JP2532693B2 - 液晶素子の製法 - Google Patents

液晶素子の製法

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貞雄 三田村
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彩子 吉本
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、液晶素子の製法に関する。特に液晶分子の
配向方向に関する。
従来の技術 液晶分子の配向膜は、液晶ディスプレイには必須のも
のである。
前記配向膜としては、無機質の斜方蒸着膜、布等で摩
擦(すなわちラビング)された高分子樹脂膜等が使われ
る(液晶エレクトロニクスの基礎と応用、佐々木 照夫
編)。高分子樹脂としては、主にポリイミドが使われ
る。
近年注目されている、ネマチック液晶を90゜以上捻っ
た構造を持つ(スーパーツウィステッドバイアフリンジ
ェンスエフェクト(SBE)方式等の液晶素子では、5゜
以上のプレ・チルト角を有する傾斜配向が望まれる。
プレ・チルト角が約5゜以上である傾斜配向が得られ
る有機高分子材料が開発され、コストの点から、これを
ラビングすることによる配向法が生産に使われている。
また強誘電液晶を使った界面安定化モード、ホメオト
ロピックに近いモードを使った液晶素子においても、配
向法は重要な問題であって、現実的、コストの安い配向
法ないし、液晶素子の製法が望まれる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の有機高分子膜のラビング法にお
いては、液晶素子を構成した後の液晶分子のプレ・チル
ト角が径時変化したり、再現性に乏しい等の課題があっ
た。また、このプロセスでは、ゴムが発生しやすく、生
産現場の無塵化の要求と整合性が難しいこと、ラビング
布の管理に厳密さが要求されること等の問題があった。
また、斜方蒸着法は装置のコストが大きく、製造原価
を著しく上昇させる。
課題を解決するための手段 本発明は前述のような課題を解決するために、第1及
び第2基板の主面上に樹脂膜を形成する過程と、この樹
脂膜に常温で気化性を有する液体物質を冷却し固化させ
た固体粒子群を所定の入射角度で衝突させる過程と、前
記第1及び第2基板の主面を対向させ、所定の間隙を保
って封着した後に、形成された間隙内に液晶組成物を注
入する過程をこの順に為すことを特徴とする液晶素子の
製法を提供するものである。
また、固体粒子群を形成する物質としては、水、パラ
フィンまたは、アルキルベンゼン、アルキルトルエンか
らなることが望ましい。パラフィンとしては、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン
等、アルキルベンゼンとしては、トルエン、エチルベン
ゼン、プロピルベンゼン等、アルキルトルエンとして
は、エチルトルエン、シメン等が望ましい。
作用 本発明の本質的な部分、すなわち液晶分子の配向法に
おいて、装置コストは小さく、これが製造原価に大きく
はねかえることはない。
本発明の内容の内、液晶分子の配向法について述べ
る。前述の常温で液体粒子からなる霧を得た後、液体窒
素で冷却し、固体粒子群を得、これを所定の角度で基板
上の樹脂膜に吹きつける。かくすることにより、樹脂膜
に極微の溝が形成されるか、または樹脂膜の高分子が配
向する。
液晶分子は前記の溝または配向した高分子に沿って、
配向する。
前述の固定粒子群は、基板上の樹脂膜に衝突の後、自
然に気化するか、または窒素ガスまたは清浄空気を吹き
つけるか、若干加熱することにより、前述途の物質は基
板から容易に除去される。
これから理解されるように、ゴミ等は全く発生せず、
生産上、歩留り等の向上に資すること、大である。
パラフィンや、アルキルベンゼン、アルキルトルエン
については、液晶分子の基板界面での高いプレチルトを
得ようとする場合、より望ましい結果をもたらす。これ
は、樹脂膜の表面に吸着等が起こり、表面改質が起こる
からと思われる。
実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
第1図はこの発明の一実施例によって得られる液晶素
子を示す断面図である。同図において、1,2は例えば、
透明ガラスからなる第1及び第2基板、3,4は主面上
の、例えばITO膜からなる矩形状の透明な導電電極、5,6
は配向膜、7は液晶層である。
主面に微細加工されたITO電極3,4を有するガラス基板
1,2を覆うように、日産化学(株)製、ポリアミック酸
系配向膜レジンRN715なるレジンをスピナーで塗布した
後、250℃で60分加熱して樹脂膜を得る。
次に、水、又はドデカン、又はエチルベンゼン、又は
P−シメンを超音波を使ったアトマイザーで霧状にす
る。多分この時は霧の粒子は液体状である。これを液体
窒素で冷却されたパイプの中を通すことにより、固体状
粒子になるようにする。冷却には十分されるようにす
る。この粒子群を、サンド・ブラスト装置を改良した装
置で、前記樹脂膜に約30゜(基板面と粒子群の入射する
角度)で吹きつけた。
その後、清浄窒素を基板に吹つけ、水、又はドデカ
ン、又はエチルベンゼン、又はP−シメンを基板から除
いた。
かくて配向膜5,6を得る。次に前記第1及び第2基板
の主面を対向させ、所定の間隙を保って封着した後に形
成された間隙内にSBE用の特定液晶組成物を注入させ
て、液晶素子を得た。
以上の方法でそれぞれ単一条件6個の液晶素子を液晶
素子を作製し、磁場法でプレ・チルト角を測定した。結
果は、樹脂膜に霧状の水を吹きつけた場合には、19.4±
0.4゜であり、他の場合には平均20゜から21゜であり分
布は±0.3゜であり、非常に優れていると評価される。
出来た液晶素子の表示特性は均一で、再現性が良く優れ
たものであった。
なお、本実施例では、ツウィスト・モードについて述
べたが、強誘電液晶を使った界面安定化モード、ホメト
ロピックに近いモードを使った液晶素子の特に、液晶分
子の配向法においても本発明は効力を有し、従って本発
明の範囲内にある。
発明の効果 以上本発明は、適当な処理により、優れた液晶分子の
配向法を提供するものであり、結果、良好な表示品位の
液晶素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によって得られる液晶素子の
概略断面図である。 1……第1基板、2……第2基板、3,4……透明な導電
電極、5,6……配向膜、7……液晶層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 彩子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 熊川 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−21860(JP,A) 特開 昭61−138231(JP,A) 特開 昭62−144139(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2基板の主面上に樹脂膜を形成
    する過程と、この樹脂膜に常温で気化性を有する液体物
    質を冷却し固化させた固体粒子群を所定の入射角度で衝
    突させる過程と、前記第1及び第2基板の主面を対向さ
    せ、所定の間隙を保って封着した後に、形成された間隙
    内に液晶組成物を注入する過程をこの順に為すことを特
    徴とする液晶素子の製法。
  2. 【請求項2】固体粒子群を形成する物質が、水、パラフ
    ィンまたは、アルキルベンゼン、アルキルトルエンから
    なることを特徴とする請求項(1)記載の液晶素子の製
    法。
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JPH0723935B2 (ja) * 1984-12-10 1995-03-15 カシオ計算機株式会社 液晶表示素子の配向処理方法
JPS62144139A (ja) * 1985-12-18 1987-06-27 Seiko Epson Corp 液晶表示装置の製造方法

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