JP2531658Y2 - い草苗のカセット収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は畳表の原料となるい草苗
を苗カセットに容易に詰めることができるようにするた
めの技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からい草苗を植付けるためのい草移
植機に関する技術は公知とされており、該い草移植機の
苗載台にい草苗を載せるにはまず、人手により苗カセッ
トにい草苗を詰めてから該苗カセットを苗載台の落下方
向に沿わせて供給されていたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来のように切断機に
よりい草苗の茎上部と根下部を切断した後のい草移植苗
は排出されたい草移植苗を苗カセットへ詰め直さなけれ
ばならなかったので、人手と労力がかかり、切断装置へ
の供給に比べて苗カセットへ詰める作業のほうが時間が
かかるので作業が遅滞することがあったのである。ま
た、切断後のい草移植苗は搬送ベルトから下方に落下さ
せていた為に、株元の泥で茎が汚れるなどして生育障害
があったのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】次に以上の問題点を解決
する為に、い草苗を搬送ベルトにて搬送しながら根下部
と茎上部を切断して苗カセットに収納する連続処理装置
において、い草苗切断後の搬送ベルトの終端下方にコン
ベアの前部を配置し、該コンベア上には苗カセットを載
置して移動自在に構成したものである。

【０００５】

【作用】以上の技術的手段は次のように作用する。い草
苗１は切断部の供給部Ｂに垂直方向に次々と供給する
と、上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒと下部搬送ベルト３Ｌ・
３Ｒにより挟持搬送され、カッター４の上刃４ａと下刃
４ｂにより根部１ａ、い草苗１ｂ、茎部１ｃに切断さ
れ、該根部１ａは下刃４ｂ下方に設けた切断屑箱５に排
出され、該茎部１ｃは上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒにより
側方へ搬送されて切断屑排出口に挟持搬送されて切断屑
箱６へ排出される。い草苗１ｂは下部搬送ベルト３Ｌ・
３Ｒに挟持搬送されて、コンベアＡ上に載置されている
カートリッジ式の苗カセット８内へ順次詰められ、い草
苗１ｂが押し込められるその搬送力により苗カセット８
は徐々に後退して自然に整列して順次苗カセット８の後
端から前方へ詰められるのである。該苗カセット８が一
杯になると、苗カセット８を取り替えられ、い草苗を満
たした苗カセット８はい草苗移植機の苗載台へセットさ
れるのである。

【０００６】

【実施例】以下本考案を添付の図面を参照して詳細に説
明する。図１は本考案のい草苗のカセット収納装置平面
図、図２は同じく側面図、図３は切断部側面図、図４は
苗カセットの斜視図、図５は苗載台にい草苗を供給する
斜視図である。図１、図３において切断部について説明
すると、い草苗１の茎上部を挟持して搬送する左右の上
部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒと茎下部を挟持して搬送する下
部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒと該下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒ
の上下に配置したカッター４とこれらを駆動するモータ
ー９から構成されている。

【０００７】即ち、前記モーター９はカバー１０により
被覆されて下部に配置されており、該モーター９の駆動
軸９ａ上はｈ歯車１１が固設され、該歯車１１に左右の
歯車１２Ｌ・１２Ｒが噛合されて、該歯車１２Ｌ・１２
Ｒを固設している駆動軸２０Ｌ・２０Ｒを駆動してい
る。該駆動軸２０Ｌ・２０Ｒ上に下部搬送ベルト３Ｌ・
３Ｒの上下にカッター４Ｌ・４Ｒの上刃４ａと下刃４ｂ
が固設され、上端にプーリー１３Ｌ・１３Ｒ・１４Ｌ・
１４Ｒが固設され回転が伝えられている。該プーリー１
３Ｌ・１３Ｒよりベルト２１Ｌ・２１Ｒを介してプーリ
ー１５Ｌ・１５Ｒが回転されて、同軸上のローラー１６
が回転されて上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒが駆動されてい
る。

【０００８】該左側の上部搬送ベルト２ＬはＬ字状に構
成され、右側の上部搬送ベルト２Ｒは三角形状に構成さ
れ、い草苗１がカッター４Ｌ・４Ｒの上刃４ａにより切
断された茎部１ｃが上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒにより搬
送されて側方へ排出されるのである。該上部搬送ベルト
２Ｌ・２Ｒの排出口には切断屑箱６が配設されて茎部１
ｃが回収されるのである。

【０００９】前記駆動軸２０Ｌ・２０Ｒ上のプーリー１
４Ｌ・１４Ｒからベルト２２Ｌ・２２Ｒを介して従動軸
２３Ｌ・２３Ｒ上のプーリー１７Ｌ・１７に動力が伝え
られ、該従動軸２３Ｌ・２３Ｒ下部にローラー１８Ｌ・
１８Ｒが固設され、下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒを駆動し
ている。該下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒはい草供給部Ｂか
ら上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒ後端より更に後方へ延設さ
れ、カバー１０の後端も同様に延設されて、その延長部
分の長さを後述する苗カセット８の長さより少し長く
し、その下方から後方にコンベアＡが配設されているの
である。該下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒはい草苗１の下部
を挟持して搬送し、上部搬送ベルト２Ｌ・２Ｒの中途部
で前記カッター４の下刃４ｂにより根部１ａが切断さ
れ、該カッター４下方には切断屑箱５が配設され、根部
１ａは該切断屑箱５に回収され、根部１ａと茎部１ｃを
切断されたい草苗１ｂは下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒに挟
持されて後端まで搬送されるのである。

【００１０】該下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒ後部下方には
コンベアＡが配設され、該コンベアＡは側板２４Ｌ・２
４Ｒ間にローラー７・７・・・を回転自在に枢支し、前
方を低く後方を高くして傾斜させた構成とし、コンベア
Ａの前部はカバー１０の延設部１０ａ下方に配置し、苗
カセット８が空のときには後面が下部搬送ベルト３Ｌ・
３Ｒ後面直後に位置するようにして、延設部１０ａ下面
には前端を止めるストッパー１０ｂが設けられている。
そして、側板２４Ｌ・２４Ｒの間隔を苗カセット８の幅
より少し大きくして苗カセット８が下部搬送ベルト３Ｌ
・３Ｒに嵌合するようにし、下部搬送ベルト３Ｌ・３Ｒ
後端から苗カセット８の長さより少し長い位置までコン
ベアＡを設けて、苗カセット８は自重により前方へ転が
ってい草苗１ｂが或る程度押さえられるようにして倒れ
ないようにし、苗カセット８はその搬送に従って後退す
るようにしているのである。

【００１１】前記苗カセット８の構成は図４に示すよう
に、錆止め加工を施した金属製の鋼板を長方形の箱型に
折り曲げて上方及び前方を開放し、前端面の下部にプレ
ート８ａを枢支して開閉可能とし、苗カセット８上部内
面には開閉杆２５が沿わせて枢支配置され、該開閉杆２
５の先端が前記プレート８ａを閉じた時に係止でき、開
閉杆２５後端の把手２５ａを回動すると係止が解除され
てプレート８ａが前方へ回動されるようにしている。従
って、い草苗１ｂを詰めて図５のように移植機の苗載台
２６に載せる時に把手２５ａを回動すると、プレート８
ａが前方へ回動されい草苗１ｂは自重により滑り落ちて
苗載台２６にセットされるのである。

【００１２】

【考案の効果】以上のような構成により次のような効果
を奏するものである。即ち、切断部から搬送ベルトによ
り苗カセットへ直接い草苗を詰める為に、苗カセットへ
詰める労力を省き作業の能率が大幅に向上し、苗カセッ
トに収納されたい草苗は自重により押さえ付けられるの
で、動力を必要とすることがなく無理な押圧力もかから
ないのである。また、上から詰めるのではなく横から順
次詰められので、い草苗の茎が株元の泥で汚れることが
なく、その泥で茎が汚れて生育障害が生じることも減少
したのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のい草苗のカセット収納装置平面図であ
る。

【図２】同じく側面図である。

【図３】切断部側面図である。

【図４】苗カセットの斜視図である。

【図５】苗載台にい草苗を供給する斜視図である。

【符号の説明】

２ 上部搬送ベルト ３ 下部搬送ベルト ７ コンベア ８ 苗カセット

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 い草苗を搬送ベルトにて搬送しながら根
   下部と茎上部を切断して苗カセットに収納する連続処理
   装置において、い草苗切断後の搬送ベルトの終端下方に
   コンベアの前部を配置し、該コンベア上には苗カセット
   を載置して移動自在に構成したことを特徴とするい草苗
   のカセット収納装置。