JP2530346Y2 - 城奥内の風格をあらわした人形飾り - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、城奥内に居住する奥方及び側近の婦人を
形象した小形の人形を配列した人形飾りであり、詳しく
は、城奥内の風格をあらわした人形飾りに関するもので
ある。

従来の技術 従来、江戸時代以前の城奥内に居住する奥方及び側近
の婦人を形象した小形の人形を配列し、城奥内の風格を
あらわした人形飾りの提供は、存在していない。

考案が解決しようとする課題 江戸時代の武家の女の正装の姿態は、株式会社学習研
究社1976年９月10日発行「新世紀大辞典」の96〜97頁間
の衣装の資料に記載されており美しいものであり、小形
の人形として四季を問わず室内を飾ると共に、城奥内の
風格を味わいたいものである。

この考案は、この課題に鑑みなされたものであり、そ
の目的とするところは、城奥内に居住する奥方及び側近
の婦人を形象した小形の人形を配列することにより、城
内の風格をあらわすようにして、四季を問わず飾ること
ができる城奥内の風格をあらわした人形飾りを提供する
ことにある。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、この考案の城奥内の風
格をあらわした人形飾りは、小形の奥方人形と、２以上
の小形の側近人形と、これらの奥方人形と側近人形を配
列するための少くとも１段以上の飾り段を具えた配列台
と、その配列台の最上段に展開設置する金屏風と、上記
の奥方人形と側近人形、配列台および金屏風を飾り付
け、透視可能の人形ケースとよりなる人形飾りにおい
て、楊枝の上端に和紙を巻き付けて頭部および首部を設
け、その頭部に髪体を装着し、千代紙または布地を折り
畳み肩部、襟元部および袖部を有する上衣を設け、前記
頭部に髪体を装着した楊枝に、その頭部を上方に突出さ
せて背方より上衣を被着し、千代紙または布地を袴形に
形成した前合せ部を前記上衣の前面に、その両側縁を内
側に貼着して奥方人形および側近人形の人形本体を設
け、この奥方人形および側近人形の人形本体に千代紙ま
たは布地により折り畳み作成した打ち掛け上衣を被装さ
せ、城奥内の風格をあらわした人形飾りよりなるもので
ある。

また、配列台は緋色の用紙または布地により施飾され
たものとしてもよいのである。

作用 この考案は、前述のように構成されるから、城奥内に
居住する奥方および１人以上の側近の婦人の城奥内の雰
囲気がよく現れるものである。

また配列台の緋色の施飾により人形の優雅さが一段と
向上するものである。

実施例 以下、この考案の実施例について、図面を参照しなが
ら説明すると、第１図は、この考案城奥内の風格をあら
わした人形飾り全体の正面外観図であって、1aは、奥方
人形で小形の紙人形であり、城奥内に居住する奥方を形
象し、特に王朝風の衣装を着用している。1bは側近人形
で、同じく小形の紙人形であり、奥方に付く側近の婦人
を形象している。２は、緋色の用紙により施された３段
の配列台であり、奥方人形1aは最上段に、側近人形1bは
その下の中段に２体が、最下段に２体がそれぞれ左右に
飾られている。３は、配列台２の最上段の奥方1aの後方
に展開して配設さえた金屏風である。４は、正面、左右
側面および平面をそれぞれ透明ガラス板を使用した高さ
約18糎、横幅約23糎、奥行約20糎の人形ケースである。

前記奥方人形1aおよび側近人形1bは、高さ約９糎、最
下底の裾部の横幅は約６糎である。この奥方人形1aおよ
び側近人形1bの構成は、第２図に示すように、楊枝ａの
上端に和紙を巻きつけて頭部ｂ及び首部ｃを設け、その
頭部ｂに紙飾りｄ′を有する髪体ｄを装着し、適宜裏打
ちをした千代紙または布地を前面側に折り畳み、肩部
ｅ、襟元部ｆおよび袖部ｇを形成した上衣５を設け、こ
の上衣５を前記髪体ｄを装着した楊枝ａに頭部ｂを上方
に突出させて背方より被着し、第３図に示すように、千
代紙または布地により折り畳み袴形に形成した前合せ部
ｈを前記上衣５の前面に、その両側縁を内側に貼着して
人形本体６を設け、第４図示すように、千代紙または布
地により適宜作成した打ち掛け上衣７を設け、この打ち
掛け上衣７を、第５図示すように、前記人形本体６で被
装させてなるものである。奥方人形1aは、側近人形1bと
構成上は同一であるが、第６図に示すように、上衣５お
よび前合せ部ｈの施飾模様を夫々変えて奥方上衣5a、奥
方前合せ部haとして奥方人形本体6aを設け、第７図に示
すように、打ち掛け上衣７の施飾模様を変えて奥方打ち
掛け上衣7aを設け、この奥方打ち掛け上衣7aを前記奥方
人形本体6aに被着して設けるものである。

考案の効果 この考案の人形飾りは、以上のようになるから、城奥
内の風格をあらわすことができるものであり、人形は小
形で、千代紙または布地を用いて製作が容易であり、人
形ケースも小形とすることができ、雛人形でないから、
四季を問わず飾り付けて城奥内の風格を味わうことがで
きる許りでなく、人形そのものの材料費は僅かである等
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例に係る城奥内の風格をあら
わした人形飾り全体の正面外観図、第２図は、この考案
の実施例に使用する奥方人形および側近人形の人形本体
を構成する、頭部、首部および上衣の構成説明正面図、
第３図は、同じく前合せ部の説明正面図、第４図は側近
人形の人形本体の正面図、第５図は側近人形の打ち掛け
上衣の正面図、第６図は奥方人形の人形本体の正面図、
第７図は奥方人形の打ち掛け上衣の正面図である。 1a…奥方人形、1b…側近人形、２…配列台、３…金屏
風、４…人形ケース、５…上衣、5a…奥方上衣、６…人
形本体、6a…奥方人形本体、７…打ち掛け上衣、7a…奥
方打ち掛け上衣、ａ…楊枝、ｂ…頭部、ｃ…首部、ｄ…
髪体、ｄ′…髪飾り、ｅ…肩部、ｆ…襟元部、ｇ…袖
部、ｈ…前合せ部、ha…奥方前合せ部。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−55964（ＪＰ，Ｕ) 株式会社狭山人形発行「昭和60年度狭 山人形総合カタログ」Ｐ．79（ひな人形 ケース入り）Ｐ．80（ひな人形ケース入 り)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】小形の奥方人形と、２以上の小形の側近人
   形と、これらの奥方人形と側近人形を配列するための少
   くとも１段以上の飾り段を具えた配列台と、その配列台
   の最上段に展開設置する金屏風と、上記の奥方人形と側
   近人形、配列台および金屏風を飾り付け、透視可能の人
   形ケースとよりなる人形飾りにおいて、楊枝の上端に和
   紙を巻き付けて頭部および首部を設け、その頭部に髪体
   を装着し、千代紙または布地を折り畳み肩部、襟元部お
   よび袖部を有する上衣を設け、前記頭部に髪体を装着し
   た楊枝に、その頭部を上方に突出させて背方より上衣を
   被着し、千代紙または布地を袴形に形成した前合せ部を
   前記上衣の前面に、その両側縁を内側に貼着して奥方人
   形および側近人形の人形本体を設け、この奥方人形およ
   び側近人形の人形本体に千代紙または布地により折り畳
   み作成した打ち掛け上衣を被装させ、城奥内の風格をあ
   らわした人形飾り。
2. 【請求項２】配列台は緋色の用紙または布地により施飾
   されたものであることを特徴とする請求項１記載の城奥
   内の風格をあらわした人形飾り。