JP2531419B2 - 吸入器 - Google Patents

吸入器

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JP2531419B2
JP2531419B2 JP3267824A JP26782491A JP2531419B2 JP 2531419 B2 JP2531419 B2 JP 2531419B2 JP 3267824 A JP3267824 A JP 3267824A JP 26782491 A JP26782491 A JP 26782491A JP 2531419 B2 JP2531419 B2 JP 2531419B2
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water supply
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光男 中谷
義衛 渡里
敏 中山
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体の呼吸器系に生じ
た炎症等の治療に用いられるものであって、特に蒸気噴
出を利用して吸入液(薬液)の噴霧を行う、所謂スチー
ム式の吸入器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の吸入器は、吸入液 (薬液) を収
容する吸入カップと、吸入カップの吸入液 (薬液) を吸
い上げて噴霧する吸入液ノズルと、吸入液ノズルの近傍
に噴出口が位置するよう配設された蒸気ノズルと、蒸気
を発生させるための水を収容するタンク蓋を有した給水
タンクと、水を加熱するために給水タンクの下方に配設
されたヒータと、を備え、蒸気ノズルを給水タンクの上
部に連通させて蒸気が蒸気ノズルから噴出する際に吸入
液が吸入液ノズルから噴霧される構成のものが一般的で
ある。
【0003】しかしながらこのものは、給水タンクに収
容された例えば50cc程度の水をヒータで加熱して蒸気を
発生させるために、ヒータに通電してから蒸気発生、す
なわち吸入 (噴霧) 開始まで3分程度の時間を要してし
まう。
【0004】そこで本願出願人は、ヒータに通電してか
ら吸入 (噴霧) 開始までの時間を短縮するものとして、
図8に示す吸入器を特願平3-126121において提案した。
この吸入器は、準備作業として先ず、吸入液M を注入し
た吸入カップ3 を吸入器本体1 の外方収容部1dに収容
(セット) し、次に水W を供給した給水タンク7 にタン
ク蓋8 をねじ8cにより係止して給水用開口部と連通部7e
の開口部を閉塞する。このとき、給水タンク7 内の水W
は給水路11を通って湯沸室9 にも満たされ、両方の水位
WS1,WS2 は同等となる。そして本体カバー2 を吸入器本
体1 に係止する。この準備作業が完了した後ヒータ10に
通電すると、小容量の湯沸室9 の水は直ちに加熱され、
数十秒後には蒸気を発生して連通路13を通って蒸気溜室
12に蓄えられ、やがて蒸気溜室12が高圧となり、蒸気は
蒸気ノズル5 の噴出口5bから噴出する。この蒸気の噴出
の際、ベンチュリー効果により吸入液M が吸入液ノズル
4 を通って吸い上げられ、吸入液M は蒸気と混合して噴
霧され、これが本体カバー2の吹き出し口2aから吹き出
すのである。
【0005】また、蒸気溜室12内の圧力は、連通孔8fを
通って給水タンク7 へフィードバックされるため、湯沸
室9 と給水タンク7 の各水面に対する圧力は均等化され
る。従って湯沸室9 内の水が蒸気化し、その水位が低下
して給水タンク7 との水位の差が生じても、前述の圧力
により給水タンク7 の水は給水路11を通って同水位にな
るまで湯沸室9 に供給される。このような水位の均衡化
作用とともに、湯沸室9 では連続的に蒸気を発生するの
で蒸気の噴出に脈動が発生せず、従って所謂息つき現象
と称する動作にはならない。よってヒータの通電から吸
入開始までの時間が短縮できるとともに、噴出する蒸気
が脈動しないものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
吸入液は、通常使用状態において蒸気溜室12内の蒸気圧
力は0.5Kgf/cm2 程度あり、ヒータ通電状態でタンク蓋
8 を開けている途中に、その蒸気圧力によって圧縮加熱
された蒸気が給水タンク7 とタンク蓋8 の隙間から突然
噴出して火傷を負ったり、タンク蓋8 が飛ばされるとい
った危険な状態になる惧れがある。特に、蒸気ノズル5
が水垢で詰まっているような場合には蒸気圧力は1Kgf/
cm2 程度まで上昇しておりヒータ通電を停止しても圧力
が保持されていて前述の状態はさらに危険なものとな
る。
【0007】なお、タンク蓋を開ける場合の安全性を考
慮した給水タンクとタンク蓋の係止構造については、実
公昭63-7248 にて提案されたものがある。この構造を図
9及び図10に基づいて説明すると、57は給水タンクで、
その周囲にはヒータ (図示せず) が巻かれて吸入器本体
(図示せず) に取着されている。58はタンク蓋で、開口
側の内周縁に複数個の嵌合爪58a が設けてある。そして
給水タンク57は、その開口側の外周面に嵌合爪58a に対
応する形状、配置で挿入部57a があり、これに連続する
カム状のガイド部が周方向に形成してある。タンク蓋58
を給水タンク57に係止 (閉める) する場合、嵌合爪58a
を挿入部57a から挿入して矢符A 方向に回動するが、カ
ム状のガイド部はその方向に順次第1ストッパー57b 、
保持部57c 、傾斜部57d 、第2ストッパー57e と形成し
てある。従ってタンク蓋58を矢符A 方向に回動していく
と、嵌合爪58a は傾斜部57d にガイドされて軸方向に移
動し、第2ストッパー57e まで至るとタンク蓋58は確実
に給水タンク57を閉塞してそれに係止される。
【0008】次に、タンク蓋58を開ける場合、タンク蓋
58を逆に矢符B 方向に回動すると、嵌合爪58a は傾斜部
57d にガイドされて軸方向に移動し、やがて第1ストッ
パー57b に停止させられて保持部57c に一時保持され
る。この状態のとき、給水タンク57とタンク蓋58とは確
実には閉塞されない状態となっていて加圧された蒸気が
放出される。そして内部圧力が外気圧と同等になった
後、タンク蓋58を一旦押し下げて第1ストッパー57b を
乗り越え、挿入部57a から嵌合爪58a を脱却させるので
ある。
【0009】しかしながら、このものにあっても加圧さ
れた蒸気が放出されるとき、タンク蓋58には手が添えら
れているためにその蒸気が手に触れる危険性がある。
【0010】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、その第1の目的とするところは、タンク蓋を開ける
際に内部の蒸気圧力が高い状態であっても蒸気がタンク
蓋側に放出することがない安全性の高い吸入液を提供す
るにある。また第2の目的とするところは、タンク蓋を
開閉するためにそれを回動させる際の操作力が比較的少
なくてすむ吸入器を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項1記載の吸入器は、吸入液を収容する吸入
カップと、吸入カップの吸入液を吸い上げて噴霧する吸
入液ノズルと、吸入液ノズルの近傍に噴出口が位置する
よう配設される蒸気ノズルと、蒸気を発生させるための
水を収容する給水タンクと、給水タンクに係止されるタ
ンク蓋と、給水タンクと略同等の水位が得られるもので
あって水を加熱するヒータとともに給水タンクに並設し
た小容量の湯沸室と、を備え、湯沸室にて発生した蒸気
が蒸気ノズルから噴出する際に吸入液が吸入液ノズルか
ら吸い上げられ、蒸気と混合して噴霧される吸入器にお
いて、タンク蓋に第1閉塞部と第2閉塞部を設け、給水
タンクに第1閉塞部にて開閉される給水のための第1開
口部と第2閉塞部にて開閉されるタンク蓋とは離れた位
置で外部に連通した第2開口部を設け、かつタンク蓋の
開放動作の際第2開口部が先に開放されるよう構成して
ある。
【0012】請求項2記載の吸入器は、請求項1記載の
給水タンクとタンク蓋の係止構造が、タンク蓋を回動さ
せて行うものであって、タンク蓋の開放動作の際、第2
開口部が開放されかつ第1開口部が閉塞されている状態
を一定期間継続するよう構成してある。
【0013】請求項3記載の吸入器は、請求項1又は2
記載のタンク蓋の開放動作の際、第2開口部が開放され
かつ第1開口部が閉塞されている状態を一定期間継続す
るために、タンクの回動を一時停止させるストッパーを
給水タンクに形成した構成としてある。
【0014】請求項4記載の吸入器は、請求項1、2又
は3記載のタンク蓋を、給水タンク係止体と第1閉塞部
及び第2閉塞部を設けた蓋本体とに分離形成するととも
に、両者が回動可能に一体化した構成としてある。
【0015】
【作用】請求項1記載の構成によれば、タンク蓋の開放
動作の際、給水タンクの第2開口部が先に開放されて内
部の加圧された蒸気はタンク蓋から離れた位置でもって
外部に放出でき、その蒸気が手に触れたりその蒸気でタ
ンク蓋が飛ばされることがない。
【0016】請求項2記載の構成によれば、タンク蓋の
開放動作がかなり急速に行われても第2開口部のみ開放
される一定期間が存在するため、前述の作用がより安全
なものとなる。
【0017】請求項3記載の構成によれば、タンク蓋の
開放動作の際、タンク蓋の回動がストッパーで確実に一
時停止され、前述の作用がさらにより安全なものとな
る。
【0018】請求項4記載の構成によれば、タンク蓋の
回動動作の際、第1閉塞部及び第2閉塞部を設けた蓋本
体はそれらの摩擦力やねじり力によって回動せず給水タ
ンク係止体のみが回動するので、その操作力が小さくな
り磨耗も減少する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1乃至図3に
基づいて説明する。なお、本願出願人が先に提案した図
8に基づいて説明したものにおける基本的機能が同様の
部材には同一の符号を付している。
【0020】1 は吸入器本体、2 は本体カバーで、これ
らにより吸入器の外郭を形成している。吸入器本体1
は、下方にボス等を含む載置部1aを有し、載置部1aより
立壁1bを立設して内方収容部1cと外部に開放した外方収
容部1dを形成している。外方収容部1dは、立壁1bと立壁
1bの上端に繋がる上壁1eと載置部1aとによって区画され
る。1fは上壁1eに形成された貫通孔、1gはボス等を含む
押さえ部材で、後述する給水タンクを押さえ固定する。
本体カバー2 は、内方収容部1cを含む吸入器本体1 の上
面を覆うように着脱自在にその上端部に係止される。こ
の本体カバー2 には、後述する蒸気ノズルの噴出口に対
応して吹き出し口2aが形成されている。
【0021】3 は吸入カップで、吸入液 (薬液)Mを収容
するべく有底筒状をなして外方収容部1dの載置部1a上に
載置される。吸入カップ3 の下部外方には、排水受皿14
が一体形成してあり、これは立壁1bの開口部を通って内
方収容部1c内に入り込んでいる。
【0022】4 は吸入液ノズルで、吸入カップ3 の吸入
液M を吸い上げて噴霧するべく吸入カップ3 より十分長
く形成されており、下方の吸い込み口4aは吸入カップ3
の底部近傍に位置し、上方の噴出口4bは本体カバー2 内
に進出し、そして支持部材 (図示せず) に着脱自在に取
り付けられる。
【0023】5 は蒸気ノズルで、後述する給水タンクと
一体形成され、給水タンク側に進入口5a、先端側に噴出
口5bを有する。この噴出口5bは、吸入液ノズル4 の噴出
口4bの近傍に位置させる。前述の図示しない支持部材
は、両噴出口4b,5b が所定の位置関係でもって取り付け
られるよう設計する。
【0024】7 は給水タンクで、蒸気を発生させるため
の水W を収容する。この実施例では、前述した蒸気ノズ
ル5 の一体形成のほかに、後述する湯沸室や蒸気溜室等
の合理的な構成のため以下のような構造になっている。
すなわち水W を収容する部分は、周壁7aと底部7bとによ
り大略有底筒状をなし、周壁7aの開口縁近傍の外周に雄
ねじ7cを刻設し、その下方に蒸気ノズル5 の進入口5aを
設けている。従って上方側は給水のための第1開口部7d
となる。また周壁7aの中央には、後述するタンク蓋とは
離れた位置で給水タンク7 の外部に連通する連通部7eが
中空パイプ状に形成されている。この連通部7eの内方開
口端は第2開口部7fとなる。連通部7eは、第2開口部7f
が給水タンク7 の開口端より十分沈んだ位置 (さらに詳
しくは、後述する連通路よりやや沈んだ位置) まで延び
ており、底部7bの下方では吸入カップ3 に向けて延ばさ
れ、排水受皿14の上方に外方開口端が位置する。この連
通部7eは、本来的には給水タンク7 に過剰の水W が供給
されたとき、その過剰分を排出する機能と内部の圧力が
異常に上昇したときその圧力を外部に逃がす機能をを有
するものであるが、本発明では後述するように、加えて
タンク蓋の開放動作の際第1開口部7dがまだ閉塞状態で
あるとき、これより第2開口部が先に開放されて内部の
加圧された蒸気を外部に放出する機能をも有する。また
周壁7aの雄ねじ7cと進入口5aの間には、押さえ部材1gに
て固定されるための鍔部7gが形成されている。また、蒸
気ノズル5 が形成された側と反対側の周壁7aには、周壁
7aに直交方向に延びる給水路11と連通路13が一体的に形
成され、さらに各路11,13 の先端部には湯沸室を構成す
る壁部7hやヒータ取着部7iが連設されている。給水路11
と連通路13の高さ方向位置は、前者が周壁7aの最下方
に、後者が進入口5aに略対応するものである。
【0025】8 はタンク蓋で、給水タンク7 に螺合係止
されて第1開口部7dと第2開口部7fを開閉する。すなわ
ちタンク蓋8 は、周壁7aの内径に略等しい外径の基部8a
と、内周面に雄ねじ7cに螺合する雌ねじ8cを刻設した外
周筒部8bと、基部8aの中央下面に連設される中央軸部8d
と、中央軸部8dの端部に連設される周壁7aの内径よりや
や小径の鍔部8eとを有して一体的に形成される。従って
タンク蓋8 の軸方向下方には、リング状凹所が形成され
てこれが蒸気溜室12となる。この蒸気溜室12は、一方は
連通路13に、他方は蒸気ノズル5 の進入口5aに連通す
る。また、基部8aの外周にはOリング8fが装着されてい
る。このOリング8fは、周壁7aに対し摺動自在に密着し
て第1開口部7dを確実に閉塞するもので第1閉塞部とな
る。また、タンク蓋8 は、その中央に、上方が小径で下
方が大径となり、さらに大径部の下方が面取り状に拡が
る段付の貫通孔8gを有しており、その大径部にコイルば
ね15とばねガイド16を挿入し、そして貫通孔8gを気密的
に塞ぐダイヤフラム17が鍔部8eに固定される。このダイ
ヤフラム17は、第2開口部7fを閉塞するもので第2閉塞
部となる。8hは鍔部8eに設けた連通孔である。
【0026】ダイヤフラム17は、図2に示すように、中
央に第2開口部7fよりやや大径の弁体部17a 、外周縁に
取着部17b 、これらを連結するリング部分に薄肉の弾性
部17c を有して形成される。ダイヤフラム17の鍔部8eへ
の固定は、円板状の固定板18が取着部17b を押さえつつ
鍔部8eに融着あるいは螺着することにより行われる。弁
体部17a は、その上面はばねガイド16に当接し、下面は
第2開口部7fに当接する。図2は、タンク蓋8 が給水タ
ンク7 に螺合係止されて第2開口部7fを閉塞した状態を
示している。この状態では、コイルばね15は所定量圧縮
されており、従ってダイヤフラム17は下向きにばね力F
と大気圧P0を受け、上向きに蒸気圧力に応じた圧力P1と
連通部7eからの大気圧P0を受けている。このばね力F
は、通常の圧力P1より十分大きくしてあるので、通常時
は弁体部17a は確実に第2開口部7fを閉塞している。し
かし、蒸気ノズル5 が水垢等で詰まったりして給水タン
ク7内の圧力が異常に上昇した場合、圧力P1はばね力F
より大きくなって弁体部17aを持ち上げ、第2開口部7f
が開放されてその圧力は外部に放出される。従ってコイ
ルばね15は、基本的にはどの程度の圧力の上昇があった
とき第2開口部7fを開放させるかに応じて適宜設計す
る。つまりこのダイヤフラム17は、弁機能を有する弾性
作動体であるが、このような作用をするものであればダ
イヤフラムに替わる部材にて第2閉塞部を構成してもよ
い。
【0027】9 は湯沸室で、給水タンク7 と略同等の水
位が得られるように、しかもそこに供給される水量は僅
かであるよう小容量でもって給水タンク7 と平行的に並
設される。具体的には、湯沸室9 を構成する一側面は水
を加熱するための平板状のヒータ10が兼ねており、従っ
てヒータ10の縦 (水位) 方向長さは給水タンク7 と略同
等にしてヒータ取着部7gに取着され、これによりヒータ
10と給水タンク7 の壁部7fによって湯沸室9 が形成され
る。ヒータ10は、端子10a,10a を有しており、これにリ
ード線を接合し、電力制御手段等を介して電源に接続さ
れる。
【0028】このように湯沸室9 を形成した給水タンク
7 は、吸入器本体1 の載置部1aと押さえ部材1gにて吸入
器本体1 に固定される。
【0029】かかる吸入器は、準備作業として、先ず、
吸入カップ3 に吸入液 (薬液)Mを注入し、その吸入カッ
プ3 を吸入器本体1 の外方収容部1dに収容 (セット) す
る。次に、給水タンク7 に水W を供給し、第1閉塞部
(Oリング) 8fが第1開口部7dを、第2閉塞部 (ダイヤ
フラム) 17が第2開口部7fを、それぞれ閉塞するようタ
ンク蓋8 を給水タンク7 に螺合係止する。給水タンク7
に供給された水W は、給水路11を通って湯沸室9 に流入
し、両方の水位WS1 WS2 は同等となる。そして本体カバ
ー2 を吸入器本体1 に係止する。
【0030】この準備作業が完了した後、ヒータ10に通
電すると、湯沸室9 の水は加熱されて数十秒後には蒸気
を発生し、この蒸気が連通路13を通って蒸気溜室12に蓄
えられ、やがて蒸気溜室12内が高圧となり、蒸気は蒸気
ノズル5 の噴出口5bから噴出される。この蒸気の噴出の
際、ベンチュリー効果により吸入液M が吸入液ノズル4
を通って吸い上げられて蒸気と混合し、これが本体カバ
ー2 の吹き出し口2aから噴霧 (吸入) されるのである。
また、蒸気溜室12に蓄えられる蒸気は、給水タンク7 の
水と隔離されるので蒸気損失が低減できる。また、蒸気
溜室12内の圧力は、連通孔8hを通って給水タンク7 へフ
ィードバックされるため、湯沸室9 と給水タンク7 の各
水面に対する圧力は均等化される。従って湯沸室9 の水
が蒸気化し、その水位WS2 が低下して給水タンク7 の水
位WS1 との間に差が生じても、上述の圧力により給水タ
ンク7 の水は給水路11を通り、同水位になるまで湯沸室
9に供給される。このような水位の均衡化作用ととも
に、湯沸室9 では連続的に蒸気を発生するので蒸気の噴
出に脈動が発生せず、従って所謂息つき現象と称する動
作にはならない。
【0031】この吸入器のタンク蓋8 を開ける開放動作
を、図3(a) 乃至(c) に基づいて説明する。(a) は使用
状態であり、タンク蓋8 の両閉塞部8f,17 は両開口部7
d,7fを閉塞している。このとき、内部の蒸気圧力は通常
0.5Kgf/cm2 程度である。次に、タンク蓋8 を開けるべ
くこれを回動させて (b)の状態まで移動させたとき、第
2開口部7fを閉塞するのに寄与していたコイルばね15の
圧縮量が減少してばね力F は蒸気圧力P1より小さくな
り、弁体部17a が持ち上げられてその蒸気は連通路7eを
通って外部に放出される。勿論、このとき第1開口部7d
は第1閉塞部8fによって閉塞されている。これにより内
部の圧力は大気圧となり、さらにタンク蓋8 を回動させ
てねじ7c,8c の螺合係止が解除されて (c)に至る。この
とき、内部の圧力は既に大気圧になっているので、蒸気
の噴出やタンク蓋8 が飛ばされるという現象は起こらな
い。また、蒸気ノズル5 が詰まっていたとしても同様に
安全にタンク蓋8 の開放動作が行える。
【0032】次に、本発明の第2実施例を図4及び図5
に基づいて説明する。このものは、第1実施例とはタン
ク蓋とこれに関連する給水タンクのみが異なるもので、
これら以外の部材について第1実施例と実質的に同一の
部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】このタンク蓋28の給水タンク27への係止
は、ねじではなくフック28p と溝27pによって行う。タ
ンク蓋28は、基部28a 、中央軸部28d 、鍔部28e 、Oリ
ング(第1閉塞部)28f、貫通孔28g 、連通孔28h 、ダイ
ヤフラム (第2閉塞部)17 等は第1実施例と同様である
が、外周筒部28b の内周面に2個のフック28p,28p を突
出形成している点が異なる。一方、給水タンク27は、周
壁27a 、底部27b 、第1開口部27d 、連通部27e 、第2
開口部27f 、鍔部27g 、壁部27h 、ヒータ取着部27i 等
は第1実施例と略同様であるが、周壁27a の開口付近の
外周面にフック28p をガイドする溝27p を形成した点が
異なる。この溝27p は、図5に展開して示すように、フ
ック28p が移動できる広さを有し、開口端から順次、挿
入部27q 、第1傾斜部27r 、第1水平部27s 、第2傾斜
部27t 、第2水平部27u が形成されている。
【0034】タンク蓋28を閉める場合は、フック28p を
挿入部27q に対応させて押し下げ、その後は回動するこ
とにより各部27r,27s,27t にガイドされて第2水平部27
u に至らせ、その状態でOリング( 第1閉塞部)28fとダ
イヤフラム (第2閉塞部)17が第1開口部27d と第2開
口部27f を閉塞する。タンク蓋28を開ける開放動作の場
合は、タンク蓋28を逆に回動させる。この場合、フック
28p が第1水平部27sに至ったとき、第2開口部27f の
みが開放状態となる。従って内部の蒸気は連通路27e を
通って外部に放出されるのである。
【0035】このものは、第1水平部27s があるため
に、第2開口部27f が開放されかつ第1開口部が閉塞さ
れている状態を一定期間継続するので、タンク蓋28の開
放動作がかなり急速に行われても確実に内部の蒸気の放
出が行える。
【0036】次に、本発明の第3実施例を図6に基づい
て説明する。このものは、第2実施例の給水タンクの溝
形状のみを変形させたもので、第2実施例と同じ符号を
付している。このものは、給水タンク27の溝27p におけ
る第1水平部27s に、下方に突出するストッパー27v を
第1傾斜部27r に隣接させて形成している。
【0037】このものは、ストッパー27v があるため
に、タンク蓋28の開放動作のためにそれを回動させたと
き、フック28p が第1傾斜部27r に至る前の第1水平部
27s に至ったとき一時停止する。フック28p が第1水平
部27s に至ると、第2開口部27f が開放されかつ第1開
口部27d は閉塞されているので内部の蒸気が放出され、
その後一旦タンク蓋28を押し下げてストッパー27v を乗
り越えさせる。従ってタンク蓋28の開放動作がかなり急
速に行われてもより確実に内部の蒸気の放出が行える。
【0038】次に、本発明の第4実施例を図7に基づい
て説明する。このものは、第1乃至第3実施例のいずれ
にも適用できるもので、タンク蓋の構造のみが異なる。
図7は第2実施例に適用したものを示しており、第2実
施例と同様の符号を付している。
【0039】すなわちタンク蓋28は、給水タンク係止体
28A と蓋本体28B とに分離形成するとともに、両者は回
動可能に一体化されている。蓋本体28B は、第2実施例
におけるタンク蓋28から大略外周筒部28b を除いた形状
をなし、略第2実施例と同様の基部28a 、中央軸部28d
、鍔部28e 、Oリング( 第1閉塞部)28f、貫通孔28g、
連通孔28h 、ダイヤフラム (第2閉塞部)17 等を有して
おり、さらに基部28aの上方端部に外方に突出する突起2
8x を設けている。給水タンク係止体28A は、第2実施
例におけるタンク蓋28の外周筒部28b を含んだ大略キャ
ップ状をなし、第2実施例と同様2個のフック28p,28p
を突出形成しており、さらに突起28x を軸方向にガイド
する内方に突出する突起28y を設けている。また、28z
は蓋本体28B の貫通孔28g に連通する貫通孔である。
【0040】このタンク蓋28は、給水タンク係止体28A
の突起28y と蓋本体28B の突起28xを重ならないように
して互いに嵌め入れ、いずれかを相対的に周方向に回動
させることにより両者は回動可能に一体化される。そし
てフック28p,28p を給水タンク27の挿入部27q に挿入
し、これらを第2水平部27u に至るまで回動して給水タ
ンク27に係止する。
【0041】このものは、タンク蓋28の回動操作の際、
第1閉塞部28f 及び第2閉塞部17を設けた蓋本体28B は
それらの摩擦力やねじり力によって回動せず給水タンク
係止体28A のみが回動するので、その操作力が小さくな
り磨耗も減少する。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の吸入器は、タンク蓋の開
放動作の際、給水タンクの第2開口部が先に開放されて
内部の加圧された蒸気はタンク蓋から離れた位置でもっ
て外部に放出でき、その蒸気が手に触れたりその蒸気で
タンク蓋が飛ばされることがなく、安全性の高いものと
なる。
【0043】請求項2記載の吸入器は、タンク蓋の開放
動作がかなり急速に行われても第2開口部のみ開放され
る一定期間が存在するため、前述の作用がより確実にな
り、より安全性の高いものとなる。
【0044】請求項3記載の吸入器は、タンク蓋の開放
動作の際、タンク蓋の回動がストッパーで確実に一時停
止され、前述の作用がさらにより確実になり、さらによ
り安全性の高いものとなる。
【0045】請求項4記載の吸入器は、タンク蓋の回動
動作の際、第1閉塞部及び第2閉塞部を設けた蓋本体は
それらの摩擦力やねじり力によって回動せず給水タンク
係止体のみが回動するので、その操作力が小さくなり磨
耗も減少するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】その第2開口部の動作を説明する拡大断面図で
ある。
【図3】(a) 乃至(c) はタンク蓋の開放動作の説明図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図5】その給水タンクの溝形状を示す展開図である。
【図6】本発明の第3実施例の溝形状を示す展開図であ
る。
【図7】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図8】本願出願人が先に提案したものを示す縦断面図
である。
【図9】従来のタンク蓋の係止構造の一例を示す要部分
解斜視図である。
【図10】その給水タンクの溝形状を示す展開図である。
【符号の説明】
1 吸入器本体 2 本体カバー 3 吸入カップ 4 吸入液ノズル 5 蒸気ノズル 7 給水タンク (第2, 3, 4実施例では27) 7d 給水タンクの第1開口部 7f 給水タンクの第2開口部 8 タンク蓋 (第2, 3, 4実施例では28) 8f タンク蓋の第1閉塞部 17 ダイヤフラム (タンク蓋の第2閉塞部) 9 湯沸室 10 ヒータ 11 給水路 12 蒸気溜室 13 連通路 M 吸入液 (薬液) W 水

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入液を収容する吸入カップと、吸入カ
    ップの吸入液を吸い上げて噴霧する吸入液ノズルと、吸
    入液ノズルの近傍に噴出口が位置するよう配設される蒸
    気ノズルと、蒸気を発生させるための水を収容する給水
    タンクと、給水タンクに係止されるタンク蓋と、給水タ
    ンクと略同等の水位が得られるものであって水を加熱す
    るヒータとともに給水タンクに並設した小容量の湯沸室
    と、を備え、湯沸室にて発生した蒸気が蒸気ノズルから
    噴出する際に吸入液が吸入液ノズルから吸い上げられ、
    蒸気と混合して噴霧される吸入器において、 前記タンク蓋に第1閉塞部と第2閉塞部を設け、前記給
    水タンクに第1閉塞部にて開閉される給水のための第1
    開口部と第2閉塞部にて開閉されるタンク蓋とは離れた
    位置で外部に連通した第2開口部を設け、かつタンク蓋
    の開放動作の際第2開口部が先に開放されるよう構成し
    たことを特徴とする吸入器。
  2. 【請求項2】 給水タンクとタンク蓋の係止構造は、タ
    ンク蓋を回動させて行うものであって、タンク蓋の開放
    動作の際、第2開口部が開放されかつ第1開口部が閉塞
    されている状態を一定期間継続するよう構成されている
    請求項1記載の吸入器。
  3. 【請求項3】 タンク蓋の開放動作の際、第2開口部が
    開放されかつ第1開口部が閉塞されている状態を一定期
    間継続するために、タンク蓋の回動を一時停止させるス
    トッパーを給水タンクに形成してなる請求項1又は2記
    載の吸入器。
  4. 【請求項4】 前記タンク蓋を、給水タンク係止体と第
    1閉塞部及び第2閉塞部を設けた蓋本体とに分離形成す
    るとともに、両者が回動可能に一体化されてなる請求項
    1、2又は3記載の吸入器。
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WO2008102876A1 (ja) 2007-02-22 2008-08-28 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体の製造方法

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