JP2529962Y2 - 車両用圧縮空気圧力源システム - Google Patents

車両用圧縮空気圧力源システム

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JP2529962Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この考案は、車両に取付けられ、その車両に対して圧
縮空気を提供する車両用圧縮空気圧力源システムに関
し、たとえばエアブレーキ装置等の車両の空圧機器に有
効に利用することができる技術に関する。
【従来の技術およびその問題点】
この種の車両用圧縮空気圧力源システムは、基本的
に、圧縮空気の供給源となるエアコンプレッサと、エア
コンプレッサから供給される圧縮空気を乾燥させるエア
ドライヤと、エアドライヤで乾燥された圧縮空気を貯え
るエアタンクとを備えている。そして、エアドライヤの
中の乾燥剤として、通例、再生可能なものを用いる。し
たがって、この圧力源システムには、乾燥剤の再生手段
も含まれる。再生手段を構成するのは、エアコンプレッ
サの作動を無効とするアンロード信号を出力するガバ
ナ、および、ガバナからのアンロード信号を受け、乾燥
剤に通じる部分をエアドライヤの外部に連通させるドレ
ンバルブである。 この圧力源システムには、また、多くの場合オイルミ
ストセパレータ手段が付加される。オイルミストセパレ
ータ手段は、エアコンプレッサからエアドライヤに入り
込むオイルあるいはオイルミストを除去する手段であ
る。この手段としては、エアコンプレッサとエアドライ
ヤとの間に配置したオイルミストセパレータ機器(実開
平1−84725号や実開平1−114025号の各公報参照)、
あるいは、エアドライヤの内部に配置したオイルミスト
セパレータ機構(実開平2−112319号の公報参照)など
がある。 しかし、いずれの圧力源システムでも、乾燥剤に通じ
る部分に溜まるドレンは、乾燥剤を再生するパージ時
に、ドレンバルブを通して外部に排出されるようになっ
ている。そのため、たとえば車両を食品工場など、衛生
に注意を要するような所に乗り入れた際、パージ動作が
行われると、ドレンにより床が汚染されるなど衛生上好
ましくない事態を生じてしまう。 そこで、そうした事態を回避するため、実開平1−15
6729号の公報が示すように、運転者の操作により、ドレ
ンバルブへアンロード信号が伝達されないように制御す
る切換え弁を含む機構を設け、パージ動作ができないよ
うにしたり、あるいは、運転者の操作によりドレンタン
クの仕切り弁を閉じ、パージ動作がなされてもドレンが
外部に飛散しないようにすることが考えられる。 しかしながら、そうした場合、運転者が戻しの操作を
忘れてしまうと、通常のパージ動作がいつまでもなされ
ないという問題、あるいは、大量のドレンがドレンタン
クの中に溜まってしまうという問題が生じるおそれがあ
る。
【考案の目的】
この考案の目的は、運転者が戻しの操作を忘れた場合
でも、車両の走行速度の上昇に応じて、強制的に通常の
パージ動作が行われる状態に復帰させるようにした技術
を提供することにある。
【考案の概要】
この考案では、車両の速度が所定値以下のときには運
転者の切換え操作に応じてドレンバルブに対するアンロ
ード信号の伝達を断続可能に作動し、また、車両の速度
が所定値以上になると前記切換え操作にかかわらずドレ
ンバルブに対するアンロード信号の伝達を許容する制御
装置を設けるようにしている。 また、この考案は、ドレンタンクを備えたものにも適
用することができ、その場合には、乾燥剤に通じる部分
をドレンタンクからは遮断して大気に連通させる第1切
換え位置と前記乾燥剤に通じる部分を大気からは遮断し
てドレンタンクに連通させる第2切換え位置とを有する
切換え弁を含み、車両の速度が所定値以下のときには運
転者の切換え操作に応じて切換え弁が各切換え位置に切
換わり可能とし、車両の速度が所定値以上になると切換
え操作にかかわらず切換え弁が第2切換え位置をとるこ
とを禁止する制御装置を設ける。 いずれの場合でも、車両の速度の上昇に応じて、戻し
の操作のいかんにかかわらずパージ動作ができるように
なる。車両の速度の所定値は、たとえば構内走行時の制
限速度より少し速い20km/hに設定する。それによって、
構内から外に出て車両の速度を上げたときに、パージ動
作が行われる状態に強制的に復帰させることができる。
【実施例】
第1の実施例……第1図 空気圧を発生する機器として、エアコンプレッサ10が
ある。エアコンプレッサ10の吐出口10aは、エアドライ
ヤ20の入口20iに連絡している。エアドライヤ20は、ド
ライヤ部22とパージタンク24とが一体となったタイプで
ある。エアドライヤ20のドライヤ部22の内部に、再生可
能な乾燥剤21があり、入口20iから入る圧縮空気は乾燥
剤21によって乾燥され、パージタンク24側に流れる。パ
ージタンク24の部分にエアドライヤ20の出口20oがあ
る。乾燥された圧縮空気は、その出口20oから逆止弁25
を通してエアタンク30に至る。エアタンク30は、乾燥し
た圧縮空気を貯え、車両のエアブレーキ機器などの空圧
機器にその圧縮空気を供給する。 エアタンク30には、その中のエア圧を一定範囲に保つ
ためのガバナ40が設けられている。ガバナ40は、エアタ
ンク30内の圧力が所定の上限値(たとえば8kg/cm2)に
達した後所定の下限値(たとえば6kg/cm2)に低下する
までアンロード信号を出力する。エア圧であるアンロー
ド信号は、エアコンプレッサ10のアンローダポート10b
に連絡し、その信号が出力される間、エアコンプレッサ
10の作動を無効とする。また、このアンロード信号は、
エアドライヤ20の下部のドレンバルブ50の制御ポート50
cに加わるようになっている。アンロード信号を受ける
と、ドレンバルブ50は開き、ドライヤ部22の入口20iに
通じる部分を外部に連通させ、溜まったドレンを排出す
る。 ここでは、ガバナ40からドレンバルブ50の制御ポート
50cに通じる配管の途中に、電磁切換え弁60を設けてい
る。電磁切換え弁60は2位置弁であり、通常は連通位置
Aにあるが、ソレノイド60aに制御の電気信号が加わる
と、遮断位置Bに切換わる。連通位置Aでは、前記アン
ロード信号によってドレンバルブ50を開くことができる
が、遮断位置Bでは、ドレンバルブ50を開くことができ
ない。 この電磁切換え弁60の制御系には、電源のバッテリ70
のほか、切換え操作のためのオン−オフスイッチ72、車
速信号を受けるリレー74、およびオンあるいはオフの状
態を表示するインジケータ76がある。 車速が所定値以上であると、リレー74は開となってお
り、電磁切換え弁60は連通位置Aをとる。したがって、
ガバナ40からのアンロード信号を受けて、ドレンバルブ
50は開き、通常のパージ動作(ドレンの排出)が行われ
る。 一方、車速が所定値以下になると、車速信号によりリ
レー74が閉じる。この状態でスイッチ72をオンすると、
電磁切換え弁60が遮断位置Bに切換わり、インジケータ
76が点灯する。こうしたとき、アンロード信号が発生し
てもドレンバルブ50は閉じたままであり、パージ動作は
行われない。アンロード信号の発生中に、スイッチ72が
オンされたときには、ドレンバルブ50側の制御圧が排気
されてドレンバルブ50は閉じる。 この後、スイッチ72をオフすると、電磁切換え弁60は
元の連通位置Aに戻り、通常のパージ動作が行われるよ
うになる。この場合、スイッチ72をオフすることを忘れ
たとしても、車速が所定値以上になるとリレー74が開
き、電磁切換え弁60は連通位置Aに戻り、通常のパージ
動作が行われる。 第2の実施例……第2図 この例では、ドレンバルブ50の排出部分にドレンタン
ク80がある。第1の実施例の電磁切換え弁60に相応する
切換え弁600は、ドレンバルブ50とドレンタンク80とを
結ぶ配管の途中にある。そして、ドレンタンク80の排出
部分に遮断弁90が設けられている。切換え弁600は、通
常はドレンタンク80からは遮断し大気と連通させる第1
切換え位置Cにあるが、制御信号が加わると、大気から
は遮断しドレンタンク80に連通させる第2切換え位置D
に切換わる。また、遮断弁90の方は、通常はドレンを外
部に排出することができる開位置Eにあるが、ソレノイ
ド90cに制御信号が加わると、ドレンの排出ができない
閉位置Fに切換わる。 車速が所定値以上では、リレー74が開により、切換え
弁600は第1切換え位置C、遮断弁90は開位置Eにあ
る。したがって、アンロード信号に応じてドレンバルブ
50が開くと、切換え弁600を通してドレンは大気に排出
される。 また、車速が一定値以下になると、車速信号によりリ
レー74が閉じるので、その状態でスイッチ72をオンする
と、切換え弁600は第2切換え位置D、遮断弁90は閉位
置Fに切換わり、インジケータ76が点灯する。こうした
とき、アンロード信号に応じてドレンバルブ50が開く
と、ドレンは切換え弁600を通してドレンタンク80に流
れて、そこに溜められる。圧力はドレンタンク80に設け
たブリーザ85を通して解放される。 スイッチ72がオフ、あるいはオンのまま車速が所定値
以上になると、切換え弁600は第1切換え位置C、遮断
弁90は開位置Fに戻り、ドレンタンク80に溜まったドレ
ンは大気に排出される。また、車速が所定値以上では、
前記と同様に、パージ動作が行われるようになる。 なお、この考案は、いろいろな形態の車両用圧縮空気
圧力源システムに広く適用することができるのは勿論の
こと、いろいろな変形を施すことができる。実施例のい
くつかは、次のとおりである。 (1)ドレンバルブ50自体を電磁型とした場合、アンロ
ード信号は電気信号である。その電気信号の伝達経路
に、前記スイッチ72およびリレー74に相当するものを配
置するようにすることができる。 (2)第2の実施例において、3方3位置型の電磁弁を
用いることによって、切換え弁600とドレンバルブ50と
を一つの弁とすることができる。また、ドレンタンク80
の遮断弁90の方は、切換え弁600と必ずしも連動させる
必要はない。遮断弁90を別に任意に開閉可能とし、溜ま
ったドレンを特定の所で排出できるようにすることもで
きる。 (3)切換え操作用のスイッチとして、自動復帰式のも
のを作動用、解除用それぞれ一つずつ設け、作動用スイ
ッチをフリップフロップのセット端子に、また、解除用
スイッチと車速信号とをオアゲートを通してフリップフ
ロップのリセット端子に接続するようにすることもでき
る。その場合でも、前記した各実施例と同様の制御を行
うことができる。 (4)車速信号(車両の速度信号)は、車両の速度計か
ら導くほか、アンチスキッド制御の車速センサを利用し
たり、あるいは、車速表示灯(トラック等でフロントウ
インドの上部の設けられる3つの緑色のランプ)の1つ
目のランプを点灯させる信号を利用するなど、いろいろ
な車速に関連した信号を用いることができる。
【考案の効果】
この考案によれば、ドレンの排出が可能な状態と不可
能な状態とに切換える手動の操作スイッチを、運転者が
たとえ戻し忘れたとしても、車速の上昇に応じて強制的
に通常のパージ動作が行われる状態に復帰させることが
できる。しかも、車速に応じて、制御状態を変えている
ので、食品工場などの構内を走るような低速走行の場合
には、操作スイッチによってドレンが外部に排出されな
いようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案の第1の実施例を示すシステム全体
図、そして、 第2図は、この考案の第2の実施例を示すシステムの部
分図である。 10……エアコンプレッサ、20……エアドライヤ、20i…
…入口、20o……出口、21……乾燥剤、30……エアタン
ク、40……ガバナ、50……ドレンバルブ、60……電磁切
換え弁、72……スイッチ、74……リレー、80……ドレン
タンク、600……切換え弁、90……遮断弁。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に取付けられ、その車両に対して圧縮
    空気を提供する車両用圧縮空気圧力源システムであっ
    て、再生可能な乾燥剤を入口と出口との間に収容したエ
    アドライヤと、前記入口に接続されて圧縮空気を供給す
    るエアコンプレッサと、前記出口に接続されて前記乾燥
    剤により乾燥された圧縮空気を貯えるエアタンクと、該
    エアタンク内の圧力が所定の上限値に達した後所定の下
    限値に低下するまで前記エアコンプレッサの作動を無効
    とするアンロード信号を出力するガバナと、前記アンロ
    ード信号を受けると前記乾燥剤の前記入口側を前記エア
    ドライヤの外部に連通させるドレンバルブとを備えた車
    両用圧縮空気圧力源システムにおいて、前記車両の速度
    が所定値以下のときには運転者の切換え操作に応じて前
    記ドレンバルブに対する前記アンロード信号の伝達を断
    続可能に作動し、前記車両の速度が所定値以上になると
    前記切換え操作にかかわらず前記ドレンバルブに対する
    前記アンロード信号の伝達を許容する制御装置を設けた
    車両用圧縮空気圧力源システム。
  2. 【請求項2】車両に取付けられ、その車両に対して圧縮
    空気を提供する車両用圧縮空気圧力源システムであっ
    て、再生可能な乾燥剤を入口と出口との間に収容したエ
    アドライヤと、前記入口に接続されて圧縮空気を供給す
    るエアコンプレッサと、前記出口に接続されて前記乾燥
    剤により乾燥された圧縮空気を貯えるエアタンクと、該
    エアタンク内の圧力が所定の上限値に達した後所定の下
    限値に低下するまで前記エアコンプレッサの作動を無効
    とするアンロード信号を出力するガバナと、前記アンロ
    ード信号を受けると前記乾燥剤の前記入口側を前記エア
    ドライヤの外部に連通させるドレンバルブと、該ドレン
    バルブを介して前記乾燥剤の前記入口側に接続されるド
    レンタンクとを備えた車両用圧縮空気圧力源システムに
    おいて、前記乾燥剤の前記入口側を前記ドレンタンクか
    らは遮断して大気に連通させる第1切換え位置と前記乾
    燥剤の前記入口側を大気からは遮断して前記ドレンタン
    クに連通させる第2切換え位置とを有する切換え弁を含
    み、前記車両の速度が所定値以下のときには運転者の切
    換え操作に応じて前記切換え弁が前記各切換え位置に切
    換わり可能とし、前記車両の速度が所定値以上になると
    前記切換え操作にかかわらず前記切換え弁が前記第2切
    換え位置をとることを禁止する制御装置を設けた車両用
    圧縮空気圧力源システム。
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