JP2530810Y2 - 論理信号伝送機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は差動的に変化する二つの論理信号を伝送す
る機器にに関する。

「従来の技術」 一般に差動的に変化する２つの論理信号の入出力端末
間伝送に用いられるツイストペアケーブルは、第５図に
示すように２本の絶縁被覆電線1Aと1Bが撚り合され、電
磁妨害を小さくするためにシールド被覆２内に収納され
て構成される。

絶縁被覆電線1Aと1Bの一端側に差動出力型のドライバ
３が接続され、他端側に差動入力型のレシーバ４が接続
されて実用される。

従来のツイストペアケーブルは一つのシールド被覆２
の内に一組みの絶縁被覆電線1A,1Bしか収納されていな
い。つまり複数のペア線を一つのシールド被覆２内に収
納したとすると、ペア線相互に干渉が生じ実用できない
とされている。

従って従来は複数の平衡伝送路を構成する場合、第５
図に示したように各伝送路毎に一本のケーブルを使用し
なければならないから配線作業が面倒であった。このよ
うな需要に対応するために、第６図に示すように複数の
ツイストペアケーブルを並行して連結した複合ツイスト
ペアケーブルが用意されている。

「考案が解決しようとする課題」 第６図に示した複合ツイストペアケーブルは偏平に延
長されるため断面形状が大きくなる欠点があることと、
絶縁被覆電線1A,1Bを捩り合せる工程と、捩り合せた絶
縁被覆電線1A,1Bにシールド被覆２を被覆させる工程
と、シールド被覆２の外側に絶縁シース５を被覆する工
程と、このようにして作ったツイストペアケーブルの絶
縁シース５を軸線方向に接着して平行に結合させる工程
のように製造工程が多いためコストが高くなる欠点があ
る。

この考案の目的は２組のツイストペアケーブルを細く
作ることができ、然も安価に作ることができる複合ツイ
ストペアケーブルから成る論理信号伝送機器を提供しよ
うとするものである。

「課題を解決するための手段」 この考案の論理信号伝送機器は、ドライバの１対の出
力端子から差動的に変化する論理信号を平衡伝送路を通
じてレシーバの１対の入力端子へ伝送する機器であっ
て、 ４本の絶縁被覆電線が撚り合され、その４本の絶縁被
覆電線の外側にシールド被覆が形成された複合ツイスト
ペアケーブルが上記ドライバとレシーバとの間に設けら
れ、 上記複合ツイストペアケーブルの一端面における４本
の絶縁被覆電線を各頂点とする正方形の一方の対角線上
の２本の絶縁被覆電線に第１のドライバの一対の出力端
子が接続され、他方の対角線上の２本の絶縁被覆電線に
第２ドライバの一対の出力端子が接続され、 上記複合ツイストペアケーブルの他端面における４本
の絶縁被覆電線を各頂点とする正方形の一方の対角線上
の２本の絶縁被覆電線に第１のレシーバの一対の入力端
子が接続され、他方の対角線上の２本の絶縁被覆電線に
第２のレシーバの一対の入力端子が接続される。

この考案の構成によれば一つのシールド被覆の中に２
組のペア線を収納したから、従来の２本のツイストペア
ケーブルの断面積より小さい断面積とすることができ
る。

然も４本の芯線を撚り合せ、その上にシールド被覆を
被せ、絶縁シースを被せれば済むから、１本のツイスト
ペアケーブルを作るのとほぼ同じ工程で複合ツイストペ
アケーブルから成る論理信号伝送機器を作ることができ
る。よって製造コストを安価にすることができる。

また４本の絶縁被覆電線をその芯線を結ぶ線によって
描かれる四辺形の対角線上に位置する絶縁被覆電線がペ
アとして使われ、ペア相互に信号が干渉することがな
い。

つまり対角線上に位置する絶縁被覆電線をペア線とし
て使うことにより、ペア線は相手の信号が互に打消され
る位置で結合する。よって相手のペア線との電気的な結
合を阻止することができる。

「実施例」 第１図にこの考案の一実施例を示す。第１図において
1A,1B,1C,1Dは絶縁被覆電線を示す。この考案では４本
の絶縁被覆電線1A〜1Dを一のシールド被覆２に収納する
と共に、４本の絶縁被覆電線1A〜1Dの芯線を結ぶ線で描
かれる四辺形６の対角線上に位置する絶縁被覆電線1Aと
1B及び1Cと1Dをそれぞれ対とする表示手段を設ける。

この表示手段としては例えば絶縁被覆電線1Aと1B及び
1Cと1Dの被覆の色を同色或は同系色とし対であることを
表示させる。

つまり例えば一方の対を赤、他方の対を青のように一
目で対であることが解るように構成する。

尚対となる線の相互にもその違いを表示させる。例え
ば絶縁被覆電線1Aと1Bの絶縁被覆を赤色とした場合、一
方の被覆に例えば白色の線を描いて絶縁被覆電線1Aと1B
を区別できるように構成するか、又は対となる絶縁被覆
電線1Aと1B及び1Cと1Dの各絶縁被覆を赤と橙及び青と緑
のように同系色とすることにより対であることと、対の
中の相互の線の区別も表示することができる。

対とする絶縁被覆電線1Aと1B及び1Cと1Dの各一端に第
２図に示すようにドライバ3Aと3Bを接続し、他端側にレ
シーバ4Aと4Bを接続して論理信号伝送機器を構成する。

このように対角線位置にある絶縁被覆電線1Aと1B及び
1Cと1Dを対とし、この対となる絶縁被覆電線1Aと1B及び
1Cと1Dに差動的に変化する信号を供給することにより相
手の対に干渉を与えることなく、信号を伝送することが
できる。

その理由を第３図及び第４図を用いて説明する。第３
図に示すように一方の対をなす絶縁被覆電線1Aと1Bに差
動的に変化する信号Q,及びを与えたとすると、このと
き他方の対となる絶縁被覆電線1Cには第４図ＣとＤに示
すように逆極性の信号NSと▲▼が誘起され打消され
る。

つまり絶縁被覆電線1Aと1Cとの結合及び1Bと1Cとの結
合は互に１対１でほぼ等しい条件となる。

また他方の絶縁被覆電線1Dに対しても絶縁被覆電線1A
と1Bの結合条件は互に等しい。

よって絶縁被覆電線1Aと1Bに差動的に変化する信号Ｑ
とが与えられても、他方の対を構成する線1Cと1Dには
ノイズが全く発生しない。

また逆に絶縁被覆電線1Cと1Dに差動的に変化する信号
を与えた場合も、他方の対を構成する絶縁被覆電線1Aと
1Bには全くノイズが発生しないことになる。

従って二組のツイストペアケーブルが同一のシールド
被覆２の中に混在しても、互に相手の対に干渉を与える
ことなく信号を伝送することができる。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案によれば一つのシール
ド被覆２内に４本の絶縁被覆電線1A〜1Dを収納し、同一
のシールド被覆２内に２組のツイストペアケーブルを構
成したから従来の複合ツイストペアケーブルと比較して
構造が簡単であり製造が容易である。従って製造コスト
を安価にすることができる利得が得られる。然も従来と
同様に、２対のケーブルに伝送される論理信号間の相互
干渉は発生しなく、また外部より雑音の影響を受け難
く、かつ外部で雑音を放射しない。

また同一のシールド被覆２内に４本の絶縁被覆電線1A
〜1Dを収納した構造としたからケーブルの断面積を小さ
くすることができる。つまりケーブルを細く作ることが
できる。また全体として丸形断面形状となるから取扱い
が容易となる利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を説明するための断面図、
第２図はこの考案による複合ツイストペアケーブルから
成る論理信号伝送機器の実用状態を説明するための接続
図、第３図はこの考案による伝送機器において一つの伝
送信号が他の伝送信号に干渉を与えない理由を説明する
ための図、第４図はその波形図、第５図は従来の技術を
説明するための接続図、第６図は従来の複合ツイストペ
アケーブルの構造を説明するための断面図である。 1A〜1D:絶縁被覆電線、2:シールド被覆。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドライバの１対の出力端子から差動的に変
   化する論理信号を平衡伝送路を通じてレシーバの１対の
   入力端子へ伝送する機器であって、 ４本の絶縁被覆電線が撚り合され、その４本の絶縁被覆
   電線の外側にシールド被覆が形成された複合ツイストペ
   アケーブルが上記ドライバとレシーバとの間に設けら
   れ、 上記複合ツイストペアケーブルの一端面における４本の
   絶縁被覆電線を各頂点とする正方形の一方の対角線上の
   ２本の絶縁被覆電線に第１のドライバの一対の出力端子
   が接続され、他方の対角線上の２本の絶縁被覆電線に第
   ２のドライバの一対の出力端子が接続され、 上記複合ツイストペアケーブルの他端面における４本の
   絶縁被覆電線を各頂点とする正方形の一方の対角線上の
   ２本の絶縁被覆電線に第１のレシーバの一対の入力端子
   が接続され、他方の対角線上の２本の絶縁被覆電線に第
   ２のレシーバの一対の入力端子が接続され、 ていることを特徴とする論理信号伝送機器。