JP2531481Y2 - 能動的振動制御装置 - Google Patents
能動的振動制御装置Info
- Publication number
- JP2531481Y2 JP2531481Y2 JP10973190U JP10973190U JP2531481Y2 JP 2531481 Y2 JP2531481 Y2 JP 2531481Y2 JP 10973190 U JP10973190 U JP 10973190U JP 10973190 U JP10973190 U JP 10973190U JP 2531481 Y2 JP2531481 Y2 JP 2531481Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration
- response
- damping
- modal response
- control device
- Prior art date
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、船舶、鉄構構造物、各種ロボット等の機械
構造物一般の制振装置として用いられる能動的振動制御
装置に関する。
構造物一般の制振装置として用いられる能動的振動制御
装置に関する。
従来、能動的に振動を制御する方法として、センサで
検出した制振対象の制動速度に比例し、かつ逆位相の信
号を用いてアクチュエータを駆動させる、いわゆる出力
フィードバック制御により、制振対象の減衰を見掛け上
増加させて振動を低減するなどの方法が提案されてい
た。
検出した制振対象の制動速度に比例し、かつ逆位相の信
号を用いてアクチュエータを駆動させる、いわゆる出力
フィードバック制御により、制振対象の減衰を見掛け上
増加させて振動を低減するなどの方法が提案されてい
た。
第5図は従来の出力フィードバック制御により制振装
置を構成した例を示す。第5図において、1は制振対
象、2はアクチュエータ、3は制動検出センサ、4はア
ンプ、6はパワアンプ、7は電圧増幅器、8は位相反転
器である。従来の方法によれば、1自由度系もしくは一
部の多自由度系では制振できるが、一般の多自由度系で
は必ずしもすべての振動を低減できるとは限らなかっ
た。すなわち、アクチュエータ加振力・センサ点応答間
の伝達関数の位相特性が共振点で常に同相でなければ安
定なフィードバック制御にはならない。ところが、一般
には第6図に示すように共振点での位相は同相・逆相入
り混じったものとなっている。したがって、フィードバ
ック系の根軌跡は第7図に示すように、特性根のうちあ
るものは安定化するが、あるものは不安定化するといっ
たことが起こる。その結果として得られる振動応答は第
8図に示すように、特性根が安定化したものについては
振動が低減するものの、不安定化したものについては逆
に振動応答が増加することになる。
置を構成した例を示す。第5図において、1は制振対
象、2はアクチュエータ、3は制動検出センサ、4はア
ンプ、6はパワアンプ、7は電圧増幅器、8は位相反転
器である。従来の方法によれば、1自由度系もしくは一
部の多自由度系では制振できるが、一般の多自由度系で
は必ずしもすべての振動を低減できるとは限らなかっ
た。すなわち、アクチュエータ加振力・センサ点応答間
の伝達関数の位相特性が共振点で常に同相でなければ安
定なフィードバック制御にはならない。ところが、一般
には第6図に示すように共振点での位相は同相・逆相入
り混じったものとなっている。したがって、フィードバ
ック系の根軌跡は第7図に示すように、特性根のうちあ
るものは安定化するが、あるものは不安定化するといっ
たことが起こる。その結果として得られる振動応答は第
8図に示すように、特性根が安定化したものについては
振動が低減するものの、不安定化したものについては逆
に振動応答が増加することになる。
このように、従来の方法によれば、必ずしもすべての
振動を低減できるとは限らないといった問題があった。
振動を低減できるとは限らないといった問題があった。
本考案は上記のような点に鑑みなされたもので、多自
由度系において、すべての振動を低減可能とする能動的
振動制御装置を提供することを目的とする。
由度系において、すべての振動を低減可能とする能動的
振動制御装置を提供することを目的とする。
本考案は、フィードバックする信号を制振対象の振動
のモーダル応答の振動速度成分とし、そのモーダル応答
を求めるための制振対象モード数と同一数の振動センサ
を制振対象に設置し、そのセンサ出力として得られる信
号を予め設定されたモード分解係数を用いてモーダル応
答に分解するための演算部を設けることにより、常に安
定な出力フィードバック制御を実現しようとするもので
ある。
のモーダル応答の振動速度成分とし、そのモーダル応答
を求めるための制振対象モード数と同一数の振動センサ
を制振対象に設置し、そのセンサ出力として得られる信
号を予め設定されたモード分解係数を用いてモーダル応
答に分解するための演算部を設けることにより、常に安
定な出力フィードバック制御を実現しようとするもので
ある。
本考案の能動的振動制御装置では、フィードバックす
る信号を制振対象の振動のモーダル応答の振動速度成分
としているので、モーダル応答として得られる出力とア
クチュエータ加振力との伝達関数の共振点での位相関係
は常に同相となる。
る信号を制振対象の振動のモーダル応答の振動速度成分
としているので、モーダル応答として得られる出力とア
クチュエータ加振力との伝達関数の共振点での位相関係
は常に同相となる。
したがって、フィードバック系の根軌跡はすべての特
性根が安定側に動くことになる。その結果、制振対象と
して着目したすべての振動モードに対して減衰を付加で
き、振動応答を低減することができる。
性根が安定側に動くことになる。その結果、制振対象と
して着目したすべての振動モードに対して減衰を付加で
き、振動応答を低減することができる。
以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。
第1図は同実施例の能動的振動制御装置の概略構成図
(信号伝達経路を示す図)、第2図は第1図の演算部の
出力(モーダル応答の速度成分)とアクチュエータ加振
力の伝達関数の一例を示す図、第3図は本装置を用いた
ときのS平面上での極位置の一例を示す図、第4図は本
装置を用いたときの振動応答の一例を示す図である。
(信号伝達経路を示す図)、第2図は第1図の演算部の
出力(モーダル応答の速度成分)とアクチュエータ加振
力の伝達関数の一例を示す図、第3図は本装置を用いた
ときのS平面上での極位置の一例を示す図、第4図は本
装置を用いたときの振動応答の一例を示す図である。
第1図に示すように、制振対象1に制振対象とする振
動モード数と同一数の振動検出センサ3を設置し、アン
プ4により制振対象とする振動モード数と同一数の振動
速度を表す電圧に変換する。なお、センサ3が加速度セ
ンサの場合はアンプ4に一次積分の機能を、センサ3が
変位センサの場合はアンプ4に一次微分の機能を持たせ
るか、あるいは積分器もしくは微分器を追設することと
する。
動モード数と同一数の振動検出センサ3を設置し、アン
プ4により制振対象とする振動モード数と同一数の振動
速度を表す電圧に変換する。なお、センサ3が加速度セ
ンサの場合はアンプ4に一次積分の機能を、センサ3が
変位センサの場合はアンプ4に一次微分の機能を持たせ
るか、あるいは積分器もしくは微分器を追設することと
する。
演算部5では、入力信号に対し、モード分解係数を用
いてモーダル応答(速度成分)に分解し、各モード毎に
フィードバックゲインを乗じて位相を反転した後、それ
ぞれを合成して制御信号を得る。具体的には、演算回数
を最小とするため下記に示す式のようにして演算回路を
作成する。なお、モーダル応答とは、モード解析技術に
より、多自由度系の振動を非連成化された1自由度の振
動の重ね合わせとして表わしたときのモード座標系にお
ける各振動モードに対する振動応答である。
いてモーダル応答(速度成分)に分解し、各モード毎に
フィードバックゲインを乗じて位相を反転した後、それ
ぞれを合成して制御信号を得る。具体的には、演算回数
を最小とするため下記に示す式のようにして演算回路を
作成する。なお、モーダル応答とは、モード解析技術に
より、多自由度系の振動を非連成化された1自由度の振
動の重ね合わせとして表わしたときのモード座標系にお
ける各振動モードに対する振動応答である。
(計算式) (a)モード分解 x=c-1*y……(1) ここで、y={y1……yi}T :演算部入力信号(i=1〜n) x={x1……xj}T :モーダル応答(j=1〜n) φij:i番目の観測点におけるj次の振動モード T:転置 (b)各モードへのフィードバックゲインの乗算と位相
反転および加算 uc=−g*x……(2) ここで、uc:制御信号 g={g1,…gj} :フィードバックゲインベクトル (c)演算回数を最小とするための処理 上記(1)(2)式のxを消去して、1つの式にまと
めると、次のようになる。
反転および加算 uc=−g*x……(2) ここで、uc:制御信号 g={g1,…gj} :フィードバックゲインベクトル (c)演算回数を最小とするための処理 上記(1)(2)式のxを消去して、1つの式にまと
めると、次のようになる。
uc=−g*c-1*y……(3) ここで、c-1はモード行列cの逆マトリックスであり、 これにより、−g*c-1を計算すれば、 となり、(1×n)のベクトルとなる。これを a=[a1,……ai]とすれば、 uc=−a*y……(4) として、制御信号が演算される。
なお、本考案の演算部5はアナログ信号処理回路でも
ディジタル信号処理回路でも実施可能である。例えばア
ナログ信号処理回路では、Aは電圧増幅器、Bは加算
器、Cは位相反転器として構成し、ディジタル信号処理
回路では、AはA/D変換器、Bはディジタル演算素子、
CはD/A変換器として構成する。
ディジタル信号処理回路でも実施可能である。例えばア
ナログ信号処理回路では、Aは電圧増幅器、Bは加算
器、Cは位相反転器として構成し、ディジタル信号処理
回路では、AはA/D変換器、Bはディジタル演算素子、
CはD/A変換器として構成する。
このようにして得られる制御信号をパワーアンプ6に
入力し、アクチュエータ2を駆動することにより、出力
(モーダル応答の速度成分)を用いたフィードバック制
御系を構成する。
入力し、アクチュエータ2を駆動することにより、出力
(モーダル応答の速度成分)を用いたフィードバック制
御系を構成する。
このような構成によれば、フィードバックする信号を
制振対象の振動のモーダル応答の振動速度成分としてい
るので、モーダル応答として得られる出力とアクチュエ
ータ加振力との伝達関数の共振点での位相関係は第2図
に示すように常に同相となる。
制振対象の振動のモーダル応答の振動速度成分としてい
るので、モーダル応答として得られる出力とアクチュエ
ータ加振力との伝達関数の共振点での位相関係は第2図
に示すように常に同相となる。
したがって、フィードバック系の根軌跡は第3図に示
すように、すべての特性根が安定側に動くことになる。
その結果として得られる振動応答は第4図に示すよう
に、制振対象として着目したすべての振動モードに対し
て減衰を付加でき、制動応答を低減することができる。
すように、すべての特性根が安定側に動くことになる。
その結果として得られる振動応答は第4図に示すよう
に、制振対象として着目したすべての振動モードに対し
て減衰を付加でき、制動応答を低減することができる。
〔考案の効果〕 以上詳述したように、本考案の能動的振動制御装置に
よれば、次のような効果が得られる。
よれば、次のような効果が得られる。
(1)フィードバックする信号を制振対象の振動のモー
ダル応答としているので、制振対象として着目した複数
の振動モードに対して、すべて振動応答を低減すること
が可能である。
ダル応答としているので、制振対象として着目した複数
の振動モードに対して、すべて振動応答を低減すること
が可能である。
(2)モーダル応答を得るための演算はモード分解係数
を用いた簡単な乗算と加算の組合せで構成され、その演
算部はアナログ信号処理あるいはディジタル信号処理で
容易に実現でき、信号処理に要する時間も極めて少なく
て済むことから、実時間性を損なうことなく、良好なフ
ィードバック制御を実現できる。
を用いた簡単な乗算と加算の組合せで構成され、その演
算部はアナログ信号処理あるいはディジタル信号処理で
容易に実現でき、信号処理に要する時間も極めて少なく
て済むことから、実時間性を損なうことなく、良好なフ
ィードバック制御を実現できる。
第1図は本考案の一実施例に係る能動的振動制御装置の
構成を示すブロック図、第2図は同実施例の演算部の出
力(モーダル応答の速度成分)とアクチュエータ加振力
の伝達関数を示す図、第3図は同実施例におけるS平面
上での極位置を示す図、第4図は同実施例の振動応答の
一例を示す図、第5図は従来の能動的振動制御装置の構
成を示すブロック図、第6図は従来の方法による出力
(観測点での速度信号)とアクチュエータ加振力との伝
達関数を示す図、第7図は従来の方法によるS平面上で
の極位置を示す図、第8図は従来の振動応答を示す図で
ある。 1…制振対象、2…アクチュエータ、3…振動検出セン
サ、4…アンプ、5…演算部、6…パワーアンプ、A…
電圧増幅器(アナログ信号処理回路)またはA/D変換器
(ディジタル信号処理回路)、B…加算器(アナログ信
号処理回路)またはディジタル演算素子(ディジタル信
号処理回路)、C…位相変換器(アナログ信号処理回
路)またはD/A変換器(ディジタル信号処理回路)。
構成を示すブロック図、第2図は同実施例の演算部の出
力(モーダル応答の速度成分)とアクチュエータ加振力
の伝達関数を示す図、第3図は同実施例におけるS平面
上での極位置を示す図、第4図は同実施例の振動応答の
一例を示す図、第5図は従来の能動的振動制御装置の構
成を示すブロック図、第6図は従来の方法による出力
(観測点での速度信号)とアクチュエータ加振力との伝
達関数を示す図、第7図は従来の方法によるS平面上で
の極位置を示す図、第8図は従来の振動応答を示す図で
ある。 1…制振対象、2…アクチュエータ、3…振動検出セン
サ、4…アンプ、5…演算部、6…パワーアンプ、A…
電圧増幅器(アナログ信号処理回路)またはA/D変換器
(ディジタル信号処理回路)、B…加算器(アナログ信
号処理回路)またはディジタル演算素子(ディジタル信
号処理回路)、C…位相変換器(アナログ信号処理回
路)またはD/A変換器(ディジタル信号処理回路)。
Claims (1)
- 【請求項1】多自由度系の制振対象の振動を出力フィー
ドバック制御により能動的に制振する制振装置におい
て、 フィードバックする信号を制振対象の振動のモーダル応
答とし、そのモーダル応答を求めるための制振対象モー
ド数と同一数の振動センサを制振対象に設置し、そのセ
ンサ出力として得られる信号を予め設定されたモード分
解係数を用いてモーダル応答に分解するための演算部を
組込んだことを特徴とする能動的振動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10973190U JP2531481Y2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 能動的振動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10973190U JP2531481Y2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 能動的振動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0467716U JPH0467716U (ja) | 1992-06-16 |
JP2531481Y2 true JP2531481Y2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=31856975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10973190U Expired - Lifetime JP2531481Y2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 能動的振動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2531481Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5333813B2 (ja) * | 2007-12-27 | 2013-11-06 | 株式会社安川電機 | モータ制御装置及び機械システム |
JP5899088B2 (ja) * | 2012-08-30 | 2016-04-06 | 住友理工株式会社 | 能動型制振装置およびその配置決定方法 |
-
1990
- 1990-10-22 JP JP10973190U patent/JP2531481Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0467716U (ja) | 1992-06-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |