印が付せられていれば、ファントムを同じ条件で撮影することができ、各種の校正を正確に行うことができる。
また、上述の放射線撮影用ファントムにおいて、被覆部材の鉛直上側の面は不透明となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影用ファントムをより具体的に示したものとなっている。ファントムの位置を調節しようとしてファントムを可視光源で照らした場合、被覆部材の鉛直上側の面が不透明となっていれば、ファントムのどの部分に光が届いているかが分かりやすい。
また、上述の放射線撮影用ファントムにおいて、骨塩定量を実行する放射線撮影装置の経年劣化評価用となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影用ファントムをより具体的に示したものとなっている。本発明は、骨塩定量を実行する放射線撮影装置の経年劣化評価用のファントムに適用することができる。
本発明によれば、取扱いが容易な放射線撮影用ファントムが提供できる。すなわち、本発明のファントムは、本体を覆うように設けられた被覆部材を備え、被覆部材の本体から突出した部分が運搬者にとっての持ち手として機能している。被覆部材は、本体の両端から突出する構成となっているので、運搬者は両手を使ってファントムを両側からしっかりと掴むことができる。したがって、本発明の構成によれば、運搬者が誤ってファントムを落下させることがない。
実施例1に係るファントムの外形を説明する図である。 実施例1に係るファントムの構成を説明する分解斜視図である。 実施例1に係るファントムの側面図である。 本発明の効果を説明する概念図である。 本発明の効果を説明する概念図である。 実施例1に係る放射線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。 実施例1に係るファントムが使用される様子を説明する模式図である。 実施例1に係るファントムが使用される様子を説明する模式図である。 従来構成に係る放射線撮影装置を説明する模式図である。 従来構成に係るファントムを説明する斜視図である。
本発明のファントムは、骨塩定量を実行するX線撮影装置の被検体を載置する天板に置かれるファントムであって、X線撮影装置の経年劣化評価用となっている。なお、X線は本発明の放射線に相当する。
図1は、本発明に係るファントムの外形を示している。本発明に係るファントム1は、図1左側に示すように、透明なアクリル製の本体1aと透明なアクリル製の被覆部材1bとがz方向に積層され結合した構成となっている。被覆部材1bは、本体1aと同じ材料で構成され、本体1aにz方向から積み重ねられ本体1aと一体化している。本体1aは、x方向、y方向、z方向に伸びた辺を有する直方体の構成となっており、本体1aの底面は、X線撮影装置の天板に当接する面となっている。一方、被覆部材1bは、x方向に平行な2辺とy方向に平行な2辺を有する矩形にz方向の厚みを持たせたような形状となっており、被覆部材1bは、本体1aをz方向から覆うような部材である。なおx方向、y方向、z方向は、互いに直交する。x方向は、本発明の横方向に相当し、y方向は本発明の縦方向に相当する。z方向は本発明の鉛直方向に相当する。
図1右側は、ファントム1を鉛直方向から見下ろしたときの平面図である。この場合、本体1aは被覆部材1bにより完全に覆われてしまっており、被覆部材1b越しでしか本体1aを視認することができない。実際の被覆部材1bは、後述のシール2が貼られているので、結局本体1aは視認できないことになる。被覆部材1bのx方向の幅は、本体1aのx方向の幅よりも広くなっており、被覆部材1bのy方向の幅は、本体1aのy方向の幅よりも広くなっている。そして、被覆部材1bにおける本体1aに結合している領域は、本体1aに結合していない額縁状の領域に包囲されている。すなわち、被覆部材1bは、本体1aに対してツバ状に張り出している。従って、図1右側においては、被覆部材1bは、上下左右方向について本体1aから張り出しているということになる。
図2は、ファントム1の分解斜視図であり、図1では省略された部材も表現されている。被覆部材1bが有する面のうち本体1aが結合している面(下面)にとっての反対側の面(上面:X線の入射面)には、上面の全面を覆うシール2が張り付けられている。このシールは不透明となっており、可視光線を透過させない。したがって、被覆部材1bの鉛直上側の面は不透明となっている。
シール2には、x方向に伸びるライン3Aと、y方向に伸びるライン3Sとが印刷されている。このライン3A,3Sは、いずれも被覆部材1bの上面の中心を通るので、ライン3A,3Sは、これでひとつの十字のマークに見える。ライン3A,3Sの交点は、ファントム1の中心を表している。後述するようにライン3A,3Sは、天板上の位置を調整するときの目印となっている。
シール2には、被検体Mを模式的に示す記号Hが印刷されている。記号Hは、被検体Mの体側方向がライン3Aに平行となり、体側方向がライン3Sに平行となるように配置されている。後述するように記号Hは、天板12に置くときの向きを示す目印となっている。また、シール2には、後述の金属片4の位置を示す記号3Pが印刷されている。このほか、シール2には、図示しない取扱注意を示す記号などが印刷されている。
本体1aは、図2に示すように3つの金属片4が埋め込まれている。この金属片4は、アルミニウム製となっており、被検体Mの骨を模した構造体である。金属片4は、本体1aにおける被覆部材1bとの結合面(上面)に設けられた3つのくぼみの各々にはめ込まれる。金属片4は、本体1aの上面においてくぼみを設けなかった部分と金属片4との間で段差が生じないようにくぼみを完全に埋め戻すようにはめ込まれている。本体1aに埋め込まれた金属片4は、x方向に配列しており、金属片4の間には間隙が設けられている。これら金属片4は、z方向の厚さに違いが持たされている。これにより、金属片4は互いに異なる放射線透過性を示すようになる。
図3右側は、ファントム1の横の側面を表している。この場合、3つの金属片4は、一列に並んでいるように見える。図3右側は、ファントム1の横の側面を表している。この場合、3つの金属片4は、互いに重なってしまい、手前側のものしか視認できない。ファントム1の内部に埋め込まれている3つの金属片4が視認できるのは、本体1aおよび被覆部材1bが透明だからである。
<本発明の効果>
本発明に係るファントム1が有する効果について説明する。図4は、ファントム1を運搬者が運搬している様子を示している。被覆部材1bは、本体1aから張り出しているので、被覆部材1bの周縁部は、本体1aから盛り上がった耳部Eとなっている。図4においては、この耳部Eは網掛けで表されている。ファントム1の運搬者は、被覆部材1bの端部を上下方向から手でつまむことができる。
この耳部Eは、被覆部材1bの周縁部に位置しているので、運搬者は、図4に示すように、被覆部材1bの右端を右手でつまみ、左端を左手でつまむことができる。このように、被覆部材1bのy方向における両端が本体1aから突出し、運搬者がy方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっている。したがって、運搬者は、被覆部材1bの周縁部を手掛かりにファントム1をしっかりと掴んで運搬することができる。これにより、運搬者がファントム1から手を滑らせてファントム1を落下させてしまうような事態は未然に防がれる。
また、被覆部材1bのx方向における両端が本体1aから突出し、運搬者がx方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっている。すなわち、耳部Eは、被覆部材1bの周縁部に位置し額縁状となっているので、図4に示すファントム1を紙面に向かう方向を軸に90°回転させたとしても、ファントム1を左右からしっかりとつかむことができる。このように、ファントム1は、運搬者が持ち上げる時の方向を気にしなくてもよいように工夫がされている。
被覆部材1bの周縁部を持ち手とするような構成を採用した理由は、本発明のファントム1が放射線撮影装置用であることに関係している。ファントム1が持ちにくいのであるとすると、図5に示すようにファントム1に取っ手を取り付ければいいように思える。しかし、本発明のファントム1には、取っ手を取り付けることは難しい。取っ手を取り付けるには、ファントム1に金属製のねじを奥深くまで埋め込まなければならないからである。本発明のファントム1は、放射線撮影を行うことが前提である。ファントム1に金属製のねじが埋め込まれていると、撮影時にねじの影が投影されてしまう。このようなねじの影は、ファントム1を用いた装置の経年劣化を正しく評価するのに妨げとなる。本発明の構成によれば、金属製のねじを有していないだけ経年劣化を正確に評価することができる。
<ファントムの使用>
続いて、本発明に係るファントム1が使用される様子について説明する。
まず、実施例1に係るX線撮影装置10の構成について説明する。X線撮影装置10は、図6に示すように仰臥位の被検体Mを載置する天板12と、天板12の上側(一面側)に設けられたX線を照射するX線管13と、天板12の下側(他面側)に設けられたX線を検出するFPD14とを備えている。FPD14は、フラットパネルディテクタの略であり、被検体Mの体軸方向Aまたは体側方向Sのいずれかに沿った4つの辺を有する矩形となっている。また、X線管13は、四角錐形状のX線をFPD14に向けて照射する。FPD14は、X線を全面で受光することになる。支柱15は、天板12の下側(他面側)から天板12の上側(一面側)に向けて伸びており、X線管13を支持している。X線管13は、本発明の放射線源に相当する。本発明に係るX線撮影装置10は、条件の違う2回の撮影を行うことでサブトラクション画像sを撮影する構成となっている。
X線管制御部16は、所定の管電流、管電圧、パルス幅でX線管13を制御する目的で設けられている。X線管制御部16の制御によりX線がX線管13から発せられると、X線は、被検体Mを透過してFPD14の検出面14aに入射する。FPD14は、X線の検出結果を示す検出データを出力する。X線管制御部16は、高電圧の管電圧でX線を照射させる高電圧モードと低電圧の管電圧でX線を照射させる低電圧モードの2つのモードを使い分けることによりサブトラクション撮影を行う。このX線管制御部16は、2つのモードを使い分けて高電圧に係るX線と低電圧に係るX線とを照射するようにX線管13を制御する。
X線管13から照射されたX線はX線管13に付属するフィルタ25を透過したあと、X線管13に付属のコリメータ13aによりコリメートされ、被検体Mに到達する。フィルタ25には高電圧モード用と低電圧モード用の2種類が用意されており、X線管制御部16の制御によりその時々のX線照射に適切なフィルタが選択される構成となっている。
画像生成部21は、FPD14が出力する検出信号に基づいて高圧条件の撮影に係る画像と低圧条件の撮影に係る画像とを生成して、これらの差分を取得しサブトラクション画像sを生成する。
画像生成部21が生成したサブトラクション画像sは、骨塩定量部22に送出される。骨塩定量部22は、サブトラクション画像sに写り込んだ骨の像に基づいて、骨の像から推定される骨塩量を示す値を算出する。
このように本発明に係るX線撮影装置10においては、サブトラクション画像sに基づいて骨塩定量を実行している。このようにして行われる骨塩定量は、単純なスポット撮影で得られる画像に基づく定量よりもより正確となる。サブトラクション画像sは、被検体Mの骨が強調されたような画像だからである。サブトラクション画像sに基づいて骨塩定量を行えば、被検体Mの体厚など体格の差に影響されず正確な定量ができる。
コリメータ13aには、可視光線を照射する可視光源19が設けられている。可視光源19から照射された可視光線は、コリメータ13aによりコリメートされ被検体Mの一部を照らす。この可視光源19は、可視光線の光の広がり方がX線管13の照射するX線の広がり方と同じとなるように構成されている。したがって、可視光源19から照射される可視光線が天板12上のどの範囲に届くのかを認識しておけば、直接に視認することができないX線が天板12のどこに到達するのかを知ることができる。したがって、可視光源19による可視光線の照射は、X線の照射に先立って行われる。可視光源制御部20は、可視光源19を制御する目的で設けられている。
図7は、可視光源19から照射された可視光線が天板12の一部を照らす様子を示している。可視光源19には、フィルタ19aが付属している。上述のコリメータ13aは、このフィルタ19aと可視光源19に挟まれる位置にある。したがって、可視光線は、フィルタ19aに入射する前にコリメータ13aを通過することになる。フィルタ19aには、可視光線ビームの中心を示す十字のマークが付されており、可視光線に照らされた天板12には、十字のマークの像が現れる。この像が示す中心はX線照射範囲の中心を示している。
操作卓26(図6参照)は、術者によるサブトラクション画像撮影開始などの指示を入力させる目的で設けられている。また、主制御部27は、各制御部を統括的に制御する目的で設けられている。この主制御部27は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することによりX線管制御部16および各部20,21,22を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。記憶部29は、X線管制御部16が参照するX線照射条件などのような装置制御に関するパラメータの一切を記憶する。表示部28は、骨塩定量の結果を表示する目的で設けられている。
本発明に係るファントム1は、X線撮影装置10の経年劣化を評価するときに用いられるものである。すなわちファントム1には、被検体Mの骨に見立てた金属片が埋め込まれている。したがって骨塩定量部22は、金属片の像が写り込んだサブトラクション画像sに基づいて骨塩定量を実行し、骨塩量を示す評価値を算出することができる。ファントム1は、被検体Mの骨とは異なり、長時間にわたり変化がない。したがって、X線撮影装置10を用いてファントム1の骨塩定量を例えば半年ごとに行えば、そのたびに同じ評価値が得られるはずである。
しかし、X線撮影装置10は経年劣化を起こす。従って、同じファントム1について骨塩定量を半年ごとに行っていくと、得られる評価値が変わってくる。この評価値の変動は、経年劣化に由来している。つまり、ファントム1に対する骨塩定量を定期的に行えば、装置の経年劣化の程度が分かるのである。
装置の経年劣化を正確に取得するには、サブトラクション画像におけるファントム1の像が常に同じ位置にくるように気を配る必要がある。骨塩定量の評価値は、画像上におけるファントム1の像の変位によっても変動する可能性があるからである。したがって、本発明の場合は、ファントム1がサブトラクション画像sの中心にくるようにファントム1の位置合わせを行った後サブトラクション撮影を実行するようにしている。
図8は、X線撮影装置10でファントム1の位置合わせを実行しようとしているところを示している。天板12上でのファントム1の位置合わせは、装置が配備されている検査室を暗くして可視光源19を点灯させた状態で行われる。この状態でファントム1を天板12の上に載置すると、ファントム1の上面に張られた不透明なシール2が可視光線によって照らされる。本発明のファントム1のシール2は不透明となっているので、シール2に可視光線が当てられるとシール2はあたかもスクリーンのように光を散乱させる。図8の場合は、X線照射範囲の中心とファントム1の中心とが一致していないので、ファントム1の一端部が可視光線ビームから外れ、光が届いていない。本発明のシール2は不透明となっているから、その様子がはっきりと確認できる。
また、ファントム1の上面には、可視光線ビームの中心を示す十字のマークが投影されている。図8の場合は、X線照射範囲の中心とファントム1の中心とが一致していないので、ファントム1の中心を示すライン3A,3Sの交点とファントム1上に投影された十字のマークの中心とが重なり合っていない。本発明のファントム1のシール2は不透明となっているので、X線照射範囲の中心とファントム1の中心とが互いにズレている様子がすぐに確認できる。
図9は、ファントム1上のライン3A,3Sの交点がファントム1に投影された十字のマークに重なるようにファントム1を天板12上で移動させた状態を示している。このような状態でX線撮影を行えば、ファントム1の中心とX線撮影視野の中心とが一致した状態で撮影を実行できる。このようなファントム1の位置合わせを撮影の度に行えば、ファントム1を撮影するときの条件が安定し、X線撮影装置10の経年劣化をより正確に知ることができる。
なお、ファントム1の上面には、図2に示したように被検体Mを模式的に示す記号Hが設けられている。この記号Hで示された被検体Mの体軸方向を天板12の長手方向に一致させた状態でファントム1を天板12上に載置すれば、ファントム1が想定される向きから90°回転した状態で撮影されることがない。ファントム1は、4回回転対称の形状をしている。したがって、ファントム1の全体的な形状によっては天板12にどの向きで載置すればいいかが分かりづらい。本発明のファントム1は、被検体Mを模式的に示す記号Hにより天板12に載置する向きが示されているので、運搬者が天板12にファントム1を誤った向きに載置することがない。
天板12におけるファントム1の位置合わせの終了後、操作者が操作卓26を通じ骨塩定量の開始を指示すると、X線管3は、X線の照射を開始し、ファントム1が写り込んだサブトラクション画像sが生成される。骨塩定量部22は、サブトラクション画像sに写り込んだファントム1内部の金属片4の像に骨塩定量に係る演算を行い、骨塩量を示す評価値を算出する。ファントム1内部の金属片4は互いに厚さが異なっているので、それを反映して互いに異なる評価値が算出される。このように敢えて異なる評価値が算出されるように敢えて金属片4の構成に違いを持たせることによって、装置の経年劣化の進行をより正確に算出することができる。経年劣化の進行を多重に評価することができるからである。骨塩定量の評価値が表示部28に表示されて、本発明に係るファントム1を用いた動作は終了となる。
以上のように、本発明によれば、取扱いが容易な放射線撮影用ファントムが提供できる。すなわち、本発明のファントム1は、本体1aを覆うように設けられた被覆部材1bを備え、被覆部材1bの本体1aから突出した部分が運搬者にとっての持ち手として機能している。被覆部材1bは、本体1aの両端から突出する構成となっているので、運搬者は両手を使ってファントム1を両側からしっかりと掴むことができる。したがって、本発明の構成によれば、運搬者が誤ってファントム1を落下させることがない。
また、本発明のファントム1を縦方向のみならず横方向からも両側からしっかりと掴むような構成とすれば、運搬者はファントム1の方向を気にせずファントム1の運搬を行うことができる。そして、被覆部材1bの鉛直上側の面が不透明となっていれば、ファントムの位置を調節しようとしてファントム1を可視光源で照らした場合、ファントム1のどの部分に光が届いているのかが分かりやすい。
本発明は、上述の構成に限られず下記のように変形実施することができる。
(1)実施例1の構成においては、本体1aおよび被覆部材1bは、いずれも透明なアクリル樹脂で構成されていたが、本発明はこの構成に限らない。アクリル樹脂に代えて他の材料を用いることもできる。また、本体1aおよび被覆部材1bは、透明でなくてもよく、異なる材質によって構成されていてもよい。
(2)実施例1のファントムは、放射線撮影装置の経年劣化評価用であったが、本発明はこの構成に限られない。本発明は、他の用途のファントムにも適用できる。
1 ファントム(放射線撮影用ファントム)
1a 本体
1b 被覆部材

Claims (5)

  1. 放射線撮影装置の被検体を載置する天板に置かれるファントムであって、
    前記天板に当接する本体と、
    前記本体に鉛直方向から積み重ねられ前記本体と一体化している被覆部材とを備え、
    前記鉛直方向に直交する縦方向における前記被覆部材の幅は、前記本体の前記縦方向の幅よりも広くなっており、前記被覆部材の前記縦方向における両端が本体から突出し、運搬者が前記縦方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっており、
    前記鉛直方向および前記縦方向に直交する横方向における前記被覆部材の幅は、前記本体の前記横方向の幅よりも広くなっており、前記被覆部材の前記横方向における両端が本体から突出し、運搬者が前記横方向から手をかけて持ち上げるときの持ち手となっていることを特徴とする放射線撮影用ファントム。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影用ファントムにおいて、
    前記被覆部材には、前記天板上の位置を調整するときの目印が付せられていることを特徴とする放射線撮影用ファントム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影用ファントムにおいて、
    前記被覆部材には、前記天板に置くときの向きを示す目印が付せられていることを特徴とする放射線撮影用ファントム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線撮影用ファントムにおいて、
    前記被覆部材の鉛直上側の面は不透明となっていることを特徴とする放射線撮影用ファントム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影用ファントムにおいて、
    骨塩定量を実行する放射線撮影装置の経年劣化評価用となっていることを特徴とする放射線撮影用ファントム。
JP2014163698A 2014-08-11 2014-08-11 放射線撮影用ファントム Active JP6330567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014163698A JP6330567B2 (ja) 2014-08-11 2014-08-11 放射線撮影用ファントム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014163698A JP6330567B2 (ja) 2014-08-11 2014-08-11 放射線撮影用ファントム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016036672A JP2016036672A (ja) 2016-03-22
JP6330567B2 true JP6330567B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=55528291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014163698A Active JP6330567B2 (ja) 2014-08-11 2014-08-11 放射線撮影用ファントム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6330567B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110301931B (zh) * 2019-07-24 2023-10-31 沈阳智核医疗科技有限公司 坐标配准模体、多模态成像系统及其图像配准方法
JP7443153B2 (ja) 2020-05-07 2024-03-05 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線コンピュータ断層撮影装置および体重分布シート

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4663772A (en) * 1985-09-30 1987-05-05 Picker International, Inc. Bone mineral analysis phantom
JP2533717B2 (ja) * 1992-06-22 1996-09-11 アロカ株式会社 骨塩量測定装置
US5651046A (en) * 1995-06-22 1997-07-22 Duke University Anatomic phantom for evaluation of projection radiographic imaging systems
JP2004357868A (ja) * 2003-06-03 2004-12-24 Fuji Photo Film Co Ltd Qcファントム
JP2008113803A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Toshiba Corp 医用診断装置用のファントム、及びこのファントムの載置方法
EP2736414B1 (en) * 2011-07-29 2017-09-27 Gammex, Inc. Computed tomography perfusion phantom and method of use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016036672A (ja) 2016-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8313238B2 (en) X-ray imaging device, method for detecting deviation of flat panel detector, and program for the same
RU2640562C2 (ru) Система лучевой визуализации
JP4119835B2 (ja) 被曝線量計算方法およびx線撮影装置
CN106793983B (zh) X射线摄影装置
WO2017013849A1 (ja) 放射線照射装置、並びに放射線照射装置の制御方法およびプログラム
WO2012042969A1 (ja) 放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法
JP5447526B2 (ja) 放射線撮影装置および画像の取得方法
JP2010253049A (ja) 放射線治療装置および放射線透視装置
JP2015167603A (ja) 撮影台
JP6330567B2 (ja) 放射線撮影用ファントム
JP6047347B2 (ja) 医療用x線測定装置
JP2006141904A (ja) X線撮影装置
WO2007043329A1 (ja) 放射線画像撮影装置
JP2008023312A (ja) 放射線画像撮影装置
WO2011058612A1 (ja) 放射線撮影装置
JP6562812B2 (ja) キャリブレーション用ファントム
JP2011078612A (ja) 放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影方法
JP2010213729A (ja) 放射線画像撮影システム
JP2007130058A (ja) 放射線画像撮影装置
JP4337708B2 (ja) 照射中心位置決め用ポインタと、このポインタが組み込まれている放射線治療計画装置、および、治療用放射線照射装置
JP2010273931A (ja) X線撮影装置
JP2014014379A (ja) 放射線撮影システム及び放射線撮影方法
KR100964646B1 (ko) 복수 개의 x선 검출센서들을 구비하는 x선 촬영장치
JP5564385B2 (ja) 放射線画像撮影装置、放射線画像撮影方法およびプログラム
CN111481221B (zh) 医疗用x射线测定装置和存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180409

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6330567

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151