JP2532044B2 - テ―プロ―デイング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えばVTR等に使用するテープローデイ
ング装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第３図〜第５図は例えば特開昭61−175957号公報に示
された従来のこの種のテープローデイング装置を示す図
であり、図において、１はカセツト、２はこのカセツト
１内に収納された磁気テープ、３は回転ヘツド、４は磁
気テープ２を回転ヘツド３に巻装すべくカセツト１内の
第１の位置Ａと回転ヘツド３の近傍でこの第１の位置よ
り高い第２の位置Ｂとの間を移動するガイドベースであ
り、５はこのガイドベース４に植設されフランジ5aを有
するテープガイド、６は同じくガイドベース４に植設さ
れた傾斜ガイドである。７は上記ガイドベース４の移動
を案内する溝7aと傾斜面部7bとを有するガイド部材、８
は上記第２の位置Ｂにおいてガイドベース４の位置と傾
きを規制する位置決め部材である。第４図は第３図のガ
イド部材７と位置決め部材８の詳細を示す斜視図であ
り、ガイド部材７は平面上の移動量を変数とする高さ方
向の変位量の一次微係数が連続であるような平面部と曲
面部の組合せにより構成されている。

次に動作について説明する。カセツト１に収納された
磁気テープ２は、カセツト１内の第１の位置Ａから回転
ヘツド３の近傍の第２の位置Ｂへと移動するガイドベー
ス４に植設されたテープガイド５、傾斜ガイド６によつ
てカセツト１内から引き出され、回転ヘツド３に対して
所定の角度で斜めに巻装される。なお、第５図におい
て、位置決め部材８は上記第２の位置Ｂにおいて磁気テ
ープ２を回転ヘツド３に対して巻装するための幾何学的
条件により決定される所定の高さ及び傾きを有してい
る。ガイド部材７を上記位置決め部材８の傾きの延長線
上で構成すると、ガイド部材７の高さをカセツト１内の
第１の位置での所定の高さに戻すためにはＬなる長い距
離が必要となり、機器の小形化を妨げるため、ガイド部
材７は位置決め部材８の傾きよりも傾きの大きな面を設
け、その前後を下に凸の曲面と上に凸の曲面でつなぎ、
平面上の移動量に対する高さの一次微係数が連続である
ように構成することにより、ガイド部材７の高さがカセ
ツト１内の第１の位置における所定の高さに戻るまでの
距離をL₁に短縮し、機器の小形化を図つている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のテープローデイング装置は以上のように構成さ
れているので、カセツト近傍においてガイド部材を急激
に持ち上げており、ガイドベースの傾き及び高さの上昇
量が大きいため、磁気テープが強くねじられ、片伸び等
の損傷が発生しやすく、また、磁気テープがカセツトと
接触してテープエツジが損傷するおそれがあり、またテ
ープガイドの傾きが大きいため、磁気テープがフランジ
5aを乗り越えてせり上がり、損傷する等の問題点があつ
た。

この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、機器を小形化するとともに、磁気テープの
損傷を防止することができるテープローデイング装置を
得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るテープローデイング装置は、カセツト
から磁気テープを引き出して回転ヘツドに巻装すべくカ
セツト内の第１の位置と、回転ヘツド近くの第２の位置
の間をガイド部材に沿つて移動するガイドベースを備え
たものにおいて、回転ヘツド近くの第２の位置の近傍に
おいてガイド部材または位置決め部材に、第２の位置側
が高く、第１の位置側が低い、段差部分を設けることに
より、ガイド部材の高さがカセツト内の所定の高さに戻
るまでの距離を長くすることなしに、カセツト近傍にお
けるガイド部材の傾きを減少したものである。

〔作用〕

この発明におけるガイド部材に設けた段差部分は、カ
セツト近傍におけるガイド部材の傾きを減少することを
可能とし、ひいてはカセツト近傍におけるガイドベー
ス、及び該ガイドベースに植設されたテープガイド類の
傾きを減少させるため、カセツト近傍における磁気テー
プのねじれが減少し、磁気テープの片伸びや磁気テープ
がフランジを乗り越えることによる損傷を防止する。ま
た、カセツト近傍におけるガイドベースの上昇量を減少
させるため、磁気テープとカセツトの接触によるテープ
損傷を防止する。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図、第２図において、９はガイド部材７の位置決め部
材８寄りの位置に、位置決め部材８側が高く、カセツト
１側が低く、かつ平面上の移動量に対する高さの一次微
係数が不連続となるように形成された段差部分であり、
この段差部分９の長さはガイドベース４の長さよりも短
かく設定され、曲折加工によって形成されている。なお
その他の構成は上記従来例と同様につき説明を省略す
る。

次に作用について説明する。以上のようにガイド部材
７の位置決め部材８寄りの位置に段差部分９を設けるこ
とにより、ガイド部材７の高さがカセツト１内の第１の
位置における所定の高さに戻るまでの距離が第５図の従
来例と同じL₁なる短かい長さであるにもかかわらず、カ
セツト１の近傍におけるガイド部材７の傾きは小さく、
ガイドベース４、該ガイドベース４に植設されたテープ
ガイド５の傾きも小さい。従つてカセツト１の近傍にお
いて磁気テープ２に発生するねじれも減少し、磁気テー
プ２が片伸びを生じたり、フランジ5aを乗り越えてせり
上がつたりして損傷するおそれが少ない。また、カセツ
ト１の近傍におけるガイド部材７の高さの増加量も小さ
いため、磁気テープ２のエツジがカセット１に接触して
損傷するおそれも少ない。

また、ガイド部材７の段差部分９の長さはガイドベー
ス４の長さよりも短かくしているため、ガイドベース４
が段差部分９を通過する際のガイドベース４の傾きは、
段差部分９の傾きよりも小さくなること、及び段差部分
９は位置決め部材８寄りのカセツト１から充分に離れた
位置に設けていることにより、段差部分９をガイドベー
ス４が通過する際のテープガイド５の傾きが磁気テープ
２に与える悪影響は少ない。

なお、上記実施例では、ガイド部材７と、位置決め部
材８を別の部品をもって構成したものを示したが、ガイ
ド部材７と位置決め部材８は個別の部品である必要はな
く、これらを一体の部品として構成してもよい。

さらに上記実施例では、平面上の移動量に対する高さ
の一次微係数が不連続となるような段差部分を第２の位
置の近傍に設けたものを示したが、段差部分の前後を曲
面により一次微係数が連続であるように構成してもよ
く、第２の位置の近傍に段差部分を設けることにより上
記実施例と同様の効果を奏する。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、第２の位置決めを
する位置決め部材の近傍においてガイド部材にガイドベ
ースを持ち上げるべく作用し、上記ガイドベースの長さ
より短かい長さの段差部分を形成し、かつ上記段差部分
をその前後のガイド部材の厚みと同一厚みとしたので、
カセツト近傍におけるガイド部材の傾きが減少し、小形
でしかも磁気テープに損傷を与えるおそれの少ないテー
プローデイング装置が得られる効果がある。

なお、この発明によれば上記段差部分は、部材の厚み
に配慮することなくガイドベースよりも短い部分での曲
折加工によって得られるので、加工が容易であり、構成
が簡単であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるテープローデイング
装置を示す側面図、第２図は第１図のガイド部材の詳細
を示す斜視図、第３図は従来のテープローデイング装置
を示す平面図、第４図は第３図のガイド部材の詳細を示
す斜視図、第５図は第３図の側面図である。 図中、１はカセツト、２は磁気テープ、３は回転ヘツ
ド、４はガイドベース、７はガイド部材、８は位置決め
部材、９は段差部分である。 なお図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセツトから磁気テープを引き出して回転
   ヘツドに巻装すべくカセツト内の第１の位置と回転ヘツ
   ド近傍の第２の位置の間を移動するガイドベースと、こ
   のガイドベースをカセツト内の第１の位置から、それよ
   りも高い上記第２の位置へと案内するガイド部材と、上
   記ガイドベースを第２の位置において位置決めする位置
   決め部材とを有し、上記ガイドベースの移動軌跡上で、
   かつ上記第２の位置決めをする位置決め部材の近傍にお
   いて上記ガイド部材に上記ガイドベースを持ち上げるべ
   く作用し、上記ガイドベースの長さより短かい長さの段
   差部分を形成し、かつ、上記段差部分をその前後のガイ
   ド部材の厚みと同一厚みとしたことを特徴とするテープ
   ローデイング装置。