JP2530315B2 - 浴槽水利用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、強制循環式風呂釜を備えた浴槽内の入浴後
の浴槽水を有効に利用する浴槽水利用装置に関するもの
である。

従来の技術 従来の強制循環式風呂釜のシステムは、たとえば第２
図に示すようなものであり、浴槽１と浴槽水を加熱する
ための熱交換器２は、往管路３と戻り管路４とで連結し
てある。往管路３と熱交換器２の間の器機本体内に循環
ポンプ５が設けられ、排水用栓６が、浴槽下面に取り付
けられており、浴槽１内の水（以下浴槽水とする）がさ
めてしまい再び沸かす場合や、あるいは最初から沸かす
場合つまり浴槽内に水があるときには、戻り管４より吸
い込まれた浴槽水は熱交換器２により加熱される。さら
に加熱された浴槽水は、循環ポンプ５により循環させら
れ往管路３を通過して浴槽１内に噴出させられる。強制
的に浴槽水を循環するため、浴槽水を均一な温度にする
ことができる。入浴後は、排水用栓６を開放し、浴槽水
を排水する。

発明が解決しようとする問題点 上記構成によれば、入浴後の浴槽水をたとえば、洗濯
に有効利用しようとすると、バケツなどで浴槽１より洗
濯器に、浴槽水を移動する必要があり、非常にめんどう
であった。そのため、入浴後の浴槽水は利用せずに捨て
られるケースが多かった。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明は、強制循環式
風呂釜の器機本体内に設けられた浴槽水を加熱する熱交
換器と、前記熱交換器と浴槽を連結する往管路および戻
り管路と、前記戻り管路の途中に、前記浴槽に隣接して
介装された浴槽水送給用の循環ポンプと、前記循環ポン
プよりも器機本体側の戻り管路の途中より分岐して設け
られた注湯用パイプと、前記分岐点の注湯用パイプ側お
よび熱交換器の戻り管路側にそれぞれ設けた第１および
第２の閉止弁を有し、前記第１および第２の閉止弁と循
環ポンプは、手動入力された注湯指示の電気信号を受け
て電気的に、第１の閉止弁が開放されるとともに第２の
閉止弁が閉止され、かつ循環ポンプが駆動される注湯状
態に切換えられる構成にしたものである。

作用 上記構成において、第１の閉止弁を開放するとともに
第２の閉止弁を閉止すれば、浴槽水を器機本体内の熱交
換器に送っていた循環ポンプを利用して、入浴後の浴槽
水を注湯用パイプを介して洗濯器などの利用系へと導く
ことができる。したがってこれまで、バケツなどで浴槽
より洗濯器へ移動していたものが、自動的に循環ポンプ
により浴槽水を洗濯器に移すことができるので、これま
での手間を省くとともに、従来入浴後捨てられることが
多かった浴槽水を有効に利用することができる。また、
浴槽水が熱交換器へ送られることなく注湯用パイプから
洗濯機等に給湯されるため、熱交換器の汚染が防止され
る。

実施例 以下、本発明の一実施例を、図面に基づいて説明す
る。なお、上記従来例と同一部分には同一符号を付して
詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。第
１図において、循環ポンプ５は、戻り管路４の途中で、
しかも浴槽１に隣接して介装されている。前記循環ポン
プ５よりも器機本体側の戻り管路４の途中より第１電磁
弁７を介装された注湯用パイプ８が分岐し洗濯器９へ導
かれており、注湯用パイプ８の分岐点8aよりも器機本体
側の戻り管路４に第２電磁弁10が介装されている。

以下、上記構成における作用について説明する。風呂
を沸かす場合、電気信号を与えて第２電磁弁10を開け
る。循環ポンプ５に吸い込まれた浴槽水は、戻り管路４
を通り、熱交換器２に注入し加熱され、さらに、往管路
３を通り再び浴槽１内に戻る。以上のことを繰り返しな
がら、沸き上げていく。この時、第１電磁弁７は閉じて
いるために注湯用パイプ８には浴槽水は流れない。ま
た、循環ポンプ５により強制的に浴槽水を循環するため
に浴槽水を均一な温度にすることができる。

入浴後、浴槽水を利用するためには、電気信号を循環
ポンプ５と第１電磁弁７に与え第１電磁弁７を開くとと
もに循環ポンプ５を作動させて、浴槽水を注湯用パイプ
８を通り洗濯器９へと導く。この時、第２電磁弁10は閉
じているために器機本体側に流れることはない。また、
循環ポンプ５を利用して強制的に浴槽水を吸い上げてい
るために、浴槽１よりも高い位置にある洗濯器９へも注
湯することができる。そして、洗濯器９に備え付けられ
ている水位センサー（図示せず）により適当な水位にな
ったら循環ポンプ５と第１電磁弁７を止める。

また、第１電磁弁７と第２電磁弁10の替わりに、戻り
管路４と注湯用パイプ８の分岐点8aに、電磁式３方弁を
取り付けて、浴槽水の流れを変えてもよい。

また、戻り管路４を浴槽１の下面に取り付けることに
より浴槽水を最後まで利用できる。

発明の効果 以上述べたごとく本発明によれば、第１および第２の
閉止弁の切換えと循環ポンプの駆動を電気信号によって
行うようにしたため、給湯回路の手動切換えが不要にな
り、切換えの失敗をなくせるだけでなく残り湯を自動的
に洗濯機等に導くことができて操作性が向上する。ま
た、入浴翌日等の汚れた浴槽水を給湯するときも、浴槽
水は熱交換器を通らないので熱交換器が汚染されること
はなく、次回入浴水の汚染が防止されて衛生的である。
しかも、熱交換器におけるゴミや髪の毛の詰まりが減少
するので、追い焚きの流量が減少したり、あるいは洗濯
機への注水ができなくなる、といった不都合を防止する
ことができる。さらに、熱交換器を経由しないため通路
の抵抗が少なく、能力の小さなポンプにて洗濯機への注
湯が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の浴槽水利用装置の全体構成
図、第２図は従来の強制循環式風呂釜の全体構成図であ
る。 １……浴槽、２……熱交換器、３……往管路、４……戻
り管路、５……循環ポンプ、７……第１電磁弁、８……
注湯用パイプ、8a……分岐点、10……第２電磁弁

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】強制循環式風呂釜の器機本体内に設けられ
   た浴槽水を加熱する熱交換器と、前記熱交換器と浴槽を
   連結する往管路および戻り管路と、前記戻り管路の途中
   に、前記浴槽に隣接して介装された浴槽水送給用の循環
   ポンプと、前記循環ポンプよりも器機本体側の戻り管路
   の途中より分岐して設けられた注湯用パイプと、前記分
   岐点の注湯用パイプ側および熱交換器の戻り管路側にそ
   れぞれ設けた第１および第２の閉止弁を有し、前記第１
   および第２の閉止弁と循環ポンプは、手動入力された注
   湯指示の電気信号を受けて電気的に、第１の閉止弁が開
   放されるとともに第２の閉止弁が閉止され、かつ循環ポ
   ンプが駆動される注湯状態に切換えられるよう構成され
   たことを特徴とする浴槽水利用装置。
2. 【請求項２】閉止弁を分岐点に設けた３方弁で構成した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浴槽水利
   用装置。
3. 【請求項３】戻り管路開口部を浴槽底面近傍に設けたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浴槽水利用
   装置。